水源連:Japan River Keeper Alliance

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「川上ダムは不要」 科学者の会など、市に申し入れ 伊賀 /三重

2015年5月23日
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 去る5月18日に今本博健先生とともに、伊賀市水道部を訪れて、「伊賀市にとって川上ダムの水源が本当に必要なのか」を検討した結果について説明してきました。(嶋津暉之)
この検討結果は、昨年11月に「木津川流域のダムを考えるネットワーク」の浜田不二子さんから依頼がありましたので、伊賀市、三重県、近畿地方整備局への情報公開請求で様々なデータを入手して解析してまとめたものです。
 また、翌19日には「川上ダム問題の本質を問う」というタイトルの市民向け講演会で今本先生が治水問題、私が利水問題の講演を行いました。
 その記事を掲載します。
今回の検討結果「伊賀市水道と川上ダムの問題」は、伊賀市水道と川上ダムの問題20150522 のとおりです。

「川上ダムは不要」科学者の会など、市に申し入れ 伊賀 /三重

(毎日新聞伊賀版 2015年05月19日)http://mainichi.jp/area/mie/news/20150519ddlk24010330000c.html

事業継続で計画が進む川上ダム(伊賀市)について、「ダム検証のあり方を問う科学者の会」呼びかけ人の今本博健・京都大名誉教授と水源開発問題全国連絡会の嶋津暉之・共同代表が18日、同ダムを不要とする申し入れを伊賀市に行った。
会見した嶋津代表は、近畿地方整備局は現在、同ダムへの参画を前提とする「(木津川からの取水に条件を付ける)豊水暫定水利権」しか伊賀市に許可せず、「市にダム事業への参画を強制している」と指摘。安定水利権を得るため、国の理不尽な手法を公表し、世論をバックに改善させるよう、市に求めた。
また、ダムを開発する水資源機構は22年度まで工期を延長したが、総事業費は従前と同じ1180億円としていることに対し、「コスト削減で対応すれば、安全面で大丈夫かと言わざるを得ない。事業費の増額を先送りした」と指摘した。
両者に協力を依頼した「木津川流域のダムを考えるネットワーク」の3人も同席し、岡本栄市長への質問書を提出した。ネットワークは19日午前10時、市ゆめぽりすセンターで2人の講演会を開く。問い合わせはメンバーの浜田さん(080・5369・0148)。【大西康裕】
〔伊賀版〕「川上ダム問題の本質を問う」 19日に市民団体が講演会 伊賀市伊賀タウン情報ユー (2015年5月18日 18:51)http://www.iga-younet.co.jp/news1/2015/05/19-7.html
約20の環境団体などでつくる「木津川流域のダムを考えるネットワーク」などが、5月19日午前10時から伊賀市ゆめが丘1のゆめぽりすセンターで講演会「川上ダム問題の本質を問う~民主主義を取り戻すために~」を開く。
講演者は2人。水源開発問題全国連絡会の共同代表を務める嶋津暉之さんはテーマが「伊賀市水道と川上ダムの問題」。ダム検証のあり方を問う科学者の会共同代表で京都大名誉教授の今本博健さんは「川上ダムに治水場の必要はない」と題した講演を行う。
参加費は300円。時間は午前11時45分まで。
同ネットワークによると、関係者ら5人が18日、岡本栄市長宛ての質問書を市水道部に提出。嶋津さんが試算した結果、市が今後支払う同ダムに対する建設負担金の総額は他のダムの自治体に比べて法外に高くなる可能性を指摘している。
また、木津川からの取水は現在の豊水暫定水利権から正規の安定水利権として許可するよう国に強く求めるべきだと主張。「ダムに頼らなくても水需要に不足をきたすことはない」としている。
問い合わせは同ネットワーク(山形さん=090・9359・2964)、または(浜田さん=080・5369・0148)へ。

水源連共同代表 川上ダム「不要」 伊賀市水道部に申し入れ

(読売新聞伊賀版 2015年05月19日)

伊賀市に計画中の川上ダムについて、「水源開発問題全国連絡会(水源連)」 (事務局・横浜市)の嶋津暉之共同代表(71)らが18日、同ダムの建設は市民にとって負担が大きいなどとして、「ダムは不要だ」とする申し入れを、市水道部に行った。
ダム建設に反対し、地元で活動する「木津川流域のダムを考えるネットワーク」が昨年秋、嶋津共同代表に同ダムの検証を依積した。
この日、同部を訪れた嶋津共同代表は、検証に基づき、同ダムの総事業費(1266億円)に対する利息を含めた伊賀市の負担額は123億~147億円(国庫補助金除く)になるとする独自の試算を明らかにした。
さらに、▽今後の人口減少などで将来の水需要は縮小傾向▽伊賀市では給水制限をするほどの渇水はほとんどなかった――などの理由で、同ダムがなくても水不足にはならないと主張。
「市は、(他のダムに比べ)法外に高い負担金を支払い、市民に多額の負担を強いて、本来は不要な川上ダムの水源を得ようとしている」と指摘した。
市は昨年8月、1982~2013年度に実施された周辺整備事業費だけで、利子を含めた市の負担額は72億5000万円になると説明。今後始まる本体工事の費用は含まれておらず、全体の負担額は明らかになっていない。
同ネットマークは、今回の申し入れとともに、岡本栄市長あての質問状を提出。適切な根拠に基づく伊賀市の負担額の説明と、水需要計画の再検討を求めた。
市水道部は取材に、ダム推進の立場は変わらないとしたうえで「中身をよく読んで検討する」とコメントした。
同ネットワークは19日午前10時~11時45分、ゆめぽりすセンター‐(ゆめが丘)で、「川上ダム問題の本質を問う」と題し、嶋津共同代表らの講演会を開く。参加費300円。問い合わせは、同ネットワークの浜田不二子さん(080・5369・0148)へo

「石木ダム反対」バス運行

2015年5月22日
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米アウトドア衣料品ブランド「パタゴニア」日本支社の支援で、石木ダム反対」ラッピング”をしたバスが佐世保市と川棚町などを走っています。
その記事を掲載します。
石木ダム反対」バス運行
(長崎新聞2015年05月21日)http://www.nagasaki-np.co.jp/news/kennaitopix/2015/05/21091506017410.shtml
石木ダムの必要性を問うメッセージなどを施したラッピングバス=川棚バスセンター
石木ダムの必要性を問うメッセージなどを施したラッピングバス=川棚バスセンター

 県と佐世保市が東彼川棚町に計画している石木ダム建設事業に反対する団体などが今月から、同ダム工事に疑問を投げかける内容のイラストやメッセージを路線バスに”ラッピング”し両市町などに走らせている。

町民からは、PR効果について期待の声が上がる一方で、懐疑的な意見もある。
同事業に反対する市民団体「石木川まもり隊」(松本美智恵代表)と、反対運動を支援する米アウトドア衣料品ブランド「パタゴニア」日本支社(神奈川県鎌倉市)が、デザインや文案を協議。

広告製作や掲載費用計約150万円は同社が全額助成し、西肥バス(佐世保市)と来年4月までの予定で契約した。
車体全面に「いのち育む清流を未来へ」「ダムはほんとうに必要か皆で考えましょう」などのメッセージとともに、反対地権者らの似顔絵やダム建設予定地の自然風景をイメージしたイラストが描かれている。
同町の川棚バスセンターで、車体を見た女性会社員(45)=中組郷=は「ダム建設には反対。必要論一辺倒だったところに一石を投じてほしい」と歓迎。しかし、同事業を支持する飲食店経営の男性(46)=下組郷=は「町の経済のためにも、早く工事が始まってほしい。バス1台走らせても、効果はないのでは」と話した。
同事業推進を求める「石木ダム建設促進佐世保市民の会」(嬉野憲二会長)は、ラッピングバスを使ったPRを20年以上継続している。佐世保市営バスと西肥バス1台ずつで掲載費用は年間計約73万円。車体の両側面を使い「佐世保市の慢性的な水不足を解消するには石木ダム建設しかありません」などと必要性を訴えている。
ダム建設反対、推進-。対立する主張を発信するラッピングバス。西肥バスによると、同社の2台は同じ嬉野車庫(佐賀県嬉野市)に駐在している。

石木ダム関連工事、また着工できず 地権者ら抗議

2015年5月20日
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長崎県は5月19日、石木ダム(川棚町)の建設に伴う付け替え道路の工事を約10カ月ぶりに着工しようと試みましたが、ダムに反対する建設予定地の地権者らの抗議を受け、着工できませんでした。その記事を掲載します。

石木ダム道路工事再開できず 反対派が阻止行動


無言でプラカードを掲げ、県職員らの現場入りを阻止する反対派の人たち(左側)

県と佐世保市が川棚町に進めている石木ダム建設事業で、県は19日、2010年に中断した付け替え道路工事の再開を試みた。しかし、反対派の阻止行動を受け、この日の着手を断念。県は20日以降も試みる方針。

午前9時半頃、県職員や業者の関係者ら約10人が工事現場に到着。現場入りしようとしたが、人物が特定されないよう顔を隠した反対派約40人が行く手を遮った。

県石木ダム建設事務所の古川章所長が「ここは県が管理する土地です。道を空けてください。(妨害禁止の)仮処分決定が出ている」と呼びかけたが、反対派は無言で「工事強行より話し合い!」「地元の理解は得ましたか?」などと書いたプラカードを掲げ続けた。

現場入り出来なかった県側はいったん引き返し、その後、2回にわたって再開を試みたが、いずれも阻止された。

古川所長は報道陣の取材に対し「ダムの必要性についてはすでに結論が出ており、これ以上の話し合いは平行線。何とか理解をお願いしたい」とした。一方、反対派の地権者は「長期戦は覚悟の上だ。ダムは必要なく、工事の強行は絶対に阻止する」と語った。

 

2日目も着手できず 石木ダム道路工事 反対派が阻止行動

(読売新聞長崎版2015年05月21日)http://www.yomiuri.co.jp/local/nagasaki/news/20150520-OYTNT50279.html

県と佐世保市が川棚町で計画する石木ダム建設事業で、県は20日、中断している付け替え道路工事の再開を試みたが、前日に続いて反対派の阻止行動を受け、2日目も工事に着手できなかった。
午前9時半頃、県職員ら約20人が工事現場に入ろうとしたが、顔を隠した反対派約30人は、前日と同様に無言でプラカードを掲げ、入り口に立ちふさがった。県側はその後も3回にわたり現場入りを試みたが、いずれも阻止された。
県石木ダム建設事務所の古川章所長は「妨害禁止の仮処分決定を守ってほしい。現時点で強硬手段をとるつもりはなく、粘り強く説得していく」と話した。
一方、反対派の地権者は「40年以上戦ってきたので、持久戦は慣れている。仮処分は権力者の弱い者いじめ。必要のないダム建設は認められない」と譲らない姿勢を強調した。

 

石木ダム建設計画40年 強制収用の期限刻々と

2015年5月11日
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石木ダム問題の経緯と今後についての報告の記事です。
40年経って石木ダム無しで何も困らないのですから、好い加減に事業者は諦めたらよいのですが、利権があるためか、ダム建設に執着しています。
何としても、強制収用を阻止しなければなりません。

石木ダム建設計画40年 強制収用の期限刻々と

(読売新聞長崎版 2015年05月11日)http://www.yomiuri.co.jp/local/nagasaki/news/20150510-OYTNT50055.html
(写真)のどかな自然に囲まれた石木ダム建設予定地
  • のどかな自然に囲まれた石木ダム建設予定地
    川棚町で県と佐世保市が進める石木ダム建設計画は、事業採択から今年で40年となった。建設予定地での地権者による建設反対は今も続くが、県は強制収用の手続きに入っており、年内には一部の用地を強制的に取得する見込みだ。これまでの経緯と今後の展望を報告する。(梅野健吾)
初夏の訪れを感じさせる晴天となった5月初旬、建設予定地の川棚町岩屋郷は、新緑の山々と田畑に囲まれた民家が点在し、牧歌的な景色が広がっていた。
集落の至る所には、ダム建設反対を訴える看板が掲げられている。現在、立ち退きに応じない13世帯約60人が生活をしているが、近い将来、強制収用という法的措置に直面する。
石木ダムは、川棚川の治水と佐世保市の水不足解消などを目的に1975年に事業採択された多目的ダム。総事業費は285億円で、2013年度末までの事業費ベースの進捗(しんちょく)率は52%、用地取得率は約80%にとどまっている。
県は16年度の完成を目指しているが、建設に反対する13世帯の農地や住宅地など約15万平方メートルが未買収で、本体工事の着工には至っていない。

佐世保市では、1994年の大渇水で264日間に及ぶ給水制限が続き、2005年は8日間、07年も160日間の給水制限が行われた。同市は「水源を確保して安定供給を達成しなければ、今後も将来にわたって渇水のリスクを負い続けなければならない」と理解を求める。
一方、反対派は同市の水需要は人口減少とともに減少しているとして、水源は足りていると主張。ダムが建設された場合、市民の水道料金が1世帯あたり年間4000円増えることを挙げて、「必要性のないダムのために住んでいた人を追い出し、市民に負担を強いるのは間違っている」と訴えている。
40年という年月がたっても、双方とも歩み寄る機運はない。
県は昨年9月、未買収用地のうち、工事に必要な道路用地など約5400平方メートルについて、強制的に所有権を移転させるための裁決申請を行った。県収用委員会は公開で審理し、今年中に用地の補償額や明け渡し期限を決める。
また、昨年11月には4世帯の家屋を含む約3万平方メートルについても収用手続きを始めており、今年11月までに地権者の同意が得られなければ、家屋についても裁決申請を行う方針だ。
収用委は、事業の是非について審議する場ではなく、書類などに重大な欠陥がない限り裁決が出される。地権者が期限までに明け渡しに応じなければ、家屋まで強制収用される事態が起きる。
残りの家屋を含む用地についても、県は17年9月までに裁決申請を行う見通しで、地権者側にとって大きな転機が近づいている。
現時点で地権者側は法的手段で争う意向はなく、「県が何をしようとも死んでもここを離れるつもりはない」との姿勢を崩さない。
一方、県側は「今後の生活再建に向けた話し合いに応じてほしい」と呼びかけるが、ダム事業の見直しに応じるつもりはない。両者に残された解決までの時間は多くない。
〈石木ダム事業の経緯〉
1972年 県が予備調査を開始
75年 国が事業採択
82年 県が強制測量を行い、機動隊と住民が衝突
2009年 県と佐世保市が国に事業認定を申請
13年 国が事業認定を告示
14年 県と佐世保市が一部用地の農地について裁決申請
今年 県と佐世保市が4世帯の家屋を含む一部用地について裁決申請か?

「社会的共通資本としての森」経済学者・故宇沢弘文氏 晩年の思い込め 編集本

2015年5月5日
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5月5日の東京新聞に、昨年お亡くなりになった宇沢弘文氏と、拓殖大の関良基准教授の共同編著による「社会的共通資本としての森」(東京大学出版会)の紹介記事が掲載されました。
下記の本のHPに書かれているように、この本は、
「森林環境と人間社会による森の利用は,濃密な相互作用を経て,各地域固有の文化とコモンズを形成してきた.森林資源の略奪を批判し,森林は自然環境を持続させ,社会と文化に安定をもたらし,社会的共通資本のネットワークの重要な一環であることを多面的に考察」したものです。
宇沢氏が病床のところ、序章を書かれ、各分野の専門家がそれぞれ執筆されています。
河川の関係では、第I部「森は緑のダム」の第1章「森林の保水力と緑のダム機能を蔵治光一郎氏・五名美江氏、第2章「森林回復による治水機能の向上はダムに優る」を関 良基氏が、第3章「横川山の入会の変遷と「流域コモンズ」の可能性」を保屋野初子氏が書かれています。
この記事の終わりに書かれているように、この本は「森の保水力を無視してダム建設を強行しようとする国土交通省の姿勢に対する憤りが、編集の直接のきっかけだった。森や川は国有、私有を問わず、自然の機能を損なってまで金もうけのために開発してはならない。」
という宇沢氏の思いを込めた本です。
是非、お読みください。

経済学者・故宇沢弘文氏 晩年の思い込め 編集本 (東京新聞 2015年5月5日)

共通資本の森守って 金もうけ開発ダメ

昨年9月に亡くなった経済学者の宇沢弘文氏が、最晩年に編集した「社会的共通資本としての森」(東京大学出版会)が先月出版された。ノーベル経済学賞候補として名前が挙がり、環境問題でも積極的に発言した宇沢氏。森が育むさまざまな価値が、公正に配分される社会の実現を目指して同書を編んだ。

二〇一〇年十二月に編集作業が始まった。宇沢氏は会議に先立ち、共同編者の拓殖大の関良基准教授(森林政策)に向かい、「いよいよ人生の最後の局面に入ったとの感が否めない。森の中にあるさまざまな資源や、森の果たす宗教的、歴史的な役割まで、できるだけ広範に盛り込みたい」と編集の意図を伝えている。
その言葉通り、同書では、森の保水・治水機能や地域住民の森利用の可能性、森が育んできた思想や文化といった多様な側面について、各分野の専門家による分析が行われている。
宇沢氏は論文で、森や大気、河川の自然環境と、教育や医療サービスなどを、社会の共通資本と位置付けている。その上で、森の長期安定化のための国際的な枠組みを提案する。
木の伐採や二酸化炭素排出に「炭素税」をかけ、各国は一定比率を「大気安定化国際基金」に拠出する。基金を国民所得などに応じて各国に分配し、それぞれが森育成や再生可能エネルギー開発を進める構想だ。
宇沢氏は一一年の東日本大震災直後に脳梗塞で倒れた。そのため論文は、書きかけの原稿に、発表済みの論文の主要部分を盛り込む形でまとめていった。
関氏は、宇沢氏の思いをこう語る。「森の保水力を無視してダム建設を強行しようとする国土交通省の姿勢に対する憤りが、編集の直接のきっかけだった。森や川は国有、私有を問わず、自然の機能を損なってまで金もうけのために開発してはならない。これがこの本に込めたメッセージだ」

東京大学出版会のHP http://www.utp.or.jp/bd/978-4-13-030252-4.html

 Social Common Capital  社会的共通資本としての森 

宇沢 弘文 編, 関 良基 編

発売日:2015年04月上旬, 判型:A5, 344頁,税込5832円/本体5400円

内容紹介

森林環境と人間社会による森の利用は,濃密な相互作用を経て,各地域固有の文化とコモンズを形成してきた.森林資源の略奪を批判し,森林は自然環境を持続させ,社会と文化に安定をもたらし,社会的共通資本のネットワークの重要な一環であることを多面的に考察する.

主要目次

はしがき プレビュー(宇沢弘文・関 良基)

序 章 社会的共通資本と森林コモンズの経済理論(宇沢弘文)

第I部 森は緑のダム

第1章 森林の保水力と緑のダム機能(蔵治光一郎・五名美江)

第2章 森林回復による治水機能の向上はダムに優る(関 良基)

第3章 横川山の入会の変遷と「流域コモンズ」の可能性(保屋野初子)

第II部 森を育む思想と文化 第4章 コモンズとしての森林――学校林の歴史に宿るエコロジー思想(三俣学)
第5章 地域と森林の時間軸・空間軸――流域圏と農山村の遺産(山本美穂)
第6章 平和の森――先住民族プナンのイニシアティブ(金沢謙太郎)
第7章 イノシシと日本人の関係史――自然領域と人間領域の適正な配分(小寺祐二)

第III部 森を支える制度 第8章 制度資本としてのコモンズ――政令指定都市の中の森林・林業を事例として(池田寛二)
第9章 自然災害リスク管理と保安林制度のあり方――オーストリア・チロル州の保安林改良事業と野渓監護事業を中心に(古井戸宏通)
第10章 林業労働者のキャリア形成支援と「緑の雇用」制度(興梠克久)

終 章 森林を社会的共通資本とするために(関良基)

あとがき(関 良基)

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