水源連:Japan River Keeper Alliance

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滋賀)浸水警戒区域、県が米原市村居田地区を初指定(流域治水推進条例)

2017年6月16日
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滋賀県の流域治水推進条例が制定されてから、3年強が経過しました。この条例は水害の危険性が高い地域で建築規制などを行う画期的な条例です。

県は400万円を上限として住宅の新築・増改築の費用の2分の1を助成します。

今回、建築規制などを行う浸水警戒区域の指定がはじめて行われました。

その記事を掲載します。

 滋賀)浸水警戒区域、県が米原市村居田地区を初指定

(朝日新聞版滋賀2017年6月16日03時00分

 

※ 著作権の関係で削除しました。

アマゾンのダム新設で「大規模な」環境破壊の恐れ 研究

2017年6月16日
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アマゾンのダム新設は、自然環境に大きな打撃を与えるだけではなく、局地的な天候にも変化を及ぼす可能性があると警鐘を鳴らす研究論文が発表されました。
その記事を掲載します。

アマゾンのダム新設で「大規模な」環境破壊の恐れ 研究

AFPBB News 2017年6月15日 13時5分) http://news.livedoor.com/article/detail/13205765/

【AFP=時事】ブラジル・アマゾン盆地(Amazon Basin)で建設が提案されている水力発電ダムは、数にして既存のダムの3倍に当たる428基に及び、自然環境に大きな打撃を与える恐れがあるだけではなく、局地的な天候にも変化を及ぼす可能性があると警鐘を鳴らす研究論文が14日、発表された。

国際的な研究チームは英科学誌ネイチャー(Nature)に発表した論文で、建設予定のダムが及ぼす影響をさまざまな基準に基づいて評価する「ダム環境脆弱(ぜいじゃく)性指数(DEVI)」を発表した。DEVIは、政策立案者らにどのダムの建設を見合わせるべきかについて判断材料としてもらう役目も担っている。

論文の主執筆者で、米テキサス大学オースティン校(University of Texas at Austin)のエドガルド・ラトルベッセ(Edgardo Latrubesse)教授は「リスクを洗い出して、問題に対する見方を変える必要がある」と話す。「天然資源に対する人為的な大規模破壊が進み、環境の保全と持続可能な開発のための合理的な代替案を見つけることは急務だ」

アマゾン川(Amazon River)に流れ込んでいる河川系は世界最大規模で、地球上で最も高密度の生物多様性を育んでいる。

この巨大な支流をダムによって時には何十回もせき止めれば、下流の生態系を支える栄養分が遮断され、広大な森林地帯が水没し、水生・陸生両方の野生動物が脅かされることになる。

ダムを1(無害)から100(非常に破壊的)までの間で採点する今回の最新指数は、既存のダムにも適用できる。

例えば、アマゾン水系で最も多様な魚類個体群が生息するマデイラ川(Madeira River)に最近建設された2基の巨大ダムは、浸食、流出水汚染、堆積物の流出阻害などの潜在リスクのせいで評点が驚くほど高くなった。マデイラ川では、さらに上流にも25基のダム建設が計画されている。

■遠隔地の降雨や暴風雨のパターンにも影響

米コロラド大学ボルダー校(University of Colorado at Boulder)の地表動力学専門家、ジェームズ・シビツキ(James Syvitski)氏は「ダムは、健全な社会と人の発展を支える工学技術の偉大な成果の実例である一方で、環境に大規模な悪影響を与える」と指摘する。

例えば、ダム下流域の堆積物の減少は、特に人口密度の高いデルタ地帯にとっては見過ごされがちな問題の一つだ。

絶えず蓄積される沈泥は、健全なマングローブの生育維持には欠かせない。汽水域で育つ沿岸森林のマングローブは、海からの高波を防ぐ上、生物数十種の水中の生育環境として機能する。

だが堆積物の減少が原因で、6億人が居住する世界の主要デルタ地帯の沈下も進んでいる。この現象と(気候変動に起因する)海水面上昇、そして(地下帯水層の枯渇による)地盤沈下は3重の脅威となっている。

また、これまでの研究によって、アマゾン盆地から流れる堆積物の変化が、米南部メキシコ湾(Gulf of Mexico)に至るまでの遠隔地の降雨や暴風雨のパターンに影響を与える可能性があることが分かっている。

「アマゾン盆地で計画されているダムがすべて建設された場合、ダムの蓄積作用により、大西洋(Atlantic Ocean)に流入する堆積物に変化が生じ、これによって局地的に天候が乱れる可能性がある」と、ラトルベッセ教授は指摘する。

世界には、基礎地盤から堤の頂上までの高さが15メートル以上、または貯水容量が300万立方メートルのダムが5万8500基以上存在する。

シビツキ氏はAFPの取材に、「私たち人間は地球の表面に彫刻を施すようにその形を変えている」と語った。「19世紀半ばから建設されてきた多数のダムは、地球の水の流れを完全に変えてしまった」

【翻訳編集】AFPBB News

水道料金、6割の値上げ必要 政投銀が今後30年を試算

2017年6月16日
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水需要の減少や老朽施設の更新で30年間で6割の水道料金の値上げが必要だという日本政策投資銀行の試算を紹介した記事を掲載します。
日本政策投資銀行のまとめは、「水道事業の将来予測と経営改革」http://www.dbj.jp/ja/topics/region/industry/files/0000026827_file2.pdf で読むことができます。
水道事業がこのように推移していくことが確実であるのに、いまだに石木ダム、八ッ場ダム等々、新規のダム建設にまい進する河川行政、水道行政に怒りを禁じえません。
水道料金、6割の値上げ必要 政投銀が今後30年を試算

(朝日新聞2017年6月13日)

【特集】清流を返せ! 世界遺産「熊野川」に異変

2017年6月1日
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ダムのために濁りが続く熊野川の濁水問題を取り上げた毎日放送のニュースを掲載します。

 【特集】清流を返せ! 世界遺産「熊野川」に異変

特集】清流を返せ! 世界遺産「熊野川」に異変
(毎日放送2017/ 5/30(火) 16:27配信) https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170530-10000001-mbsnews-l27

和歌山県新宮市に河口がある熊野川。山間の清流を下る川舟は語り部による歴史や名所の案内もあって、人気の観光スポットのひとつです。しかし今、川は清流とは程遠い状況に。いったい何が起きているのでしょうか。取材班がその原因を探りました。

濁った熊野川

和歌山県新宮市を流れる世界遺産、熊野川。美しい山々の間を、小舟がゆっくりと下っていきます。この小舟は熊野三山を参る人々の足として、古くから親しまれてきました。語り部の案内を聞きながら過ごす「至福のひととき」。ところが、川に目を向けてみると…川の水はまっ茶色、濁っています。

「もっと透明度が高いグリーンのイメージを持っていた。それよりもすごく濁っているな」(東京から来た観光客)

川の中はどうなっているのか?何も見えません。透明度はほぼゼロです。川下りの船頭をしている88歳の打越保さん。大ベテランの打越さんもこれまでにない濁りだと困惑しています。

「景色は昔と変わらんけど、川だけの濁りが一番困る」(打越保さん)

最近は清流を求めてきた観光客に対し、申し訳ない気持ちで船を漕いでいるといいます。

「恥ずかしいというか。わざわざ遠いところまできてもらって、きれいな川を見てもらえないのは残念。川底見えたら魚が見えるが何にも見えない」(打越保さん)

異変は数年前から

川の水は「平成の名水百選」にも選ばれているとあって、2007年の熊野川は確かにきれいで、底にある石も見えました。しかし今では濁っていて、川底は全く見えません。比べると川の色の違いは歴然としています。

世界遺産「熊野川」の異変は数年前から起きたとのこと。川を眺めながら食事を楽しめるのが売りのレストランでも…

「(客から)『いつもこんな川?』と言われる。『いえ、もっときれいなときがあったけど、このごろこんなに濁って』と言ってる。つらいですよ。お客さんにそんな言い訳をしなあかんのは」(かあちゃんの店 竹田愛子さん)

本来の川の姿は壁に貼っているといいます。

「この写真を見ていただいたらわかるように、この川を予想して来てくれると思う」

濁流問題は海にも

熊野川の濁流問題は海にも広がっていました。シラス漁を営む中村竜彦さん。熊野川の河口付近で漁をしていますが、水の濁りによる影響は少なくないといいます。

Q.濁りの中でシラスはどう?
「とれないです。やっぱりすみにくいんじゃないですかね。ほとんど土色みたいになった海なので。僕の次の世代までも長くやっていきたい商売ですが、この状況が続けば厳しくなってしまうんじゃないかと思う」(中村竜彦さん)

多くの人の頭を悩ませる熊野川の濁り。地元・新宮市の市長も重大な問題だと認識しています。

「水道も熊野川から取水していますので、本当に多くのところに悪影響が出ている。世界遺産の熊野川ですから、昔のきれいな姿を一日も早く取り戻していただきたい」(新宮市 田岡実千年市長)

なぜ濁った?遡って確認

一体なぜ、川は濁ってしまったのか?取材班は原因を探るためボートに乗って、河口から川を遡ってみることにしました。

「このあたりでは水害対策のため川底を深くする工事が行われていますが、どうやらさらに上流から濁流が流れているように思われます」(吉川元基記者リポート)

さらに遡っていくと…

「このあたりにくると川も狭くなってきています。それにつれて濁りも強くなってきているように思います」(吉川元基記者リポート)

そして、河口から約4キロ地点。川の水はさらに濁って泥水のようです。この先は川が浅くてボートでは進めないため、取材班は車に乗り換えどんどん上流へと遡っていきます。

河口から約5キロ地点。支流の高田川と熊野川の合流地点では、きれいな水と濁った水が混ざっていってます。川の中を見てみると・・・境界がはっきりとしています。

さらに河口から約21キロ地点でも、支流が熊野川の濁流に合流しています。支流と熊野川の水をカップに入れて比べてみると色の違いは一目瞭然です。

ちなみにこの日(5月16日)の熊野川の水の濁りを表す「濁度」は48.5度。同じ日で比べると、大阪市などを流れる淀川は8.6度、堺市などを流れる大和川は6度でした。熊野川がダントツで濁っているのです。

原因はダムの水

さらに上流を目指すとついに…

「河口からおよそ25キロ地点にきました。放水口から濁流が流れていると思われます」(吉川元基記者リポート)

勢いよく流れ出る茶色い水。ここはダムの放水口。川の濁りの原因はダムからの水にあったのです。放水口の壁には・・・「電源開発」の文字。ダムを管理している会社です。

なぜ濁った水を放流しているのか?取材班は、電源開発の担当者に話を聞くことにしました。

Q.放水口から濁水が流れているという認識は?
「はい、ございます」(電源開発 西日本支店 斉藤文彦支店長代理)
Q.濁水の原因は?
「上流から流れ込んだ濁水がダムにたまってしまうという現象が起きています」

川の濁りの原因は6年前、和歌山や奈良を襲った紀伊半島大水害にあるとのこと。山肌がもろくなったため、少しの雨でも土砂がダムに流れ込むようになったといいます。その濁った水を発電に使うため、下流に放流せざるを得ない状況にあるというのです。

きれいな川はいつ戻るのか

電源開発も対策を取っていないわけではありません。ダムの水は土砂が沈殿する深い所のほうが濁っています。これまで、発電に使う水を深い場所からも取り込んで発電に使い、放水口から放流していました。そこで取水設備の工事をして、できるだけ水面に近いきれいな水を取るように改良中だといいます。工事は来年6月に終了する見込みで、川の濁りは改善されるということです。

「やむを得ず濁水が高くなる状況はあるのですが、少しでも対策を取って、きれいになる日数を増やすことが我々が求められていること」(電源開発西日本支店 斉藤文彦支店長代理)

また、水害でもろくなった山肌については、木を植えるなどして削れた部分を保護する工事が周辺の自治体などによって進められています。先週「熊野川」のほとりには、観光客を迎える準備をする船頭・打越さんの姿がありました。

「やはり不安はありますね。なかなか濁りは取れんね。私も年やから、ずっとはできないけど、まだ2、3年はいけると思いますけど、そのうちに濁りがなくなれば大変うれしいです」(打越保さん)

世界遺産「熊野川」に清流が戻る日は来るのか。地元住民たちは期待と不安に揺れています。

 

ハンギョレ新聞[社説]「4大河川の災難」責任明らかにし根本対策を出すべき

2017年5月23日
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文在寅政権の登場で韓国の4大河川事業に対する政策監査が実施されることになりました。ハンギョレ新聞の社説を掲載します。

[社説]「4大河川の災難」責任明らかにし根本対策を出すべき

(ハンギョレ新聞 5/23(火) 7:15配信) https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170523-00027417-hankyoreh-kr

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領が22日、4大河川事業に対する政策監査を実施するよう監査院に指示した。4大河川事業は22兆ウォン(約2兆2千億円)に及ぶ天文学的規模の予算を投じて大きな河川を整備した事業だが、当初計画した目的はまともに達成できず、川の水を激しく汚染させた「環境惨事」を招いた。事業推進当初から汚染を憂慮する反対の声が大きかったが、李明博(イ・ミョンバク)政府が強行した。その理由はまだ明確になっていない。今回の監査を通じて政策決定過程、執行過程を正確に問い詰め、問題がどこから始まったのかを明らかにし、河川を正常化するための根本対策を用意しなければならないだろう。

4大河川事業に対する監査は今回で4回目だ。前例のないことだ。既存の監査が徹底されずに国民の疑問を解くことができず、水質汚染対策の準備も遅々として進まなかった。2回は李明博政府時期に着手され、事業の推進に事実上免罪符を与えただけだった。朴槿恵(パク・クネ)政府でも1回の監査を実施したが、建設会社の談合疑惑糾明に集中した。大統領府は、今回の監査の目的は個人の不正や違法事項を捜し出すことではないとしつつも、明白な違法・不法行為が発見されればそれに相応する後続措置は避けられないと明らかにした。極めて当然な話だ。

政府が4大河川の水質汚染問題に積極的に対応する意志を明確にした点も歓迎する。文在寅大統領はこれから夏を控えてアオコ発生の憂慮が高い6個の堰の水門を来月1日から取水と農業用水利用に影響を与えない水準まで開放するよう指示した。大統領選挙時に公約した通り、国土交通部の水資源局を環境部に移管して、水の管理を一元化することにしたのも同じ趣旨から出た決定だ。この際、環境部は強引に事業が推進された時、自分の主張をできなかったことを反省しなければならない。

政策監査は根本対策の準備につながらなければならない。朴槿恵政府は3月、「ダム-堰 貯水池連係運用方案」委託研究結果を発表したことがある。河川に水が豊富な時にダムと貯水池に水を貯め河川の水質が悪化すれば集中放流する方式と、堰の水位を大幅に下げる方式を連係し、アオコの発生を減らすモデル事業を提案した。しかし、水質改善に限界が明確で、全面施行するには魚道の改善と揚水場の改善に少なくない予算を追加で投じなければならないという問題点が指摘された。

新政府は、4大河川民官合同調査・評価団を構成し、16個の堰を観察し評価した後、来年末までに堰を維持したまま環境を補強する対象と、撤去する堰とを選定すると明らかにした。すでに少なくない資金を投じて建設した堰を撤去することに心理的な拒否感を持つ人もいるので、明確な根拠を提示すべきだろう。4大河川事業の無理な推進とそれによる環境破壊が後世に与える反面教師ならば、対策準備とその執行過程は模範事例になるべく慎重で賢明に推進することを望む。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

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