石木ダム問題の経緯と今後についての報告の記事です。
40年経って石木ダム無しで何も困らないのですから、好い加減に事業者は諦めたらよいのですが、利権があるためか、ダム建設に執着しています。
何としても、強制収用を阻止しなければなりません。
(写真)のどかな自然に囲まれた石木ダム建設予定地
初夏の訪れを感じさせる晴天となった5月初旬、建設予定地の川棚町岩屋郷は、新緑の山々と田畑に囲まれた民家が点在し、牧歌的な景色が広がっていた。
集落の至る所には、ダム建設反対を訴える看板が掲げられている。現在、立ち退きに応じない13世帯約60人が生活をしているが、近い将来、強制収用という法的措置に直面する。
石木ダムは、川棚川の治水と佐世保市の水不足解消などを目的に1975年に事業採択された多目的ダム。総事業費は285億円で、2013年度末までの事業費ベースの進捗(しんちょく)率は52%、用地取得率は約80%にとどまっている。
県は16年度の完成を目指しているが、建設に反対する13世帯の農地や住宅地など約15万平方メートルが未買収で、本体工事の着工には至っていない。
◇
佐世保市では、1994年の大渇水で264日間に及ぶ給水制限が続き、2005年は8日間、07年も160日間の給水制限が行われた。同市は「水源を確保して安定供給を達成しなければ、今後も将来にわたって渇水のリスクを負い続けなければならない」と理解を求める。
一方、反対派は同市の水需要は人口減少とともに減少しているとして、水源は足りていると主張。ダムが建設された場合、市民の水道料金が1世帯あたり年間4000円増えることを挙げて、「必要性のないダムのために住んでいた人を追い出し、市民に負担を強いるのは間違っている」と訴えている。
40年という年月がたっても、双方とも歩み寄る機運はない。
◇
県は昨年9月、未買収用地のうち、工事に必要な道路用地など約5400平方メートルについて、強制的に所有権を移転させるための裁決申請を行った。県収用委員会は公開で審理し、今年中に用地の補償額や明け渡し期限を決める。
また、昨年11月には4世帯の家屋を含む約3万平方メートルについても収用手続きを始めており、今年11月までに地権者の同意が得られなければ、家屋についても裁決申請を行う方針だ。
収用委は、事業の是非について審議する場ではなく、書類などに重大な欠陥がない限り裁決が出される。地権者が期限までに明け渡しに応じなければ、家屋まで強制収用される事態が起きる。
残りの家屋を含む用地についても、県は17年9月までに裁決申請を行う見通しで、地権者側にとって大きな転機が近づいている。
現時点で地権者側は法的手段で争う意向はなく、「県が何をしようとも死んでもここを離れるつもりはない」との姿勢を崩さない。
一方、県側は「今後の生活再建に向けた話し合いに応じてほしい」と呼びかけるが、ダム事業の見直しに応じるつもりはない。両者に残された解決までの時間は多くない。
〈石木ダム事業の経緯〉
1972年 県が予備調査を開始
75年 国が事業採択
82年 県が強制測量を行い、機動隊と住民が衝突
2009年 県と佐世保市が国に事業認定を申請
13年 国が事業認定を告示
14年 県と佐世保市が一部用地の農地について裁決申請
今年 県と佐世保市が4世帯の家屋を含む一部用地について裁決申請か?
4月22日の朝日新聞全国版、23日の長崎新聞、25日の東京新聞全国版にアウトドア衣料の会社のパタゴニアが石木ダム問題の意見広告を掲載しました。
「失うものは美しいもの 水は足りています ダムは ほんとうに必要か皆で考えましょう」
石木ダム問題への関心を高めて、何としても強制収用を阻止したいと思います。
アウトドア衣料の会社のパタゴニアと石木川まもり隊の共同プロジェクトで「ダムはほんとうに必要か皆で考えましょう」と訴えながら走るラッピングバスが走行開始しました。 イラストは石木ダム予定地に住むいしまるまずみさんの作品で、これから1年間佐世保の町を走ります。
(「八ッ場ダムをストップさせる埼玉の会」のブログhttp://yambasaitama.blog38.fc2.com/ より)
![P1140886.jpg](http://blog-imgs-78-origin.fc2.com/y/a/m/yambasaitama/P1140886.jpg)
![P1140887.jpg](http://blog-imgs-78-origin.fc2.com/y/a/m/yambasaitama/P1140887.jpg)
実は佐世保では税金を使って「石木ダム建設は佐世保市民の願い」という推進派のラッピングバスが前から走っています。 ↓
◇虚構の民意 – 石木川まもり隊 –
http://is.gd/kS9bGb
![0f13ce1d2c79b0ed4591b240b2954e33.jpg](http://blog-imgs-78-origin.fc2.com/y/a/m/yambasaitama/0f13ce1d2c79b0ed4591b240b2954e33.jpg)
今回のラッピングバスはパタゴニアの助成金のおかげです。 パタゴニアが石木川の反対運動をしている方たちと石木川まもり隊の支援を発表して、外国人特派員協会で記者会見を開いたり、長崎の地元紙や朝日新聞、東京新聞などに前面の意見広告を出してくれたり、次々と市民だけでは出来ない活動の実現を支援してくれています。
石木ダム予定地でのパタゴニアの社員研修の様子がブログにアップされています。 まるで自分も参加しているような報告です。 ダムが出来る予定地の小さな川の石木川の写真もご覧ください。
◇パタゴニア、こうばるを全身で体感! – 石木川まもり隊 –
http://is.gd/QhpqQt
長野県の浅川ダム住民訴訟で、住民側が控訴しました。その記事を掲載します。
長野・浅川ダム建設費返還訴訟:住民側控訴
(毎日新聞 2015年05月2日 東京朝刊)http://mainichi.jp/shimen/news/20150502ddm012040054000c.html
長野県が建設中の浅川ダム(長野市)を巡り、周辺住民ら398人が県を相手取り既に支出した建設費約65億円の返還や今後の支出差し止めを求めた訴訟で、原告団は1日、請求を棄却した1審の長野地裁判決を不服として東京高裁に控訴した。
原告団は「ダムの危険性や不要性をさらに論証したい」とコメントした。
ダム建設地の地滑りの危険性などが争点となったが、長野地裁は4月24日、「県の事前調査は適切」として訴えを退けた。
長野・浅川ダム訴訟で原告控訴
(産経新聞 2015年05月1日)http://www.sankei.com/affairs/news/150501/afr1505010009-n1.html
長野県営浅川ダム(長野市)の建設に反対する県民約400人が工事に使われる公金の支出差し止めなどを県に求めた訴訟で、原告側は1日、請求を棄却した長野地裁判決を不服として東京高裁に控訴した。
4月24日の判決は「県が実施した調査や対処工事に不合理性や誤りは見当たらず、ダムの計画に違法性があるとは言えない」と判断した。
原告団は「県の弁明をうのみにした不当な判決。高裁で誤りを明らかにし、ダムの危険性、不要性を論証する」としている。
この申請を国土交通大臣が認定し、事業認定の告示が行われると、八ッ場ダムの水没予定地などの事業用地の強制収用が可能になります。
この事業認定申請に対しては、どなたでも八ッ場ダム事業の是非、問題点についての意見書を提出し、公聴会の開催を請求できます。
八ッ場ダムの事業認定申請書等の公告・縦覧が4月13日から長野原町役場で始まりました。
公告・縦覧期間は4月27日までの2週間となっており、この間に意見書を提出し、公聴会の開催を請求しなければなりません。
是非、多くの方が意見書の提出や公聴会の開催請求を行っていただきたいと思います。