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霞ヶ浦導水訴訟 2審で和解成立

2018年4月28日
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那珂川水系の漁協が国に霞ケ浦導水事業の那珂川取水口建設差し止めを求めた控訴審の口頭弁論が4月27日、東京高裁で開かれ、和解が成立しました。
その記事とニュースを掲載します。

都築政則裁判長が和解条項を一字一句読み上げた後、「和解は終着点ではなく出発点。意見交換で納得いく結論を導き、双方に有益なものになることを希望する」と述べました。

霞ヶ浦導水事業自体は必要性のない無意味な事業ですが、漁協側は勝訴の判決を得ることは至難のことだと考え、和解の道を選びました。

和解条項は本文、「意見交換の場  実施要領」、「那珂機場の本格運用の方法が決定されるまでの間の運用方法に関する取決め」で構成されています。

霞ヶ浦導水差止請求控訴審の和解条項20180427

のとおりです。

漁協の弁護団は、和解成立を受けての弁護団声明20180427 を発表しました。

 

茨城新聞2018年4月28日 1面と23面(霞ヶ浦導水訴訟和解)

霞ケ浦導水訴訟 和解 東京高裁 国と漁協 意見交換
(茨城新聞 2018/4/28(土) 4:00配信)https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180428-00000001-ibaraki-l08

霞ケ浦導水事業で那珂川と涸沼周辺の生態系が破壊され漁業権が侵害されるとして、流域の県内4漁協と栃木県の漁連が国に那珂川取水口(水戸市)の建設差し止めを求めた訴訟の口頭弁論が27日、東京高裁であり、国による水質のモニタリング検査や両者の意見交換の場設置など和解条項を最終確認し、和解が成立した。これにより、9年間の長期にわたる訴訟に終止符が打たれた。事業は2023年度完成を予定して進められる。

和解条項は、那珂機場(同市)の本格運用までを前提とし、霞ケ浦から那珂川への試験送水で国が水質などをモニタリングし漁業被害を与えない方法を検討▽本格運用の方法について国と漁協が意見交換の場を設ける▽ふ化したばかりのアユの吸い込み防止策として毎年10月~翌年1月の夜間の取水を停止-などが盛り込まれた。

控訴審で漁協側は、国が示す10、11月の夜間取水停止では不十分と主張し、霞ケ浦から那珂川への送水については、涸沼のヤマトシジミにカビ臭が移る恐れがあるなどと訴えた。国はカビ臭物質は海水などで希釈されると主張してきた。

この日、満席となった傍聴席(42席)で漁協、国側双方の関係者が見守る中、都築政則裁判長が条項を読み上げ、和解成立を告げた。都築裁判長は続けて「和解は終着点ではなく出発点。意見交換で納得いく結論を導き、双方に有益なものになることを希望する」と述べた。

和解後の記者会見で、漁協側の弁護団長、谷萩陽一弁護士は「取水停止期間を国の計画より2カ月長くしたこと、モニタリング検査を国の費用で実施することは漁協の主張立証を反映したもので、訴訟の重要な成果」と声明。那珂川漁協(城里町)の添田規矩組合長は「これからが本当の協議の場。自然を守るため努力していく」と力強く語った。

国土交通省関東地方整備局は泊宏局長のコメントを発表し、「条項も踏まえ、漁協関係者の方々へ丁寧に対応するとともに、水質浄化や広域に及ぶ水利用などを図るために重要な霞ケ浦導水事業の推進に努める」などとした。

控訴審で今年1月、高裁が和解勧告したことから和解協議がスタート。高裁が3月30日、和解案を示し、漁協、国側双方が受け入れ回答期限の4月25日までに高裁へ了承を伝えた。意見交換の場は7月に開かれる見込み。

■円滑な事業推進期待
大井川和彦知事の話 今回の和解成立は、国・漁協の間で相互に理解が深められたことによるものであり、大変意義があるものと考えている。県としては今後、関係者の理解の下、事業が円滑に進められることを期待している。

■和解条項骨子
(1)那珂機場での本格運用までの間、意見交換の場を設置。国は漁協の意見を聞き、本格運用の方法を決める。年1回、原則7月に開催。別に申し入れがあれば1カ月以内に開催。意見聴取のための専門委員会も設置できる。
(2)アユの仔魚(しぎょ)保護などを念頭に、本格運用までの間、毎年10月~翌年1月の毎日午後6時~翌日午前8時の14時間は那珂川からの取水を行わない。
(3)国は一定期間、霞ケ浦から那珂川への少量の試験送水を行い、モニタリングを実施。水質などへの影響を調査する。国は結果を踏まえ、漁業、特にヤマトシジミへの被害を与えない方法を検討する。

霞ケ浦導水訴訟和解 漁協側「まだ出発点」
(茨城新聞2018/4/28(土) 4:00配信) https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180428-00000002-ibaraki-l08

(写真)和解成立後に会見する那珂川漁協の添田規矩組合長(左から2人目)ら=東京・霞ケ関の司法記者クラブ
霞ケ浦導水事業を巡る訴訟は27日、東京高裁で和解が成立した。生態系や漁業へ悪影響を与える恐れがあるとして、那珂川流域漁協が工事差し止めを求めた仮処分申請から丸10年。「長かった」「ここが出発点」。国が漁協側の意見を尊重する枠組みが整い、原告らは安堵(あんど)の表情を見せた。

42の傍聴席が満席となった東京高裁812号法廷。「この和解が双方にとって有益なものとなるよう希望する」。都築政則裁判長の言葉に、県内3漁協の組合長が最前列で耳を傾けた。長く続いた法廷闘争が終わり、閉廷後は互いに握手を交わした。

「清流を守りたい」-。那珂川とともに生きる流域漁協の組合員らがいちずに求めてきたのは、補償ではなく、豊かな自然環境を後世に残したいという純粋な願いだった。

閉廷後に会見した那珂川漁協(城里町)の添田規矩組合長(75)は、今後はモニタリング調査の結果を踏まえ、毎年意見交換の場が設けられることから、「裁判所が言うようにまだ出発点。国と協議しながら、那珂川の自然とアユの漁獲高日本一を保っていきたい」と先を見据えた。

霞ケ浦の水でシジミにカビ臭が付くことを懸念してきた大涸沼漁協(茨城町)の坂本勉組合長(65)は「シジミ漁は若い世代が育ってきている」と強調。「後継者のためにも、国は調査結果とその情報開示について的確に対応してほしい」と注文した。

那珂川第一漁協(水戸市)の小林益三組合長(80)は「長かった。反対しようが(国には)放っておかれ、苦しい時代もあった」と、言葉を詰まらせた。和解を「うれしくはない。ただ、これ以上裁判は続けられない」と、苦渋の選択だったことをにじませた。

弁護団長の谷萩陽一弁護士は、和解条項を「漁業への影響を防ぎ、訴訟の目的を達成し得るもの」と評価。夜間取水停止期間の拡大などについて「漁協の主張を反映したものであり、重要な成果」と強調した。

国が和解案を受け入れたことに、「最終的な決定権は譲らなかったが、裁判所の説得もあり、他の条件はかなりのんでくれた。運用がどうあれ、何とか建設を進めたい考えなのだろう」と推察した。(戸島大樹)

★霞ケ浦導水事業
霞ケ浦と那珂川、利根川を地下トンネル(計約45・6キロ)で結び、水を行き来させる。霞ケ浦の水質浄化、那珂川と利根川の渇水対策、本県と東京、埼玉、千葉の4都県への水道・工業用水の供給などが狙い。1984年に建設事業着手。総事業費は約1900億円で、本県負担額は約851億円。計画変更を繰り返し、当初の完成予定は93年度だったが、現在2023年度。予算の約8割を消化したものの、工事の進捗(しんちょく)は約4割にとどまる。

霞ヶ浦導水訴訟 2審で和解成立
(NHK 2018年4月27日 17時36分)https://www3.nhk.or.jp/lnews/mito/20180427/1070002426.html

茨城県の霞ヶ浦と2つの河川を地下水路で南北に結ぶ導水事業をめぐり、地元の漁協が差し止めを求めた裁判は、国と漁協が運用について意見交換することなどを条件に和解が成立しました。
9年あまりにわたった裁判は終結し、引き続き工事が進められます。

霞ヶ浦導水事業は首都圏向けの水源の確保などを目的に那珂川から霞ヶ浦を経て、利根川までのおよそ46キロを地下水路で結ぶもので、昭和59年に工事が始まりました。
これに対し、茨城県や栃木県の8つの漁協が国に対して建設工事の差し止めを求めて訴えを起こし、1審の水戸地方裁判所は原告の訴えを退ける判決を言い渡しました。
2審では東京高等裁判所が示した和解案をもとに話し合いが行われ、27日午後、双方が意見交換の場を設けることなどを条件に和解が成立しました。
原告側によりますと、那珂川水系の漁業に大きな影響を与えないように意見交換の場を持って水路の本格運用の方法を決めることや、本格運用までの間に取水制限の期間を設けたうえ、モニタリングを行って水質への影響を調査することなどが盛り込まれたということです。
9年余りにわたった裁判は終結し、霞ヶ浦導水事業は5年後の完成を目指して引き続き工事が進められます。

和解を受けて、原告の漁協の代表者が会見しました。
原告団の代表で那珂川漁業協同組合の添田規矩組合長は、「話し合いをしながら事業が進められることになり、とてもよかったが、まだ出発点だ。国には那珂川が汚れないように運用してもらい、環境と自然を守るために話し合いをしたい」と話していました。
また、原告側の弁護団の谷萩陽一団長は、「漁業への影響を防ぎ、訴訟の目的を達成しうると判断して和解した。工事は続けられるが、漁協の意見をくんだうえで運用されることを選択した」と話していました。

国土交通省関東地方整備局の泊宏局長は「裁判所の和解勧告を真摯に受け止め和解を受け入れるに至った。引き続き、漁業関係者のみなさんに丁寧に対応するとともに、関係機関などと緊密に連携し、霞ヶ浦の水質浄化や安定的な水利用を図るために重要な事業の推進に努めていきます」というコメントを出しました。

「霞ヶ浦導水事業」は、霞ヶ浦の水質浄化と首都圏向けの水源の確保を目的に那珂川から霞ヶ浦を経て、利根川までのおよそ46キロを地下水路で結ぶ国の事業で、昭和59年に工事が始まりました。
地下トンネルを利用して、水量に余裕のある河川から不足している河川へと相互に水のやり取りを行うことで、工業用水の確保や首都圏に安定して飲料水を供給させる計画です。
昨年度末の時点で、利根川と霞ヶ浦を結ぶおよそ2.6キロの水路は完成し、那珂川と霞ヶ浦を結ぶおよそ43キロは、3分の1の14.2キロまで工事が進んでいます。
ところが、那珂川流域でアユやサケ、シジミなどの漁を行う8つの漁協が9年前の平成21年、建設工事の差し止めを求める訴えを水戸地方裁判所に起こしました。
原告側は取水口が取り付けられると、そ上するアユやサケが減り、ふ化したばかりの魚が吸い込まれて、漁獲量に影響が出るほか、霞ヶ浦から那珂川に水を流すことで、シジミなどにカビの臭いがつくおそれがあるなどと訴えました。
これに対して国側は、工事する水域の面積は茨城県側の漁場全体のおよそ0.1パーセントに満たず、那珂川全体の環境へ及ぼす影響は極めて少ないなどと反論していました。
1審の水戸地方裁判所は3年前の平成27年7月、「事業は霞ヶ浦の水質保全対策として公共性があり、取水口にアユが吸い込まれて、漁獲量が減るとまではいえない」などとして原告の訴えを退け、原告側が控訴していました。

利水、治水で石木ダム不要 工事差し止め訴訟で原告

2018年4月25日
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石木ダム阻止の闘いは続きます。
裁判闘争は二つあって、一つは土地・家屋を強制収用する公益性があるというお墨付きを与えた事業認定の取り消しを求めた裁判で、地権者と共有地の地権者110名が原告です。去る3月20日に結審しました。
もう一つは、地権者らの平穏な生活や権利が侵害されているとして、地権者や支援者ら608名が工事の差し止めを求めた裁判です。この裁判の第5回口頭弁論が4月23日に開かれました。
4月23日の裁判について長崎新聞と毎日新聞の記事を掲載します。

利水、治水で石木ダム不要 工事差し止め訴訟で原告
(長崎新聞2018/4/24 09:34 )https://this.kiji.is/361309647174485089

東彼川棚町に石木ダム建設を計画する県と佐世保市に、反対地権者ら608人が工事差し止めを求めた訴訟の口頭弁論が23日、長崎地裁佐世保支部(渡邊英夫裁判長)であった。
原告側は利水、治水両面でダムは不要とする書面を提出した。

石木ダムを巡っては、反対地権者が国に事業認定取り消しを求めた行政訴訟が3月に長崎地裁で結審し、7月に判決が言い渡される予定。
原告側代理人は、この訴訟で提出した準備書面や証人尋問の内容を踏まえ、治水、利水の両面でダムは不要と主張した。
次回期日は6月27日。佐世保市がダム不要の意見に反論する書面を提出する予定。

石木ダム訴訟 佐世保市が反論姿勢示す /長崎
(毎日新聞長崎版2018年4月24日)https://mainichi.jp/articles/20180424/ddl/k42/040/295000c

県と佐世保市が川棚町に計画する石木ダム事業で、水没予定地の地権者や支援者が県と市に対して工事差し止めを求めた訴訟の第5回口頭弁論が23日、長崎地裁佐世保支部(渡辺英夫裁判長)であった。
地権者側は改めて利水、治水両面でダムは不要と主張した。
地権者側は佐世保市の水需要予測に根拠がなく、ダムの計画規模の基礎としたデータの使用が恣意(しい)的などと指摘。
これに対して県は反論しないとしたが、佐世保市は反論する姿勢を示した。次回は6月27日。【綿貫洋】

石木ダム問題考えよう 反対地権者 川棚でシンポ 来月6日 加藤登紀子さんら招き(告知記事)

2018年4月25日
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5月6日(日)に長崎県川棚町で、石木ダムの問題を考える「ほたるの里から長崎をかえよう!!千人の集い」が開かれます。

https://suigenren.jp/news/2018/04/13/10433/

この集いを告知する記事を掲載します。

石木ダム問題考えよう 反対地権者 川棚でシンポ 来月6日 加藤登紀子さんら招き
(長崎新聞2018/4/12)https://this.kiji.is/356974460648277089

県と佐世保市が東彼川棚町に計画している石木ダム建設事業の反対地権者らは10日、佐世保市役所で会見し、
石木ダム問題を考えるシンポジウム「ほたるの里から長崎をかえよう!!千人の集い」を、5月6日午後2時から川棚町公会堂で開くと発表した。
国の八ツ場ダム(群馬県長野原町)建設に反対する歌手の加藤登紀子さんや、ダムに頼らない治水計画を推進した前滋賀県知事の嘉田由紀子さん、京都大名誉教授で河川工学が専門の今本博健さんらを招待。
パネル討論などを通じ、石木ダムの必要性や大型公共事業の在り方を考える。加藤さんのミニコンサートもある。
反対地権者で、実行委員長を務める炭谷猛さん(67)は「(ダム建設)賛成の人も含め、多くの人に現場の状況を知ってもらう機会にしたい」と話した。
入場料千円。問い合わせは実行委(電090・4519・2528)。

 

石木ダム 必要性を考える 来月6日、川棚町で「千人の集い」
加藤登紀子さんや嘉田前滋賀県知事参加
(西日本新聞2018年4月10日)

川棚町で県と佐世保市が建設を計画する石木ダムについて考える集会「ほたるの里から長崎を変えよう!千人の集い」が5月6日、同町中組郷の公会堂で開かれる。
シンポジウムには、前滋賀県知事の嘉田由紀子さんや歌手の加藤登紀子さんなどが参加。
ダム建設工事が進む中、水没予定地に住む地権者13世帯54人が反対運動を行っている現状を広く知ってもらうのが狙いで、ダムの必要性などについてもそれぞれが持論を述べる。
六つの市民団体が組織する同実行委員会が10日、発表した。
集会では、ともに社会派映画監督の鎌仲ひとみさんと山田英治さんが対談した後、八ッ場ダム(群馬)の建設反対を考える加藤さんをコーディネーターに3人のパネリストを迎え、シンポジウムを実施。
環境学者で滋賀県知事時代にダムに頼らない治水計画を推進した嘉田さんや、今本博健京大名誉教授(河川工学)らが意見を交わす。
加藤さんのミニコンサートもある。これに先立ち5日に加藤さんらが石木ダム建設現場を見学する。
石木ダム事業を巡って反対する地権者ら109人が国の事業認定取り消しを求めた訴訟は7月9日に長崎地裁で判決が言い渡される予定。
実行委員会の松本美智恵さんは「裁判の途中だが、石木ダムの現状について一般の方にも知ってもらいたい」と呼び掛けている。
入場料は千円。午後2時開始。問い合わせは炭谷さん090(4519)2528.
(山下武雄)

石木ダム 千人集会 長崎をかえよう! 川棚町で来月6日 /長崎

(毎日新聞長崎版2018年4月19日)https://mainichi.jp/articles/20180419/ddl/k42/040/299000c

県と佐世保市が川棚町に計画する石木ダムについて考える「ほたるの里から長崎をかえよう!千人の集い」が5月6日午後2時、同町公会堂で開かれる。加藤登紀子さんのミニコンサートなどを予定している。
地元の現状を広く知ってもらおうと実行委が企画した。水没予定地に暮らす13世帯の日常生活を撮影したドキュメンタリー映画「ほたるの川のまもりびと」(山田英治監督)が公開され、石木ダムへの新たな関心が広がっていることを追い風に、初めて1000人規模の集会を目指す。
集会は3部構成。第1部は山田監督と映像作家・鎌仲ひとみさんの対談。第2部のシンポジウムは加藤さんをコーディネーターに、前滋賀県知事の嘉田由紀子さん、群馬県の「八ツ場(やんば)ダムを考える会事務局」の渡辺洋子さんらが意見交換。第3部は加藤さんのミニコンサート。
実行委員長の炭谷猛さんは「石木ダムの現状を広く県民に知ってもらう機会になれば」と話している。入場料1000円。問い合わせ、チケットの購入は炭谷さん090・4519・2528へ。【綿貫洋】

 

 

 

 

 

国土交通省の「気候変動を踏まえた治水計画に係る技術検討会」(4月12日)

2018年4月18日
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4月12日に国土交通省で「気候変動を踏まえた治水計画に係る技術検討会」第1回会議が開かれました。気候変動等の影響により、降水量50mm/hr以上の短時間強雨の発生回数が増加しており、今後 更に増加すると予測されているので、ハード対策とソフト対策を検討しようというものです。その会議の様子を伝える記事をお送りします。
この会議の配布資料は国土交通省のHPに掲載されています。http://www.mlit.go.jp/river/shinngikai_blog/chisui_kentoukai/dai01kai/index.html
この会議はけしからぬことに傍聴はマスコミのみで、一般はシャットアウトです。時代遅れの運営がされています。http://www.mlit.go.jp/river/shinngikai_blog/chisui_kentoukai/dai01kai/dai01kai_kaisai.pdf

資料4 気候変動による将来の外力の増加量の 治水計画等での考慮の仕方  http://www.mlit.go.jp/river/shinngikai_blog/chisui_kentoukai/dai01kai/dai01kai_siryou4.pdf
などをみると、
気候変動等の影響による短時間降雨の増加に対応するために、河川改修のレベルアップ、ダムの嵩上げなどを治水計画に盛り込んでいくというもののようです。

しかし、そのような対策よりも、各地で頻発している内水氾濫への対策強化、堤防決壊による壊滅的な被害を防ぐための耐越水堤防の普及(国土交通省は認めていない)を進めることの方が重要なのではないでしょうか。

気候変動を踏まえた治水計画に係る技術検討会
国交省/気候変動踏まえ河川整備在り方検討/計画規模拡大・整備手順効率化など探る

(日本建設工業新聞2018年4月18日) http://www.decn.co.jp/?p=98986
[2018年4月16日2面]

国土交通省は気候変動に考慮した河川整備の在り方を検討する。気候変動の影響により全国で集中豪雨が頻発し、既存施設能力を上回る河川への外力が増大している状況に対応。気象庁や文部科学省などが開発した降雨量の将来推計値を従来より高精度に把握できる最新技術を活用し、将来的な外力のさらなる増大を見越した整備計画規模の拡大、整備手順の効率化などを探る。
気候変動に考慮した河川整備の在り方検討は、12日に立ち上げた有識者会議「気候変動を踏まえた治水計画に係る技術検討会」(座長・小池俊雄土木研究所水災害・リスクマネジメント国際センター長)の意見を参考にしながら進める。有識者会議には18年度末ごろに一定の意見をまとめてもらう。
国交省は必要に応じ、都道府県などの河川管理者が流域ごとに策定・運用している河川整備基本方針や河川整備計画の見直しを求めていく。
国交省によると、この30年間で時間雨量50ミリを上回る集中豪雨の発生回数は約1・4倍増えた。年間平均ベースで1976~85年の発生回数が174件だったのに対し、2008年~17年は238件だった。
気候変動の影響による集中豪雨への対策が国策として急務になる中、直近では環境省が今国会に気候変動適応法案を提出した。気候変動適応を初めて法律で位置付けている。国の役割として防災や健康といった主な課題分野ごとに気候変動適応計画を策定し、ハード・ソフトの施策を立案・実行できるようにすることを規定している。

福島・只見川ダム訴訟 原告20人が控訴

2018年4月11日
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既報のとおり、2011年7月の新潟・福島豪雨の只見川氾濫の浸水被害は、発電用ダムの堆砂を取り除かなかったことが原因だとして、金山町の住民が東北電力と電源開発の二社を訴えた裁判の判決は住民側の敗訴でした(3月26日)。
しかし、ダムの堆砂によって水位が異常上昇して、水害が発生したことは明らかです。原告34人のうち20人が判決を不服として、仙台高裁に控訴しました。その記事とニュースを掲載します。

福島・只見川ダム訴訟 原告20人が控訴

(河北新報2018年04月10日火曜日)https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201804/20180410_63072.html

2011年7月の新潟・福島豪雨の只見川氾濫に伴う浸水被害に遭った福島県金山町の住民らが流域のダムを管理する東北電力と電源開発(Jパワー)に約3億3700万円の損害賠償を求めた訴訟で、原告34人のうち20人が9日、請求を棄却した福島地裁会津若松支部判決を不服として仙台高裁に控訴した。
3月26日の支部判決は、ダムに堆積した土砂を取り除かなかった東北電の注意義務違反を認める一方、浸水被害との因果関係を否定した。
原告団の黒川広志さん(76)は「高齢などで原告は減ったが、被害との因果関係が認められない不満は皆同じだ」と話した。

只見川水害訴訟 住民が控訴

(NHK 2018年04月06日 21時15分)https://www3.nhk.or.jp/lnews/fukushima/20180406/6050000665.html

平成23年の只見川の水害をめぐり、ダムを管理する電力会社に損害賠償を求めた裁判の1審で敗訴した地元の住民らが、判決を不服として控訴しました。
この裁判では、平成23年7月の「新潟・福島豪雨」により只見川で水害が発生したのは水力発電用のダムの底にたまった土砂が原因だとして、金山町の住民など34人が、ダムを管理する東北電力と電源開発に対し、あわせて3億3740万円あまりの損害賠償を求めました。
福島地方裁判所会津若松支部は、先月26日、「住民の被害との間に因果関係を認めることはできない」として、住民らの訴えを退ける判決を言い渡しました。
原告側によりますと、住民のうち20人は、この判決を不服として、6日までに、仙台高等裁判所あてに控訴状を出したということです。
原告の黒川廣志さんは「高齢化が進んだため原告の数は減ってしまったが、2審も被害の実態をきちんと訴えて闘いたい」とコメントしています。

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