水源連:Japan River Keeper Alliance

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『ダム・ネーション』スペシャル上映会「Dam Nation上映+辻井トーク」

2016年5月21日
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『ダム・ネーション』上映会の案内を掲載します。

『ダム・ネーション』スペシャル上映会「Dam Nation上映+辻井トーク」

(2016.5.20 (金) 14:00)http://top.tsite.jp/lifestyle/lifetrend/campaign/28951263/index

6月18日、湘南T-SITEカーライフラボにて、『ダム・ネーション』スペシャル上映会を開催いたします。

数々の賞を受賞したドキュメンタリー映画、「ダムネーション」の上映と この映画を提供した、パタゴニアの日本支社支社長、辻井隆行さんのスペシャルトークショーの2本立てのスペシャル上映会。

当日は183インチの巨大スクリーンを設置し、カーライフラボの開放的な空間の中でスペシャル上映会を楽しんでいただけます。

映画あり、トークショーもありのまたとないこの機会、 本作品が映し出す川の生命力と美しさ、新しい未来をつくりだす希望の光をぜひご覧ください。

■ストーリー ~役立たずのダムを取り壊せ~ アメリカ全土につくられた何万基ものダム。それらの多くは、川を変貌させ、魚を絶滅させ、 それにもかかわらず期待される発電・灌漑・洪水防止のいずれにおいても低い価値しか提供していない。 むしろダムの維持には高い経済的負荷がかかっている。 そんな負の面ばかりのダムを「撤去」する選択が、アメリカでは現実になってきた。 だが、「ダム撤去」が当たり前に語られるようになるまでには、「クレイジー」と言われながらも川の自由を求めつづけてきた人びとの挑戦があった。 彼らのエネルギーにより「爆破」が起こるドキュメンタリー。(プレスリリースより抜粋)

【映画ホームページはこちら】 http://damnationfilm.net

辻井 隆行(つじい・たかゆき) 辻井社長_s.jpg プロフィール: パタゴニア日本支社長。1968年東京生まれ。 会社員を経て、早稲田大学大学院社会科学研究科修士課程修了。 1999年、パートタイムスタッフとしてパタゴニア日本支社に入社。2009年より現職。 入社後も長期休暇を取得し、グリーンランド(2003年)やパタゴニア(2007年)でシーカヤックと雪山滑降を組み合わせた旅などを行う。 2014年より、長崎県の石木ダム建設計画見直しを求める活動(ishikigawa.jp)を通じて、市民による民主主義の重要性を訴える。

 

開催概要

会期 2016年6月18日(土)
時間 19:00~21:00
場所 カーライフラボ A棟 ※2号館1階BOOKカウンターでお会計をお済ませのうえ、会場へお越しください。
参加費 1,000円(税抜) 小学生:500円(税抜) 小学生未満:無料
申し込み方法 電話受付 湘南蔦屋書店 0466-31-1510(代表) ※お申し込みの際にイベントの日時とタイトルをお伝えください ※店頭でのお申し込みの場合は2号館1階BOOKカウンターまでお越しください
定員 100名
講師/ゲスト パタゴニア日本支社 支社長 辻井隆行
主催 湘南蔦屋書店
共催・協力 ユナイテッドピープル株式会社 パタゴニア日本支社
問い合わせ先 湘南蔦屋書店 0466-31-1510(代表)
ホームページ http://damnationfilm.net

石木ダム工事差止仮処分申立 第1回審尋 報告 (石木ダム)

2016年5月18日
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2016年5月16日午後2時から、長崎地方裁判所佐世保支部にて工事差止仮処分第1回審尋がありました。

仮処分の審尋は非公開なので住民側は申立人(債権者)と代理人しか法廷内に入ることが出来ません。それでも部屋が狭くて十数名の申立人(債権者)が入廷できず、待合室で待機、ということになりました。

この日の法廷は、主張書面・疎明資料確認の後,実質審尋に入りました。
まず,裁判所から私たちに言われたのは,差止を求める「工事の特定」のことでした。
その点については

①  債権者が把握している情報だけでは工事の特定が困難であることを踏まえて
②  債権者主張を補足する形で債務者らからも工事の特定に必要な情報を提供してもらう。
③  その上で差止を求める工事を特定していく。

ということになりました。

裁判所から当方に出された宿題は,

①    債権者のうち,所有権者・居住権者の場所と工事対象地の関係を明らかにすること
②    債務者らの答弁書に対する反論を行う。 特に行訴法44条,保全の必要性について反論すること(*1)。

でした。

次回は、事業認定取消訴訟期日と同じ日の午前に、ということで、 7月19日(火)11時から12時まで となりました。
この日は、終了後に長崎地方裁判所に移動して、午後3時から事業認定取消訴訟第2回公判となります。

◎   解説*1: 債務者側(長崎県・佐世保市)は、当方の申立書に対する答弁書の中で、裁判所に以下の理由を挙げて「申立却下」を求めています。
その理由への反論を7月5日までに裁判所に提出することになります。

  1. 行政訴訟法44条で「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為については、民事保全法に規定する仮処分をすることができない。」とされている。「石木ダム事業は長崎県と佐世保市の事業=公権力の行使にあたる行為」であるから、差止仮処分はできない。
  2. 「差止によって保全されるという権利」について、
    ①私法上の権利と言えない、
    ②具体的な権利侵害事実もない,
    ③保全の必要性もない

上記に対する弁護団の考え方は、簡単に記すと以下のようになるとのことです。

弁護団の説明≫

1  今回の差止の対象は公権力の行使としての事業認定処分それ自体ではなく,事実行為としての工事それ自体であるから,行政事件訴訟法44条に抵触するものではない。
2  裁判所は,①私法上の権利性・②権利侵害性については特に詳細な反論を求めなかったことに照らせば,長崎県,佐世保市が主張する権利侵害がないとの部分に理由がないことが明らか。③保全の必要性は今工事を止める必要があるか否かという問題です。
いつ工事が再開されてもおかしくない状況(法律上の障害はない)である以上,保全の必要性があることもまた明らか。
但し,工事の特定との関係でいつ再開・着工されてもおかしくない工事がどの工事であるかという特定の問題は残るため,この点については債務者からの情報提供を待った上で特定していくことになる。

債権者、債務者双方から提出された書証
仮処分申立書
仮処分答弁書(佐世保市)
仮処分答弁書(長崎県) 

マスコミ報道

5月17日の長崎新聞

城原川ダム建設 解説 住民へ丁寧な説明を

2016年5月15日
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城原川ダムの検証について九州地方整備局と流域自治体が協議する「検討の場」が5月11日に開かれ、「事業継続が妥当」という検証結果になりました。

しかし、流水型ダム(穴あきダム)である城原川ダムは、大規模洪水時に目詰まりを起こして治水機能を失ってしまう恐れが十分にあります。

この問題を取り上げた佐賀新聞の記事を掲載します。

この流水型ダムの問題は、城原川ダム検証のパブコメへの意見で指摘しましたので、http://www.qsr.mlit.go.jp/n-kawa/kensyo/05-jyoubarugawa/160511-genan_an/houkokusyo_siryo/03_kankeijyuumin.pdf の3ー27~ページをご覧ください。

城原川ダム建設 解説 住民へ丁寧な説明を

(佐賀新聞2016年05月12日 09時52分) http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/310690
 予備調査着手から45年もの間、紆余曲折を経た城原川ダム問題は、県を含む地元自治体が「ダム案」を了承したことで建設に大きく動いた。ただ、知事らが同意したとはいえ、事業を進める側の国交省が運営した検証作業の客観性を疑問視する声も漏れる。代替案のコスト計算の基準などが明確に示されず、説得力ある説明があったとは言い難い。

 2005年に流水型ダムという自然放流する新たな工法を佐賀県が提案し、前進したかに見えたが、09年に「コンクリートより人へ」を掲げた民主党政権が誕生すると事業が見直し対象になった。改めて安全性やコスト、環境など多角的な視点から他の治水対策と比較、検証されたが、結局は流水型に落ち着いた。

 環境を重視した流水型は、今回の議論では「150年に1度の洪水」でも唯一効果を発揮するとされた。しかし、益田川ダム(島根県)や西之谷ダム(鹿児島県)など全国でも数える程しか前例がなく、すべて2000年代以降の建設。大規模洪水時の機能も十分に実証されていない。

 ダムによらない他の治水対策を主張する市民の理解を得るためにも、今後も安全を最優先に計画の具体化を図り、丁寧に説明する姿勢が肝要だ。

流水型ダムの断面図(モデルは島根・益田川ダム)

失敗事業へ向かう道 石木ダム 長崎新聞 論説

2016年5月13日
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5月11日、長崎県は形振り構わず、石木ダム予定地のすべての土地を強制収用するための裁決申請を行いました。この長崎県のやり方を長崎新聞の論説ga厳しく批判下をました。

長崎新聞 論説 2016年5月13日

失敗事業へ向かう道  石木ダム

川棚町に計画される石本ダムは1975年の事業採択から40年。82年の強制測量という失態によって、この事業は迷路に入り、長い時間がすぎてしまった。現在も完成していない責任の相当部分は県にある。
県は11日、反対地権者9世帯の家屋を含む約9万平方㍍の未買収地を、県収用委員会に裁決申請した。これで反対地権者13世帯の土地と家屋に対する裁決申請が全て終わり、強制収用に必要な手続きは収用委員会による裁決だけとなった。
収用委が受理すれば、裁決の手続きが始まる。裁決された場合、家屋を含む土地は180日以内に、含まない土地は60日以内に県に明け渡さなけれぱならなくなる。
この計画は失敗公共事業へと向かっている。反対する地権者が頑強に抵抗している。完成すれば巨大な自然破壊となる。だが理由はそれだけではない。
基盤整備が遅れた地方にとって、公共事業は地域のまちづくりに貢献し、住民の暮らしをより良くし、一面では経済の刺激にも役立ってきた。長崎県は戦後こうして発展してきた。今後もそれは続く。しかしこの事業は、やり方を間違っている。
ダムの必要性の説明が不足している。その状態で強制収用を実施する構えをとるのは全く許されない。この2点で、この事業は手法を誤っていると言わざるを得ない。
県事業である以上、佐世保市と川棚町だけの問題ではない。県の説明相手は県民であることを忘れないでほしい。
大型事業は程度の差こそあれ、自然を壊す。それでも必要性に異論がない事業は容認されてきた。この事業の必要性には大きな疑義が出ている。国が必要だと認めるだけでは足りない。県は、県民に説得力のある説明をできているのか。少なくともその切実度は理解されていない。
強制収用が現実味を増す中、反対地権者は脅されている心持ちだろう。重要なのは、見守っている大勢の県民にも、県が地権者を脅して押し切ろうとしているようにしか映っていないことだ。単に法に従って手続きだけを進めるような行政の在り方を見せられると、いったいどこを向いて仕事をしているのかと言いたくなる。
まず水の問題について、県民の理解が広がるようにしてほしい。現在と今後の佐世保市の水事情の逼迫を、県が県民に説明する努力が必要と感じる。防災対策についても同様である。
既に問題は反対地権者らによって法廷に持ち込まれている。たとえ造っても、手法を間違えた公共事業を成功とは呼べない。強制収用の手続きを止め、状況を緩和する努力に全力を注ぐときだ。(森永玲)

熊本地震 建設中の立野ダムの直下に活断層か 熊本・西原

2016年5月13日
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熊本地震で決壊の恐れが生じて村民に避難指示が出た熊本・西原の大切畑ダムはダム本体が分断されるように横にずれていることが確認されました。この直下の活断層の延長線上に国交省の立野ダムの建設予定地があります。

熊本地震   建設中ダム直下に活断層か 熊本・西原

(毎日新聞

立野ダム建設予定地

専門家「造るべきでない」

 熊本地震で最大震度7を記録した熊本県西原村の大切畑ダムで、ダム本体が分断されるように横にずれているのを、産業技術総合研究所(茨城県つくば市)の吉見雅行主任研究員らの調査グループが確認した。

直下の活断層が原因とみられる。活断層の延長線上には、より大規模な立野(たての)ダムが建設中で、専門家はそこまで活断層が延びている可能性があると指摘。工法を見直すなど対策の必要性を訴えている。

 横ずれは、4月16日のマグニチュード(M)7.3の地震でできたとみられる。同グループは4月下旬、ダムを横切るように右に1.5?2メートルのずれを確認した。

 大切畑ダムは熊本県が1969年度に着工、84年度に完成させた農業用ダム(アース式)で、総貯水量は約85万立方メートル。16日の地震後、決壊の恐れがあるとして村が一時、104世帯319人に避難指示を出した一方、県が緊急排水をした。

いまだに水をためられない状態だ。県は今月中にも有識者会議を設置し、対応を検討する。ダムを廃止して活断層がない場所に移すかどうかなどが話し合われる見込みだ。

 さらに懸念されるのは、同ダムの北東約5.5キロの同県南阿蘇村と大津町の境に国土交通省が建設中の立野ダムだ。その2キロ先では阿蘇大橋が崩落し、近くで断層が見つかっている。

いずれの断層も16日の地震の震源となった布田川(ふたがわ)断層帯の一部とみられる。

吉見主任研究員は「立野ダム周辺では土砂崩れが起きており地表で活断層を確認できていない。だが、大切畑ダムと阿蘇大橋の中間に位置するため、近くに活断層がある可能性が高い」と指摘する。

 旧建設省は84年、活断層の真上にダムを建設しないとの指針を出している。国交省九州地方整備局はこれまで「布田川断層帯は建設予定地の近くまで連続しない」としている。

 立野ダムは治水用ダム(重力式)で総貯水量約1000万立方メートル。99年に起きたM7.7の台湾大地震では同型のダムが決壊した。

吉見主任研究員は「きちんと再調査することが必要。活断層があるなら、海外の例も参考にずれに強い工法を採用するなど対策を講じるべきだ」と指摘する。

日本活断層学会の宇根寛副会長は「いくら頑丈にしても、真下に活断層があればずれる。基本的に活断層がある場所には造るべきではない」と話している。【飯田和樹】

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