水源連:Japan River Keeper Alliance

水源開発問題全国連絡会は、ダム建設などと闘う全国の仲間たちのネットワークです

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石木ダム問題に対する1万人の声を「手紙」で長崎県議会に届けよう!

2022年8月10日
カテゴリー:

ダム予定地の人たちの生活を奪い、かけがえのない自然を喪失させる「石木ダム」、利水治水の両面で必要性がない「石木ダム」の建設を中止させるために、

「石木ダム問題に対する1万人の声を「手紙」で長崎県議会に届けよう!」の活動が始まりました。

https://rescuex.jp/project/12232 をお読みください。

「石木ダム問題を知る会」の呼びかけページから一部を転載します。

あなたの声を県知事・県議会に届けよう!

手紙でダム建設を止めたい

「手紙」を届ける理由

「直接的」かつ「継続的」に声を届けたい

これまで「石木川まもり隊」や「#いしきをかえよう実行委員会」など、さまざまな活動団体が啓発活動や署名活動を行ってきましたが、今もなお解決されていません。

そこで、今回のプロジェクトではよりダイレクトに声が届くよう、「意思決定者に直接送付」する“手紙”という手段にこだわりました。

また一瞬のムーブメントで終わらせないことも重要です。そのため皆さんの声を「継続的」に送り続けます。

プロジェクトで集まった手紙を運営スタッフが発送のスケジュールを組み、県知事と県議会議員の事務所に「直接」そして「継続的」に送ります。

いただいたメッセージは、マスコミにも届け、メディアを巻き込んでこの問題をひろめていきます。

あなたの声が現地・こうばるの方々の支えになる

集まったメッセージを冊子にして、ダム建設予定地で反対運動を続ける13世帯の方々にもお送りします。

40年という月日が経ち住民の方の高齢化や長期化による疲弊や苦悩が増す中、あなたの声がこうばるの方々を支える大きな力になります。

ダム建設を止めるための鍵は、一人でも多くの「民意」が集まること。あなたの声が手紙となり届くことが何よりも大切です。

40年にわたるこの問題を終わらせるため、私たちの仲間になっていただけないでしょうか。

 

目指すは1万人の声を届けること

私たちのプロジェクトのゴールは、1万人の声をお手紙にして、一方的に進む石木ダム建設を止めることです。

その最初の一歩として、このクラウドファンディングを通して200人の声を集めます。

今後、上映会の定期開催、意見広告などを通して、この活動を広め、1万人の声を県議会議員に届けます。

 

【このプロジェクトに協力いただいた企業・団体】

・株式会社ボーダレス・ジャパン

・パタゴニア 日本支社

・石木川守り隊

・#いしきをかえよう実行委員会

 

詳しくは、https://rescuex.jp/project/12232 をお読みください。

 

 

「流水型ダム」は観光資源にはならない 最上小国川ダム

流水型ダムを観光資源として捉えようとする動きに対して、最上小国川ダムの現状を踏まえて、最上小国川の清流を守る会が作成された「『流水型ダム』は観光資源にはならない」を掲載します。下記の通りです。

守る会の阿部修さんから送付していただきました。

「最上小国川の清流を守る会」からは、下記のチラシを送っていただいています。

チラシ 最上小国川ダムによって濁りが増え、河川環境に変化が!

最上小国川ダムは山形県が建設したダムで、2020年4月から運用を開始しました。

最上小国川ダムの現状と見ると、流水型ダム(穴あきダム)が環境にやさしいというのは全くの嘘で、行政が作り上げた虚構に過ぎないことがよくわかります。

この問題については昨年8月に川辺孝幸先生(元山形大学)が発表された報告「濁水を増加させる穴あきダムは、環境にやさしくない(最上小国川ダム)」

が水源連HPhttps://suigenren.jp/news/2021/08/26/14932/

に掲載されていますので、その報告も合わせてお読みください。

最上小国川ダムについてはhttps://suigenren.jp/damlist/dammap/mogamiogunigawadam/の通り、反対運動の長い経過があります。

2018年1月には『ダムに抗う』という集会が開かれ、ジャーナリストの相川俊英さんが「日本有数の清流で持ち上がったダム建設計画」というタイトルで最上小国川ダム問題についての講演をされています。

その講演要旨(https://yamba-net.org/wp/wp-content/uploads/2018/01/918cb79ea35273983c39ca412db54ba4.pdf

もお読みください。

流水型ダム「反対」7割 市民団体が意見公募を独自分析 球磨川治水

2022年7月20日
カテゴリー:

球磨川水系河川整備計画原案に対する公募意見を市民団体「子守唄[うた]の里・五木を育む清流川辺川を守る県民の会」が分析したところ、流水型川辺川ダムに反対する意見が7割を占めていました。その記事を掲載します。

市民団体が公開した抗議文、申入書、説明資料は次の通りです。

学識者懇談会への抗議文

意見書集計結果に基づく整備計画再作成を求める申入書

意見書集計結果の説明資料

なお、球磨川水系河川整備計画原案に対する公募意見は次のURLで見ることができます。

◇令和4年度 第1回 球磨川水系学識者懇談会 令和 4年 6月24日開催

http://www.qsr.mlit.go.jp/yatusiro/river/gakusiki_kondankai/20220617.html

◇関係住民様より寄せられたご意見 
http://www.qsr.mlit.go.jp/yatusiro/site_files/file/iken_itiran.pdf
(500近い意見が出されました。)

 

流水型ダム「反対」7割 市民団体が意見公募を独自分析 球磨川治水

(熊本日日新聞  2022年7月16日 )https://kumanichi.com/articles/728043

2020年7月の熊本豪雨で氾濫した球磨川の治水対策で、国土交通省が支流の川辺川で建設を目指す流水型ダムに反対する市民団体「子守唄[うた]の里・五木を育む清流川辺川を守る県民の会」は15日、球磨川水系の河川整備計画原案に対するパブリックコメント(意見公募)について、独自の分析結果を公表した。意見の7割強が「ダム反対」だったと集計している。

国交省と県は4~5月、河川法に基づき住民から意見を公募し、ウェブサイトで内容を公表している。県民の会は国交省と県に重複して寄せられた意見を除く439件を分析した。

分析によると、ダム反対は313件(71・3%)で、賛成の21件(4・8%)を大きく上回った。残る105件はダムへの賛否に言及がないか不明だった。集計には、同じ球磨川水系の瀬戸石ダムや五木ダムへの意見も含めた。

反対意見を地域別にみると、人吉市が最多で135件。八代市が32件、相良村が21件と続き、球磨川流域で約3分の2を占めた。反対理由は、環境への悪影響の懸念が最も多く、治水効果への疑問や緊急放流の危険性の指摘も目立った。

県庁で記者会見を開いた県民の会の南由穂美さん(70)=八代市=は「流水型ダムについて、これだけ多くの反対意見がある。国や県は正面から疑問に答えてほしい」と訴えた。

独自分析について、県河川課は「パブリックコメントなどは住民の意見を聞くのが目的で、多数決の性格はない。計画を作り直す予定はない」と話した。国交省と県は1日、河川整備計画案を公表している。(臼杵大介)

球磨川水系の河川整備計画原案に対するパブリックコメントについて独自の分析結果を公表する市民団体の南由穂美さん(右)ら=15日、県庁

北海道・沙流川の平取ダムが運用開始 二風谷ダムは堆砂が凄まじく進行

国土交通省が北海道の沙流川(さるがわ)支流の額平川(ぬかびらがわ)に建設していた平取(びらとり)ダムが完成し、7月1日から運用が開始されました。

官報  平取ダム建設完了の告示20220701

沙流川には河口より約21キロメートの位置に二風谷(にぶたに)ダムが1998年に造られました。両ダムの位置は下図の通りです。総貯水容量は二風谷ダム3150万㎥、平取ダム4580万㎥です。

(沙流川総合開発事業  https://www.hkd.mlit.go.jp/mr/sarugawa_damu/tn6s9g0000000zll.html

二風谷ダムはアイヌ民族を司法の場で初めて先住民族と認めた札幌地裁判決の対象となったところです。

(「二風谷ダム判決25年 先住権回復足踏み」https://suigenren.jp/news/2022/03/28/16032/

沙流川におけるダム建設の重要な問題は、土砂供給量が非常に大きい河川であるので、ダムが速いスピードで流入土砂で埋まっていくことです。

二風谷ダムの当初計画では堆砂容量は550万㎥でしたが、堆砂の速度が速いので、2008年度の基本計画変更で1430万㎥にしました。(二風谷ダム定期報告書 2010.3)

しかし、総貯水容量3150万㎥に対して、2020年度末の堆砂量がすでに1280万㎥にもなっています(国土交通省の数字)。

そして、現地の状況を見ると、この数字以上の凄まじい状況になっています。

「流域の自然を考えるネットワーク」http://protectingecology.org/report/8441の報告に、下記の写真の通り、二風谷ダムは堤体の直近まで土砂で埋まっている状態が示されています。
撮影:2018年7月4日

ダム建設によって川をこのような惨状にしてしまってよいのかと思わざるを得ません。

平取ダムも同様に土砂堆積がかなりのスピードで進行していくことは必至です。

沙流川は土砂の流出が極めて大きいので、ダムを造ってはならない河川であるのに、ダムがまた造られてしまったのです。

平取ダムの土砂対策は下図の通りです。融雪期(4~5月中旬)は水を貯めることなく、水や土砂をそのまま流下する方式をとるというものです。

しかし、この方式は机上で考えたことであって、実際に計画通りに行くとはとても思われません。

黒部川の宇奈月ダムのように、排砂による生態系に与えるダメージも心配しなければなりません。

沙流川は平取ダムの完成により、深刻な問題を新たに抱えるようになりました。

 

平取ダムの運用

秋田県東成瀬村(雄物川水系成瀬川)に建設中の成瀬ダムは2026年度完成予定で工事進行

2022年6月29日
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残念な情報ですが、国土交通省が秋田県東成瀬村(雄物川水系成瀬川)に建設中の成瀬ダムが2026年度完成予定で、工事が進行しているという記事を掲載します。

成瀬ダムは昨年(2021年)6月に工期が2024年度から2026年度に延長され、事業費が1530億円から2230億円へと、700億円も増額されることになりました。 https://suigenren.jp/news/2021/06/06/14684/

完成予定まであと4年というところで、700億円も増額するのですから、ダム事業者がやりたい放題という感じがします。

成瀬ダムは治水利水の両面で必要性がないダムです。「成瀬ダムは本当に必要ですか?」https://suigenren.jp/wp-content/uploads/2012/09/naruse.pdf

成瀬ダムを中止させるべく、地元住民が2009年に工事差し止めを求める住民訴訟を起こして闘い続けました。水源連もこの裁判に関わりました。https://suigenren.jp/news/2014/06/04/5802/

しかし、2015年4月に仙台高等裁判所秋田支部で、住民側敗訴の判決が出ました。

まことに残念なことですが、裁判で成瀬ダムを中止させることができませんでした。

末尾に成瀬ダム予定地の「赤滝と能恵姫伝説」を記しておきます。

 

成瀬ダム工事現場ツアー 55トントラックや無人重機

(読売新聞2022/06/28 05:00)https://www.yomiuri.co.jp/local/akita/news/20220627-OYTNT50379/

発破ツアーで訪れる展望台から望む成瀬ダムの本体工事現場(11日、東成瀬村で)

作業が休みの日は、巨大重機の前で記念撮影ができる場合もある

東成瀬村で4年後の完成に向けて建設が進む成瀬ダムの工事現場を見学する無料のバスツアーが行われている。先端技術を駆使して巨大なダムを造り上げる様子を間近で見る、迫力いっぱいの45分間だ。

国土交通省成瀬ダム工事事務所が「なるせダムアドベンチャーバスツアー」と題して企画した。

同ダムは国直轄事業で総事業費は2230億円。工事が本格化し、現場では普段見ることができないような大型重機が稼働しているという。

ツアーは、ダム上流の展望台を発着し、同事務所職員の説明を受けながら通常は立ち入りできない工事現場を巡る。巨大動物のような55トントラックとすれ違ったり、重機が遠隔操作で無人走行する様子を見たりし、非日常的な冒険気分を味わえる。

工事中の今しか見ることができない光景とあって、県外から参加するダムファンも。新潟市の男性(50)は「ここは規模がすごい」と満喫した様子。現場の様子は日々変わるため、同事務所は「何度でも参加して見てほしい」としている。

一般向けツアーは今月11日に始まった。隔週土曜の開催で、来月は9、23日に予定している。10月まで。出発時間は午前9時半、同10時半、同11時半、午後1時半、同2時半、同3時半の計6回。定員は各回10人で先着順に受け付ける。

参加希望者は、同事務所ホームページに掲載されている申込書に記入し、メールかファクスで送る。

問い合わせは同事務所(0182・23・8450)へ。

 

赤滝と能恵姫伝説

成瀬ダム建設予定地の区域内には、古くから県南地方の住民に「雨乞いの神様」として崇められている「赤滝」があります。江戸時代後期の民俗学者、菅江真澄が栗駒山に向かう道すがら立ち寄って、「駒形日記」に記録したという由緒ある場所です。
かつての赤滝神社は、日照りの年にはお参りにくる農家の人たちが、村の中から延々の列を作っていたほど厚い信仰を集めていた場所だと聞きます。赤滝神社の由来は、今を遡ること280年余り昔の伝説の女性、能恵姫に源を発しています。能恵姫は、農民たちを渇水と洪水の不安から救うために、竜神と化して赤滝に住みついたと言い伝えられています。赤滝は、この地域の昔を偲ばせる貴重な文化遺産です。

『どうかダムを止めて』という能恵姫の涙声が、聞こえてくるようです

 

 

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