各地ダムの情報
有識者会議の運営を問題視 議員連盟(2012年10月13日)
有識者会議の運営を問題視( 八ッ場で議連(上毛新聞 2012年10月13日)
民主党などの「八ッ場ダム等の地元住民の生活再建を考える議員連盟」(会長・川内博史衆院議員)は12日、国会内で総会を開き、
八ッ場ダムの予算執行の条件とされる利根川水系の河川整備計画の進捗状況などについて、国土交通省職員からヒアリングした。
同省職員の説明に対し、出席議員の多くが有識者会議の日程の感覚が短く、委員の出席率が低いことなどを批判。
議事録が作成されないままに次の会議が開かれている点など、根本的な会議運営の在り方を問題視する意見が相次いだ。
議連事務局長の初鹿明博衆院議員は、再開された有識者会議が、利根川と江戸川の河川整備計画を策定するための会議であるのに対し、
官房長官裁定では「利根川水系」全体の河川整備計画の策定を予算執行の条件としていると指摘。今後、利根川支流の河川整備計画についても、
順次策定していかなければ予算執行は認めるべきではないと主張した。
これを受け、議連として官房長官と国交相に対し、裁定に示された「利根川水系の河川整備計画」が水系全体を指すことを確認し、
支流を含めた計画策定の必要性を申し入れることを決めた。
川辺川ダム中止表明3年 五木村再建道半ば(西日本新聞朝刊 2012年10月12日)
川辺川ダム中止表明3年 五木村再建道半ば (西日本新聞朝刊 2012年10月12日)
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/328656
(写真)川辺川ダム計画の水没予定地をまたいで架かる頭地大橋。来年3月に開通する=熊本県五木村
本県で荒瀬ダムの撤去工事が本格化する一方、同じ球磨川水系で、半世紀近く川辺川ダム計画に翻弄(ほんろう)されてきた同県五木村の再建は道半ばだ。
民主党政権のダム建設中止表明から3年。村は11日、ダム建設で水没する予定だった土地の活用策を探る有識者委員会を立ち上げたが、現行法の制約があり、具体化へのハードルは高い。
「水没地活用は村の振興にとって最重要課題。できるものから着手したい」。村役場での「水没予定地暫定利活用検討委員会」(委員長・内山督(おさむ)熊本大名誉教授、10人)の初会合。委員でもある和田拓也村長が訴えた。
検討委の設置は昨年6月の国、県、村による「3者合意」に基づく。国が買収した水没予定地約244ヘクタールのうち、学校や商店があった旧村中心部の平地20~30ヘクタールを対象に上物の整備を計画する。
検討委の名に「暫定」と付くのは、ダム計画が法的にはまだ生きていて、土地が「河川区域」と見なされ、村が自由に使えないからだ。河川法によると、一帯でのコンクリート構造物の建設は、川の流れを阻害するという理由で制限される。
検討委では、昔の村の風景を再現した親水公園やキャンプ場、農産物加工場など、村民や議会から寄せられた約40項目の活用案が示された。
検討委が今後、これらを踏まえて議論を進めるのと並行して、村は工作物などがどこまで認められるか国と協議を進める。
年度内に一定の方向性をまとめ、2013年度中の一部着工を目指す考えだ。ただ、村の担当者は「国と協議する中で、造りたくても造れない物が出てくることもあり得る」と懸念する。
ダム建設を中止した地域を対象に、国が買収した土地を自治体に無償譲与し、生活再建を支援する動きはあった。
五木村をモデルにした「ダム事業廃止特定地域振興特別措置法案」がそれだ。
しかし、法案は先の通常国会で審議入りしないまま、継続審議とされている。事実上たなざらしの状態で、次の衆院選で民主党が政権を失えば、廃案になる恐れさえある。
村の人口は約1300人。試算では20年には千人を割り込む。和田村長は「特措法を待つ時間はない。今は現行法でできることを確実に進めるしかない」と話した。
▼川辺川ダム
国土交通省が熊本県南部を流れる川辺川に計画する治水ダム。1966年の計画発表以来、反対運動が続き、2008年に蒲島郁夫知事が建設反対を表明。
09年9月には前原誠司国交相(当時)が中止を表明した。国は、五木村の水没予定地をまたぐ頭地大橋の建設など関連事業を継続し、法的にはダム計画の廃止手続きは取られていない。
国、県、村は昨年の「3者合意」で、交付金などの現行制度を活用して村の生活再建を進めることで一致。
県は村に総額50億円の財政支援をし、国は買収した水没予定地の利活用に村の提案を受けることなどを決めた。ダムに代わる治水策は、国と県、流域12市町村が検討中だが3月の実務者協議以降動きはない。
川上ダム建設の是非再検証 関係自治体から意見聞く(伊賀タウン情報2012年10月2日)
川上ダム建設の是非再検証 関係自治体から意見聞く(伊賀タウン情報2012年10月2日)http://www.iga-younet.co.jp/news1/2012/10/post-1.html
国土交通省近畿地方整備局や伊賀市を始め関係自治体などが、同市内に計画中の川上ダムについて、建設の是非を再検証する検討会が10月1日、同市阿保の青山ホールで開かれた。
この日は、同整備局と水資源機構側が、川上ダム建設に頼らないで効果が見込める選択肢として、上野遊水地の掘削や高山ダム(京都府南山城村)のかさ上げを含む13案を提示。更に、既設ダムの堆砂除去のための代替補給対策12案、流水の正常な機能維持対策8案なども示された。
参加者の一人、三重県地域連携部の藤本和弘部長は「ダム建設が遅れることで、地元の負担も大きくなっている。利水の案が出たが、非現実的なものも多い。いたずらに長引かせ、市民と地域に犠牲と不安を募らせるのではなく、スピード感をもって進めてほしい」と述べた。
検討会は2011年1月から開いていて、今回で3回目。今後、治水・利水の有力な代替案について評価を行った後、ダム建設事業の継続か中止について判断する。
最上小国川ダム:県公金支出停止求める住民訴訟(2012年09月26日)
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最上小国川ダム:県公金支出停止求める住民訴訟 (毎日新聞山形版 2012年09月26日)
http://mainichi.jp/area/yamagata/news/20120926ddlk06010021000c.html
県が最上町に建設を計画している穴あきダム「最上小国川ダム」を巡り、市民団体「最上小国川の清流を守る会」の会員17人が25日、県を相手取りダム建設にかかわる公金の支出差し止めと支出済みの公金返還を求める住民訴訟を山形地裁に起こした。
訴状によると、「穴あきダム20+件」は、最上小国川流域の同町赤倉地区の洪水の防止を目的に91年から県が予備調査を始めた。
原告側は、同地区の洪水被害は、水はけが悪化して建物や土地が水につかる内水被害が主で、防止するにはダムは無力。河道改修が適切に洪水を防げると指摘。
さらに、無意味なダム建設で自然環境に悪影響を及ぼすなどとして、河川法に違反すると主張。違法なダム建設のための公金支出は地方自治法と地方財政法に違反するとしている。
吉村美栄子知事は「訴状が届いていないのでコメントを差し控える。訴状が届き次第、適切に対処したい」としている。同市民団体は、公金を支出しないことを求めて県監査委員に住民監査請求を行ったが、8月27日に請求を棄却されていた。【前田洋平】
八ツ場ダム 水没予定地 国交省 影響恐れ調査後ろ向き 貴重な遺跡が多数(2012年9月23日)
八ツ場ダム 水没予定地 国交省 影響恐れ調査後ろ向き 貴重な遺跡が多数(しんぶん赤旗2012年9月23日)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-09-23/2012092315_01_1.html
民主党・野田内閣が昨年12月に事業再開を表明した八ツ場ダム(群馬県長野原町)の水没予定地から多数の遺跡が見つかったものの、
国土交通省が調査費用を渋るなど消極的な対応をしていることを22日、「八ツ場あしたの会」が群馬県高崎市で開いたシンポジウムで、明らかにしました。
国交省側の対応は、遺跡の追加調査や保存を工事の妨げとしか見ない、“ダム建設ありき”の姿勢を示すものです。
シンポで明らかに
(写真)シンポジウムで発言する(左から)渡辺、川村晃生慶応大名誉教授、勅使河原、森の各氏=22日、高崎市
報告した「八ツ場あしたの会」の渡辺洋子さんによると、ダムが完成した場合に全水没または一部水没の5地区から48遺跡が見つかっているとしています。
遺跡は縄文時代の大集落や天明3年(1783年)の浅間山大噴火で泥流に埋まった屋敷など。特に江戸時代の「東宮遺跡」は、泥流発生の混乱と山村の豊かな暮らしを示すものとして注目が集まっています。こうした貴重な遺跡は、ダム関連工事で今も見つかっているといいます。
「あしたの会」が入手した群馬県の資料によると、県側は2015年度末までの埋蔵文化財調査費を総額130億円と積算していました。
ところが国交省側は「98億円を超えた協定の変更はできない」と突っぱねたことが2007年の県資料には記録されています。
当初は約57万平方メートルとした調査面積が、関連工事で遺跡の発見が相次ぎ、約136万平方メートルに倍加。少ない予算に県の教育委員会側が苦労する様子がかかれています。
また文書によると、東宮遺跡を「江戸時代の遺跡」として、積極的に展示しようとする県などに対し、「(ダム工事事務所)所長に伺っているが、良い返事はない」と国側が難色を示していました。
地域の財産生かし再建を
シンポでは、考古学者の勅使河原(てしがわら)彰さんが「岩手県陸前高田市では、『文化財の残らない復興などありえない』と、高台にある遺跡保護に市職員ががんばっている
。地域の歴史やアイデンティティーを大切にしてこそ、真の復興になる」と発言。作家の森まゆみさんは「国交省が考えるダム湖観光はあまり成功がみこめない。
地域に元々あるものが街づくりの核になる。これだけの財産があるのに、壊しダムに沈めることは問題だ」とのべました。
第2部では、日本共産党の伊藤祐司群馬県議、地質専門家の中山俊雄さん、全国のダム問題に詳しい嶋津暉之さんが討論。
伊藤県議は「建設予定地の生活再建には、ダム建設ではなく、地元の川原湯温泉を生かし、自然を生かし、文化財を生かすことが一番の早道」とのべました。
シンポは文化財保存全国協議会などが後援。200人近い市民が発言に聞き入りました。
同ダムをめぐっては、本体工事のための条件として、藤村官房長官が示した「利根川河川整備計画」の策定が進んでおらず、工事は進んでいません。
八ッ場の遺跡保存を ダム建設中止 シンポで訴え(上毛新聞 2012年9月23日)
八ッ場ダム(長野原町)建設予定地で発見された埋蔵文化財の重要性を伝えるシンポジウムが22日、高崎市の高崎シティギャラリーで開かれた。約200人の聴衆を前に、専門家らが縄文~江戸時代の遺跡を紹介、ダム建設を中止し、遺跡保存や観光面での活用を訴えた。 県教育委員会によると、建設予定地周辺には70近い遺跡がある。天明3(1783)年の浅間山大噴火で発生した泥流に埋もれ、当時の生活をそのまま伝える東宮遺跡や、縄文時代に山間地で定住生活が行われていたことを示す楡木Ⅱ遺跡などが発見されている。 パネリストを務めた考古学者の勅使河原彰さんは東宮遺跡について「泥流の下に当時の生活がパックされリアルに復元できる。非常に重要だ」と指摘。ほかにも多くの遺跡があることに触れ「全部を博物館にしたい」と価値を強調した。作家の森まゆみさんは「遺跡をむやみに壊すことは許されない」と述べた。 シンポジウムは市民団体「八ッ場あしたの会」が主催。事務局長の渡辺洋子さんは観光振興について「ダム湖観光は実現性がない。地域の本来の力を生かし、歴史遺産を活用する道を考えるべきだ」と話した。