水源連の最新ニュース
球磨川治水の基本方針、12月にも変更 国交省、最大流量引き上げる案
去る11月10日(水)に国土交通省の社会資本整備審議会河川分科会の会議がオンラインで開かれ、球磨川水系(熊本県)河川整備基本方針の変更案が認められました。
球磨川の基本高水流量が下図の通り、人吉地点は7000㎥/秒から8200㎥/秒に、横石地点は9900㎥/秒から11500㎥/秒に引き上げられました。
西日本新聞の記事をお送りします。
この基本方針の変更は、流水型川辺川ダムの建設を意図したものです。
2020年7月洪水の後は国土交通省は球磨川では流水型川辺川ダムの推進ばかりを考えていますが、しかし、球磨川は、流水型川辺川ダムの建設よりもはるかに優先すべき治水対策、河道掘削等の治水対策があるはずです。
球磨川治水の基本方針、12月にも変更 国交省、最大流量引き上げる案
(西日本新聞2021/11/11 6:00)https://www.nishinippon.co.jp/item/n/830122/
昨年7月の熊本豪雨で氾濫した球磨川水系(熊本県)を巡り、有識者でつくる国土交通省の社会資本整備審議会河川分科会は10日、オンラインで会合を開き、治水策の長期的目標となる河川整備基本方針の変更案を適当と認めた。これを受け、国交省は12月にも基本方針を変更し、具体的な治水策の議論を進める。
この日の会合では、洪水時に想定される最大流量「基本高水」を、人吉市と八代市の基準地点で、それぞれ1.2倍程度に引き上げる案が示された。人吉市は現行の毎秒7000トンから同8200トンに、八代市では同9900トンから同1万1500トンになる。こうした案に、有識者の委員から異論は出なかった。 (御厨尚陽)
球磨川水系河川整備基本方針の変更の概要 国土交通省 水管理・国土保全局 令和3年11月10日
https://www.mlit.go.jp/river/shinngikai_blog/shaseishin/kasenbunkakai/bunkakai/dai60kai/pdf/2.pdf
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調布陥没から1年 進まぬ工事と事実上の゛立ち退き宣告″問題の核心は地下にあり
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「東京外環道」のトンネル工事により、去年10月に東京都調布市で起きた陥没事故についての特別番組の報道を掲載します。
調布の人々の生活に深刻な影響を与えています。
大深度地下法を根本から考え直す必要があるように思います。
調布陥没から1年 進まぬ工事と事実上の゛立ち退き宣告″問題の核心は地下にあり
(毎日放送 2021-11-08 21:51)https://www.mbs.jp/news/zenkokunews/20211108/4398030.shtml
▼突如現れた巨大な「穴」その原因は・・・
新宿から電車で20分。東京・詞布市は-軒家やマンションか立ち並ぶ閑静な住宅街で
す。
市内には明治の文豪・武者小路実罵の終の棲家を改装した「実罵公園」もあり、文学好き
には知られた街ですが、去年10月、住民の生活は一変しました。
住宅街の道略に突然、“巨大な六″があいたのです。その六は長さ約5メートル、幅約3メ
ートルという大きさで、民家のすぐそこまで迫っていました。
駆け付けた警察と報道陣、空を飛ぶヘリに街は騒然、六を埋める作業には一晩かかりまし
た。
人々がせわしなく行き交う道の真下で行われていたのが、NEXCO東日本などによる
「東京外環道」の高速道路を作るためのトンネル工事です。
当時、NEXCO東日本はすぐにはトンネル工事か原因とは認めませんてした。ところが
周辺の地盤調査を実施すると相次いで3つの空洞がトンネルの真上で見つかったのです。
中には新幹線1両がすっぽり収まる巨大な空洞もありました。
詞査が終わった今年3月、NEXCO東日本はやっと「トンネルエ事の施エミスか原因」
と認めます。
これで問題はおおむね解決!となるわけもなく、現在も住民たちはNEXCO東日本らと
補償の交渉を進めながら不安で苦しい毎日を送っています。
▼約250軒の家屋が損傷中には事実上の「立ち退き宣告」も
現在NEXCO東日本が発表している補償は主に2つ。1つはトンネルの真上、地盤が緩
んでいる範囲の補修を約2年間かけて行います。大がかりな工事なのて、家をまるごと取
りつぶして建て直す「仮移転」が必要です。
しかし住民によると、工事業者から「仮移転をしてもおそらく10年は戻ってくることが
てきない」と説明され、事実上、立ち退きを迫られている状況だといいます。
対象となっている住民は「退職全をはたいて買ったマイホームをまだ住めるのに手放すの
は想像もてきない、つらい」とまだ現実を受け止めきれすにいます。
もう1つの補償は損傷した家屋に対するものです。事故現場付近ては250軒もの家屋補
償の希望があり、ひどい家だと1軒だけで250か所以上のひび割れ、地割れ、家の中の
傾きなどの被害が確認されています。
建物の基礎にヒビが入ると建て直しなど大がかりな工事が必要になりますが、最初の陥没
事故から1年が経っても具体的な工事のスケジュールは決まっていません。
取材中、家のヒピなどの被害から「NEXCO東日本の説明よりももっと広い範囲で地盤
が緩んでいるのてはないか」と住民の不安な声を多く聞きました。
実際に複数の住民が、家の中で過ごしていると「地下からさ一っと砂が落ちる音が聞こえ
る」と証言していています、
いくら事業者が「地盤に問題はない」と言っても、いつ自分の家が陥没するのかと、普通
なら考えもしない恐怖を抱きながら生活しているのです。
最初の事故から約1年が経った今年10月、事態が動きます。NEXCO東日本とは無関
係の別の専門家が独自に調査を行ったところ、NEXCO東日本が認めているよりも広い
範囲で地盤が緩んでいることが判明したのです。
「もっと広い範囲で地盤が緩んで「いるのてはないか」。取村中に何度も耳にした住民の不
安は現実のものとなりました。調査に密看していたTBSがこの結果を報じると、多くの
報道機関が取材に動きました。
▼住民は工事に合意Lたのか。地下は誰のモノ?
ニュースを見ていて「そもそも住民はトンネル工事の許可を出しているのでは」と疑問を
感じた方もいるかもしれません。
しかし調布のケースては突然、家で振動や重低音を感じるようになり、初めてトンネル工
事が行われていることを知ったという住民が多くいました。
事業者による説明会も開催されましたが、住民がトンネル工事に対して許可を出したこと
は一度もありません、それは「東京外環道」のトンネル工事が「大深度地下の公共的使用
に関する特別措置法」=いわゆる「大深度地下法」という法律に基づいて行われているも
のだからてす。
「大深度地下法」は2001年に施行された言律で、地下40メートル以下の「大深度地
下」の空間は、鉄道、道路など公益性の高い事業のために優先的に利用できるとしていま
す。事業者は国や都道府県への申請が通れば、地上の地権者の同意なしに工事をすること
ができるのです。
「これはどの地下であれば、人が住む地表への影響は出ない」との考えが根本にあるわけ
てすが、現実として詞布ては住宅街で陥没の被害が発生、法律が想定しない事態が起きた
のです。
斎藤国交大臣(当時)は「陥没は工事の施工に起因するもの」として、゛あくまでも施工
ミスが原因てあり法律に問題はない″としています。
しかし地盤工学が専門の芝浦工業大学・稲積真哉教授は、大深度地下法で「地権者の同意
が不要」とされているため、事業者は地盤詞査を怠ったのてはないかと指摘。
本来トンネル工事は徹匠的な地盤詞査を行ったうえて実行されますが、事業者が経費と時
間を削喊するため地盤詞査の地点を減らした結果、今回のような事故が起きた可能性があ
るとしています。
▼あなたの街にも地下トンネルが?
大深度地下に基づく工事は他にもあります。JR東海などによる「リニア中央新幹線」の
工事は先日、品川から地下トンネルの試験的な掘削が始まりました。そのルート上にある
東京・田園詞布の住民らは「住民軽視の暴挙」として反発。
同じリニア中央新幹線ては静岡県でも大深度地下の工事が予定されていますが、大井川を
中心とした環境破壊への懸念から、川勝平大知事が今も工事を認めていません。
このほか関西でも京都を通過する北陸新幹線の延伸計画が進められていています。
一度地下を掘って地盤を壊してしまったら完璧に元に戻すことは難しく、深刻な環境破壊
に繋がる恐れもあります。
全国で大深度地下の利用か進む中、地上への影響は本当にないのか、安全を守るためにど
う対策すればよいのか。
事業者の安全に対する責任と「大深度地下」の工事のあり方を再考する時か未ているのて
はないてしょうか。
取材:社会部 引地深仁
(6日09:00)
市民団体が県に共同検証を提案 球磨川洪水 第四橋梁の影響など
11月4日、球磨川流域住民などでつくるグループが熊本県に対して、昨年7月の球磨川豪雨について、被害拡大の要因を共同で検証するよう要望しました。
その記事とニュースを掲載します。
科学的に検証すれば、川辺川ダムが当時、仮にあっても、その効果が小さかったことが明らかになると思います。
市民団体が県に共同検証を提案 球磨川洪水 第四橋梁の影響など
(朝日新聞2021年11月6日 9時30分)
7月豪雨 住民団体が県に共同検証を要望【熊本】
(RKK熊本放送2021/11/4(木) 18:46) https://news.yahoo.co.jp/articles/fc8f1c2430ecc4896e7ac64d0cf262f2c3d52b03
一方で、去年7月の豪雨からは4日で1年4か月です。 球磨川の流域住民などでつくるグループが、被害拡大の要因を共同で検証するよう県に要望しました。 「(7月豪雨で)どんなふうに水がきてどんなふうに命が失われたのか。一緒に現地を歩いて検証していただけると県にも理解していただけるのでは」(清流球磨川・川辺川を未来に手渡す流域群市民の会事務局長 木本雅己さん) 住民団体は、7月豪雨では球磨川と川辺川の合流地点にある「くま川鉄道第4橋梁」に流木などが押し寄せて水をせき止め、橋が流失したのと同時に大量の水が人吉市街地を一気に襲い被害を拡大させたと主張しています。 このほか、当時の住民の避難行動や市房ダムの効果など、これまで住民団体が独自に行ってきた検証を改めて県と共同で進めることも求めました。 共同検証について、県は「検討する」という回答に留めています。
ギャラリーは反石木ダム団結小屋 「抗議の現場、ふらっと来て」
長崎県川棚町川原地区に住むイラストレーターこうばるほずみさんが反石木ダム団結小屋にアトリエ兼ギャラリーをオープンさせました。
その記事を掲載します。
ギャラリーは反石木ダム団結小屋 「抗議の現場、ふらっと来て」
(西日本新聞2021/11/7 6:00) https://www.nishinippon.co.jp/item/n/827929/
「団結小屋」にオープンした石木川ミュージアム
長崎県川棚町川原地区に住むイラストレーターこうばるほずみさん(39)は6日、同地区の「団結小屋」でアトリエ兼ギャラリーをオープンさせた。石木川流域の自然や歴史、人の営みを描いた作品24点を展示。ギャラリーは「石木川ミュージアム」と名付けられた。
同地区では石木ダムの建設工事が進み、事業に反対する住民と支援者が工事現場で抗議活動をしている。小屋は40年以上前、事業を進めようとする県職員を監視する目的で建てられた。
40年以上に及ぶ事業の停滞で、事業への無関心が進んだように感じるというこうばるさんは「たとえ関心を持ち事業を知ろうにも、抗議の現場を訪れる心理的ハードルは相当に高い。ふらっと気安く訪れる空間をつくりたかった」と語る。
支援者らとともにトタンがむき出しだった小屋の一角をリフォームし、ピンクに塗ってポップな空間を演出。「ダム絶対反対」「返り血も浴びる」などの看板が掲げられた外観とのギャップも意識した。「川原地区を知るきっかけになれば」と話す。ギャラリーは土日の午後1~5時に開放する予定。 (岩佐遼介)
石木ダム訴訟、建設予定地の住民ら上告 「平穏に生活する権利」主張
石木ダムの建設工事差し止めを求めた訴訟で、住民ら270人が11月1日、住民側の請求を退けた福岡高裁判決を不服として、最高裁に上告しました。
その記事とニュースを掲載します。
川棚町の石木ダム建設差し止め訴訟 住民側が上告
(テレビ長崎 2021年11月2日 火曜 午後6:14) https://www.fnn.jp/articles/-/263623
東彼・川棚町の石木ダム建設をめぐり、建設予定地の住民などが長崎県と佐世保市に工事の差し止めを求めている裁判で、住民側は、10月の福岡高裁の判決を不服として、最高裁に上告しました。
長崎県と佐世保市が東彼・川棚町に建設を予定している石木ダムについて、建設に反対する住民などは、ダムの建設や、県道の付け替え道路工事の差し止めを求め、訴えを起こしています。
福岡高裁は10月21日、「快適な生活を営む権利などの平穏生存権を主張しているが、内容が抽象的で不明確」などとして、請求を棄却しました。
これを不服として住民側は、11月1日、最高裁に上告したということです。
控訴審では、住民側が結審したあとに、2021年8月の豪雨の調査結果などを新たな証拠として提出し、審理の再開を求めていましたが、認められていませんでした。
石木ダム建設差止訴訟で住民側が上告
(NHK2021年1月02日 17時50分)https://www3.nhk.or.jp/lnews/nagasaki/20211102/5030013186.html
長崎県川棚町で進められている石木ダムの建設に反対する住民などが長崎県と佐世保市に建設工事の差し止めを求めた裁判で、住民側は訴えを退けた2審の判決を不服として、2日までに最高裁判所に上告しました。
この裁判は、川棚町で建設が進められている石木ダムの建設に反対する住民などが、ふるさとで平穏に生活する権利が奪われるなどとして、建設工事などの差し止めを求めていたものです。
1審の長崎地方裁判所佐世保支部は訴えを退け、先月の2審の判決でも福岡高等裁判所は「住民が主張する平穏に生活する権利を侵害するおそれは認められない」として、住民側の訴えを退けました。
住民側の弁護士によりますと、この判決について、住民側のうち270人が、不服として2日までに最高裁判所に上告しました。
石木ダムの建設をめぐっては、国の事業認定を取り消すよう求める訴えも起こされましたが、住民側の敗訴が確定しています。
石木ダム訴訟 住民側が上告 /長崎
(毎日新聞長崎版 2021/11/2)https://mainichi.jp/articles/20211102/ddl/k42/040/581000c
県と佐世保市が川棚町に計画する石木ダム建設に反対し、周辺住民や支援者らが県と市を相手取って工事差し止めを求めた訴訟で、住民ら270人が1日、1審長崎地裁佐世保支部に続いて請求を退けた福岡高裁判決を不服として、最高裁に上告した。
住民らは、ダム建設により豊かな自然環境で生活する権利が奪われると主張したが、10月21日の高裁判決は「訴えは抽象的で不明確だ」として、住民側控訴を棄却した。
住民側が国の事業認定取り消しを求めた訴訟は昨年10月、住民敗訴が確定している。
〔長崎版〕
石木ダム訴訟、建設予定地の住民ら上告 「平穏に生活する権利」主張
(西日本新聞2021/11/2 6:00) https://www.nishinippon.co.jp/item/n/825504/
長崎県と佐世保市が計画する石木ダム建設を巡り、予定地の同県川棚町住民らが工事差し止めを求めた訴訟で、住民ら270人は1日、一審長崎地裁佐世保支部判決に続いて住民側の請求を退けた福岡高裁判決を不服として、最高裁に上告した。
10月21日の高裁判決は、「自己が選択した土地で継続的かつ平穏に生活する権利」などが侵害されるとの住民側の主張は「抽象的で不明確」などとして、控訴を棄却した。
(吉田真紀)