水源連:Japan River Keeper Alliance

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川辺川再生へ官民一丸 五木村など協議会発足へ(魚影が薄くなってきたことへの対策を考える)

2015年6月6日
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熊本県・球磨川の支流「川辺川」では土砂堆積の進行でアユやヤマメなどの魚影が薄くなってきているので、その対策を考える協議会が発足するという記事を掲載します。
川辺川は土砂供給量が大きい川であって、川辺川ダム計画では、総貯水容量13,300万m3のうち、2,700万m3が堆砂容量でした。これは100年間分の土砂堆積量を見込んだものですから、毎年27万m3の土砂が川辺川ダムに堆積することになっていました。
東京ドームの容積が124万m3ですから、川辺川ダムには東京ドームの1/5強という膨大な量の土砂が毎年たまることになっていました。
しかし、川辺川の土砂供給量が大きいことは以前から続いていることであって、なぜ、最近になって魚影が薄くなってきているのかを考える必要があると思います。
川辺川の上流には穴あきダムのような、朴の木ダム、樅の木ダムという巨大な砂防ダムがあって、そこに土砂がひどく堆積して、小雨でも土砂が流れ出し、濁りが長期化するようになっています。
そのことが魚影が薄くなることの要因になっているように思います。

熊本)川辺川再生へ官民一丸 五木村など協議会発足へ

(朝日新聞熊本版 2015年6月5日)

※ 著作権の関係で削除しました。

石木ダムめぐり弁護団応酬 地権者側の弁護団が痛烈に反論

2015年5月31日
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石木ダムの建設に伴う道路工事の着工を地権者らが無言の行動で阻止しています。
長崎県側の弁護団が裁判所の決定に基づいて阻止行動をやめるよう地権者側の弁護団に求めたのに対し、地権者側の弁護団が反論しました。
「長崎県知事は諌早湾干拓事業の開門では、確定判決を守っていないのに正当性がない」と、痛烈に反論しました。
そのニュースを掲載します。
石木ダムめぐり弁護団応酬
(NHK2015年05月30日 16時09分http://www3.nhk.or.jp/lnews/nagasaki/5035156991.html?t=1433022648892
(動画)
石木ダムめぐり弁護団応酬
川棚町に計画されている石木ダムの建設に伴う道路工事が反対する地権者の阻止行動で着工できていない問題で、長崎県が裁判所の決定に基づいて阻止行動をやめるよう地権者側の弁護団に求めたのに対し、
地権者側の弁護団は「諌早湾干拓事業の開門では、確定判決を守っていないのに正当性がない」などと応じました。
石木ダムの建設をめぐっては、長崎県が水没する県道に代わる道路工事の着工を去年7月に試みましたが、反対する地権者などが抗議して着工できませんでした。
ことし3月には、県の申し立てを受けて、長崎地方裁判所佐世保支部が地権者など16人について妨害活動があったと認め、妨害してはならないとする決定を出していますが、地権者らの抵抗は続き、いまも工事は始まっていません。
こうした状況を受けて、県側は今月22日付けで「妨害行動は違法で弁護士の立場から、やめるようにしてほしい」などとする文書を地権者側の弁護団に送りました。
これに対し、地権者側の弁護団は29日、文書で回答し、「仮処分を受けた16人に対しては、決定に反する行為を行わないように十分説明している」と反論しました。
その上で、諫早湾干拓事業を引き合いに、「知事は、開門を命じた確定判決を実行させないための訴訟を支持する立場を公然と表明している。
石木ダム建設反対の人が、決定に従わなければならないとする正当性を説明して欲しい」として、1週間以内に回答するよう求めました。

城原川ダム:「流水型」前提に検証 国交省、関係自治体協議で方針 /佐賀

2015年5月30日
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城原川ダムはダム検証の対象ですが、4年半前にダム検証が始まったにもかかわらず、国交省九州地方整備局は今まで、関係地方公共団体からなる検討の場(準備会)を2回開いただけであって、つくる意思を強くは示していませんでした。
 ところが、今年1月に佐賀県知事になった山口祥義氏は城原川ダムの推進に躍起になり、その働きかけもあって検証作業が始まり、5月 18日に検討の場が開かれました。1月の佐賀県知事選で折角、自公推薦の候補を破って知事になったのに、情けない話です。
検証といっても、実際にはダム推進の結論が先にある検証でしょうから、先行きが大いに危ぶまれます。

そして、治水対策案についてのパブリックコメントも始まりました。意見募集期間は5月19日(火)~6月17日(水)です。

 

城原川ダム:「流水型」前提に検証 国交省、関係自治体協議で方針 /佐賀
(毎日新聞佐賀版 2015年05月19日)http://mainichi.jp/area/saga/news/20150519ddlk41010349000c.html

民主党政権時に見直し対象になった城原川(じょうばるがわ)ダム(神埼市)について、再検証を進めている国土交通省九州地方整備局は18日、県や地元が主張する「流水型ダム」を前提に検証を進める姿勢を明確にした。国と関係自治体が協議する会合で示した。ダムの詳細やコストの提示は次回以降に先送りした。
会合「城原川ダム事業の関係地方公共団体からなる検討の場」の本開催はこの日が初めて。佐賀市であり、山口祥義知事、神埼市の松本茂幸市長、城原川下流が含まれる佐賀市の秀島敏行市長らが出席した。
国側は、同ダムに利水の必要がないことが地元で確認されているとして「洪水調節のみを目的とした流水型ダムとして検証する」との方針を示した。
その上で、河道掘削▽遊水地▽一部が低くなった堤防「野越し」▽雨水貯留施設−−などを組み合わせた5通りの治水方策も提示した。松本市長は、地元に被害が及ぶ恐れがある野越しなどについて「(住民が)洪水を受忍することのないようにしてほしい」と難色を示した。
閉会後、山口知事は「いろいろな県民の声を受け止め、手順を踏んだ検証をしてほしい」と求めた上で「基本的に流水型のダムでお願いしたい」と望んだ。
城原川ダムは1953年の大水害を受けて計画されたが、住民の反対などで停滞。2005年には県が大雨時だけ水をせき止める流水型ダムを国に提案し国も理解を示したものの、09年には民主党政権が再検証対象事業にした。【上田泰嗣、石井尚】

城原川ダム「流水型」検証 「検討の場」本会合開始
(佐賀新聞2015年05月19日) http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/188107

(写真)城原川ダムの治水対策案について、国土交通省や流域自治体の関係者が協議した「検討の場」初会合=佐賀市の県教育会館

◆国、ダム以外も提示
国の事業見直し対象になっている城原川ダム(神埼市)について、国土交通省九州地方整備局(九地整)と流域自治体が協議する「検討の場」の本会合が18日、佐賀市で開かれた。城原川ダムを治水専用の「流水型ダム」として検証する方針を申し合わせ、九地整は河道掘削や遊水地整備などを組み合わせたダム以外の代替治水案5案を提示した。国側が具体案を示したのは初めてで、本格的な比較検討が始まった。
事業主体の九地整や「検討の場」を構成する佐賀県の山口祥義知事、佐賀市の秀島敏行市長、神埼市の松本茂幸市長が出席した。
ダム計画と代替案を比較検討する際の洪水規模について、九地整は「50年に1回」レベルの最大流量毎秒540トンを基準にすると説明した。ダムは洪水調節だけを目的とした「流水型」とし、高さ60メートル、幅329メートル、総貯水容量355万立方メートルを計画している。放流口の数や概算事業費は「次回、具体的に示す」として言及しなかった。
ダム以外の代替案は、昨年10月までの準備会で示していた25案から絞り込み、(1)河道掘削のみ(2)掘り込み方式の遊水地と河道掘削(3)部分的に低い堤防で水を流出させる「野越し」や遊水地などの組み合わせ-など5案とした。それぞれ700億円から610億円のコストを見込んだ。
協議では松本市長が「野越しを使った場合、一定の洪水を受忍しなければならないのか」とただし、九地整側は「受け堤を造り、家屋には浸水が及ばないようにする」と答えた。
検討の場は公開され、水没予定地や下流域の人たち約30人が傍聴した。山口知事は「早期に治水方針が決定され、対策が取られることを願う」などと述べた。
19日から6月17日までパブリックコメント(意見公募)を実施する。次回の開催時期に関し九地整は「速やかに進めていきたい」と述べるにとどめた。
検討の場では安全度やコスト、地域社会への影響など7項目にわたって評価する。最終的に国交相が建設の是非を判断する。
城原川ダム計画は1953(昭和28)年の大水害などを踏まえ、旧建設省が直轄事業として71年に予備調査に着手したが、住民の賛否が分かれて計画が進まなかった。古川康前知事が2003年に流域自治体の首長会議を設け、05年に流水型ダムの建設を国に申し入れたが、民主党政権時の10年に再検証の対象になった。12年末に自民党政権に戻っても進展がなく、14年10月に2回目の準備会がようやく開かれた。
■流水型ダム
えん堤の底に近い場所に放流口を設け、自然放流をする治水ダム。「穴あきダム」とも呼ばれる。貯水型は土砂が底にたまって流れず、下流や海への影響が大きいのに比べ、水質の変化が抑えられるとされる。放流量は人為的に制御されず、流木や転石が放流口をふさがないように対策が必要になる。国営では建設中の立野ダム(熊本県)などがある。

城原川ダム「検討の場」 「第一歩」「議論丁寧に」
(佐賀新聞2015年05月19日) http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/188108

(写真)城原川ダムの「検討の場」で国交省の説明を聞く住民ら=佐賀市の県教育会館

■地元住民ら思い交錯
国の事業見直し対象となって、5年を経てようやく初会合が開かれた城原川ダム(神埼市)の「検討の場」。計画浮上から40年以上進まず苦悩してきた水没地区の住民は、検証作業の第一歩を感慨深げに受け止める。一方で国が示したダム代替の治水対策は十分な説明がなく、流域住民からは議論を丁寧に進めるよう求める声も上がる。
「やっとここまで来た」。事業継続を求める城原川ダム対策委員会の眞島修会長は会議を傍聴し、ほっとした表情を浮かべた。県が10年前に提案した「流水型ダム」の方向性、目標流量が生きていたことを評価し「治水の代替案も示されたが、われわれはダム受け入れをあらためてお願いしたい。一日千秋の思いで待っている」と早期判断を要望した。
今回、国は河道掘削や遊水地などを組み合わせた16の代替案を示し、コスト面から5案を抜き出した。ダムによらない治水対策を訴える「城原川を考える会」の佐藤悦子代表は「今回の説明では詳細が分からない。掘削が農業や景観に与える影響、野越しから出た水を受ける堤はどうなるのか。中身の評価は無理」と指摘。「検討の場を重ね、多様な意見を取り込んで議論してほしい」と国に丁寧な対応を求めた。
各首長は治水対策の緊急性を強調した。松本茂幸神埼市長は「代替案がダムより優れていれば、その方法でやればいい。必ずダムでなければいけないというわけではない。とにかく市民の安全が最優先。そのためにも早急な治水対策の検討を」と注文する。秀島敏行佐賀市長は、城原川の下流で合流する佐賀江川が、有明海の満潮時に排水能力が落ちる点を指摘。「切羽詰まった問題。治水のためには城原川上流での対策が必要だ」と考えを示した。
ダム整備を求めている山口祥義知事は「長い時間がかかっている問題で、水没地の皆さんの『早く決めて』という訴えを重く受け止めたい。流水型ダムでお願いしたいが、国交省のルールに沿って、あらためてしっかり検証してもらえればいい。検証の場がさまざまな県民の声を受け止めた形で進むことを期待している」と述べた。
■ダム代替 5案河道掘削最も高額 遊水地、野越し併用案も
国土交通省九州地方整備局は18日、城原川ダムについて流域自治体と協議する「検討の場」で、ダム以外の治水対策として「できる限り幅広く検討した」という16案を示し、そこからコスト的に有利な5案に絞った。今後、この5案とダムのいずれが治水対策事業として適しているか、比較検討していく。
5案の中身を見てみると大きく三つに分類できそうだ。
一つは、城原川の流れがよくない場所の川底を掘って川幅を広げる「河道の掘削」で、事業費約700億円。既存の堤防の補強やのり面崩壊を防ぐ地盤改良、橋の架け替えが必要になり、最も高額な方法となっている。
二つ目は、流域の農地に洪水を貯める「遊水地」を6カ所設け、それでも不足する受け皿を確保するために河道の掘削を組み合わせた案で、約610億円。この遊水地は田畑を買収して掘削するため、地域に与える影響が大きい。
三つ目は、成富兵庫茂安の治水事業の名残とされ、決壊を防ぐ目的で故意に堤防を低くし、水を流出させる「野越し」を活用する案で約620億円。しかし、野越しは流量の低減効果が低いとして、結局、河道の掘削や遊水地を組み合わせている。
残る2案は、これらに流域内の学校の校庭や公園に雨水をためる機能などを加えた方法だが、九地整の試算では他の案と比べて流量が変化しておらず、大きな治水効果があるとみていないことがうかがえる。
九地整は、5案の概算事業費を示したが、その積算根拠は明らかにしていない。自治体から求められれば、コストの詳しい根拠も示すとしている。

香味よみがえる「江戸前アユ」 多摩川での復活劇

2015年5月30日
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最近注目されている多摩川のアユ復活についての記事を掲載します。
多摩川は昔と比べると、随分ときれいになり、アユが復活するほどになりました。
ただし、多摩川はアユの生産量全国一を誇る那珂川(栃木・茨城県)などと比べると、基本的に違うところがあります。一つはこの記事で取り上げているように、魚道が整備されていない取水堰が少なからずあって、上流域まで遡上できるアユがそれほど多くないことです。
もう一つは河川水に占める下水処理水の割合が比較的高いことです。多摩川は流域面積1240km2、流域人口約380万人、一方、那珂川は流域面積3270km2、流域人口約100万人ですから、1km2当たりで比較すると、多摩川約3,000人、那珂川約300人で、10倍の違いがあります。
多摩川流域の下水処理場は高度処理が導入されているところもあって、処理水はかなりきれいになりましたが、それでも或る程度の栄養塩類が含まれています。
多摩川のアユ復活は4月末に放映されたNHKの番組「ダーウィンが行く」でも取り上げていました。そこで、多摩川のアユは河床の石の付着藻類が豊富なので、縄張りを持たないことが紹介されていました。
その点で、清流の河床の付着藻類で育った那珂川等のアユと比べると、多摩川のアユは味が違うのではないかと思いました。
とはいえ、多摩川のアユ復活は大変喜ばしいことです。

香味よみがえる「江戸前アユ」 多摩川での復活劇

(日本経済新聞2015/5/30 6:00 )http://www.nikkei.com/article/DGXMZO87433490Z20C15A5000000/
東京都と神奈川県を流れる多摩川を遡上するアユが復活している。高度成長期に汚染された川から姿を消した「江戸前アユ」を、再び庶民の身近な存在にしようとする取り組みが始まっている。
(写真)水面から跳びはねるアユ(5月25日、川崎市多摩区の二ケ領上河原堰)
水面から跳びはねるアユ(5月25日、川崎市多摩区の二ケ領上河原堰)
■川面ゆらす無数のアユ
(写真)東京都島しょ農林水産総合センターが多摩川の河口から約11キロ上流の汽水域で行うアユの遡上調査。この日は全長5センチほどのアユの稚魚799匹が東京都大田区側の岸辺近くに設置した定置網に入っていた(5月20日、川崎市中原区)
東京都島しょ農林水産総合センターが多摩川の河口から約11キロ上流の汽水域で行うアユの遡上調査。この日は全長5センチほどのアユの稚魚799匹が東京都大田区側の岸辺近くに設置した定置網に入っていた(5月20日、川崎市中原区)
ピチ、ピチピチ。5月下旬の多摩川で、上流を目指そうと水面から跳びはねる元気なアユの姿があちこちで見られた。
東京湾の河口から約48キロ上流。東京都昭島市にある昭和用水堰(せき)の高さ3メートルほどの急斜面を流れ落ちる水に、体長10センチに満たない小さなアユが体をくねらせる。残念ながら失敗するものが大多数。それでも勢いよく挑戦を繰り返す。「よく見ると、ぎりぎりうまく上るのもいます」。アユの遡上を調査する東京都島しょ農林水産総合センターの橋本浩さん(45)は目を細めた。
同センターの推計によると、調査を始めた1983年の18万匹と比べると、ピークの2012年は約66倍の1194万匹が遡上した。その前後も高水準で推移しており、今年も数百万匹に上る見込み。橋本さんが率いるチームの調査は、河口から約11キロの汽水域で行われている。定置網に入ったアユを手のひらですくい、多い日には1万匹以上、1匹ずつていねいに川へ戻す。これまでの調査から多摩川の支流、秋川でも遡上アユが確認されているが、上流域までたどり着けるアユはそれほど多くはないという。
■待ち受ける難関 トラックで「遡上」も
(写真)二ケ領上河原堰でアユを狙うサギ(5月21日、東京都調布市)
二ケ領上河原堰でアユを狙うサギ(5月21日、東京都調布市)
理由は堰だ。多摩川にはアユの遡上の障害となるダムや堰などが19カ所ある。最初の関門の調布取水堰(約13キロ地点)を皮切りに、河口から10関門目にもなる昭和用水堰まで上れたアユはなかなかの優等生。それぞれの堰には魚が行き来できるようにと魚道が整備されてきてはいるが、間口が狭いなど魚にとって見つけにくいものもある。そのため堰の手前で行く当てを失い、カワウやサギなど鳥の餌食となってしまうアユが多いのが実情だ。また、せっかく見つけた魚道を上りきったところには、外来魚のコクチバスなど捕食者が口を開いて待ち構えている。
そんな過酷な状況を少しでも変えられたらと、東京都農林水産部水産課は今年、中流で捕獲した稚アユを上流にトラックで運んで放流する実験を始めた。難関を一気にワープする、いうなれば“飛び級”。東京都世田谷区、調布市、狛江市の3カ所に仕掛けた定置網で捕獲した体長5センチほどの稚アユ約3万匹を上流域2カ所まで運んだ。来年度も捕獲や運搬方法の調査を続け、17年からは漁業協同組合に引き継ぐ計画だ。同課の斉藤修二さん(51)は、「上流でも下流でも江戸前アユの良さが伝わり、いつかは誰でも気軽に食べられるようになれば」と意気込む。トラックに乗ってやってきた天然アユの放流に立ち会った秋川漁協参事の田中久男さん(59)は、川に入れたとたんに元気に上流を目指し泳ぐ稚アユの姿を目の当たりにした。「成魚サイズになるのは8月ごろかな。天然物は養殖と違って引く力が強い。多摩川生まれの江戸前アユ
は売りになるはず」と釣り客の増加を期待する
■やっと食べられる味に
川崎市多摩区でそば居酒屋を営む阿佐美善万さん(44)は、アユ釣りの解禁日を楽しみにしている一人だ。川漁師の山崎充哲さん(56)が釣る多摩川のアユを、5年ほど前から天ぷらとしてメニューに加えた。阿佐美さん自身、「子供の頃の記憶の汚れた多摩川のイメージから、最初は半信半疑だった」というが、今では自信の一品だ。多摩川の水辺を子供のときから見守り続けている山崎さんは、多摩川に多く戻ってきたアユがうれしくて、30年来食べ続けては実は裏切られ続けていた。「昔はシャンプーのような臭いがして、食べられたものじゃなかった。それが6年ほど前を境に味がよくなった。多摩川の水がきれいになったことがなにより大きいのでは」と山崎さんは見ている。
(写真)川面で重なり合う稚アユの群れ(5月25日、川崎市多摩区の二ケ領上河原堰)
川面で重なり合う稚アユの群れ(5月25日、川崎市多摩区の二ケ領上河原堰)
かつて、多摩川のアユは庶民に親しまれた江戸前の味で、江戸時代には将軍家にも献上される特産品だった。しかし、高度成長期に生活排水などで川面には白い泡がたち、アユは姿を消した。それが、下水道の整備が進んで水質が改善したことや、漁協が産卵場所を整備したことなどがアユの復活につながった。高度成長期前の多摩川を知る人には懐かしく、若い世代には新顔の江戸前アユ。復活劇からさらに、香味の深い庶民の魚として広く定着させられるかはこれからが勝負だ。
(写真部 浅原敬一郎)

宮ケ瀬湖、想定以上の土砂堆積 試験的に搬出へ

2015年5月30日
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神奈川県の直轄ダム「宮が瀬ダム」(2000年度末完成)は堆砂が計画よりかなり早いスピードで進行しているため、今年度から試験的に土砂搬出事業が始まります。この問題についての詳しい記事を掲載します。

宮ケ瀬湖、想定以上の土砂堆積 試験的に搬出へ

(神奈川新聞 2015年5月30日)http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150530-00001393-kana-l14

宮ケ瀬湖、想定以上の土砂堆積
(写真)宮ケ瀬湖に流入する早戸川に堆積した土砂 =相模原市緑区鳥屋
首都圏最大のダム貯水池である宮ケ瀬湖は、国が建設、運用開始してから14年目を迎えた。堆砂量が想定を上回るスピードで進行しているため、本年度から試験的に土砂搬出事業に着手する。6月に作業に入り、早戸川と中津川からの流入部2カ所で計約3万立方メートルを運び出し、今後の浚渫(しゅんせつ)方法や頻度などを検討する。
ダムは自然の川をせき止めて建設するため、流下する土砂が湖底に堆積する。洪水調整や給水などのダム機能を維持するため、堆砂の進み具合によって浚渫が必要になる。
国土交通省相模川水系広域ダム管理事務所によると、2013年度時点での堆砂量は約300万立方メートルで、計画値の130万立方メートルの2倍を超え、想定より早いペースで土砂がたまっている。
そこで、同管理事務所は15年度予算に堆積土砂搬出事業費として数千万円を新規計上。早戸川で約2万立方メートル、中津川で約1万立方メートルの土砂をそれぞれ流入部のすぐ上流で浚渫してトラックで搬出し、湖畔の用地に借り置きする。工期は6月~10月。その後、浚渫効果を検証し、今後のスケジュールや搬出土砂の活用法を検討する。一般的なケースよりは早い時期での事業着手だが、効率的な浚渫方法を探るためという。
相模川水系のダムは、集水域の支川が急勾配なため、流入土砂が比較的多いと考えられている。運用が半世紀を超える相模、道志、沼本の3ダム(すべて相模原市緑区)は堆砂の進行が著しい。相模ダムでは1993年度から大規模な浚渫事業が続いている。
同管理事務所は「宮ケ瀬湖は比較的新しいが、堆砂のペースが早い理由は台風による出水の影響などが考えられる。堆砂傾向は個々のダムによって違うので、本年度から検証しながら土砂の搬出を行うことにした」と話している。
近年、台風による相模川水系の土砂災害は2007年、11年と相次いで起きた。11年9月の台風12号では山梨県大月市で大規模な深層崩壊が発生して周辺の支川にも大量の土砂が流れ込んだ。
ダムの堆砂問題は、土砂供給の不連続性を生む原因となっている。河床低下や海岸浸食、生態系への悪影響の改善を図るため、土砂管理の新たな視点から国・県により流域全体の計画策定が進められている。
◆宮ケ瀬ダム
相模原市、愛川町、清川村にまたがる中津川の上流に旧建設省が建設した多目的ダム。洪水防止、河川環境の維持、水道水の確保、発電の機能を持つ。宮ケ瀬湖の広さは460万平方メートル、貯水量は約1億9千万立方メートル。計画から30年余を経て2001年4月より本格運用を始めた。

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