水源連:Japan River Keeper Alliance

水源開発問題全国連絡会は、ダム建設などと闘う全国の仲間たちのネットワークです

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早川本流も強い濁り 雨畑ダムと別、原因調査へ サクラエビ異変

2019年4月2日
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サクラエビの産卵場とされる駿河湾の富士川河口に民間企業の工場放水路から濁った水が流れ出ている問題で、雨畑ダムの濁りに加え、雨畑ダムより北の早川本流でも強い濁りが見られ、リニア新幹線工事の影響も考えられるという記事を掲載します。

なお、雨畑ダムは 日本軽金属㈱ の発電用ダム(1967年 3月竣工)で、総貯水容量1365万㎥に対して2016年度末の堆砂量は1274万㎥になっており、堆砂で満杯になっています。

ダンプの列、残土の山 土ぼこり舞う川沿い 山梨・早川本流ルポ
(静岡新聞2019/04/014/1(月) 9:26配信 )http://www.at-s.com/news/article/politics/shizuoka/617593.html

(写真)リニア中央新幹線のトンネル工事残土置き場周辺をひっきりなしに行き交うダンプカー。昨年12月以降もこの光景は変わらない=山梨県早川町(写真の一部を加工しています)
駿河湾サクラエビの不漁などとの関係が指摘される富士川水系の濁り。濁りの出どころとされた雨畑ダム(山梨県早川町)に加え、上流の早川本流(同町)でも強い濁りの存在が明らかになった。現場で何が起きているのか。3月中旬、早川をさかのぼり現状を取材した。

富士川との合流地点から早川上流部に通じる県道37号。最初に気付くのは土ぼこりをあげながらすれ違うダンプカーの多さだ。川沿いでは工事現場や採石プラントなどが少なくとも10カ所以上。昨年末に最初の取材をしたが、変わらない光景だ。
合流地点から約1キロ上流には、河川敷に積まれた高さ十数メートルの“ピラミッド群”。中部横断自動車道のトンネル工事で出た残土の山が見える。
雨畑ダムに続く雨畑川と早川の合流地点まではさらに約8キロ。民間の水力発電所や、採石業者のプラントが複数ある。操業する平日の川の水はすでに濁り気味。周辺は地下の導水管が張り巡らされていて、水の流れは非常に複雑になっている。
早川中流部には、リニア中央新幹線のトンネル残土置き場が河川敷に数カ所。リニアの本坑から地上に伸びる「早川非常口」などの工事現場では大手ゼネコンのキャッチコピー「地図に残る仕事」が書かれた看板も。周辺を走るのは「中央新幹線」と書かれたオレンジ色のプレートをフロントガラス内側に掲げたダンプカー。積んでいるのは「グリーンタフ」と呼ばれる青緑色の土だ。
近くでは山梨県発注の道路工事現場が複数あり、重機が川床をさらう。周辺を糸魚川-静岡構造線が通り、土質のためか所々の川沿いで自然の土砂崩れも見受けられた。
富士川との合流地点から約30キロ。早川上流にある山梨県管理の奈良田ダム。導水管の排水があり、濁りが強い日もある。
早川を昔から見てきた地元の男性(74)は「自然の濁りは2、3日たてば消えるが、ここ10年ほど前からはいつまでたっても濁りが消えないようになった。人の手が入り過ぎ、自然を変えてしまっているのだろうか」と不安げだ。

 

早川本流も強い濁り 雨畑ダムと別、原因調査へ サクラエビ異変
(静岡新聞2019/4/1 07:46)http://www.at-s.com/news/article/politics/shizuoka/617524.html

(写真)民間の工場放水路(右手前)から駿河湾に流れ出る濁り水。雨畑ダムの濁りに加え、早川水系の濁りも影響している可能性がある=29日午後、静岡市清水区蒲原(静岡新聞社ヘリ「ジェリコ1号」から)

サクラエビの産卵場とされる駿河湾の富士川河口に民間企業の工場放水路(静岡市清水区蒲原)から濁った水が流れ出ている問題で、出どころとして指摘される雨畑ダム(山梨県早川町)より北の早川本流(同町)でも強い濁りが見られることが、31日までの取材で分かった。早川水系の濁り水は雨畑ダムから出た濁り水とともにこの企業の発電用導水管に流入。自然の川の自浄作用がないまま、駿河湾に流出しているとみられる。
早川水系の周辺では川勝平太知事が「影響を視野に入れている」としたリニア中央新幹線工事に加え、濁りを出す恐れのある工事が複数箇所ある。静岡県は近く、山梨県やJR東海に協力を求め原因を探る方針だ。
静岡新聞社は3月中旬、晴れ続きの平日の日中を選び、民間の環境調査会社とともに早川の水質を確認した。雨畑ダム北部の早川本流を約20キロさかのぼって調査。調べた約10地点のうち上流約20キロでの透視度は100センチ(浮遊物質量1リットル当たり1・7ミリグラム)でほぼ透明だった。一方、約10キロ地点は透視度が17・5センチ(同37ミリグラム)と著しく悪化。主因と指摘されてきた雨畑ダムの濁りの倍以上だった。
早川では水質汚濁防止法に基づく浮遊物質量の環境基準は設定されていないものの、下流で交わる富士川では1リットル当たりの環境基準が25ミリグラムとされる。今回の調査結果から、上流10キロ付近では富士川の環境基準を上回る濁りの水が流れている可能性が示唆される。通年の水質調査が必要だが、山梨県大気水質保全課によると、対象河川を決める権限は当該県にあり、早川は流域人口の少なさなどを理由に対象としていないという。
同県の団体「リニア・市民ネット山梨」(代表・川村晃生慶応大名誉教授)はサクラエビ不漁との関係を想定し、質問書を近く長崎幸太郎知事宛てに提出する予定。川村名誉教授は国にリニア事業の認可取り消しを求めた訴訟の原告団長。
早川水系では、リニア工事や、山梨県発注の道路災害復旧工事など複数箇所で人の手が入っている。

2019年度の各ダムの予算

2019年3月30日
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来年度(2019年度)の各ダムの当初予算が決まりましたので、参考までにお知らせし
ます。

直轄ダム・水資源機構ダムと補助ダムの2017~2019年度予算を次のとおり、ま
とめました。

直轄ダム水資源機構ダムの2017~2019年度予算

補助ダムの2017~2019年度予算

直轄ダム・水資源機構ダムの総額は、2017年度1553億円、2018年度1837億円、2019年
度1868億円です。

また、補助ダムは、2017年度521億円、2018年度507億円、2019年度497億円です。

出典は国土交通省のHPで
直轄ダム・水資源機構ダムの予算は
http://www.mlit.go.jp/river/basic_info/yosan/gaiyou/yosan/h31/draft_h30.pdf
にまとまっていますが、
補助ダムの予算は、平成31年度 水管理・国土保全局 事業実施箇所
http://www.mlit.go.jp/river/basic_info/yosan/gaiyou/yosan/h31enforcement.htm
l
の各都道府県の表から取り出すことが必要です。

来年度は全国でダム建設に約2400億円の公費が投じられるわけですが、この公費をダ
ムではなく、本当に有効な治水対策に使うことができればと思ってしまいます

形骸化した公共事業の戦略的環境アセス(計画段階の環境配慮アセス)

戦略的環境アセスメント(Strategic Environmental Assessment(SEA))は、事業に先立つ早い段階で著しい環境影響を把握し、 複数案の環境的側面の比較評価及び環境配慮事項の整理を行い、計画の検討に反映させることにより、事業の実施による重大な環境影響の回避又は低減を図るものです。

欧米では大分前から導入されていて、日本では2007年度に「戦略的環境アセスメント導入ガイドライン」が策定され、その後、法制化するため、環境影響評価法が改正されて(2013年度から施行)、環境アセスの最初に計画段階で環境を配慮する「配慮書手続」が導入されました。

しかし、公共事業に関する戦略的環境アセスの実態はまことに憂うべき状態にあります。

ダムについて例をあげれば、秋田県由利本荘市に建設予定の総貯水容量4680万㎥の大型ダム「鳥海ダム」です。2024年度完成予定の成瀬ダム(秋田県東成瀬村)に次ぐ大型ダムとして東北地方整備局が建設を計画しているダムです。完成は2030年度より先のことで、ダムの必要性は希薄だと思います。この鳥海ダムは計画段階環境配慮の手続きをパスすることがまかり通りました。

「公共事業チェック議員の会」と市民団体による国会公共事業調査会(仮称)準備会が3月28日(木)に衆議院第一議員会館内で開かれ、そこで、この問題について嶋津が簡単な報告を行いました。下記のとおりです。

1 戦略的環境アセスメント導入ガイドライン(環境省 2007年4月5日)

戦略的環境アセスは複数案について環境影響の程度を比較評価することにより行うもので、導入ガイドラインが策定されました。

戦略的環境アセスをお読みください。

2 環境影響評価法の改正:「配慮書手続」の導入(2013年4月1日施行)

戦略的環境アセスを法制化するため、環境影響評価法が改正されました。

事業の枠組みが決定する前の、事業計画の検討段階において環境配慮を行う「配慮書手続」が環境影響評価の手続の最初に導入されました。

環境アセス法の改正 配慮手続きの導入をお読みください。

3 国土交通省「公共事業の構想段階における計画策定プロセスガイドライン」(2008年4月)

公共事業に関する戦略的環境アセスが環境サイドで行われないよう、国土交通省が「公共事業の構想段階における計画策定プロセスガイドライン」を策定しました。
国交省 公共事業構想段階計画策定ガイドラインをお読みください。

このガイドラインの解説に次のように書かれています。

「本ガイドラインが示す計画策定プロセスは、事業実施より前の段階の構想段階の計画策定過程に おいて、環境を含め様々な観点から検討を実施し合理的な計画を策定することとなっており、いわゆる戦略的環境アセスメント(SEA)を含むものとなっている。」

4 国土交通省の告示(2013年3月29日官報 号外第67号)

国土交通省は、「配慮書手続」を導入する上記の環境影響評価法の改正に対応するため、次のように、公共事業者が作成した書類を環境影響評価法の配慮書に代わるものとする告示を行いました。

国土交通省告示第323号 公共事業の構想段階における計画策定プロセスガイドラインにより、作成された複数案の比較評価
国土交通省告示第324号  河川整備計画の目標を達成するための代替案との比較
国土交通省告示第325号 構想段階における市民参画型道路計画プロセスのガイドラインにより作成された複数の比較案の比較評価
をそれぞれ環境影響評価法の配慮書に代わる書類とする。

国土交通省の告示をお読みください。

5 鳥海ダム建設事業で計画段階環境配慮書とみなされた書類

東北地方整備局が作成した鳥海ダムの河川整備計画比較表(たった一枚の書類)が鳥海ダム建設事業の計画段階環境配慮書とみなされ、環境アセスの計画段階環境配慮の手続きをパスしました。
これは、「鳥海ダム+部分的河床掘削・築堤案」と「全川的な河床掘削・築堤案」の比較表であって、環境面の比較は数行だけです。

6 中部横断自動車道(長坂~八千穂)で計画段階環境配慮書とみなされた書類

関東地方整備局が作成した中部横断自動車道の検討書が計画段階環境配慮書とみなされ、環境アセスの計画段階環境配慮の手続きをパスしました。
これは、「中部横断自動車道の全線整備案」、「一部旧清里有料道路活用案」、「国道141号(一般道)改良案」の比較表であって、環境面の比較は数行だけです。

 

以上のように、環境影響評価法が改正されて「計画段階環境配慮の手続き(戦略的環境アセスメント)」が導入され、複数案の環境面での評価を行うことになったにもかかわらず、国土交通省関係の公共事業では事業者が簡単な比較表をつくるだけでよいことになり、「戦略的環境アセスメント」は完全に骨抜きにされてしまいました。

国土交通省の圧力に屈して、自らの主導権を発揮できない環境省はなんと非力な省なのでしょうか。

西日本豪雨 19年度は真備“復興元年” 倉敷市長、計画完成版を発表 治水、複数事業で対応 /岡山

2019年3月27日
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昨年7月の西日本豪雨で甚大な浸水被害を受けた倉敷市真備町地区の復興計画を倉敷市が発表しました。その記事を掲載します。
復興計画の主な事業のトップに書かれている「高梁川と小田川の合流点付け替え事業の5年間前倒し」が最も重要です。
小田川の合流点を高梁川の下流側に付け替える事業の計画は数十年以上前からありましたが、実施されませんでした。この付け替えが早期に行われていれば、昨年7月のバックウォーター現象による小田川の氾濫を防ぐことができたと思われます。
この付け替え事業の実施を遅らせてきた国土交通省の責任が問われます。

真備地区復興計画は倉敷市のHPに掲載されています。

http://www.city.kurashiki.okayama.jp/secure/122026/mabitiku-fukkou-keikaku.pdf


西日本豪雨

19年度は真備“復興元年” 倉敷市長、計画完成版を発表 治水、複数事業で対応 /岡山
(毎日新聞岡山版2019年3月26日)https://mainichi.jp/articles/20190326/ddl/k33/040/488000c

(写真)真備町地区の復興計画について説明する岡山県倉敷市の伊東香織市長=同市役所で、林田奈々撮影
倉敷市の伊東香織市長は25日、昨年7月の西日本豪雨で甚大な浸水被害を受けた真備町地区の復興計画の完成版を発表した。2023年度までの復興事業を示し、「本格的な復興に向け、来年度を『復興元年』として取り組みたい」と語った。【林田奈々】
復興計画は基本方針に、経験を活(い)かした災害に強い▽みんなで住み続けられる▽産業の再興による活力ある▽地域資源の魅力をのばす▽支え合いと協働による--まちづくりを掲げ、実現に向けた事業を明記した。

岡山県倉敷市が発表した、西日本豪雨で被害を受けた河川の復旧・強化に向けたスケジュール
住民から特に要望の強い治水対策については、河道掘削や堤防強化、合流点の付け替えといった複数の事業で対応。事業のスケジュールを年表で分かりやすく示し、今後は進捗(しんちょく)状況をホームページなどで確認できるようにする。
「逃げ遅れゼロ」を目指す防災・減災対策としては、足りなかった避難場所を補うため4月に各小学校区に浸水時の緊急避難場所を指定。また、住民自身による地区防災計画作成を促す。
住宅再建支援には、高齢者向けローン「リバースモーゲージ型融資」の金利引き下げ▽修繕・建て替え用融資の利子補給▽土地をかさ上げする際の開発許可基準の緩和--などのメニューを用意。自力での再建が困難な人向けに、災害公営住宅を20年度までに整備する。避難生活の支援では、市真備支え合いセンターを住民の見守り拠点と位置づけ、戸別訪問を継続。高齢者や障害者らについては必要なサービスへつなげていく。
復興計画は昨秋から、住民代表や有識者らでつくる策定委員会で主に検討が重ねられてきた。住民たちとの懇談会やアンケートの結果も反映し、完成した。この日、市役所で記者会見した伊東市長は「これで全てということではない。いただいた意見を今後の見直しで盛り込んでいきたい」と述べ、毎年度見直す方針を示した。計画は市のホームページで公開している。
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真備町地区の復興計画に盛り込まれた主な事業
・高梁川と小田川の合流点付け替え事業の5年間前倒し
・避難ルート確保のため、小田川の堤防道路を7メートル程度に拡幅
・河川改修事業の進捗状況をホームページなどで見える化
・大雨時に水田に水を受ける「田んぼダム」導入の検討
・新たに5カ所の緊急避難場所を指定
・住民による地区防災計画作成の推進
・住民一人一人の「マイタイムライン」作成推進
・災害の記憶を伝える碑の整備
・災害情報を一元管理する総合防災情報システムの構築
・市真備支え合いセンターによる見守り、相談支援
・リバースモーゲージ型(自宅を担保に老後資金を借りる高齢者向けローン)融資の金利引き下げ
・約200戸の災害公営住宅の整備
・被災事業再開のための人材マッチング支援
・「金田一耕助」などを活用した観光促進

韓国4大河川の堰解体、専門家の意見も分かれる…日本でも堰めぐり葛藤

2019年3月21日
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韓国では、李明博政権時代の2008~2012年に漢江、洛東江、錦江、栄山江の4大河川を浚渫して、堰を多数建設する4大河川事業が行われました。
この4大河川の堰解体について専門家の意見が分かれています。その記事を掲載します。

韓国4大河川の堰解体、専門家の意見も分かれる…日本でも堰めぐり葛藤
(中央日報2019/3/21(木) 13:54配信) https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190321-00000035-cnippou-kr

 

韓国の水質・水資源専門家の中でも環境に及ぼす悪影響のため4大河川の堰の解体に同意する人は少なくない。その専門家らも政府が2月に提示した錦江(クムガン)・栄山江(ヨンサンガン)の3つの堰の解体案には批判的だ。1年にもならない短いモニタリング期間であるうえ、水質と生態が改善するという確実な証拠も確保していない状態で堰を解体することに賛成できないということだ。さらに干ばつや洪水が頻発するなど今後の気候変動まで考慮すると、慎重に接近する必要があると話す。

このため多くの専門家は直ちに堰を解体するよりも、水門を弾力的に運営しながら水質・生態・流量などに関連するデータを収集し、その後に決定をしても遅くはないと提言している。川と堰の周辺の重要なところにさまざまな測定センサーを設置し、10年間ほど堰の運用のビッグデータを集めれば、意思決定に大きく役立つということだ。

KAIST(韓国科学技術院)のある教授は「10年間ほどデータを蓄積した後に解体を決めてもよい。政治的に負担になるなら、最初からデータを海外研究陣に送って解釈を要請するのも方法」と述べた。

別の河川生態専門家は「季節により、過去(1991年)の洛東江(ナクトンガン)フェノール汚染事故のような懸案により、また地域の特性により堰を弾力的に運営すれば役に立つ」と強調した。藻類の大量発生が懸念される夏には水門を開いて滞留時間を減らし、渇水期の秋からは水を貯め、冬には農家が地下水を暖房に使えるようにするということだ。

キム・ソンジュン建国大社会環境工学科教授は「上流の堰で水門を開いて水を放流すれば、下流の堰まで到達するのに3-5日かかる」とし「その時間を考慮して放流して水門を操作すれば水質改善に役に立つだろう」と述べた。

その代わり10年以上も堰を運営すれば堰の構造を改良する必要も生じる。堰の水門の下を通って土砂や汚染堆積物が下流に流れるようにすることも水質の改善につながる。

政府も2017年3月、利水と治水、藻類の量などを総合的に考慮し、堰の水位を弾力的に調節する「ダム-堰-貯水池連係運営案」を発表した。特に環境部が最近明らかにしたように生活・農業用水取水口の位置を4大河川事業以前のように川底まで低くすれば、連係運営の効果ははるかに高まる可能性がある。

一方、海外でも堰の建設をめぐる問題があった。日本の「第十堰」をめぐる葛藤が代表的な例だ。1982年に建設省の四国地方建設局は徳島県を流れる吉野川について「水路工事実施基本計画」を樹立し、洪水防止のために堰の建設が必要だと指摘した。97年に徳島県知事が水門を開閉できる可動堰の建設を提案すると、これに反対する住民団体が結成された。住民は1000億円にのぼる工事費用がかかるうえ、干潟も破壊されるという点を挙げて反対した。

「第十堰」をめぐる葛藤は続き、結局、2000年1月に住民投票まで実施された。当時、投票率55%で反対が91.6%にのぼり、堰の建設は白紙になった。しかし日本では取水や洪水予防のため河川本流に可動堰を設置する事例が少なくない。

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