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設楽ダム:中部地整が「事業継続最適」…流域市町長と会合( 2013年02月18日)

2013年2月18日
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設楽ダム:中部地整が「事業継続最適」…流域市町長と会合(毎日新聞 2013年02月18日) http://mainichi.jp/select/news/20130218k0000m040112000c.html
国が愛知県設楽町の豊川上流に建設を計画する設楽ダムの必要性を再検証してきた国土交通省中部地方整備局は17日、豊川流域6市町長などとの会合を開いた。中部地整は、豊川掘削などの代替案に比べ早期実現性やコストで「設楽ダムが最も有利」と事実上の事業継続を盛り込んだ素案を示し、承認された。
 設楽ダムは、民主党政権の「コンクリートから人へ」の方針を受け、事業が事実上凍結されてきたが、中部地整は今後、有識者や住民の意見聴取会を年度内に実施。さらに事業の可否について態度を明らかにしていない大村秀章知事に意見を求めるなどした上で国交省が最終判断する。
素案は「治水」「利水」「流水機能維持」の観点から、設楽ダムと、代替案としての豊川の掘削や放水路改築、ため池と宇連(うれ)ダム再開発の併用などを比較。代替案にも治水などの効果を認める一方、設楽ダムは環境保全で影響が出るものの用地買収など事業のスピードやコストで代替案より優れていると判断した。
 流域6市町長は推進派で、住民の移転が進んでいる設楽町の横山光明町長は会合後、「東三河の発展のためスピード感をもって進めてほしい」と話した。
 再検証は民主党政権時代の10年11月に開始されたが、11年12月の会合を最後に中断していた。設楽ダムは事業費約2070億円で総貯水量9800万トンと完成すれば愛知県最大のダムとなる。【清藤天】
設楽ダム「最も有利」 関係自治体が総合評価了承 愛知 ( 読売新聞 2013年2月18日)http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/chubu/news/20130218-OYT8T00167.htm
民主党政権が一時凍結した設楽ダム(愛知県設楽町)の事業計画を関係自治体と国土交通省中部地方整備局が再検証する「検討の場」が17日、同県豊橋市内で開かれ、コストや実現性などすべての項目で「ダム建設が最も有利」とする総合評価案を了承した。
 検討の場は民主党による政策変更に伴い、整備局が2010年11月に設置。治水や利水面などについて、ダムの建設と12の代替案を比較検討してきた。
 この日の会議では整備局側が評価案を説明し、永田清副知事と豊橋市など東三河6市町の首長が意見を述べた。ダムが計画される設楽町の横山光明町長は「大きな犠牲を払って計画を受け入れた町民の決断が無駄にならずにすんだ。今後は速やかに計画を進めてほしい」と注文を付けた。
 整備局は今年度中に学識経験者と関係住民を対象にした意見聴取を実施。大村秀章知事の意見を聞いた上で報告書をまとめ、国交相の判断材料とする。
 設楽ダムの建設中止を求める会の市野和夫代表(67)は「ダムは全く不要。検討の場は完全なお手盛りで、最初から決まっていた結論を出してきたに過ぎない」と批判している。
設楽ダム建設が最も有効 中部地方整備局の再検証(産経新聞 2013.2.17 )http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130217/lcl13021717400000-n1.htm
民主党政権が建設を凍結していた設楽ダム(愛知県設楽町)について、国土交通省中部地方整備局は17日、同県豊橋市で開かれた流域6市町の首長らとの会合で、費用面や実現可能性から建設継続が最も有効との再検証結果の素案を示した。
素案は、ダム建設のほか、河道掘削や堤防整備などの代替案を比較。ダム建設のコストが最も低く、治水、利水の両面からもダムが最も有利とした。
 会合では、横山光明設楽町長が「流域の安全のためにも建設を進めてほしい」と述べるなど、建設を評価する声が相次いだ。

:「建設凍結」の設楽ダム 進む移転、悩む住民 争点とする候補者少なく(毎日新聞 2012年12月13日 中部夕刊)

2012年12月13日
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12年末・この国を選ぶ:「建設凍結」の設楽ダム 進む移転、悩む住民 争点とする候補者少なく
(毎日新聞 2012年12月13日 中部夕刊)
http://senkyo.mainichi.jp/news/20121213ddh041010003000c.html
「コンクリートから人へ」のマニフェストを掲げた民主党政権の下、建設計画が事実上凍結された愛知県設楽町の設楽ダムの水没予定地で、集落の住民の移転が進んでいる。
地元自治体などが事業の必要性や緊急性を検証する会議は1年中断し、国は事業をどうするかの結論を出していない。衆院選でもダム問題を訴える候補者は少なく、先行きが見えない中、住民たちは複雑な思いを抱きながら、次々に住み慣れた古里を後にしている。【清藤天】
「出て行くのだから生活再建だけはしっかりやってほしい」。約50戸あった同町八橋地区では、空き家や家屋の取り壊し跡が増えて寂しい光景が広がり、住民の男性(80)は切実な願いを口にする。
町外の集団移転地に今年移り住んだ70代の男性は「移転先は夏は暑いし、地域の習慣も分からない。本当は山の暮らしが良かったが、犠牲になるつもりで町を出た。ダムができなきゃ、追い出され損だ」と嘆いた。
国は10、11年度、住民移転を含む関連予算を20億?30億円台で用意し、対象の124世帯のうち45世帯と移転契約を結んだ。12年度は約100億円に増額し、今年11月末までに新たに43世帯が契約した。
県や中部地方整備局、地元自治体が10年11月に発足させた会議「検証の場」は、できるだけ早く結論を出すとしたが、昨年12月の第4回以降は開かれておらず事実上、中断している。
衆院選では、設楽町やダム下流の市町村がある愛知14、15区の候補者計10人のうち、選挙公報でダムの是非に触れたのは、事業中止を訴える共産新人2人だけだ。
共産以外の候補者たちは「他に大きな争点がある」「公共工事でも、先に必要なものがある」と、ダムを争点としない理由を説明する。ある陣営の幹部は「候補者が理解しきれていないものは語れない」と明かした。
ダム問題が争点とならない現状に、反対運動を続ける「設楽ダムの建設中止を求める会」副代表の伊奈紘(ひろし)さん(67)は「移転で人が減れば町も衰退する。
民主党政権の誕生はダムを止める大きなチャンスだったのだが、次はどうなるか不安だ」と話す。これに対し、建設推進の立場の町幹部は「建設に『ゴー』と言ってくれればいいが、キャスチングボートをどの党が握るか分からない」と、選挙の行方を注視している。
◇設楽ダム
国が愛知県設楽町の豊川上流に1973年に建設を計画した。水道用水や農業用水のほか、洪水調節を目的とする特定多目的ダム。高さ129メートル、貯水容量9800万トン。09年2月に国と県、町が建設同意の協定書に調印した。総事業費は約2070億円。

進む移転、細る地域 設楽ダムで水没予定の八橋地区(中日新聞愛知版 2012年10月18日)

2012年10月18日
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進む移転、細る地域 設楽ダムで水没予定の八橋地区(中日新聞愛知版 2012年10月18日)

http://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20121018/CK2012101802000037.html?ref=rank

(写真)地区外に移転し、解体された住宅跡。水道の蛇口が寂しく残る=設楽町八橋で

民主党政権が三年前に打ち出したダム建設計画の検証で、建設の動きが止まったままの設楽ダム。しかし、設楽町内の水没予定地では住民の移転が急速に進んでいる。
対象世帯が最も多い八橋(やつはし)地区では半数以上がすでに移転し、二十世帯を残すだけ。取り壊された家屋の基礎があちこちで見られ、主を失った田畑に雑草が生い茂る。二十八日は地区の祭りだが、「今年が最後になるかも」との声も出ている。
八橋地区は寒狭(かんさ)川(豊川)の支流や境川に沿って形成された集落。設楽町の中心地から長野県根羽村を結ぶ県道が走る。
◆名簿、消して黒く
区長を務める金田和幸さん(68)の手元にパソコンで打った住民の名簿がある。作成したのは二〇〇二年一月。五十七世帯が名を連ねた。転出のたびに黒インクで消し、名簿は真っ黒になった。
水没が予定されるのは、設楽町内の六地区計百二十四世帯。このうち八橋、川向(かわむき)、大名倉は地区そのものが消滅する。国土交通省設楽ダム工事事務所によると八月末現在、62%に当たる七十八世帯が補償交渉を終えている。
八橋地区では年内にさらに三世帯が移転する。「年が明ければますます加速し、来年末まで残るのは私を含め四、五軒ではないか」と金田さんは言う。
二十八日は八橋神社の祭礼。かつては余興や餅投げもあり、境内に子どもたちの歓声が響いた。最近は神事の後、ビールで乾杯してお開きだが「今年が最後かもしれんなあ」。金田さんは、真っ黒になった名簿を見ながらため息をついた。
◆桜の下で旧交を
一九四四(昭和十九)年まで小学校があった高台に樹齢百年ほどの桜の大木がある。「八橋のウバヒガン桜」と呼ばれ、住民たちが大切に守ってきた。毎年四月には、住民だけでなく、転出した人たちも集まり観桜会を開いている。
設楽ダムの満水時の湖面は標高四三七メートル。桜がそびえる高台は四五〇メートルで、辛うじて水没を免れる。金田さんは先ごろ、設楽町議会に「高台を『ふるさと公園』として整備してほしい」との要望書を提出した。
ダム検証の行方とは関係なく、怒とうのような勢いで進む地域社会の崩壊。
「好きこのんで出て行く人は誰もいない。みんな八橋が大好きなんです。年に一回、桜の下に集まって旧交を温めたい。私たちのささやかな願いです」
(鈴木泰彦)
<設楽ダム> 国土交通省が設楽町内の豊川上流に建設を計画する治水、利水の多目的ダム。高さ129メートル、幅400メートルの重力式コンクリートダムで総貯水量は9800万トン。
計画が提示されたのは1973年で、2009年に町が建設に同意した。計画発表当時は反対運動が起き、近年では建設是非を問う住民投票の動きもあった。民主党政権が09年に検証対象事業にした。

設楽ダム みんなで考えよう 豊橋で県民セミナー始まる(読売新聞中部版 2012年7月29日)

2012年7月29日
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豊橋で豊川流域県民セミナー ダムあり方など考える(読売新聞中部版 2012年7月29日)
http://chubu.yomiuri.co.jp/news_kan/kan120729_4.htm

 設楽ダムに関する情報を県民に提供する連続公開講座「とよがわ流域県民セミナー」の第1回が28日、豊橋市の愛知大学で開かれ、2人の専門家が流域の総論的な解説を行った。

国による再検証の場とは別に、県が独自に情報を提供し、県民に理解を深めてもらう場として、大村秀章知事の発案で始まった。

この日は大村知事が出席し、「東三河は豊川の流域として発展してきた。この地域で水とどうつきあうかは重要な課題で、ダムのあり方についても考えてもらい、広く意見をいただきたい」と開講の意義を説明。

 セミナーでは藤田佳久・愛知大学名誉教授が豊川流域の歴史と地理学的な特性について講演。同セミナー運営委員の蔵治光一郎・東京大学准教授が集水域管理の考え方と健全な水循環の再生について解説した。

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