水源連:Japan River Keeper Alliance

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ラオスのダム決壊1年 農業再開進まず 中国資本進出に農薬汚染の懸念も

2019年7月15日
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昨年7月にラオス南部でダムの決壊事故があり、死者40人が超え、1万人以上が被害を受けました。被災地の現状についての記事を掲載します。

ラオスのダム決壊1年 農業再開進まず 中国資本進出に農薬汚染の懸念も

(Sankeibiz 2019.7.11 05:00) http://www.sankeibiz.jp/macro/news/190711/mcb1907110500005-n1.htm

 死者40人超、1万人以上が被害を受けたラオス南部アッタプー県にあるダムの決壊事故から間もなく1年。ラオス政府は合弁事業で建設工事を担当した韓国大手財閥SKグループ傘下のSK建設などとともに被災者の救済に当たってきたが、いまなお多くの農民たちは家屋や田畑を失ったまま将来の見えない不自由な生活を余儀なくされている。一方、土砂で埋め尽くされるなど被害の甚大だった地域の周囲では、中国資本が土地の使用許可を得てバナナ農園の開設を表明するなど「復興」に向けた動きも始まっている。本格的な雨期のシーズンを迎えた6月下旬、被災地近郊を訪ねた。

(写真)アッタプー県で、田おこしのため水田に向かうポームさん一家。末っ子のプー君(手前)も喜んで手伝う。

(写真)未舗装路が続き、雨期になるとあちこちで寸断される  

 ◆原因は人為的?

 「この辺りは水の被害は少なかったけど、しばらくは田植えはできなかった。今、こうして農業ができることに感謝しているよ」。そう話すポームさん一家の水田は、決壊事故のあったチャムパーサック県パクソン郡の水力発電用ダム「セーピアン・セーナムノイダム」の下流、アッタプー県サナームサイ郡にある。同郡は最も被害の大きかった地域で、6つの村で7000世帯が家を失い、基幹産業である農業や林業は大打撃を受けた。ポームさんのように仕事を再開できた人は少ない。

 事故は昨年7月23日夜に起こった。建設中だった同ダムが台風による増水であえなく決壊し、鉄砲水が下流の村々を襲った。翌朝までに7つの村が冠水し、田畑や牛、馬などの多くの家畜が流された。政府は国家緊急災害に指定。行方不明者の発見や被災者の保護に当たったが、今でも正確な死者・行方不明者数が分からないばかりか、被災に伴う精神的ショックや衛生面の問題から体調不良を訴える人は後を絶たない。

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 地下資源や目立った産業を持たない内陸国のラオスでは、豊富な水を使った水力発電による電力輸出が国家総輸出額の3割を担う。2017年末現在で計46の水力発電所が稼働。なお54カ所が建設あるいは計画中だ。タイや中国へ電力を輸出するための送電施設も新たに50カ所以上で工事が進められている。セーピアン・セーナムノイダムによる発電事業では、タイのラーチャブリー発電が送電を担当。多くがタイに輸出されることになっていた。

 決壊は当初指摘された「予想を超えた雨量が原因」(SK建設)ではなく、強度の不足など人為的なミスが引き起こしたとの見方が広がっている。ダム技術を通じて水資源利用の国際的指導的役割を果たしてきた国際大ダム会議(本部パリ)の独立専門家委員会は、SK側が主張してきた「天災」や「不可抗力」を否定する明確な見解を打ち出している。今後は人為性の具体的な検証が行われる。

 強者が弱者縛る構図

 一方、被害の大きかった6つの村では、いまなお土砂が住宅地や田畑を覆い、住民は仮設の住居などで先の見えない不安な生活を送っている。こうした中、中国資本がラオス政府から許可を得て、比較的被害の少なかった被災地周辺でバナナ農園を新設する動きが広がっている。被災した地元住民の雇用を名目としている。

 このうち、サナームサイ郡ピンドン村では約2000ヘクタールの使用が新たに認められ、農園で働く労働者の募集が始まった。また、地理的にベトナム寄りのサーマッキーサイ郡にあるベトナム資本のバナナ園では、中国資本が参加して約3000ヘクタールだった農地を約1万ヘクタールにまで拡張する整地が続けられている。同地にはこれまでゴム園が広がっていたが、ゴムの国際価格の下落から転作が決まり、伐採されることになった。

 こうしたバナナ農園では100~200人単位の被災した住民が新規で雇用されているが、多くの人々は応じようとはしない。彼らが求めるのは農業の再開であり、口々に懸念を示すのは中国式バナナ農法による汚染だ。稲作農家のポームさんも、そうした中国資本の進出を疑問視する一人。「中国の農法は農薬を多用する。その結果、土地は痩せ、われわれが住むこの地域の水は汚染が深刻化してしまう。われわれは農業を再開したいだけなのに」と語る。

 ラオス南部のアッタプー県ではかつて砂金が取れ、ちょっとしたゴールドラッシュに沸いた時期があった。2000年代半ばのことだ。この時も、中国資本とベトナム資本が先を争うように現地に入り、川底の土砂をさらった。砂金1グラム当たり、掘り返される土砂は1トンにも上る。アッタプーの自然環境は激変し、周囲に住む村々では呼吸器や皮膚に異常を訴える子供たちが続出するようになった。

 予期せぬ人災のダム決壊事故から1年。ようやく復興が始まったのもつかの間、現地の人々は中国やベトナム資本によるかつての悪夢に再び苦しめられようとしている。被災者の補償もほとんど行われていない。いつまでも続けられる強者が弱者を思いのままにしようとする構図に、国際社会はもう少し目を向けたほうがいい。(在バンコクジャーナリスト・小堀晋一)

2018年東京行動の帰結(石木ダム)

2019年7月14日
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経過

2018年7月9日、「石木ダム事業認定取消訴訟」に関して、「原告の主張は、被告認定庁の裁量権の範囲を逸脱するものではない」を基調とした原告敗訴の不当判決を長崎地方裁判所が下しました。

2018年7月18日ヒアリング

7月18日には、こうばる現地の地権者・居住者支援者、弁護団、原告団事務局の合計12名の皆さんが九州から上京し、「公共事業チェック議員の会」による「石木ダム事業認定の総元締めである国土交通省土地収用管理室、石木ダム事業費の一部を補助している国土交通省治水課と厚生労働省水道課からのヒアリング」の場で、石木ダムの必要性は全くないことを説明し、石木ダム事業中止に向けて舵を切り替えるよう訴えました。併せて、報告と連帯を目的に、16 時から院内集会を持ちました。 詳しくは、「石木ダム中止実現を目指す東京行動」報告を参照願います。

2019年2月7日ヒアリング

7月18日の国側担当者からの説明者との意見交換で不十分であった事項について、「公共事業チェック議員の会」による再度のヒアリングが2019年2月7日に開催されました。詳しくは「 2月7日14時から 国交省・厚労省へのヒアリング  予告と報告 石木ダム関係 」を参照願います。

2月7日ヒアリングの回答も形式論・手続き論に終始し、「虚偽で固められた石木ダムの必要性」「そのような石木ダムによって失われようとしている13世帯の生活と自然」「そのような愚行によって与えてしまう後世皆さんの財政負担」などの問題に直面している様子は微塵にもうかがい知ることはできませんでした。

2017年度は、佐世保市が 2012年度 に「石木ダムへの水源開発事業」の5年ごとの評価で「石木ダムへの水源開発事業は必要」とし、それを受けた厚生労働省が「水道事業としての水源開発事業」として補助事業採択継続を決定してから5年後の年に当たります。誰が見ても石木ダムは本体工事に着手していないのですから、2017年度には5年ごとの再評価が必要です。
しかし佐世保市と厚労省水道課は、「2012年度再評価は本体等工事の着手前評価」であるから10年間は再評価の必要はない。 2012年度再評価 から今日に至るも、実績値は予測値を下回るのは当然なので、再評価を必要とする状況下にはない」として、次の再評価は「2012年度の10年後にあたる2022年度」としています。更に、再評価では強制収用は評価事項の対象外としています。「本体等工事の着手前評価」というのであれば、「強制収用してまで行う価値と緊急性のある事業なのか?」という視点での評価がなされていなければ、まったく意味がありません。
「2012年度再評価は本体等工事の着手前評価」 には2つの疑惑があります。まずは、2012年度再評価を佐世保市自身が「本体等工事の着手前評価」として実施した形跡がなく、「厚労省水道課による事後みなし」という疑惑です。それは、2012年度からの5年後、2017年度で再評価を行うと、水需要の伸びが全く期待できないことが明らかになり、石木ダムへの水源開発事業の必要性の裏付けができなくなるからです。もう一つは、「水需要予測は余裕を持つものであるから、実績より上回るのは当然」とする論調の定着化です。これらの疑惑を解明し、佐世保市に2012年度再評価のやり直し=5年ごとの再評価を実施させることを目的に、4月5日、「公共事業チェック議員の会」は再再度の厚労所水道課へのヒアリングを行いました。

4月5日 厚生労働省水道課ヒアリング

日時  2019年4月5日 14:30~16:30
場所  衆議院第一議員会館 第4会議室

1) 2月7日の水道課回答を下記のように確認したうえで、質問を進めました。

  • 1、H24年度再評価は、「本体工事等の着工前評価」である。
  • 2、H25年3月15日付で提出されたH24年度再評価報告書には「本体工事等の着工前評価」との記載はない
  • 3、従前から佐世保市は「本体工事等の着工前評価」とする意向が強かったので、長崎県がH25年度予算に「付替え道路工事費」を盛込んだので、「本体工事等の着工前評価」とみなした。(実際はH25年度には工事再開はできていない)
  • 4、よって、原則10年間は再評価の必要はない。
  • 5、ただし、社会状況等の変化があれば、再評価の必要はある。
  • 6、現在は、その判断は佐世保市が行うべきであって、当方から指示する必要はないと考えている。
  • 7、毎年の予算要求時に佐世保市の状況は入手している。その情報で上記6の判断はできる。
  • 8、佐世保市がH24年度再評価提出前の市議会で「今回提出する再評価は5年ごとの再評価であって、本体工事等の着工前評価ではい」と言っているとのことについては、佐世保市に確認をとり、その結果を初鹿衆議院議員国会事務所に報告する。

2)  4月5日の質問事項

1)に記した問題について一つ一つ質疑応答を重ねました。
その要約を記します。

  • 一問一答にはなっていないが、調べて報告してもらうことが出された。初鹿事務所に報告されたい。
    • 承知しました。
  • 石木ダムは長い歴史があって、今でも13世帯の皆さんが毎日座り込みをしている状況にある。
  • このまま事業を継続しても、ダムは造れないと思う。
  • そこに永遠と税金をつぎ込み続けるのか、が今、問われている。
  • 13世帯を強制排除することに皆さん加担するのか、ということです。
  • 止める可能性があるとしたら、皆さんたちが水の需要予測をもう一回出させる、これには合理的理由がある。
  • 社会的変化、5年間着工されていない、需要予測と実績とに相当な乖離、これらの合理的理由があるから、再評価を指示できるのは厚労省だけ。
  • このことを内部でよく検討して、佐世保市に再予測しないと公費は出せない、と、予測を出し直させてほしい。
    • 今日出された内容はキチンと市に伝える。
  • 有効な金の使い方を考えたら、漏水が多い佐世保市は老朽管改修のために皆さんの予算を出した方が、市民にとっても水道局にとっても、よいと思う。
    • 水不足と老朽化の問題はそれぞれ捨てがたい問題がある。
  • 水は不足していない、のだから。
    • 佐世保市に確認する。
  • 佐世保市水不足の原因は、以前、ダムから優先的に取水してダムの貯水が少なくなってから川からの取水優先に替えた。それ以来、水不足になっていない。
  • あなたたちしか止めることができない。本当に水が足りなくなることはない。それなのに13世帯を力ずくで追い出すんですか?よく考えてほしい。需要予測をもう一回行え、ぐらいは言ってください。
    • この場で即答はできないが、今日の話をきちんと佐世保市さんに伝えたうえで、と考えている。

3) 4月5日ヒアリングの詳細

4月5日ヒアリングの詳細と関連資料は下記リンクを参照願います。

4月5日厚生労働省水道課ヒアリング回答の文書確認

4月5日ヒアリングにおける厚生労働省水道課職員との質疑応答で明らかにされたことの確認・ 同職員が約束したことの回答について、文書による確認を求めました。
文書回答は、「従前の繰り返し」と、「当該協議等に係る資料が不存在であり、詳細は不明」の連続でした。実際の経過すべての隠ぺいでした。

  • H24年度再評価がその後の実績とかけ離れている原因を私たちはデータを基に、評価手法の間違いにあることを指摘していますが、厚生労働省水道課はその実態に目を向けることを拒否して「予測は危機管理等の安全性を見込んでいるので、実績値が下回るのは当然のこと。」としています。このような論法が過大予測をまかり通らせています。
  • 「都合の悪い経過をすべて隠ぺいする、都合の悪い現実を直視しない」、「国と地方が行政目的遂行のためにこのように卑劣な連携をしている」現実を正さないとなりません。
  • 文書確認の設問と回答は下記リンクを参照願います。

文書確認 設問と回答


魚類迷入試験が開始 霞ケ浦導水事業、那珂川から取水し影響検証へ

2019年7月9日
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霞ヶ浦導水事業の工事中止を求める裁判は昨年4月末に東京高裁で那珂川漁協と国土交通省との間で和解が成立し、漁業への影響がないようにする条件が和解条項に盛り込まれました。
国土交通省は7月2日、那珂川からの取水試験を行って、魚類への影響を調査することを下記の通り、発表しました。
那珂川から霞ヶ浦への計画導水量は15㎥/秒ですが、その導水路は一部しかできていないので、完成済みの桜川への導水路を使って3㎥/秒の規模で取水試験を行うというものです。

国土交通省・霞ヶ浦導水工事務所の発表 http://www.ktr.mlit.go.jp/kisha/dousui_00000034.html
魚類迷入試験(那珂川から桜川への試験通水)を開始します。

この試験通水が7月8日から開始されました。3年間の試験通水です。その記事を掲載します。
那珂川から霞ヶ浦への取水施設は半分程度しかできていないので、試験験水の結果を見て、取水施設の残りの工事に取りかかるという話になっています。
那珂川から霞ヶ浦への那珂導水路は1/3しかできていませんが(43.1kmのうち、14.2km完了)、那珂導水路の残りの工事を試験通水と並行して進めるので、導水事業の完成予定は今のところ、2023年度となっています。
導水事業の実際の完成はかなり遅れるのではないかと思いますが、東京高裁の裁判で那珂川の漁協が折角、和解に持ち込んだのに、事業がどんどん進んでいくようで、先行きが心配されます。

 

魚類迷入試験が開始 霞ケ浦導水事業、那珂川から取水し影響検証へ【動画】
(下野新聞2019/7/9 5:00) https://www.shimotsuke.co.jp/articles/-/192533

(写真)那珂川から導水した水を桜川に流す桜機場=8日午後、水戸市河和田町 (写真)魚類迷入試験が始まった那珂川取水口。完成した水門4門のうち、手前の2門から那珂川の水が取水された=8日午後、水戸市渡里町町(写真)魚類迷入試験が始まった那珂川取水口。完成した水門4門のうち、手前の2門から那珂川の水が取水された=8日午後、水戸市渡里町
(写真)那珂川からの試験通水が始まった取水口。魚類の吸い込み量などを調べる迷入試験が行われる=8日午後
茨城県の霞ケ浦と那珂川、利根川を地下トンネルで結び水を行き来させる霞ケ浦導水事業で、国土交通省霞ケ浦導水工事事務所は8日、水戸市渡里町の那珂川取水口から試験的に取水し、魚類の迷入(吸い込み)量やその対策の効果を調べる試験を始めた。事業は1984年の着工から35年を経て、那珂川から初めて取水する段階を迎えた。
和解後初の「意見交換」 国交省、魚類迷入試験など説明
同事務所によると、魚類迷入試験は水門8門からなる取水口のうち、試験のために先行整備した下流側の4門を使用する。3年程度かけて対策の在り方を検証した上で、2023年度末までに残り4門を含め事業を完成させる計画。
この日は午前10時半から午後4時まで、4門のうち最も下流側の2門から毎秒1・5トンを取水。地下トンネルを通り、約5キロ離れた桜機場(水戸市河和田町)まで運ばれ、桜川へ放水された。
今後は徐々に取水の頻度や量を増やし、8月末からは24時間単位などで取水する予定。漁協関係者が特に吸い込みを懸念するアユの仔魚(しぎょ)(幼魚)が降下する秋は夜間を含め取水し、どの時期や時間帯に取水を停止すれば吸い込みをより防げるか分析する。
事業を巡ってはアユなど那珂川水系の水産資源に悪影響を及ぼす恐れがあるとして09年、本県と茨城県の漁連・漁協5団体が取水口建設差し止めを求め、国を提訴。18年4月に和解が成立し、工事が再開した。
同事務所は「試験結果などを示し、漁協関係者の皆さまには引き続き丁寧に対応していきたい」としている。


茨城)魚類の吸い込み防止試験を開始 霞ケ浦導水事業

(朝日新聞茨城版2019年7月9日03時00分) https://digital.asahi.com/articles/ASM784VT8M78UJHB01M.html

(写真)試験施設の取水口=水戸市渡里町の那珂川
那珂川と利根川を霞ケ浦を経て地下トンネルでつなぎ、水を行き来させる霞ケ浦導水事業で、国土交通省は8日、取水時に魚類を吸い込まないための試験を始めた。那珂川から桜川や千波湖に送水し、3年程度かけて有効な対策を探る。
霞ケ浦導水工事事務所(土浦市)によると、この日午前、水戸市渡里町の那珂機場に建設した施設で、那珂川からの取水を始めた。取水口は4門あり、前面に稚魚を吸い込まないための網のほか、川底の部分に底生魚が入り込まないような「魚返し」などを設けている。
試験期間中は、アユやサケ、サクラマスのほか、ウナギ、モクズガニといった魚種を対象に、どれほど取水口の中に入り込むのかや、迷い込み防止にはどのような対策が効果的なのかを探るという。
霞ケ浦導水事業は、那珂川から霞ケ浦までの延長約43キロと、霞ケ浦と利根川をつなぐ約2・6キロの導水路からなる。両河川の水をやりとりすることで、渇水時に飲み水や工業用水を確保したり、霞ケ浦や桜川などの水質浄化をはかったりする狙いがある。2023年度の完成見込みで、工事の進捗(しんちょく)状況は約40%という。(庄司直樹)


霞ケ浦導水 那珂川から初の取水 魚吸い込み試験開始

(茨城新聞2019/7/9(火) 4:00配信) https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190709-00000003-ibaraki-l08

(写真)魚類迷入試験に伴い、水戸地下トンネルに初めて水を通した那珂川の取水口=水戸市渡里町
霞ケ浦と那珂川、利根川を地下トンネルで結ぶ霞ケ浦導水事業で、国土交通省は8日、那珂川から初めて取水した。取水による魚の稚魚などの吸い込み量を調べる「魚類迷入(吸い込み)試験」を開始し、那珂川と桜川を結ぶ那珂導水路水戸トンネル区間(6・8キロ)で水を通した。試験は月に数回ずつ、午前8時から午後6時までの時間帯に行う。1984年の建設着手から35年を経て、初めて那珂導水路に水が流れた。

同日午前10時半、水戸市渡里町に完成した那珂川の取水口が開門されると、直径約4メートルの導水管に水が流れ込んだ。同市河和田の桜川の放流口の水門も同時に開かれ、那珂川の水が桜川に勢いよく放出され始めた。初日の通水は5時間半行われ、水門は午後4時に再び閉じられた。

国交省関東地方整備局霞ケ浦導水工事事務所によると、事業計画水量は最大で毎秒3トンの導水だが、当面は1・5トン。9月に3トンまで増やす予定だ。

判決ありきの訴訟指揮⁈ 石木ダム事業認定取消訴訟控訴審 7月3日

2019年7月7日
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福岡高等裁判所、7月3日の口頭弁論で、「これを以て終結、判決は11月29日」

2019年7月3日14時から開かれた石木ダム事業認定取消訴訟控訴審第3回口頭弁論において、双方からの提出書類確認、控訴人側からの提出準備書面要旨説明陳述を終え、審理が「今後の進行」に入りました。控訴人側は、この日の口頭弁論に向けて提出した2つの意見書の作成者、伊藤達也氏(法政大学教授)と富樫幸一氏(岐阜大学教授)について、その意見書の内容説明を求めるための証人申請をしました。西井和徒裁判長は、被告側に意見を求め、被告代理人が「その必要は無い」と述べると、言下に「当裁判所も必要ないと認め、採用しない」とあっさり却下。この控訴審は今日を以て終結とする。判決は11月29日13時10分。」と告げ、3人の裁判官退廷してしまいました。

控訴人が、新たな証拠や意見書を提出しているにもかかわらず、それらには一顧だにもせず、福岡高裁の西井和徒裁判長ら3人の裁判官は、問答無用と一刀両断。私たちを斬り捨てたのです。まさに、2019年7月3日は、「福岡高等裁判所が死んだ日」になりました。

控訴人側からの提出準備書面要旨説明陳述

高橋謙一弁護士が利水に関して提出した第8 ないし第10 準備書面の要旨を述べました。
緒方 剛弁護士が、治水の側面から費用便益比の問題すなわち、費用対効果の点について第7準備書面の要旨を述べました。

準備書面要旨陳述内容

19.06.27高裁J7 治水要旨 緒方弁護士
高裁J8等利水要旨    高橋弁護士

伊藤達也氏(法政大学教授)意見書概要

  • 佐世保市が「二年に一度の渇水状況」と喧伝していますが、実は「渇水」の実態はなく、単なる「幻想渇水」である。
  • 後発水利権は先発水利権を侵害しない限度でしか認められない、本件慣行水利権は、相浦川の4つのダム及び相浦取水場の許可水利権に先発している、相浦川の許可水利権が十分に取水できているにもかかわらず、本件慣行水利権だけが取水できない状況が起こることはあり得ない。
  • あり得ない状況が起きているように見えるのは、本件慣行水利権及び相浦川の許可水利権が相互に補完して、取水されているからである。
  • 総合的に見ると、被控訴人が「10年に1回程度の渇水」と述べる2007年でさえも十分に取水できている。
  • 本件慣行水利権だけを保有水源から除外することが著しく不合理である。

富樫幸一氏(岐阜大学教授)意見書概要

  • 石木ダム建設の必要性の根拠とされる平成24年度水需要予測について、種々の項目で、恣意的かつ不合理な予測が行われている。
  • 人口統計について、佐世保市は2024年の人口を想定するのみであるが、厚労省「新水道ビジョン」のように2060年の推計をすべきこと、2060年の佐世保市の給水人口は20万人以下として水需要予測を行うべき。
  • 生活用水原単位については、佐世保市が採用したロジスティック曲線は収束値を根拠なく恣意的に過大な224リットルと設定して過大な需要予測を立てた。
  • 業務営業用水は、観光需要を過大かつ重複して評価していることから、「2010年から2017年に観光客数が1.4倍に増加しているのに対し、営業用水の有収水量が4.2%減少している」という齟齬をきたしている。
  • 佐世保市造船業の実績値から、過去の給水・減圧制限と出荷額の連関はなく、しかも、SSKの修繕船事業についても根拠がないことから、4,412㎥/日の上水を確保する必要性はない。
  • 石木ダム事業では建設費のほかに多数の必須の費用負担があり、実質総負担額は615億円に上り、1世帯当たりの1年間の負担増額が約9000円になると試算。今後の人口・水需要・水道収入すべての減少が確実視される中では過大な負担である。
  • 渇水による被害額の想定は国交省の再評価実施要領細目にはない手法である。5~20%の節水率では生活及び産業活動にはほとんど影響がでないことから、佐世保市の被害額推計が「ありえない架空の計算値を挙げている」

裁判所への主な提出書類

〇控訴人側

準備書面
意見書

〇被告側

次回

判決 2019年11月29日 13時10分

 

報告集会

福岡高裁の建物の隣の弁護士会館で報告集会を持ちました。誰もがみな、高裁での展開に「信じられない」と唖然とするばかりで臨んだ報告集会でした。馬奈木弁護団長の発言に参加者は耳を澄ましました。
馬奈木弁護団長の発言骨子を「石木川まもり隊」ホームページ を参考にして紹介します。

下の写真は同ホームページに掲載された、「マイクを持つ馬奈木弁護団長」です。

  • 福岡高裁が死んだ日」「裁判所としての使命を放棄した日だ
  • 当方の立証を拒んだうえで、「控訴人の主張は裁量権の違法性を立証できていない」と、敗訴させるからだ。
  • 石木ダム闘争が裁判で勝ってもダムが止まるとは限らない。今は、国は敗訴しても確定判決に従わない。
  • ではどうするか?勝つまで闘うしかない。
  • 私が石木ダム裁判を引き受けたのは、裁判で勝てないとしても、負けてはいけない、勝つまで闘ういう覚悟が皆さんにできているのが分かったからだ。
  • 裁判で勝っても、石木ダムが止まるわけではない。
  • 裁判は水戸黄門の印籠とは違う。
  • 悪代官は水戸黄門にひれ伏すが、国は司法に従わない。
  • 我々が要求を実現する道はただ一つ。頑張り抜くこと。
    おかしいことはおかしいと言い続けること。
    許せないことは許せないと態度で示すこと。
  • 「あらためて頑張り抜きましょう!」

マスコミ報道

石木ダム訴訟控訴審が結審 判決は11月

©株式会社長崎新聞社

 長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業を巡り、反対地権者らが国に事業認定取り消しを求めた訴訟の控訴審第3回口頭弁論が3日、福岡高裁(西井和徒裁判長)であった。高裁は原告側が求めた証人尋問を却下し、結審した。判決は11月29日。
原告側は、県と同市が主張する治水面、利水面でのダムの必要性に反論する準備書面を提出。治水面ではダム建設の費用対効果について算定方法が不適切だとした。利水面では、同市が算定した水需要予測と保有水源について、評価方法の問題点を指摘した専門家2人の意見書を提出。2人の証人尋問を求めたが、西井裁判長は却下し、弁論を終結した。
弁論後の集会で原告弁護団長の馬奈木昭雄弁護士は「初めから結論が決まっているかのように、こちらの話を聞こうともしない。裁判所としての機能を放棄している」と批判した。

 

地球温暖化 豪雨増 「100年に1度」最大1.4倍 国交省、治水見直し

2019年6月5日
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5月末に国土交通省で「第4回 気候変動を踏まえた治水計画に係る技術検討会」が開かれました。最近の気候変動を踏まえて、治水計画を見直していくための検討会です。
その記事を掲載します。
検討会の配布資料はhttp://www.mlit.go.jp/river/shinngikai_blog/chisui_kentoukai/dai04kai/index.html に掲載されています。
気候変動といってもどこまで科学的な予測ができるのか、わからないところがありますが、国土交通省は次のように河川整備計画の目標を見直していくことを考えています。
「目標の見直し ○ 河川整備計画では、多くの一級河川で過去(主に戦後)に発生した最大の豪雨が発生しても被害の発生を防止することを目標にしているが、 気候変動の影響があっても目標とする治水安全度が確保できるよう、河川整備の目標を見直し、河川整備のメニュー充実と加速を図ることが必要。 」(資料6 気候変動を踏まえた治水計画のあり方 提言骨子(案))
国土交通省の今後の動きを注視していく必要があります。

地球温暖化 豪雨増 「100年に1度」最大1.4倍 国交省、治水見直し
(毎日新聞2019年6月1日 東京朝刊)https://mainichi.jp/articles/20190601/ddm/001/040/109000c

国土交通省の有識者検討会は31日、地球温暖化によって将来の豪雨時の降水量が全国平均で1・1倍になるとの試算を示し、これを国管理の河川の治水計画に反映すべきだとする提言骨子案をまとめた。これまで河川整備計画は、各地域で過去に起きた最大の豪雨を基に、河川の系統ごとに作られてきたが、気候変動の将来予測を取り入れる方法に転換する。
昨年7月の西日本豪雨など、近年、大規模水害が頻発していることなどを受け、検討会は気候変動の影響があっても安全が確保できるように議論を進めていた。今夏にもまとまる提言を基に、国交省は河川整備計画を見直していく。
政府は現在、地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」に基づき、産業革命前からの気温上昇を2度未満に抑えることを目標に温室効果ガス排出削減に取り組む。既に世界の平均気温は約1度上昇しており、大規模水害が頻発している。
このため検討会は、2度上昇したと想定して「100年に1度」の頻度で起きる豪雨の降水量を試算し、全国平均で現在の1・1倍になると予測。温暖化対策を全く取らない場合は4度上昇するとの想定でも試算し、降水量は1・3倍、地域別では1・1~1・4倍になるなどとした。
骨子案は、2度上昇の降水量予測に基づいて河川流量を算出し、河川整備計画を変更するよう求めた。また、4度上昇の試算も考慮し、堰(せき)などの施設設計をするよう提言している。
河川整備計画を見直すと、堤防の設計やダム計画、排水設備などの変更が各地で必要になる。検討会委員の山田朋人・北海道大准教授(河川工学・水文(すいもん)学)は「今後は将来予測を含めた治水計画が必要だ」と話した。【斎藤有香】

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