北海道ダム群の最新情報 2014年2月2日
北海道八雲町の水環境カメラマン稗田一俊氏からの情報
稗田さんから北海道ダム群の情報が届きました。その情報を基に、いくつかの情報を記します。
北海道・道南のせたな町の小さな河川「良瑠石川」にかかるスリット砂防ダム
ダムは大規模だろうが中小規模だろうが、頭首工だろうが…ダムに流速(掃流力)を変動させる仕組みがある以上は、各河川が自然の輪廻で確立してきた流下する砂利の量と質のバランス(仕組み)を狂わせ、自然の輪廻に反した速度でその影響が確実に現れ、しかも、加速していきますから、放置すればするほどに、影響が長引き、影響が長引けば長引くほどに事態は深刻化するばかりとなります。
北海道・道南のせたな町の小さな河川「良瑠石川」で治山ダムのスリット化がされましたが、その後の河川の回復は即効性がありました。
治山ダム4基がスリット化されたところ、河床が蘇り、サケ、サクラマスその他の産卵場が拡大し、川の連続性が回復したことから、生息域が格段に広がり、産卵数も増えることになり、資源量の増加となっています。(近々、北海道大学院生が論文にまとめることになっています)
だまされたと思って、機会をつくって、是非、良瑠石川を見て頂きたいと思います。
サンルダムの近況
ダム湖畔を往く付け替え道路が2012年に完成、今は下の写真のようにその道路から下に向けて堤体を造るための掘削が進んでいます。
サンル川はおそらく北海道で一番サクラマスの良好な産卵場になった川だと思います。
川を分断していたダムのスリット化で川の連続性が回復して資源量が増加したということは、とりもなおさず、川を分断すると資源量が減少するということを示しています。 サンル川のサクラマス資源が減少することは確実なのです。
サンル川は比較的軟弱な(浸食を受けやすい)岩盤に砂利が薄く堆積した川ですから、ダムが建設されたら、ひとたまりもなく露盤化すると思っております。すでに、サンル川が合流する名寄川では上流の頭首工などの影響で砂利の流下の仕組みが変えられていますので、露盤化が進行しています。露盤化することは、つまり、魚類資源が減少することで、資源が減少することは日光の中村智幸氏が鬼怒川?でヤマメを取り上げた調査で証明済みのことです。
平取ダム
昨年2013年11月12日に撮影したものです。長大な堤体の左岸側の基礎部の工事です。
当別ダム
当別ダムは残念ながら完成してしまいました。
2013年11月21日に撮影した写真です。
ダムの影響を考えると、今後の推移をしっかりと記録しておくことがとても重要だと思います。
なお、現地の安藤さんたちは、近くに「当別断層」があることも指摘されておりました。
当別ダムの位置を示す地図に、合わせて「当別断層」の位置を添えた 図を空知総合振興局のHPから引用致します。
当別ダムと当別断層 地図
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