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流水型ダム案510億円 工期13年試算(城原川ダム)

2015年9月10日
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9月1日、城原川ダムについて国土交通省と流域自治体が協議する「検討の場」の第2回会合開催

報道から、治水代替案よりダム案を安くして、ダム案を選択するという筋書きが見えています。
第2回「検討の場」の会議で配布された資料が九州地方整備局のHPに掲載されています。
以下、配付資料です。

 第2回「検討の場」の会議で配布された資料

  参考:九州地方整備局
~城原川ダム事業の検証に係る検討について~
http://www.qsr.mlit.go.jp/n-kawa/kensyo/05-jyoubarugawa/kensyo-jyoubarugawa.html

 ダム事業の点検: http://www.qsr.mlit.go.jp/n-kawa/kensyo/05-jyoubarugawa/150901-dainikai-kentounoba(jyoubarugawa)/4siryou3-dai2kai-jyoubarugawa.pdf 、

 パブコメに対する国交省の見解:http://www.qsr.mlit.go.jp/n-kawa/kensyo/05-jyoubarugawa/150901-dainikai-kentounoba(jyoubarugawa)/6siryou5-dai2kai-jyoubarugawa.pdf 、

治水対策案の比較: http://www.qsr.mlit.go.jp/n-kawa/kensyo/05-jyoubarugawa/150901-dainikai-kentounoba(jyoubarugawa)/7siryou5-dai2kai-jyoubarugawa.pdf 、

 ダム事業費の点検: http://www.qsr.mlit.go.jp/n-kawa/kensyo/05-jyoubarugawa/150901-dainikai-kentounoba(jyoubarugawa)/9sannkousiryou2-dai2kai-jyoubarugawa.pdf 、

 パブコメの個々の意見:http://www.qsr.mlit.go.jp/n-kawa/kensyo/05-jyoubarugawa/150901-dainikai-kentounoba(jyoubarugawa)/10sannkousiryou3-dai2kai-jyoubarugawa.pdf (20~35ページが嶋津暉之氏の意見)

治水計画の基本的な前提に関するパブコメの意見はほとんど無視されています。
このままでは、次回の会議でダム案がコスト的に有利であるとして、ダム案が妥当という結果になります。何とかしたものです。

マスコミ報道

流水型ダム案510億円 工期13年試算 城原川ダム「検討の場」で九地整
(佐賀新聞2015年09月02日 )http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/225232

(写真)城原川ダムをめぐり、国交省と流域自治体が協議する「検討の場」の第2回会合。流水型ダムの概算事業費が示された=1日午後、佐賀市の県教育会館

国の事業見直し対象になっている城原川ダム(神埼市)について、国土交通省九州地方整備局(九地整)と流域自治体が協議する「検討の場」の第2回会合が佐賀市で開かれた。

九地整は、検証の前提にしている流水型ダム(穴あきダム)の概算事業費が河道掘削を含めて510億円で、本体工事は着手から完成まで13年かかるという試算を示した。コストや実現性が重視される検証作業で、追加案を含む代替6案と比べて最も低い事業費を提示した。

事業主体の九地整が本体工事や測量設計、用地補償の費用を試算し、2016年度以降にかかるダム本体(高さ約60メートル)の総事業費は439億円と説明した。

九地整が03年に事業評価監視委員会に提示した貯留型ダム案(同約100メートル)と比べると、535億7千万円減額になり、工期が1年短縮されるとした。

自然放流する放流口は幅4・5メートル、高さ2・1メートルの1門を設ける。流木が放流口をふさがないように鋼製の金網などを設ける工事に約12億円を見込んでいる。

パブリックコメント(意見公募)を踏まえ検討に加えた代替案は、野越しや地役権を設定した遊水地などを組み合わせ、事業費は660億円。別の代替5案は700億円から610億円のコストを想定している。

検討の場には神埼市の松本茂幸市長、佐賀市の秀島敏行市長が出席し、佐賀県は和泉惠之県土づくり本部長が山口祥義知事の代理を務めた。質疑では「いち早く対策を進めてもらいたい」という意見が相次いだ。水没予定地や下流域の住民約30人が傍聴した。

次回の開催時期は決まっていない。九地整はダム案と代替案について、コストや安全度、地域社会への影響など七つの評価項目による検証を進める。次回はその結果と、最も優位とする案を示し、その後に流域住民や学識者らに意見を聴く見通し。 

城原川ダム事業見直し 比較論議が本格化 首長・地区住民「早く対応を」 市民団体「説明不足」
(佐賀新聞2015年09月02日 10時16分 )

 事業見直し対象の城原川ダム(神埼市)をめぐり、国交省が1日、「流水型ダム」の概算事業費510億円を示したことで、六つの代替案(610億~700億円)との比較論議が本格化した。

水没地区の住民や首長は流水型に理解を示す一方、流域住民は積算根拠などが説明不足と反発している。

 地元神埼市の松本茂幸市長は「安全面を考えれば大きい方(貯留型)がいいが、治水機能も同じなら、流水型で進めてもらいたい」と早急な対応を訴えた。

下流域となる佐賀市の秀島敏行市長は近年の異常気象による集中豪雨などを懸念し、「今のような膠着状態は避けるべき。現実的に早くできる方を選んだがいい。国が示した流水型案は妥当」と理解を示した。

 水没地区の住民でつくる城原川ダム対策委員会の眞島修会長(神埼市脊振町)も早期完工を望む。「今回、流水型の工期が貯留型より1年短い13年と示されたが、もっと早く完成させてほしいのが本音。40年以上待たされているのだから」と注文した。

 ダムによらない治水対策を訴える「城原川を考える会」の佐藤悦子代表(神埼市千代田町)は、代替案より100億~200億円下回る流水型の事業費に疑問を投げ掛ける。

「一番安いダム案にするという結論ありきではないか。ダムの形、事業費の計算式を示すべきだ」。追加の代替案も「私たちが訴えてきた平野全体で雨水を受け止める“流域治水”とは違う」と指摘し、国に再考を求める。

城原川ダム整備総事業費484億円 工期は13年程度
(読売新聞佐賀版2015年09月02日)http://www.yomiuri.co.jp/local/saga/news/20150901-OYTNT50204.htm

 l国土交通省が建設の是非を再検証している城原川ダム(神埼市)を巡り、国交省九州地方整備局は1日、洪水時のみに水をためる「流水型ダム」整備の場合、総事業費は約484億3000万円になると明らかにした。

 佐賀市で1日に開催された関係自治体が治水対策の方針などを協議する「検討の場」で示した。今後、河川改修などダム以外の治水対策6案と比較し、実現性などを検証する。

 今回示されたダムは高さ約60メートルで、総貯水容量355万立方メートル。工期は着手から13年程度を見込む。 

城原川ダム事業費示される
(佐賀テレビ2015/09/01 19:21)http://www.sagatv.co.jp/news/

ダム事業費は484億3000万円。国が建設の是非を再検証している神埼市の城原川ダムについて、関係する自治体と協議する2回目の「検討の場」が開かれダム建設の事業費や工期が示されたほか、首長らからは早期の治水対策や方針の決定を望む声が相次ぎました。

城原川ダム計画をめぐっては、予備調査が始まってから40年以上が経過していますが、政権交代などもありいまだ建設するかどうかの結論が出ていません。

この事業について協議する「検討の場」ではダムを建設する案と、ダム以外の治水対策案で被害軽減の効果やコストなどの面から評価検証することにしていて、前回5月の会合では洪水調節のみを目的とした「流水型ダム」で検証を進めていくことを確認しました。

2回目の今回は国や関係自治体の首長らが参加、流水型ダム建設の事業費や工期が示されました。事業費はすでに実施済みの分を含みおよそ484億3000万円。建設事業着手から完了までは13年程度を要すると見込まれています。

【神埼市松本市長】「(現計画より工期が短くなったことについて)1日も早く安全性を確保する立場からありがたい。もっともっと(工期を)短くしてほしい」

また事業検証に関するパブリックコメントについて、ダム以外の治水対策案のほかダム建設に賛成、反対の両方の立場からの意見などが寄せられたということです。

次回以降はダム案とパブリックコメントでの意見をあわせた、ダム以外の6つの治水対策案で比較検証を行っていくことになります。

城原川ダム:建設費、流水型で484億円 国が試算公開 /佐賀
(毎日新聞佐賀版 2015年09月02日)
http://mainichi.jp/area/saga/news/20150902ddlk41010263000c.html

 民主党政権時に見直し対象になった城原川ダム(神埼市)について、国土交通省九州地方整備局は1日、「流水型ダム」の建設事業費が約484億3000万円(これまでに実施済みの事業費含む)になるとの試算を明らかにした。

 同日にあった国と関係自治体による「検討の場」の2回目の会合で示した。

 5月にあった初会合で、九地整は、流水型ダムを前提に検証を進める姿勢を示している。

 2003年に事業評価監視委員会に提示した貯留型ダムの場合、総事業費は約1020億円とされており、流水型ダムに最終決定すればコストは半分弱に縮減される。

 工期については、建設事業着手からダム事業完了までに従来より1年短い13年程度を見込んだ。

 一方、九地整は5月の前回会合でダム以外の治水方策について、河道掘削▽遊水地▽一部が低くなった堤防「野越し」??などを組み合わせた5案を提示していた。今回は、5、6月に求めたパブリックコメントを反映した治水方策を1案追加し、計6案とした。

 6案は今後、安全度やコスト、持続性などの項目を評価して次回会合で提示し、流水型ダムと比較する予定だという。

 検討の場には、県、佐賀市、神埼市の関係者が出席した。【石井尚】

県が立ち入り調査断念 石木ダム、収用手続きは続行 [長崎県]

2015年9月8日
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石木ダム事業で、長崎県は7日、土地収用のため未買収地を測量する立ち入り調査を断念しました。その記事を掲載します。
そして、県は既存の資料を用いて調書を作り土地収用手続きを進める考えを示しました。
これに対して、地権者の岩下和雄さんは「私たちがここにいる限りダムはできない。県は事業認定を取り下げ、私たちと向き合って話をしてほしい」と述べ、徹底抗戦の姿勢を貫いています。
 地元住民は「私たちの衣食住を踏みにじってまでダムが必要か。古里を残すためなら命は惜しくなか」と、決死の覚悟でダム事業の白紙化を訴えっています。

県が立ち入り調査断念 石木ダム、収用手続きは続行 [長崎県]

(西日本新聞2015年09月08日) http://www.nishinippon.co.jp/nnp/nagasaki/article/193723
(写真)抗議を続ける地権者や支援者に、立ち入り調査の断念を告げる県石木ダム建設事務所の古川章所長(右)
抗議を続ける地権者や支援者に、立ち入り調査の断念を告げる県石木ダム建設事務所の古川章所長(右)
県と佐世保市が川棚町に計画する石木ダム事業で、県は7日、土地収用のため未買収地を測量する立ち入り調査を断念した。
県は2日から7日までの平日4日間、調査を予定していたが、最終日のこの日も地権者らの抗議で調査できなかった。
石木ダム建設事務所の古川章所長は「このような状況では土地、物件の調書作成は困難」と述べ、既存の資料を用いて調書を作り土地収用手続きを進める考えを明らかにした。
県は一部の未買収地の収用手続きを先行させていて、今回の調査対象はダムの水没予定地にある家屋や農地など残りの約9万平方メートル。
この日、県職員ら約80人が3ルートに分かれ調査に訪れたが、地権者らが横断幕やプラカードを掲げ立ち入りを阻止した。
取材に応じた地権者の岩下和雄さん(68)は「私たちがここにいる限りダムはできない。県は事業認定を取り下げ、私たちと向き合って話をしてほしい」と話した。

県が立ち入り断念 石木ダム

道路を塞いで、県の現地調査を阻む地権者ら(右側)

  (写真)道路を塞いで、県の現地調査を阻む地権者ら(右側)

県と佐世保市が川棚町に計画する石木ダム建設事業で、県は7日、2日から試みていた未買収用地(約9万平方メートル)への立ち入りを断念した。建設反対派の阻止行動を受けて着手できなかったもので、県は今後、別の手法で用地の調査を行う方針。

 県によると、今回の調査は、9世帯の家屋や公民館を含む未買収用地を収用するための裁決申請に向けた作業の一つで、補償額の算定に向け、土地の測量や家屋の構造などを調べる予定だった。

 この日、県職員や作業員らが、午前と午後の2回にわたり、3か所から立ち入りを試みた。しかし、反対地権者らが横断幕やプラカードを持って道路に立ちふさがって阻止した。その後、報道陣の取材に応じた県石木ダム建設事務所の古川章所長は「4日間で状況が変わらず、調査は断念した。他の知り得る情報を用いて調査していく」と語った。

 県はこれまでの収用手続きでも反対派の阻止で立ち入り調査ができなかったが、国土調査法に基づいて作成された図面を代用するなどして裁決申請した。今回も同様の手順をとるとみられる。

 反対地権者の岩下和雄さん(68)は「県の考えは強引すぎる。ダムをつくらせないという考えは変わらないので、まず私たちと向き合ってほしい」と話している。

石木ダム:県測量 反対派、3日連続阻止 「古里を残すために」 /長崎
(毎日新聞長崎版 2015年09月05日)http://mainichi.jp/area/nagasaki/news/20150905ddlk42010360000c.html

県と佐世保市が川棚町川原地区に計画中の石木ダム事業で、県は4日、反対地権者9世帯の宅地など建設用地約9万平方メートルの測量調査を試みたが、前日と前々日に続いて反対派の阻止行動を受け、着手を見送った。
調査期間(7日までの平日)が残り2日間となり、県側は県職員を9人増員。計84人で午前と午後の計2回、3ルートに分かれて調査対象地への進入を試みたが、いずれも待ち構える反対派に阻止され、断念した。
川原地区入り口に立つ反対派の監視小屋、通称「団結小屋」の前では、県側約10人と反対派約40人がにらみ合う中、地区に住む岩下すみ子さん(66)が「どがんしたらダムを止められますか。お願いですから断念して」と涙ながらに土下座し、県職員に懇願した。
さらに、収用手続きや県道付け替え工事を進める県の姿勢に対し「私たちの衣食住を踏みにじってまでダムが必要か。古里を残すためなら命は惜しくなか」と決死の覚悟でダム事業の白紙化を訴えた。【梅田啓祐】
〔長崎版〕

測量調査着手 再び見送り
(長崎新聞2015年 9月4日) http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150904-00010004-nagasaki-l42
(写真)強制収用反対を訴え、県職員(右)の立ち入りを阻む反対地権者ら=3日午前9時33分、川棚町
測量調査着手
長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画している石木ダム建設事業で、県は3日、反対地権者のうち9世帯の家屋と土地などの収用裁決申請に向けた測量調査のため現地に立ち入ろうとしたが、前日に続き地権者らの阻止行動を受け、見送った。
県は土日を除き7日まで調査を試みる。
県側は75人態勢で午前と午後の計2回、3ルートに分かれ調査区域(約9万平方メートル)に入ろうとした。
しかし、反対地権者らも約70人が3班に分かれルート上で待ち伏せ。県側の進入を許さなかった。
県石木ダム建設事務所(同町)の古川章所長は3日午前9時半ごろ、石木川下流域の通称「団結小屋」前で反対派と向き合い、「(前日の阻止行動で)皆さんの強い拒否の姿勢は認識した」と述べながらも、「法に基づく調査。最初の方針通り、7日までの調査をお願いします」と要請した。
反対地権者の代表格、岩下和雄さん(68)は「私たちは土地を取られないようにという思いが強い。絶対に入らせません」と宣言。
ほかの地権者からも「土地強奪のための調査だ」と批判する声が次々と起こり、古川所長らは約10分で引き返した。

石木ダム県調査できず 家屋含む予定地 地権者ら阻止
(読売新聞長崎版2015年09月03日)http://www.yomiuri.co.jp/local/nagasaki/news/20150902-OYTNT50142.html

(写真)横断幕やプラカードを持って、県の現地調査を阻止する地権者ら(奥)
横断幕やプラカードを持って、県の現地調査を阻止する地権者ら(奥)
県と佐世保市が川棚町に計画する石木ダム建設事業で、県は2日、未買収用地を新たに収用するための裁決申請に向け、ダム建設に反対する地権者の所有地への立ち入り調査を試みた。しかし、地権者や支援者の阻止行動を受け、この日の作業を断念。県は3日も調査を試みる方針だが、地権者側はこれまでと同様に阻止行動を続ける構えを示している。
県によると、今回の調査対象は、ダム建設に伴う水没予定地などの約9万平方メートルで、9世帯の家屋や公民館を含む。補償額を算定する目的で、土地の測量や家屋の構造などを調べる。
2日は、県職員や委託業者ら計75人が午前9時半頃に現地に到着し、3か所から用地に入ろうとした。しかし、地権者らが横断幕やプラカードを持って道路に立ちふさがった。
このため、県側は「事業を進める必要がある。正当な補償のため、調査をさせてほしい」と理解を求めたが、地権者側は「ダム建設に同意していない」と立ち入りを拒否。県側は午後も調査を試みたが、地権者らの阻止行動が続き、着手できなかった。
県は今回の調査期間を7日までとしており、県石木ダム建設事務所の古川章所長は「説得は難しいかもしれないが、県の方針通りに手続きを進める」としている。
一方、反対地権者の岩下和雄さん(68)は「ダムは必要ないという私たちの気持ちに県は応えていない。まずは話し合いをするのが先だ」と憤った。
同事業を巡っては、県が8月、県収用委員会の裁決に基づき、反対地権者の土地約5400平方メートルを収用。4世帯の家屋を含む別の3万平方メートルについても、同委員会が裁決手続きの開始を決定している。県はこれらの土地でも、地権者の反対で現地調査ができなかったため、国土調査法に基づいて作成された図面を代用するなどして同委員会に裁決申請した。

第3次収用裁決申請に向けた強制測量立入りを完全阻止(石木ダム)

2015年9月8日
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9月2日から7日にかけての長崎県による強制測量立入りを多くの仲間で完全に阻止しました。

今回の強制測量立入りは、第三次収用裁決申請手続きの一部です。
第一次 収用裁決は2015年6月22日に決定され、地権者が「石木ダム絶対反対、不要なダムに土地は絶対に明け渡さない」と明渡しを断固拒否していましたが、8月24日には4件の農地が収用されてしまいました。
長崎県が「話合い促進のための事業認定申請」としていたのはウソでした。長崎県は強制収用してしまったのです。
収用された、ということは、売買を拒否したにもかかわらず補償金が供託され、それの受け取りを拒否しているにもかかわらず、売買契約が成立した、と見なされています。
2015年6月22日には、住居四軒を含んだ30,800平方メートルの土地に対する第二次収用裁決申請がされています。その土地を収用するための収用委員会が10月7日と9日に開かれることも決まっています。そして今度は住居9軒を含めた残地すべてを奪い取るための測量です。
地権者の皆さんは長崎県に対する怒りが煮えたぎっています。
今回は共有地も収用の対象になっているので、共有地権者がこれまでの支援者の皆さんと共に、力を合わせました。

『否が応でも石木ダムに必要な物件は力ずくで奪い取る』は明らかに強盗行為です。この阻止行動で地権者の皆さんは「長崎県は強盗だ!強盗は帰れ!土地をかえせ!」と迫りました。長崎県職員は「法に則って行っている。強盗ではない。」と懸命に言い逃れをしていました。
この強盗行為を合法化するのが「事業認定申請」「事業認定」「収用裁決・明渡し裁決申請」「収用委員会審議」「収用裁決・明渡し裁決」「補償金供託」「権利移行」という土地収用法でした。

連日マスコミ各社が、長崎県の強権的やり方と「只ここに住み続けたいだけ」という地権者の皆さんと支援する皆さんの想いを対比させる形での報道をされました。

マスコミ各社の報道

201509強制測量阻止行動と行政批判記事

毎日新聞 川原のいま 3回連載分  

 

 

 

伊賀市でのシンポジウム及び水源連総会のご案内

今年の水源連総会は三重県伊賀市での「シンポジウム 美しい水を活かす伊賀の将来設計」の開催に合わせて 川上ダム問題に焦点をあてながら、下記のとおり、開催いたします。

添付のシンポジウムのチラシ1(10月31日)全国集会チラシ2参加費および申込み方法第22回総会参加申込書をご覧ください。

是非、ご参加ください。

☆ 10月31日(土)
シンポジウム 「美しい水を活かそう!伊賀の将来設計 ~未来のための選択」
水源連関係者は12時50分に近鉄青山町駅前集合(マイクロバス移動) 現地へのアクセスは添付のチラシ、参加費および申し込み方法をご参照ください。

シンポジウム 「美しい水を活かそう!伊賀の将来設計 ~未来のための選択」
日時 10月31日(土) 午後1時30分~5時 (開場 午後1時)

場所 伊賀市青山福祉センター 教養娯楽室(300席)

主催 :シンポジウム「美しい水を活かそう!伊賀の将来設計」実行委員会 協賛 :パタゴニア日本支社 参加費:500円

《プログラム》
【講演】
嘉田由紀子(前滋賀県知事)

今本 博健(京都大学名誉教授)

嶋津 暉之(水源開発問題全国連絡会共同代表)

【パネル討論「美しい水を活かす伊賀の将来設計~未来のための選択」】

同会場内別室で懇親会、その後宿泊先(ルートイン名張)へ移動

☆ 11月1日(日) 現地見学会と水源連総会
〇 現地見学会 午前8時30分~ 宿舎からマイクロバスで移動、川上ダム予定地へ。
〇 水源連総会 午前11時~午後3時 青山福祉センター教養娯楽室
※ 終了後マイクロバスで近鉄青山町駅まで移動し解散予定です。

石木ダム、初の強制収用(農地の一部) 長崎新聞の正論

2015年8月26日
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長崎県は8月25日、石木ダム予定地のうち、反対地権者4世帯の農地約5500平方メートルの所有権が国に移転したと発表しました。

石木川まもり隊から送っていただいた長崎新聞の記事を掲載します。長崎新聞2015年8月26日(440KB)

その中で、下記の解説が正論を述べています。

石木ダム、初の強制収用

(長崎新聞2015年8月26日)http://www.nagasaki-np.co.jp/news/kennaitopix/2015/08/26085754018287.shtml

県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業で、県は25日、反対地権者4世帯の農地約5500平方メートルについて、土地収用法に基づき所有権が国に移転したと発表した。同ダムの建設用地が強制的に収用されたのは1975年の国の事業採択以来初めて。反対地権者が現住する家屋などを含む土地の収用に向けた裁決手続きも同日までに開始され、地権者の反対運動で膠着(こうちゃく)状態にある同ダム建設問題は緊張をはらんだ重大局面に入った。
反対地権者側は「一方的な土地の強奪だ」と反発を強めており、支援する弁護団は法的対抗措置も検討している。
所有権の移転登記は同日、県職員が長崎地方法務局佐世保支局に申請、受理された。県収用委員会の裁決に基づき、24日の明け渡し期限だった1世帯の畑約300平方メートルと、10月30日が期限となる3世帯の水田など約5200平方メートルで、所有権は反対地権者から国に移った。今後、県が管理するという。
会見で県土木部の木村伸次郎政策監は「もう公有地になった。植えてある野菜は撤去するよう求め、新たに植えることは論外」と述べた。
25日に裁決手続きが開始されたのは、ダム本体予定地内にある4世帯の宅地(約2千平方メートル)のほか田、畑、山林の計約3万平方メートル。今後、県収用委の審理(公開)が開かれる。
また県は、7月31日に裁決手続きの保留を解除したダム貯水池予定地内にある9世帯の宅地(約9千平方メートル)などの計約9万平方メートルについて、裁決申請に向け9月2日から立ち入り調査を実施することも明らかにした。県は調査で裁決申請に必要な土地調書や物件調書を作成したい考え。反対地権者側はこれまで行われた立ち入り調査を拒否している。

【解説】
石木ダム建設が公共の利益に資し、時代の要請に応える事業なのかどうか、疑問を感じる県民が少なくない中で、県は反対地権者の土地を初めて強制的に取り上げた。
県は、国による事業認定の”お墨付き“を盾に今回の強制収用を正当化しているが、反対地権者との話し合いに向けた努力を怠る中でこうした強権的な手法を用いることは、いくら理論武装したところで「下策」と言えよう。
今後は農地だけでなく、反対地権者が実際に住んでいる家屋の収用手続きも控えており、さらなるあつれきが出るのは必至だ。
25曰の会見で県側は、今回権利が移転した農地に反対地権者が立ち入った場合について「他人の土地(公有地)に勝手に作物を作られても困る」と強調。
県側の言勣は既に従来の「お願い路線」から耘換しており、家屋の収用の際は行政代執行が避けられない見通しだ。
石木ダム諭争は.力のせめぎ合いに委ねる性質の問題ではなく、客観的デー夕に基づく合理性が求められる。
40年来決着しないのは事業主体である県が、反対地権者のみならず県民にその合理性を示せないことに根本的原因がある。
1982年の機動隊を導入した強制測量に続く強制収用。強制しないと造れないのは「失政」を認めているようなものだ。
(報道部・豊竹健二)

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