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10月16日の利根川・江戸川有識者会議についての記事

2012年10月18日
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10月16日の利根川・江戸川有識者会議についての記事を掲載します。

大熊孝委員、関良基委員、野呂法夫委員が奮闘され、発言内容の説得性、迫力とも事務局【関東地方整備局)および小池俊委員を圧倒しました。
しかし、座長の宮村忠氏は「意見は出尽くした。今後も平行線だろう」と述べ、議論を終える考えを示しました。
対応策を考えなければなりません。

議論平行線のまま 八ッ場ダム有識者会議 座長「事務局判断だ」(東京新聞群馬版 2012年10月17日)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20121017/CK2012101702000152.html

八ッ場(やんば)ダム(長野原町)の本体着工の条件である「利根川・江戸川河川整備計画」の策定に向け、国土交通省関東地方整備局は十六日、第七回有識者会議を東京都内で開催した。
前回に続き、ダムの是非の根拠となる数値をめぐり合意は得られず、会議後、座長の宮村忠・関東学院大名誉教授は「あとは事務局の判断だ」と述べた。
争点は、利根川のある地点で水を安全に流せる量「目標流量」の数値。国交省の試算を「過大だ」とするダム反対派と、容認する委員の間で激しい議論が交わされた。
反対派の関良基・拓殖大准教授は「戦後の森林の成長で川に流れる雨量が減ったことを試算は考慮していない」と指摘。小池俊雄・東京大大学院教授は「戦後の変化は洪水を大きくしてもいる」と反論した。
同整備局が示し、大熊孝・新潟大名誉教授が「水没していない所が水没したことになっている」として撤回を求めている一九四七年のカスリーン台風の氾濫の図について、東京新聞の野呂法夫特別報道部次長は現地での聞き取りを踏まえ「水没はなかった。とんでもない図だ」と批判。同整備局側は「元データも算出方法も示している」との返答に終始した。
また同整備局側は「目標流量を設定するのは関東地方整備局。その後、施設計画を含む案を、この会議に提示する」と今後の流れを明らかにし、争点が決着されなくても審議を進めたい模様だ。
(伊藤弘喜)

 

利根川水系の流量議論打ち切り 有識者会議(上毛新聞  2012年10月17日)
http://www.raijin.com/ns/3113503961095605/news.html

国土交通省関東地方整備局は16日、八ツ場ダム(長野原町)の本体着工条件となっている利根川水系の河川整備計画の策定に向けた「利根川・江戸川有識者会議」を都内で開き、
前回、前々回に続き今後20~30年で安全に流すことを目指す洪水量(目標流量)について協議したが、賛否が分かれた。
会議終了後、座長の宮村忠関東学院大名誉教授は報道陣に「議論は出尽くした」と述べ、目標流量の議論は打ち切り、次回以降は整備内容などの協議に移ると説明した。
整備局は利根川流域は人口や資産が集中していることから、目標流量は他の河川よりも高い70~80年に1度の洪水規模に当たる毎秒1万7000トン=基準点・伊勢崎市八斗島(やったじま)町=が妥当と提案している。
関良基・拓殖大准教授は過去60年間の基準点で実測された最大流量1万トン(1998年)を基に、80年に1度の洪水規模を算出すると1万3000トンとして「安全にみても1万4000トンだ。1万7000トンで国民が納得できるのか」と主張した。
清水義彦・群馬大大学院教授は甚大な被害を出したカスリーン台風(1947年)で利根川上流域3地点での観測値から流量は約1万7000トンと算出されていることから「(過去に)あったものを根拠にするのは一理ある。国交省が示した目標流量は妥当だ」と述べた。
目標流量の議論を打ち切る方針について、ダム建設に反対する水源開発問題全国連絡会の嶋津暉之共同代表は「1万7千㌧の目標流量の科学的根拠に疑義がある。もっと議論しなければいけないのにおかしい」と批判した。
整備局は有識者会議については河川法に基づき「意見を聞く場であり、何かを決める場ではない」とあらためて説明。会議での意見を踏まえ、整備局が目標流量を設定するとした。今後の会議のスケジュールは未定としている。

 

目標流量意見一致せず 八ッ場有識者会議(読売新聞群馬版 2012年10月17日)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gunma/news/20121016-OYT8T01752.htm

利根川水系の河川整備計画策定に向けた有識者会議が16日、東京都内で開かれた。座長の宮村忠・関東学院大名誉教授は会議後記者団に、これまで続けてきた目標流量の議論について「意見は出尽くした。今後も平行線だろう」と述べ、議論を終える考えを示した。
河川整備計画は、八ッ場ダム(長野原町)の本体工事着工の条件とされ、議論の焦点はダムなどの施設計画に移るが、今後の日程は明確になっていない。
16日の会議では、洪水時に安全に水を流せる「目標流量」について引き続き議論が交わされた。
国土交通省は、70~80年に1度発生する洪水にも対応できるよう、伊勢崎市八斗島での目標流量を毎秒1万7000立方メートルとする案を示している。
これに対し、ダム反対派の関良基・拓殖大准教授は、地中への水の浸透率などが十分に考慮されていないとし、「解析モデルに誤りがある」などと主張。
一方、日本学術会議の分科会メンバーとして同整備局が示した値を妥当と認めた、小池俊雄・東大大学院教授は計算根拠を示しながら、「国交省の計算は間違いない」と指摘した。別の委員からも賛否両論が出て、意見は折り合わないまま、予定の2時間で終了した。

「意見出尽くした」 利根川・江戸川有識者会議 「目標流量」賛否割れる(下野新聞 2012年10月17日 朝刊)
http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/local/news/20121016/901071

国土交通省関東地方整備局は16日、八ツ場ダム(群馬県)の本体工事着工の前提となる利根川水系の河川整備計画策定に向けた「第7回利根川・江戸川有識者会議」を東京都内で開いた。

洪水時、安全に流下させることを目指す目標流量について協議し、賛否それぞれの意見が出た。座長の宮村忠関東学院大名誉教授は会議後、報道陣に「目標流量については意見が出尽くしたと思っている」との見解を示した。
国交省は70~80年に1回の割合で発生する洪水を想定。利根川の基準点(群馬県伊勢崎市内)で、安全に流す目標流量を「毎秒1万7千立方メートル」としている。会議では目標流量に関連し、計算方法など学術的な議論が交わされた。
国交省が示すデータの算出方法の不備や資料の誤りを指摘する意見の一方、「国交省の計算は間違いではない」「目標流量は妥当」とする声もあった。

八ッ場ダム建設:利根川有識者会議 「目標流量」は棚上げ、一致できず 個別整備の検討へ /群馬(毎日新聞群馬版 2012年10月17日)
http://mainichi.jp/area/gunma/news/20121017ddlk10010151000c.html

八ッ場ダム(長野原町)本体工事着工の条件である利根川水系の河川整備計画の策定に向け、第7回利根川・江戸川有識者会議が16日に東京都内で開かれた。
ダム建設の根拠となる「目標流量」についての議論で一致点が見られず、座長の宮村忠・関東学院大名誉教授は議論をいったん打ち切り、八ッ場ダムなど個別の整備内容の検討に入る方針を示した。
目標流量は、1947年のカスリーン台風並みの水害があった場合、被害が出ないようダムなどで調節すべき流量のことで、国土交通省関東地方整備局は毎秒1万7000トンと算出している。
これに対し、複数の委員が根拠資料や算出モデルの不整合性を指摘していた。【奥山はるな】

長﨑県議会、意見書可決 2012年10月16日 堀江ひとみ議員の反対討論

2012年10月17日
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長﨑県議会、意見書可決 2012年10月16日 堀江ひとみ議員の反対討論 石木川まもり隊のホームページより)

10月15日、長崎県議会は本会議において、石木ダムの事業認定申請を求める意見書を採択しました。賛成38、反対5、棄権2でした

反対した議員の一人、堀江ひとみ議員の反対討論をご紹介します。
「ただいま議題となりました石木ダム事業認定手続きの進展を求める意見書につきましては、以下の理由で反対いたします。

事業認定が、地権者との話し合いの場をつくるためと言っても、強制収用に道を開く 手続きそのものです。事業認定手続きは、住民の不安と不信を募らせるばかりです。

30年前の機動隊導入による強制測量が引き起こした事態への反省もなく、再びこれを繰り返すならば、地権者のみならず県民の理解を得ることは到底できません。

「生まれ育ったここで農業を続けたい」「ここに住み続けたいだけなんだ」という、住民の憲法で保障された権利は、誰であっても、踏みにじることは許されません。

強制収用という野蛮な行為は、絶対にすべきではありません。

国は石木ダムの事業継続を決定しましたが、「地域の方々の理解が得られるよう努力することを希望する」と、意見をつけています。

国が求めた努力をせずに知事は、国土交通省九州地方整備局に対し、事業認定手続きを求めました。県民からは、こうした行動が、不誠実で一方的な行動であり怒りさえ感じるとの声が寄せられました。

本意見書を、県議会が採択することは、反対土地所有者のみなさんとの話し合いの場も、さらに遠ざけると判断します。

本意見書では、佐世保市の安定的な水資源確保のために、石木ダムが必要不可欠な事業として、多くの人が認めていると述べていますが、そうは思いません。

いま佐世保市が提供できる水の、提供能力は、安定水源・不安定水源と合わせて、毎日平均、9万2,000トンです。佐世保市民の使用水量は、1万トン近い漏水も入れて7万4,000トンです。9万2,000トンの水があって、使用している水量は7万4,000トン。おつりがきます。

水不足ではなく、佐世保市の水は足りています。それなのに、新たに1日4万トンの石木ダムが、どうして必要なのか。説明がつきません。

石木ダム計画も含めた水需要予測は、一日13万トンです。これは人口の約2倍ある長崎市が毎日使用している水量です。人口は長崎市の半分しかないのに、使う水の量は長崎市と同じぐらいの、水需要を求めるということ自体、いかに過大な需要設定であるか、明らかです。

9月24日付毎日新聞では、「石木ダムの水需要予測プラスに転じる材料乏しく」と、報じています。佐世保市の11年度水使用の実態は、需要予測に反して、予測値よりも約2万6千トンも低くなりました。

水需要予測が実態にあわないこと。過大な需要設定であることが、多くの県民に明らかになってきました。必要のない石木ダム建設は直ちに中止を。この声が、以前にも増して県民、市民、町民の間でひろがりを見せています。こうした県民の声に応える立場から、意見書には反対です。

以上、反対討論といたします。」

最上小国川ダム 漁業権問題で本体着工不透明(読売新聞山形版2012年10月16日)

2012年10月16日
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最上小国川ダム 漁業権問題で本体着工不透明(読売新聞山形版2012年10月16日)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/yamagata/news/20121015-OYT8T01162.htm
作業用道路建設のため切り倒された杉。真新しい看板も設置されている(15日、最上町富沢で)
県が建設を計画する最上小国川ダム(最上町)で、本体工事に先立ち、作業用道路の取り付け工事が始まった。流域の漁業権を持つ地元漁協は反対しており、事業の先行きは不透明な状況になっている。(宮本清史、影本菜穂子)
最上町富沢の現場付近では15日、関係者が県道沿いに「工事中」の看板を設置したり、下草を刈ったりする作業に追われた。工事は13日から始まり、すでに約150本の杉を伐採。今月下旬には重機が投入され、積雪期も除雪しながら、来年2月まで作業を続ける。
県河川課によると、同ダムは予定地から約2キロ下流の赤倉地区などを、50年に一度の洪水から守るのが目的。県は2006年、「自然への影響が少ない」などとして、通常時は水をためず川の流れを残す「穴あきダム」での建設を決めた。
総事業費約64億円で、15年度の完成を目指す。今年3月末現在で用地取得などに約17億5400万円を投じ、今年度は作業用道路建設などで5億7200万円を予算計上している。

ダム建設を要望しているのは、川岸まで温泉旅館が立ち並ぶ赤倉地区の住民。洪水被害にたびたび見舞われ、1974年7~8月の集中豪雨では、死者こそ出なかったものの、278戸が床下浸水し、被害総額は約23億円に上った。
赤倉地区でダム建設を推進する期成同盟の早坂義範会長は「今も数年に一度、旅館が床上浸水したり、温泉に川の水が逆流したりする被害が出ている。ダムが完成するまでは、枕を高くして眠れない」と訴える。
一方、「ダムが造られれば、川の環境は大きく崩れ、アユに影響は避けられない」として反対するのは、地元の小国川漁協(沼沢勝善組合長、組合員約1100人)。同川は体長25センチを超える大型アユが釣れる川として知られ、シーズン中は全国から釣り客が訪れる。
同漁協によると、アユやヤマメなどの漁獲による売り上げ額は、「組合員全体で年間約2~3億円。組合の遊漁料収入は同約2000万円」と説明する。

こうした中、漁業権を巡る問題が焦点になっている。
県議会9月定例会予算特別委員会で、ダム反対派の草島進一議員が「漁協が同意しない限り、ダム本体の着工はできないことを認めるか」と質問。岡邦彦・県土整備部長は「今年度発注した工事は、漁業権の及ばない陸地部の範囲で実施するものだ」と直接答えず、「漁協から同意が得られるよう誠心誠意努力する」と4回繰り返した。
本体着工には漁業補償が必要になるが、漁協は任意の交渉に一切応じていない。土地収用法では、漁業権も関係者に補償した上で収用できると定めているが、国土交通省土地収用管理室によると、実際に漁業権を強制収用したケースはないという。
県は現時点で、同法の適用については明言していないが、沼沢組合長は「仮に強制収用となっても、裁判で争う」としており、県が今後、どのような対応を示すか注目される。

有識者会議の運営を問題視 議員連盟(2012年10月13日)

2012年10月13日
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有識者会議の運営を問題視( 八ッ場で議連(上毛新聞 2012年10月13日)

民主党などの「八ッ場ダム等の地元住民の生活再建を考える議員連盟」(会長・川内博史衆院議員)は12日、国会内で総会を開き、
八ッ場ダムの予算執行の条件とされる利根川水系の河川整備計画の進捗状況などについて、国土交通省職員からヒアリングした。
同省職員の説明に対し、出席議員の多くが有識者会議の日程の感覚が短く、委員の出席率が低いことなどを批判。
議事録が作成されないままに次の会議が開かれている点など、根本的な会議運営の在り方を問題視する意見が相次いだ。
議連事務局長の初鹿明博衆院議員は、再開された有識者会議が、利根川と江戸川の河川整備計画を策定するための会議であるのに対し、
官房長官裁定では「利根川水系」全体の河川整備計画の策定を予算執行の条件としていると指摘。今後、利根川支流の河川整備計画についても、
順次策定していかなければ予算執行は認めるべきではないと主張した。
これを受け、議連として官房長官と国交相に対し、裁定に示された「利根川水系の河川整備計画」が水系全体を指すことを確認し、
支流を含めた計画策定の必要性を申し入れることを決めた。

川辺川ダム中止表明3年 五木村再建道半ば(西日本新聞朝刊 2012年10月12日)

2012年10月12日
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川辺川ダム中止表明3年 五木村再建道半ば (西日本新聞朝刊 2012年10月12日)

http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/328656

(写真)川辺川ダム計画の水没予定地をまたいで架かる頭地大橋。来年3月に開通する=熊本県五木村

本県で荒瀬ダムの撤去工事が本格化する一方、同じ球磨川水系で、半世紀近く川辺川ダム計画に翻弄(ほんろう)されてきた同県五木村の再建は道半ばだ。

民主党政権のダム建設中止表明から3年。村は11日、ダム建設で水没する予定だった土地の活用策を探る有識者委員会を立ち上げたが、現行法の制約があり、具体化へのハードルは高い。

「水没地活用は村の振興にとって最重要課題。できるものから着手したい」。村役場での「水没予定地暫定利活用検討委員会」(委員長・内山督(おさむ)熊本大名誉教授、10人)の初会合。委員でもある和田拓也村長が訴えた。

検討委の設置は昨年6月の国、県、村による「3者合意」に基づく。国が買収した水没予定地約244ヘクタールのうち、学校や商店があった旧村中心部の平地20~30ヘクタールを対象に上物の整備を計画する。

検討委の名に「暫定」と付くのは、ダム計画が法的にはまだ生きていて、土地が「河川区域」と見なされ、村が自由に使えないからだ。河川法によると、一帯でのコンクリート構造物の建設は、川の流れを阻害するという理由で制限される。

検討委では、昔の村の風景を再現した親水公園やキャンプ場、農産物加工場など、村民や議会から寄せられた約40項目の活用案が示された。

検討委が今後、これらを踏まえて議論を進めるのと並行して、村は工作物などがどこまで認められるか国と協議を進める。

年度内に一定の方向性をまとめ、2013年度中の一部着工を目指す考えだ。ただ、村の担当者は「国と協議する中で、造りたくても造れない物が出てくることもあり得る」と懸念する。

ダム建設を中止した地域を対象に、国が買収した土地を自治体に無償譲与し、生活再建を支援する動きはあった。

五木村をモデルにした「ダム事業廃止特定地域振興特別措置法案」がそれだ。

しかし、法案は先の通常国会で審議入りしないまま、継続審議とされている。事実上たなざらしの状態で、次の衆院選で民主党が政権を失えば、廃案になる恐れさえある。

村の人口は約1300人。試算では20年には千人を割り込む。和田村長は「特措法を待つ時間はない。今は現行法でできることを確実に進めるしかない」と話した。
▼川辺川ダム

国土交通省が熊本県南部を流れる川辺川に計画する治水ダム。1966年の計画発表以来、反対運動が続き、2008年に蒲島郁夫知事が建設反対を表明。

09年9月には前原誠司国交相(当時)が中止を表明した。国は、五木村の水没予定地をまたぐ頭地大橋の建設など関連事業を継続し、法的にはダム計画の廃止手続きは取られていない。

国、県、村は昨年の「3者合意」で、交付金などの現行制度を活用して村の生活再建を進めることで一致。

県は村に総額50億円の財政支援をし、国は買収した水没予定地の利活用に村の提案を受けることなどを決めた。ダムに代わる治水策は、国と県、流域12市町村が検討中だが3月の実務者協議以降動きはない。

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