水源連:Japan River Keeper Alliance

水源開発問題全国連絡会は、ダム建設などと闘う全国の仲間たちのネットワークです

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集会などのお知らせ・報告

中止ダム事業の中止理由

2019年5月28日
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私たちが問題視しているダム事業のほとんどが腹立たしいことに推進の方向にありま
す。
問題ダム事業をストップさせるため、引き続き、頑張っていかなければなりません
が、一方でストップされたダム事業も少なからずあります。

2009年度からのダム検証でストップされたダム事業は30事業あります。

反対運動の高まりで止まったダムもありますが、中止ダムの多くはダム事業者が継続
の意思を持たなくなったこと、いわばダム事業者の都合によるものです。

しかし、ストップするためには、それなりの理由が必要です。ダムの目的を代替手段
でどう対応するかなどを示す必要があります。

今回、この30ダム事業について中止の理由を整理しましたので、お送りします。

中止ダム事業の中止理由(2009年度以降)
のとおりです。

洪水調節の目的についてはダム案よりも河川改修案優位となっているものが多いで
す。

緊急性が低いという理由もいくつかあります。

ダム事業者がダムを推進する時は代替手段よりダムが優位であるという理由を無理矢
理作るものですが、中止の意思があるときは代替手段の優位性や、緊急性の低さを簡
単に認めることがよくわかります。

なお、「流水の正常な機能の維持」(渇水時の補給)の目的についてダム案優位と
なっているダムもありますが、他の目的ではダム案が優位ではないということで中止
の判断がされており、この目的が重要ではないことを物語っています。

参考にしていただければと思います。

この中止ダムの資料は「国会公共事業調査会(仮)準備会」(事務局 西島和弁護
士)が「公共事業チェック議員の会」事務局長・初鹿明博衆議院議員に依頼して国土
交通省から入手したものです。

治水問題のパンフレット「ダム依存は危ない」

2019年5月25日
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2018年7月の西日本豪雨では、野村ダム・鹿野川ダムの放流が愛媛県・肱川の大氾濫を引き起こし、多くの家々を水没させ、人命をも奪いました。
ダム建設に河川予算を集中し、河川改修を疎かにする歪んだ河川行政が引き起こした大水害でした。

また、2015年9月の鬼怒川水害では上流に巨大ダムが4基もありましたが、その洪水調節効果は下流部では大きく減衰し、大氾濫が起きました。
鬼怒川の氾濫もダム建設ばかりに力を入れ、下流部の無堤防地区を放置し、決壊の危険がある堤防の改善を怠ってきたことによるものです。

このようにダム建設に傾注する現河川行政の危うさを訴えるため、パンフレット「ダム依存は危ない」を八ッ場あしたの会、鬼怒川水害検討会議、水源開発問題全国連絡会の3団体でつくりました.。

パンフレット_「ダム依存は危ない」をご覧ください。

A4で4ページの範囲に収める必要がありましたので、進めるべき治水対策は二つに絞って記述しました。
堤防の決壊を防ぐ安価な耐越水堤防工法の普及と、氾濫の危険性のある地域の建築規制・立地規制(滋賀県「流域治水の推進に関する条例」)です。

進めるべき治水対策はほかにもありますが、それらはパンフレットの第二弾で取り上げたいと思います。

活用していただければ幸いです。

追伸 今回のパンフレットは第一弾です。次は都市部の住民にとって身近な問題である内水氾濫問題なども取り上げたパンフレットを作ることを予定しています。

ソフト対策で危機的な渇水に対応することにした吉野川水系フルプラン

2019年4月19日
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国土交通省は4月19日、「吉野川水系における水資源開発基本計画」(フルプラン)の変更を発表しました。

全国初!計画の抜本的見直しにより、リスク管理型の水の安定供給へ~「吉野川水系における水資源開発基本計画」の変更~
http://www.mlit.go.jp/report/press/water02_hh_000113.html
冒頭に次のように書かれています。
「吉野川水系における水資源開発基本計画※1の変更について、本日、閣議決定を経て、国土交通大臣が決定しました。
本計画では、危機的な渇水時も含めて水需給バランスを総合的に点検し、既存施設を最大限に有効活用していくことと合わせ、必要なソフト対策を一体的に推進することによって、安全で安心できる水を安定して利用できる仕組みをつくり、水の恵みを将来にわたって享受できる社会を目指します。
リスク管理型の計画への変更は、吉野川水系が全国初となるもので、今後、他の5計画についても、順次、計画の見直しに着手していく予定です。」

水資源開発促進法に基づき、全国で6水系(利根川及び荒川、豊川、木曽川、淀川、吉野川、筑後川)で水資源開発基本計画(水需給計画)が定められています。
しかし、その中で新規のダム等の水源開発の計画がないのは、吉野川水系だけです。富郷ダムが2000年度に完成した後の水源開発がありません。

その吉野川水系でリスク管理を打ち出せば、下記の図の通り、危機的な渇水時の水需給は大幅に不足することになりますが、ソフト対策で乗り切ることになりました。
ソフト対策とは、つぎのようなものです。
<水供給の安全度を確保するための対策>
節水機器の普及等の取組、用途をまたがった水の転用、地下水の保全と利用 など
<危機時において必要な水を確保するための対策>
応急給水体制の整備、「渇水対応タイムライン」の策定、災害時の相互支援協定締結の推進

吉野川水系では、このようなソフト対策で危機的な渇水に対応することにしたのですから、ほかの水系でもそのようにすれば新たなダムは不要となります。

新規ダムが不要であることを示した今回の「吉野川水系における水資源開発基本計画」の変更を大いに参考にすべきです。

2019年度の各ダムの予算

2019年3月30日
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来年度(2019年度)の各ダムの当初予算が決まりましたので、参考までにお知らせし
ます。

直轄ダム・水資源機構ダムと補助ダムの2017~2019年度予算を次のとおり、ま
とめました。

直轄ダム水資源機構ダムの2017~2019年度予算

補助ダムの2017~2019年度予算

直轄ダム・水資源機構ダムの総額は、2017年度1553億円、2018年度1837億円、2019年
度1868億円です。

また、補助ダムは、2017年度521億円、2018年度507億円、2019年度497億円です。

出典は国土交通省のHPで
直轄ダム・水資源機構ダムの予算は
http://www.mlit.go.jp/river/basic_info/yosan/gaiyou/yosan/h31/draft_h30.pdf
にまとまっていますが、
補助ダムの予算は、平成31年度 水管理・国土保全局 事業実施箇所
http://www.mlit.go.jp/river/basic_info/yosan/gaiyou/yosan/h31enforcement.htm
l
の各都道府県の表から取り出すことが必要です。

来年度は全国でダム建設に約2400億円の公費が投じられるわけですが、この公費をダ
ムではなく、本当に有効な治水対策に使うことができればと思ってしまいます

形骸化した公共事業の戦略的環境アセス(計画段階の環境配慮アセス)

戦略的環境アセスメント(Strategic Environmental Assessment(SEA))は、事業に先立つ早い段階で著しい環境影響を把握し、 複数案の環境的側面の比較評価及び環境配慮事項の整理を行い、計画の検討に反映させることにより、事業の実施による重大な環境影響の回避又は低減を図るものです。

欧米では大分前から導入されていて、日本では2007年度に「戦略的環境アセスメント導入ガイドライン」が策定され、その後、法制化するため、環境影響評価法が改正されて(2013年度から施行)、環境アセスの最初に計画段階で環境を配慮する「配慮書手続」が導入されました。

しかし、公共事業に関する戦略的環境アセスの実態はまことに憂うべき状態にあります。

ダムについて例をあげれば、秋田県由利本荘市に建設予定の総貯水容量4680万㎥の大型ダム「鳥海ダム」です。2024年度完成予定の成瀬ダム(秋田県東成瀬村)に次ぐ大型ダムとして東北地方整備局が建設を計画しているダムです。完成は2030年度より先のことで、ダムの必要性は希薄だと思います。この鳥海ダムは計画段階環境配慮の手続きをパスすることがまかり通りました。

「公共事業チェック議員の会」と市民団体による国会公共事業調査会(仮称)準備会が3月28日(木)に衆議院第一議員会館内で開かれ、そこで、この問題について嶋津が簡単な報告を行いました。下記のとおりです。

1 戦略的環境アセスメント導入ガイドライン(環境省 2007年4月5日)

戦略的環境アセスは複数案について環境影響の程度を比較評価することにより行うもので、導入ガイドラインが策定されました。

戦略的環境アセスをお読みください。

2 環境影響評価法の改正:「配慮書手続」の導入(2013年4月1日施行)

戦略的環境アセスを法制化するため、環境影響評価法が改正されました。

事業の枠組みが決定する前の、事業計画の検討段階において環境配慮を行う「配慮書手続」が環境影響評価の手続の最初に導入されました。

環境アセス法の改正 配慮手続きの導入をお読みください。

3 国土交通省「公共事業の構想段階における計画策定プロセスガイドライン」(2008年4月)

公共事業に関する戦略的環境アセスが環境サイドで行われないよう、国土交通省が「公共事業の構想段階における計画策定プロセスガイドライン」を策定しました。
国交省 公共事業構想段階計画策定ガイドラインをお読みください。

このガイドラインの解説に次のように書かれています。

「本ガイドラインが示す計画策定プロセスは、事業実施より前の段階の構想段階の計画策定過程に おいて、環境を含め様々な観点から検討を実施し合理的な計画を策定することとなっており、いわゆる戦略的環境アセスメント(SEA)を含むものとなっている。」

4 国土交通省の告示(2013年3月29日官報 号外第67号)

国土交通省は、「配慮書手続」を導入する上記の環境影響評価法の改正に対応するため、次のように、公共事業者が作成した書類を環境影響評価法の配慮書に代わるものとする告示を行いました。

国土交通省告示第323号 公共事業の構想段階における計画策定プロセスガイドラインにより、作成された複数案の比較評価
国土交通省告示第324号  河川整備計画の目標を達成するための代替案との比較
国土交通省告示第325号 構想段階における市民参画型道路計画プロセスのガイドラインにより作成された複数の比較案の比較評価
をそれぞれ環境影響評価法の配慮書に代わる書類とする。

国土交通省の告示をお読みください。

5 鳥海ダム建設事業で計画段階環境配慮書とみなされた書類

東北地方整備局が作成した鳥海ダムの河川整備計画比較表(たった一枚の書類)が鳥海ダム建設事業の計画段階環境配慮書とみなされ、環境アセスの計画段階環境配慮の手続きをパスしました。
これは、「鳥海ダム+部分的河床掘削・築堤案」と「全川的な河床掘削・築堤案」の比較表であって、環境面の比較は数行だけです。

6 中部横断自動車道(長坂~八千穂)で計画段階環境配慮書とみなされた書類

関東地方整備局が作成した中部横断自動車道の検討書が計画段階環境配慮書とみなされ、環境アセスの計画段階環境配慮の手続きをパスしました。
これは、「中部横断自動車道の全線整備案」、「一部旧清里有料道路活用案」、「国道141号(一般道)改良案」の比較表であって、環境面の比較は数行だけです。

 

以上のように、環境影響評価法が改正されて「計画段階環境配慮の手続き(戦略的環境アセスメント)」が導入され、複数案の環境面での評価を行うことになったにもかかわらず、国土交通省関係の公共事業では事業者が簡単な比較表をつくるだけでよいことになり、「戦略的環境アセスメント」は完全に骨抜きにされてしまいました。

国土交通省の圧力に屈して、自らの主導権を発揮できない環境省はなんと非力な省なのでしょうか。

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