水源連:Japan River Keeper Alliance

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霞ケ浦導水の工期また延長 事業費の増額必至 完成予定は15→23年度

2016年4月21日
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2週間前の記事ですが、霞ケ浦導水事業に関する記事をお送りします。

事業費の約八割の約千五百億円が使われたが、トンネルの六割超に当たる約二十九キロが未完成のままです。事業費の増額が避けられないと思われますが、国交省は関係都県の反発を恐れて、先送りにしています。

一昨日、4月19日に那珂川の漁協が国土交通省を相手に闘っている霞ケ浦導水裁判の控訴審第2回口頭弁論がありました。

漁協側は、霞ケ浦から那珂川への送水が那珂川の魚介類に大きなダメージを与えることをデータに基づいて具体的に示しました。

第3回控訴審は8月23日(火)午後2時00分から東京高裁812号法廷で開かれます。

 

霞ケ浦導水の工期また延長 事業費の増額必至 完成予定は15→23年度

(東京新聞茨城版2016年4月7日http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/list/201604/CK2016040702000192.html

(写真)水を行き来させるポンプのある霞ケ浦導水の那珂機場。那珂川近くに建設されたままになっている=水戸市で

写真

 霞ケ浦と那珂川、利根川を約四十五キロの地下トンネルで結ぶ「霞ケ浦導水事業」について、国土交通省は事業計画を変更し、完成時期を二〇一五年度から二三年度に延期した。事業費は千九百億円で変更はなかった。

しかし、既に事業費の八割が使われたにもかかわらず、未完成の部分が多く、増額は避けられないとの見方は根強い。県の負担分も増え、維持費が水道料金に上乗せされるなど、県民の負担増になる可能性がある。 (宮本隆康)

 事業計画変更と工期延長は四回目。今回の計画変更では、水需要の増加が見込めず、千葉県内の三市町でつくる東総広域水道企業団と、千葉市が事業から撤退した。

 事業は、一九八四年に着工。九三年度だった完成時期は、用地取得の遅れなどで延期されてきた。民主党政権で必要性を検証するため中断されたが、自民党政権に戻った一昨年、継続が決定。しかし、今も工事は本格的に再開されず、県は早期建設を求めている。

 事業費の約八割の約千五百億円が使われたが、トンネルの六割超に当たる約二十九キロが未完成のまま。それでも事業費を変更しない理由を国交省関東地方整備局は「工事のコスト縮減を見込んだため。まだ確定的ではなく、今後に詳細な検討を進めたい」と説明する。

 しかし、国交省関係者は「今の事業費では到底、完成できない」と認める。事業費が増えれば、八百五十一億円とされる県の負担分も増額が懸念される。完成後、維持費は水道料金に上乗せされるため、値上げにつながる可能性もある。

 反対運動をしている市民団体「霞ケ浦導水事業を考える県民会議」の浜田篤信共同代表は「水道料金が上がるかどうか、県は試算して公表するべきでは。こんな巨額の事業よりも、予算をもっと有効に使った方が良い」と話している。

 <霞ケ浦導水> 那珂川と霞ケ浦間(約43キロ)、利根川と霞ケ浦間(約2・6キロ)を、深さ20~50メートルの地下トンネル2本で結ぶ。利根川と那珂川の水を行き来させ、水量調整で首都圏の用水を確保し、霞ケ浦の水質浄化も図るのが目的。

着工から30年以上たち、今では人口減少で水需要の増加は見込めない上、水質浄化の効果にも疑問があるとして、反対運動が起きている。茨城、栃木両県の漁協などが建設差し止めを求めて提訴し、東京高裁で係争中。

ダム計画検証完了遠く 旧民主主導公共事業見直し

2016年4月4日
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民主党政権下で始まったダム検証について神戸新聞の記事を掲載します。
最近になって、結論が出ていないダム事業の検証が急ピッチで進められるようになりました。記事の表では検証ダムの1/3が中止になっていますが、その大半はダム事業者の都合で中止になったもので、問題ダムのほとんどは推進になっています。

ダム計画検証完了遠く 旧民主主導公共事業見直し

(神戸新聞2016年4月4日)http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201604/0008955520.shtml
八ツ場ダム建設中止問題で、水没予定地の住民が移り住む代替地を視察する当時の前原国交相(左)。結局、整備継続が決まった=2009年9月23日、群馬県長野原町
(写真)八ツ場ダム建設中止問題で、水没予定地の住民が移り住む代替地を視察する当時の前原国交相(左)。結局、整備継続が決まった=2009年9月23日、群馬県長野原町
神戸新聞NEXT
 民進党結成に伴い、20年近く掲げた看板を下ろした民主党。その“最盛期”の2009年秋、政権の座についた直後に華々しく打ち出した「ダム検証」を覚えているだろうか。「コンクリートから人へ」の掛け声の下、公共事業見直しの象徴として兵庫県内3カ所を含む全国84カ所の計画で始まった必要性の再検討。政権運営の行き詰まりと党勢低迷で国民の関心を失ったが、6年半たった今も作業は完了していない。(小川 晶)

 「地元から早期終了を求める動きもあり、対応方針素案をまとめました」。2月初旬ごろ、兵庫県総合治水課に、国土交通省近畿地方整備局の担当者から丹生(にう)ダム(滋賀県)の検証作業について連絡があった。

 事業主体は、独立行政法人「水資源機構」で、兵庫県は渇水対策の分野で関係自治体に加わる。検証に主体的に関わる立場ではなかったが、具体的なやりとりがあったのは約2年ぶりだった。

 従来の方針にとらわれないダム検証は、民主党政権が政治主導で打ち出した“目玉施策”だった。12年に政権が自民、公明両党に戻ってからも検証は継続。国交省によると、対象となった84カ所のダムのうち、12カ所でまだ結論が出ていない。

 治水、流水維持、渇水対策の三つの機能が想定される丹生ダムもその一つ。同整備局などによると、関係自治体の意見を集約する会合を14年1月まで5回開き、「建設は有利ではない」とする中止寄りの方向性を出した。その後、地元説明を経て、機能別の評価などを盛り込んだ対応方針素案を固めたという。

 同機構は「多目的ダムで検討すべき項目が多く、地元への周知も丁寧に進めた」と経緯を説明する。まだ事業評価監視委員会や国交省有識者会議の審議などが必要で、完了のめどは定まっていない。

 一方、結論が出ていないダムの中には、関係自治体の会合が今年3月末まで約5年間も途絶えていた利賀(とが)ダム(富山県)のようなケースもある。

 検証に携わった経験がある国交省関係者は検証の意義や基準の厳格さは変わっていないと強調する一方、「民主党が政権を失い、事業の優先順位が低下した可能性は少なからずある」と指摘。同党がマニフェスト(政権公約)に建設中止を明記し、検証の象徴だった八ツ場(やんば)ダム(群馬県)が11年度に「継続」と結論付けられ、検証全体がトーンダウンした影響もあるとみる。

 ダム検証を所管する国交省水管理・国土保全局は「早期に結論を出すよう指導する立場ではあるが、急がせると予断を与える恐れがあり、特に期限も決めていない」としている。

 ダム検証 国の有識者会議が定めた基準に基づき、国や都道府県などの事業主体が関係自治体などの意見を「検討の場」で集約して方針を決定する。有識者会議での再検討を経て、最終的に国土交通大臣が継続か中止かを判断する。兵庫県内では3カ所の県営ダムが対象となり、武庫川(西宮、宝塚市)は中止、金出地(かなじ、上郡町)と西紀(篠山市)が建設継続と決まったが、いずれも事前に県がまとめた方針通りだった。

各ダムの平成28年度予算と予算の推移

2016年4月2日
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2016(平成28)年度予算が成立し、各ダムの予算額もきまりました。

直轄ダムと水資源機構ダムの2016年度予算は、国交省のHP

http://www.mlit.go.jp/river/basic_info/yosan/gaiyou/yosan/h28/h28damyosan.pdf の予算案と同じです。

補助ダムの2016年度予算は、確定予算の事業実施箇所(当初配分)

http://www.mlit.go.jp/page/kanbo05_hy_001112.html  の中に示されています。

例えば、石木ダムについては長崎県を開くと、最初に道路局の予算、次に国土保全・水管理局の予算が書かれていて、

石木ダムの事業費が1.2億円となっています。

石木ダムは工期が6年延長されたためでしょうか、2015年度予算9.2億円に比べて2016年度は小さくなっています。

各ダムの2009~2016年度の予算の推移を整理しました。参考までにご覧ください。

直轄・水機構ダムの予算 2009~2016年度

補助ダムの予算 2009~2016年度

 

 

4.5 参院選前 緊急院内集会へのお誘い

2016年3月14日
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4.5 参院選前 緊急院内集会
「公共事業の暴走ストップ! ~人権破壊・自治権剥奪を許さない!!~」
への お 誘 い

 安倍政権の「戦争のできる国づくり」。国内ではすでにその本質、「言うことを聞かないものは押し潰す!」「欲しいものは有無を言わさず強奪する」が全国各地で進行しています。
現地住民の皆さんは怒りに燃え、「強奪を許さず」と、連日熾烈に闘っています。

 来る4月5日、沖縄県辺野古新基地建設、長崎県石木ダム建設、東京都江戸川区スーパー堤防、神奈川県横浜環状南道路(圏央道)と東京都外環道路、諫早開門問題、東名リニア新幹線建設と闘っている皆さんが結集して、政党と国会議員そして全国の皆さんに連帯を訴える集会を開きます。

現地からの報告を受けて、金子勝氏のコメント、政党・国会議員からの発言も用意しております。
この集会は超党派国会議員連盟「公共事業チェック議員の会」から全面的なご協力を受け、後援団体になっていただいております。

   ≪集会要領≫

  •  日時;201645() 15301830 (15時から入館証配布)
  • 場所;衆議院第1議員会館 大会議室
  • 集会コンテンツ

①開会挨拶・趣旨説明 
②現地からの報告
    石木ダム / 江戸川スーパー堤防 / 横浜環状南・東京外環道 / 辺野古 / 諫早開門 / リニア新幹線
③上記報告へのコメント(公共事業問題全体の視点からの問題整理と処方箋)
     金子 勝  氏  (慶応大学教授)
           (質疑応答時間を設けています)
 ④各政党・国会議員からの発言
⑤集会宣言採択
⑥閉会挨拶・この後の活動提起

  皆さん、お誘い合わせして、是非、ご参加いただけますよう、お願いいたします。

 (添付のチラシをご参照くださるようお願いいたします。)
    4-5集会 チラシ両面

《主催団体・連絡先》 公共事業改革市民会議    (事務局長 遠藤保男 045-877-4970)
                                                      http://stop-kyoujinka.jp/
《後援団体・連絡先》 公共事業チェック議員の会

                                  (事務局長 初鹿明博衆議院議員  担当秘書 石井茂 03-3508-7712)

 

大戸川ダム検証素案に対する意見

淀川水系・大戸川ダム検証素案についての意見募集が3月14日まで行われています。

去る2月27日に開かれた大津市内の公聴会ではダム反対意見の公述がなかったと報道されています。

翌日、28日の大阪市内の公聴会では公述人が一人だけで、今本博健京都大学名誉教授が反対意見を公述されたと聞いています。

このままでは反対意見があまりにも少なく、先行きが大いに心配されますので、水源連として大戸川ダムの問題を急きょ検討して、意見を提出しました。

意見書は 大戸川ダム検証素案に対する意見(嶋津暉之) のとおりです。

要旨を記します。

① 淀川本川の治水対策として大戸川ダムは意味を持たない。

〇 治水代替案の事業費の大半を占めているのは淀川本川対策の事業費である。

〇 大戸川ダムは淀川本川で計画洪水ピーク流量を400㎥/秒削減する効果があるとされているが、これは下流に行くほど、ダムの洪水ピーク削減効果が減衰していことを考慮しないきわめて過大な数字であり、実際は100~150㎥/秒以下であると推測される。

〇 仮に400㎥/秒の削減効果があるとしても、最大で約15㎝の水位低下である。淀川本川は現況堤防の余裕高が2.5~3m以上あり、必要な余裕高2mは十分に確保されるので、淀川本川では大戸川ダムの小さな治水効果は意味を持たない。

〇 この淀川本川対策の費用を除くと、治水対策代替案の河道掘削案や堤防嵩上げ案の事業費は大戸川の分だけとなり(それぞれ210億円、230億円)、大戸川ダム案の事業費478億円(残事業費)を大幅に下回るので、これらの代替案を選択すべきである。


② 大戸川で進めるべき治水対策

〇 大戸川において耐越水堤防工法を導入すれば、大戸川の流下能力を大幅に高めることができる。耐越水工法の導入と流下能力不足箇所の河川改修に130~180億円程度の費用をかければ、大戸川ダムなしで、計画流量に対応でき、且つ、それを超える洪水が来ても破堤を防ぐことができるようになる。


③ 鬼怒川の堤防決壊を踏まえた治水対策を!

〇 耐越水堤防工法は旧・建設省土木研究所が研究開発し、技術的に確立して一部の河川で実施されつつあったにもかかわらず、国交省はダム事業推進の妨げになるとして、耐越水堤防工法の普及にストップをかけた。治水対策として必要性が稀薄な大戸川ダムにこれから500億円近くの河川予算を使うことをやめ、鬼怒川堤防決壊による悲惨な水害を踏まえて、流域住民の生命と財産を守るために有効な治水対策、耐越水堤防の導入を大戸川、淀川本川でも推進すべきである。


④ 自然にやさしくない流水型ダム(穴あきダム)

〇 大戸川ダムが建設されれば、流水型ダムの副ダムの存在が水生生物の行き来を妨げる障害物になる。さらに、洪水後の川の濁りが長期化し、魚類の成育や生態に対して少なからず影響を与えることも危惧される。


⑤ 流水型ダムは大洪水時には閉塞して洪水吐きが洪水調節機能を喪失

〇 流水型ダムについて強く心配されることは、大洪水時に流木や土砂などで洪水吐きが詰まって、洪水調節機能が失われてしまうことである。大戸川ダムが閉塞すれば、大戸川ダム下流の河道はダムの洪水調節を前提として計画されているから、大氾濫の危険にさらされることになる。

 

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