肝心な時に役立たないダム( 野村ダム、鹿野川ダム、日吉ダムの流入量と放流量のグラフ)
2018年7月9日
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西日本における記録的な豪雨による被害はすさまじく、多くの方の生活を奪ってしまいました。7月9日午前0時半現在、全国で88人が死亡し、4人が意識不明の重体、58人の安否が不明となっています(NHKニュース)。
なんとも痛ましいことです。
今回の記録的豪雨で、愛媛県・肱川の国土交通省の鹿野川ダムと野村ダム、京都府・桂川の水資源機構の日吉ダムが満水になり、洪水調節機能を失ってしまいました。
これらのダムの運用データをネットで見ることができますので、3ダムについて流入量と放流量のグラフを描いてみました。
下図のとおりです。
鹿野川ダムと野村ダムが洪水調節を行えたのは、流入量が急増してから5~6時間だけのことであって、あとは洪水調節機能を全く失ってしまいました。
日吉ダムは第一波の洪水に対しては洪水調節を行えましたが、第二波の洪水に対しては無力でした。
下図を見ると、想定外の雨に対してダムというものがいかに無力であるかがよくわかります。
肝心な時に役立たないダムに依存する治水計画と決別すべきです。
なお、各ダムの諸元は次の通りです。
日吉ダム 総貯水容量6,600万㎥、洪水調節容量4,200万㎥、集水面積290㎢
野村ダム 総貯水容量1,600万㎥、洪水調節容量350万㎥、集水面積168㎢
鹿野川ダム 総貯水容量4,820万㎥、洪水調節容量1,650万㎥、集水面積513㎢
(ダム流入量・放流量の出典:リアルタイムダム諸量一覧表)
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