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<西日本豪雨3年>物損損賠、時効迫る 国などを提訴 原告団は31人 /愛媛

2021年7月4日
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今年の7月7日で西日本豪雨から3年となります。裁判で損害賠償を請求できる期限になります。

野村ダム、鹿野川ダムの緊急放流問題で国と西予、大洲両市を提訴している原告は6月末で31人になりました、その記事を掲載します。

前にもお知らせしましたが、この原告団がインターネットで裁判費用を募るクラウドファンディング(CF)を行っています。

このクラウドファンディングについてはhttps://www.call4.jp/info.php?type=items&id=I0000061#case_tab をご覧ください。皆様の支援をお願いします。

 

<西日本豪雨3年>物損損賠、時効迫る 国などを提訴 原告団は31人 /愛媛

(毎日新聞2021年07月01日08時38分)http://topics.smt.docomo.ne.jp/article/mainichi_region/region/mainichi_region-20210701ddlk38040427000c

 

西日本豪雨から3年となる今年の7月7日は、西予、大洲両市の二つのダムの緊急放流で国と両市を提訴している原告団にとっても節目となる。物損被害の損害賠償を請求できるのは、被害を知った日から3年が期限とされるためだ。

両市では緊急放流によって8人が死亡、数千戸が浸水被害を受けた。2020年1月に8人だった集団訴訟の原告団は、6月中旬に27人、6月末に31人まで増えたが、時効後は物損被害の原告は増えない。

当初から原告団に加わっている西予市野村町野村の行政書士、鎌田善晴さん(77)は、「国や市から納得のいく説明はなかった。(説明を聞いた周囲の住民も)みんな怒っとった」と話すが、それでも訴訟に加わるのは少数派だ。「どうせ負けるんやから」と言われたこともあるという。

原告弁護団の奥島直道弁護士は「放流に至る詳しい経緯と、各段階で下された判断の是非を問えれば、今後の防災対策にも有益」と指摘。さらに、「被災者が加わるほど、国の治水対策への取り組み方を変えるのに効果があるはずだ」と話す。【斉藤朋恵】

◇「準備不足の災害では」 被災の鎌田さん

肱川から約100メートルの場所に暮らす鎌田さんは、2018年7月7日午前6時半ごろ、避難を呼びかける消防団員の声で跳び起きた。十分に準備する間もなく15分ほどで水が押し寄せ、美容室を営む妻の秀子さん(80)と腰まで水につかりながら2階へ避難。自宅兼店舗は床上約1・8メートルまで水につかり、1階部分は骨格だけを残して改修しなければならなくなった。

当時の緊急放流では、安全とされる基準の6倍の量の水が放流され、「事前放流の量が少なかった」「人災なのでは」との声が豪雨直後からあった。防災無線は雨音でかき消されて聞こえなかった人が多かったとされ、鎌田さんも「防災無線も聞こえなかったし、緊急放流のことも知らなかった」と話す。

同地区では自宅が全壊し外へ出て行かざるを得なかった人も多い。「豪雨災害ではなく、準備不足で起きたダムによる災害ではないか」との思いは強い。「再発を防ぐためにも、せめて事実を明らかにしてほしい」と話す。【斉藤朋恵】

石木ダムの県道付け替え工事 9月末まで工期延長、続く緊迫

2021年7月4日
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石木ダムの県道付け替え工事の工期が延長されることになりました。その記事とニュースを掲載します。

 

 石木ダムの県道付け替え工事 9月末まで工期延長 長崎県

(NHK2021年06月28日 20時58分)https://www3.nhk.or.jp/lnews/nagasaki/20210628/5030011851.html

長崎県は、川棚町に建設を進める石木ダムの本体工事とダム建設に必要な県道の付け替え工事について、建設業者と締結していた契約を変更し工期を9月末までに3か月間延長しました。
長崎県が川棚町に建設を進める石木ダムをめぐっては、県がすでに建設に必要なすべての用地の収用を終え、家屋の撤去などを伴う行政代執行の手続きに入れるようになっていて、現地ではダム建設に必要な県道の付け替え工事が進められています。

また県は、中村知事と建設に反対する地元住民との直接の話し合いに向けて、具体的な条件を確認するための事前協議の場を設けるよう提案していますが、住民側はその前提として工事を即時中断するよう求めていて、両者の事前協議は見通しが立っていません。
こうした中、県は今月末までに事前協議などを行ったうえで、事態を進展させるのは難しいと判断し、ダムの本体工事と県道の付け替え工事について、28日建設業者と締結していた契約を変更し、今月末までとしていた工期を9月末までに3か月間延長しました。

県河川課は、当初、昨年度内に予定していた本体工事の着工時期について「地元住民との協議の状況も含めて総合的に判断したい」としています。
本体工事の工期延長は、これで2回目、県道の付け替え工事の工期延長はこれで6回目になります。

 

「座り込みいつまで」6度目の工期延長、続く緊迫

(西日本新聞2021/6/30 6:00) https://www.nishinippon.co.jp/item/n/762815/

(写真)長崎県の長崎県の監視カメラに見える位置に掲げられた横断幕

石木ダム・リポート ―6月29日―

山の緑にセミの鳴き声が響く。長崎県川棚町の石木ダム建設現場には29日午後、赤い文字の横断幕が風に翻っていた。「工事強行より話し合いが先だ」。住民らは横断幕を県が設置している監視カメラに写るように掲げ、静かに抗議の意思を示した。

住民が中村法道知事との話し合いのための事前協議の前提として、「中断」を求めていた県道付け替え工事。県は28日、6月末に迫っていた工期を9月末に延長した。工期延長は6度目。少なくともあと3カ月は、県は工事を進め、住民らは座り込むという緊迫した状況が続くことになる。

住民の岩下すみ子さん(72)は「またかとがっくりする」と落胆。「(工事が中断すれば)数年ぶりに旅行に行こう」。住民間で話していたが、淡い期待ははかなく消えた。「毎日座り込むのも体力的に大変。いつまで続くんかね」

29日も現場では、山の掘削や土砂の運搬など、県道付け替え工事が進んだ。一方、「ダム本体工事」として予算が計上されている堤体両端の上部を掘削する工事は着工していない。県は「(着工しないのは)住民への配慮」と説明する。

住民の岩本宏之さん(76)は「理解を得ることなく工事を進めておいて、いまさら何が配慮か」と憤った。着工していないはずの「本体工事」の工期も9月末までの延長が決まっている。(岩佐遼介)

石木ダム 長崎県と同県佐世保市が、治水と市の水源確保を目的に、同県川棚町の石木川流域に計画。1975年度に国が事業採択した。当初完成予定は79年度。移転対象67戸のうち川原(こうばる)地区の13戸は立ち退きを拒否し、計画撤回を求めている。2019年5月に県収用委員会が反対地権者に土地の明け渡しを命じた裁決を出し、同年9月に土地の所有権は国に移転。同年11月の明け渡し期限後、県の行政代執行による強制収用の手続きが可能になった。

 

長崎県、石木ダム本体の掘削工期延長 9月末まで 

(長崎新聞2021/6/29 11:13)  https://nordot.app/782430433873870848?c=39546741839462401

長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業で、県は28日、6月末までとしていたダム本体の掘削工事などの工期を9月末まで3カ月間延長したと明らかにした。施工業者と同日、変更契約を結んだ。
県は水没予定地に暮らす13世帯の反対住民との話し合いを模索する中で本体工事を見合わせており、工期延長は2回目。県道付け替え道路工事の盛り土などは住民らの抗議の座り込みで予定通りに進まず、6回目の延長となった。
県は中村法道知事との対話を実現しようと反対住民に条件面を詰める事前協議を提案しているが、住民側は工事の即時中断を求めており調整が難航している。

 

長崎県が石木ダムの工期を9月末まで延長

(テレビ長崎2021年6月29日 火曜 午前11:45) https://www.fnn.jp/articles/-/202663

東彼杵郡・川棚町に計画されている石木ダムについて、長崎県は28日、業者との契約を変更し、本体工事と付け替え道路の工期を9月末までに延長しました。

東彼・川棚町では、石木ダムの建設に伴って、水没する県道の代わりとなる付け替え道路の工事が進められています。

工期が6月末に迫る中、現地では建設に反対する地元住民が抗議の座り込みを続けていて、約40メートルの区間が手付かずのままです。

長崎県は28日、業者との契約を変更し、付け替え道路の工事を9月末まで延長しました。

あわせて本体工事についても、住民との話し合いの調整が難航していることなどから、工期を3カ月延長しています。

付け替え道路の工期延長はこれで6回目で、本体工事の延長は2回目です。

今後の工事の進め方について、長崎県の河川課は「話し合いや、協議の状況を踏まえて判断していきたい」としています。

球磨川の市房ダム「やばい…280m超える」寸前で回避された緊急放流、緊迫の所長メモが歴史公文書に

2021年7月4日
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昨年7月の熊本県の球磨川豪雨では、熊本県営市房ダムが緊急放流寸前のところまでいきました。その様子を記録した管理所長のメモの内容を伝える記事を掲載します。

昨年度から、ダムの事前放流の制度が始まり、市房ダムも事前放流で治水容量を増やすことになっていましたが、急激な降雨で事前放流はできませんでした。

ダムの事前放流の制度がどこまで有効なのかと思ってしまいます。

 

「やばい280m超える」寸前で回避された緊急放流、緊迫の所長メモが歴史公文書に

(読売新聞2021/06/29 08:59)https://www.yomiuri.co.jp/national/20210629-OYT1T50092/

昨年7月4日の九州豪雨で緊急放流が寸前で回避された熊本県営市房ダム(水上村)について、塚本貴光・管理所長(50)が記していた当時のメモが残されていることが分かった。予測を超える雨量で水位が増す中、放流をぎりぎりで実施せずにすんだ緊迫した様子などを伝えている。県は今春、メモを永久保存に向けて「歴史公文書」に指定した。(丸山一樹)

市房ダムは、九州豪雨で氾濫した球磨川の上流にあり、総貯水量は4020万トン。治水ダムで、発電などにも活用されている。

(写真)紙4枚に書かれた当時の状況が分かるメモ=田中勝美撮影

メモは塚本所長が、雨の状況が変わっていくなか、事務所のパソコンを確認しながらダムの水位などを書き留めていった。事前にダムの容量を確保する「予備放流」の実施を決めることになった3日昼頃から、緊急放流を中止した4日昼頃までの記載。メモ紙4枚にペンで書かれ、水位上昇が始まった4日未明以降、殴り書きされている。

<やばい 280m超える>

7月4日午前4時頃、塚本所長が見つめたパソコンの画面には、ダムに流れ込む流量が同9時までの3時間で想定される最大値(毎秒1300トン)を50トン上回るとの予測がコンピューターで算出されていた。緊急放流を実施する水位の目安(280・7メートル)に迫ることを意味していたのだ。

3日昼の段階では、流量のピークを毎秒約700トンと見込んでいたが、線状降水帯が停滞し、大幅に予測を上回った。

特別警報が発表されたのは午前4時50分。バケツをひっくり返したような雨の状況を<雨の降り方が異常>とつづった。

治水ダムは雨水を一時的にため、下流側の増水を抑えるのが役割。ダムから水があふれると、大洪水につながりかねないため、水位が限界に近づくと緊急放流が必要だ。ただ緊急放流は下流に大規模な浸水被害を引き起こす危険があり、細心の注意が求められる。

水位上昇が続き、所長らが緊急放流を行わざるを得ないと判断したのは午前6時頃だった。県河川課に連絡し、<防災操作の手続き→河川課 部長 決裁>とメモ。30分後には、県が同8時半から緊急放流を行うことを発表した。

<2h後、8時30分開始 早めの避難行動へ!>という記述も。

だが、その後の予測で同7時頃には、ダムでためられる最高水位となる「洪水時最高水位」(283メートル)を超えないことが判明。<流入量大幅減 283m超えない>と書き留めた。

(写真)「緊急放流を回避したい一心だった」。当時の状況を語る市房ダムの塚本所長(25日、熊本県水上村で)

同7時半頃に放流が1時間後に延期された。8時頃には雨脚が弱まり流量が減ると算出。8時45分頃に放流は見合わせとなり、10時半頃に中止が決まった。水位のピークは280・6メートルで緊急放流の目安まで10センチ。塚本所長は取材に「流域住民に不安を与えないため回避したい一心だった。本庁と協議し、ぎりぎりまで見極めた」と振り返った。

緊迫状況を記録、次世代の教訓に

熊本県は豪雨後、塚本所長が書き留めていたメモの存在を把握。緊迫した状況がわかり、歴史的に価値がある貴重な資料だと考え、4月1日付で「歴史公文書」に指定した。

歴史公文書は災害などの教訓を生かそうと、知事が重要と判断した文書を指定する県の独自制度。所長メモは保存期間が30年で、その後、永久保存される仕組みとなっている。

歴史公文書にはこれまでハンセン病や水俣病、熊本地震などのテーマが指定されていた。九州豪雨などが加わり16テーマとなったが、個人のメモが指定されるのは珍しいという。県は「時間ごとの状況や県の意思決定を図った瞬間などが記録されていて重要。今後の災害対応に生かすことができる」と説明している。

◆緊急放流 =「異常洪水時防災操作」と呼ばれる操作で、ダムへの流入量とほぼ同量の水を放流する。2018年の西日本豪雨では6府県の8ダムで行われ、愛媛県を流れる肱(ひじ)川の野村、鹿野川両ダムの下流域で大規模な浸水被害が起きた。市房ダムは過去に3度行われた。

真備の遺族ら、国や県を集団提訴 「人災」損害賠償求め岡山地裁に

2021年7月4日
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2018年7月の西日本豪雨で、倉敷市真備町地区の小田川と3支流が決壊し、甚大な浸水被害が発生しました。犠牲者の遺族や被災者が10月25日、国などに損害賠償を求める集団訴訟を岡山地裁に起こしました。

その記事とニュースを掲載します。

昨年4月には別の住民らが国や中国電力などを相手に同様の訴訟を岡山地裁に起こしています。

 

真備の遺族ら、国や県を集団提訴 「人災」損害賠償求め岡山地裁に

(山陽新聞2021年06月25日 21時02分) https://www.sanyonews.jp/article/1145204

(写真)提訴のため岡山地裁に向かう原告団ら。訴えを記した横断幕や紙を掲げた

2018年7月の西日本豪雨で、倉敷市真備町地区の小田川と3支流が決壊し、甚大な浸水被害を受けたのは河川やダムの管理が不十分だったためとして、犠牲者の遺族や被災者が25日、国などに損害賠償を求める集団訴訟を岡山地裁に起こした。被災者による集団訴訟は岡山県内では2例目で、原告に遺族が加わるのは初めて。
原告団の吉田勤代表(75)=同市=によると、原告は直接死した住民の遺族1人を含む84世帯215人で、被災者らでつくる「り災者の会」が母体。賠償請求額は総額約6億4千万円に上る。

訴状では、国は小田川と高梁川との合流地点を下流部に付け替える治水工事の計画を1971年に発表したのに、災害発生前に完了させることを怠ったと指摘。高梁川上流の新成羽川ダム(高梁市)についても、管理する中国電力(広島市)に事前放流を指示しなかった過失があるとした。さらに、水の流れを確保する河道の掘削や樹木伐採▽越水を防ぐ堤防の管理▽堤防の切れ目を板でふさぐ「陸閘(りっこう)」の活用―が不適切だったとして、国や県、倉敷市の責任を追及している。
提訴後、地裁前での取材に吉田代表は「真備の水害は、起こるべくして起きた人災だ」と述べ、事前に予測でき、相当な準備をすれば防げたと強調。娘と孫を亡くした原告の会社員男性(62)=同市=は同市真備町地区での会見で、今も悲しみは癒えないとした上で、「2人のために一歩踏み出さないといけない。真実を明らかにしてほしい」と訴えた。
提訴を受け、国、県、倉敷市はいずれも「訴状が届いていないため、コメントを差し控えたい」とした。
真備町地区は、豪雨で町域の3割に当たる約1200ヘクタールが水没、直接死で51人が亡くなった。昨年4月には別の住民らが国や中国電力などを相手に同様の訴訟を岡山地裁に起こしており、今年3月の3次提訴時点で原告は計24世帯46人となっている。

  

豪雨 岡山 倉敷市真備町住民ら215人 国などに賠償求め提訴

(NHK 2021年6月25日 19時46分 )https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210625/k10013104281000.html

西日本豪雨の発生から来月で3年になるのを前に、岡山県倉敷市真備町の住民など200人余りが、川の堤防の決壊は治水対策を怠ったことなどが原因だとして、国などにおよそ6億4000万円の賠償を求める訴えを、25日、岡山地方裁判所に起こしました。

倉敷市真備町では3年前の西日本豪雨で、町を流れる小田川や支流の堤防の決壊によって、およそ5400棟の住宅が水につかって全半壊し、市内でおよそ4000人が一時、避難生活を送りました。

被災した住民など215人は、川の堤防が決壊したのは治水対策を怠ったことなどが原因だとして、国と岡山県、それに倉敷市に対し合わせておよそ6億4000万円の賠償を求める訴えを、25日、岡山地方裁判所に起こしました。
訴えによりますと、国が氾濫が起きた2つの川の合流地点で、およそ50年前に計画した護岸工事を実施しなかったことや、岡山県や倉敷市が川の堤防に設置されたゲートを封鎖しなかったことなどで、被害が広がったとしています。
訴えについて国などは「訴状が届いていないのでコメントは控えたい」としています。
3年前の豪雨の被害については、倉敷市真備町の別の住民など46人が、川の堤防が決壊したのは安全対策を怠ったことが原因だとして、国や中国電力などに賠償を求める訴えを起こし、裁判が続いています。

 

工事差止訴訟控訴審 証人申請を受入れずに結審 石木ダム

2021年6月23日
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13世帯皆さんが生活の場を追われる所以はない!

2021年6月18日の福岡高等裁判所で開かれた、工事継続差止訴訟控訴審第4回期日の報告です

「不要な石木ダムのために13世帯住民が回復不可能な人格権侵害を受けるから、工事継続差し止めを求める」とした工事継続差止訴訟第一審の長崎地方裁判所判決(2020年3月24日)は、「本件事業等によって, その生命, 身体の安全が侵害されるおそれがあるとは認められず, その他の権利は, 差止請求の根拠となりえないから, その余の争点について判断するまでもなく, 本件差止請求は認められない。」とした棄却判決でした。

「ダム予定地と指定されたときから人格権侵害が始る」という私達の常識が裁判所に通らない!信じがたいことです。

控訴人側が提出した準備書面

ダム事業を完成させるには、そこの住民排除は必須です。そこで作り上げた生活すべての継続が断ち切られてしまいます。「人格権侵害!」と私達は直座に認識します。しかし、長崎県と佐世保市をはじめとして、事業認定処分をした九州地方整備局、全地権収用明渡を認めた長崎県収用委員会、行政不服審査請求を所管している国土交通大臣、長崎地方裁判所、福岡高等裁判所、最高裁判所は、「土地収用法で財産権の補償をしている。それ以上の利益侵害があるとしても、それらはダム事業地と決定した時点で、受任すべきことである」と判断しています。この判断自体が人格権侵害であることを認めさせる・・・・。 この問題と取組んだのが準備書面6(権利性)です。

ダム事業地住民の意見をまったく聞くことなしに、①佐世保市が石木ダムに水源開発を決めた、②長崎県が石木ダム事業に治水目的を加えた、それがことの始まりです。ダム事業予定地とされるや、そこの住民皆さんは自分たちの生活を守るためにダム対応に追われ、生活のすべてがダム問題に絡め取られてしまいます。平穏な生活がダム事業計画のために犠牲になってしまいます。しかし、こうばる13世帯住民は佐世保市民が持つ佐世保市長・佐世保市議会議員の選挙権を持っていないので、佐世保市政に参画する術を持ち合わせていません。佐世保市は、13世帯皆さんが持っている疑問を解消すべく説明責任を果たすことが先決です。
治水面は、長崎県が13世帯皆さんが持っている疑問を解消すべく説明責任を果たすことが先決です。利水面での問題点を整理し、控訴人側の考え方を記述したのが、準備書面7(利水面)です。

裁判所、今日で終結であると発言

終結に迎えた意見陳述

ア 検証等の申し出。

裁判所:証拠調べ(証人尋問) 必要性なし
2019年再評価でデタラメな需要予測をした佐世保市水道局長の尋問を要求しましたが、裁判所は不当にも却下しました。

イ 意見陳述

石丸勇控訴人    控訴審 意見陳述書 石丸勇 控訴人

      • 利水面でも治水面でも石木ダムは不要な事業であるにもかかわらず、「石木ダムが必要」と強弁する長崎園と佐世保市の実態
      • 権力者の意のまま勝手に解釈した土地収用法適用は、憲法違反
      • 半世紀以上に亘って地域住民を苦しめてきた回復不可能で重大な人権侵害
      • 石木ダム建設計画は、長崎県が当初から県民と住民をだまし続けながら進めて来た事業
        • 「予備調査の結果、建設の必要が生じたとき
          は、改めて書面による同意を受けた後着手する」旨の「覚書」無視
        • 土地収用法をかざし県警機動隊を引き連れての強制測量 「覚書」無視
        • 「話し合いを進めるため」としての事業認定申請 「覚書」無視
        • 「話合い」のはずが、13世帯の住居を含む全用地を強制収用 「覚書」無視
      • 行政代執行を掛けなければ石木ダム建設が出来ない状況まで追い込まれている長崎県
      • 現場での抗議行動に対する、県職員や佐世保市職員による敵視行動(手荒い対応、罵声・ののしり など)
      • 果ては裁判を受ける権利さえも奪おうとする裁判当日を狙った工事強行
      • 反対抗議行動は、すべて、「覚書き無視」への正当防衛
      • 長崎県は負のスパイラルに陥り抜け出せない状態
      • 今のままでは流血の事態を招く。
      • 裁判所におかれましては、最悪の事態を回避するためにも事情をご理解の上、原告側の主張をお聞き届けいただきますようお願いいたします。

魚住昭三弁護士   控訴審 意見陳述書 魚住昭三弁護士

      • 日本国憲法はう立憲民主主義を宣言している。
        • 住民に不利益を課しながらも公共事業が必要とされる場合,当事者として不利益を受ける住民に対しては、起業者から十分な資料に基づき客観的に合理的な説明を求めることができることが保障されなければならない。
      • 「地方公共団体の長、その議会の議員・・・は、その地方公共団体の住民が、直接これを選挙する。」。
        • 佐世保市とは全く関係のない別個の地方公共団体である川棚町石木郷川原の住民13家族約50人が、自らの意思に反してまで、立ち退きを迫られている。
        • 石木ダム建設事業によって直接的に不利益を課されている川原の住民である控訴人等には、佐世保市議会議員、佐世保市長を選出するための選挙権それ自体が認められていない。
        • 民主制の根本的過程が保障されていない場合、負担を負うべき住民の利益・権利を守るべき国家機関は、裁判所しかない。
        • 本件控訴人らは、自らの利益・権利の侵害を訴えるための最後の機関である裁判所に頼るしかなかった。
      • 将来世代の観点
        • 共有財の最たるものである自らを包む自然環境、自らを培ってきた文化に支えられた平穏な生活の享受の可否という問題は、地球温暖化、環境破壊が進み、社会の持続可能性自体が問題となっている現代社会において、人間的発展の基盤に関わる重要な問題である。
        • 控訴人らは、数世代先のことを考えて石木ダム建設事業を考えた場合、その守るべき利益の重大性を認識したからこそ、本件訴訟を提起した。
      • まとめ
        • 、石木ダム事業に人生をほんろうされている控訴人らが本件訴訟を提起するしかなかったことを理解していただき、判断を下していただきたい。

3. 次回  判決  10月21日(金)14時 1階101法廷

新聞報道

20210619 石木ダム建設計画 工事差し止め高裁結審 判決は10月21日 /長崎 _ 毎日新聞

当日の報告

石木川まもり隊ブログ の下記ページに報告が掲載されています。

石木ダム工事差止訴訟控訴審、結審

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