水源連:Japan River Keeper Alliance

水源開発問題全国連絡会は、ダム建設などと闘う全国の仲間たちのネットワークです

ホーム > ニュース

ニュース

水源連の最新ニュース

強制収用への道を開いた九州地方整備局に抗議を。長崎県には「石木ダム中止」の署名を。

2013年9月7日
カテゴリー:

速報:九州地方整備局、不当にも「石木ダム事業認定」!

九州地方整備局は9月6日朝、石木ダム事業認定を告示しました。
事業認定した理由には、まったく必要のないダムであるにもかかわらず、九州地方整備局と社会資本整備審議会は 起業者・長崎県と佐世保市の言い分をそのまま追認して「公益性がある」と断定しています。一方、居住されている13世帯の皆さんが生活の場を失う不利益については一言も言及していません。

また、社会資本整備審議会公共用地分科会議事要旨に見られるように、この事業の問題を的確に指摘した意見が出されています。これらの意見をふまえるならば、社会資本整備審議会公共用地分科会の結論は事業認定拒否が本来の帰結でした。

起業者である長崎県と佐世保市は「事業の公益性が公的に認められた」として工事再開を目論んでいます。現地では工事再開阻止が取り組まれるでしょう。
13世帯居住民を守り抜くために、水源連も総力を挙げてこの事業を中止に追い込みたいと思います。 事業認定の欺瞞性を明らかにすると共に、長崎県に対しては石木ダム建設中止を、佐世保市に対しては石木ダムへの水源開発中止を全国から迫りましょう。

水源連として事業認定に対する抗議・糾弾声明を認定庁である九州地方整備局と、起業者である長崎県・佐世保市に送付しました。長良川市民学習会・導水路はいらない!愛知の会・徳山ダム建設中止を求める会の皆さんによる抗議声明、大阪府安威(あい)川(がわ)の治水を考える流域連絡会の抗議声明, 設楽ダム建設中止を求める会の抗議声明,長崎県内石木ダム建設反対運動体連名の長崎県知事への抗議文(9/20提出予定)と併せて掲載致します。
水源連 石木ダム事業認定への抗議声明 pdf 162kb
長良川市民学習会等声明  pdf 134kb
大阪府安威(あい)川(がわ)の治水を考える流域連絡会 抗議声明    pdf  12kb
設楽ダム建設中止を求める会 声明_石木ダム抗議                            pdf  316kb
130920県知事への抗議文                   pdf   151kb
多くの皆さんも、まったく不要な石木ダム事業から13世帯居住民を守るために、事業認定に対する抗議・糾弾声明を認定庁である九州地方整備局と、起業者である長崎県・佐世保市に送付されるよう、お願い致します。

抗議声明送付先:>

 国土交通省九州地方整備局
局長  岩﨑泰彦
住所:〒812-0013 福岡市博多区博多駅東2丁目10番7号 福岡第二合同庁舎
電話番号:092-471-6331(代表)
Eメールアドレス:kikaku@qsr.mlit.go.jp

 長崎県庁
知事  中村法道
〒850-8570 長崎市江戸町2-13 電話095-824-1111(代表)
知事への提案 URL
https://eap.pref.nagasaki.lg.jp/kv2/index_pc.php5?FORMNO=42000G00001085ibS&SETUID=SSL>

 佐世保市役所
市長  朝長則男
〒857-8585 長崎県佐世保市八幡町1番10号 TEL/0956-24-1111(代表)
市長への手紙 URL
https://www.city.sasebo.nagasaki.jp/mailmayor/emfmayorinput.jsp

 

九州地方整備局が公表した文書

事業認定理由  pdf 208kb
社会資本整備審議会公共用地分科会議事要旨 pdf 69kb
公聴会議事録.pdf  2378kb
主な反対意見の要旨と当該意見に対する事業認定庁の見解とを併記した意見対照表.pdf 332kb

 

「ムダな石木ダムで13世帯60名の居住地を奪い、地域社会を破壊することは許されない! 石木ダムを中止せよ!」 署名活動

私たちは、「石木ダム建設中止」を獲得することに全力を尽くすことになります。 長崎県内の世論が「石木ダム建設中止」に、佐世保市内の世論が「石木ダム不要」になることを目指しましょう。 今回の署名運動は長崎県への「石木ダム中止」一本に絞って全力を尽くすことに致します。

石木ダム建設絶対反対同盟と長崎県内の支援グループ は、上記要求を掲げて、石木ダム事業起業者である長崎県には「石木ダム建設中止」を求め、事業認定庁である九州地方整備局には「事業認定拒否」を求める署名活動を全国に展開することしています。
水源連としても全力でこの署名活動に取り組むことにしました。
全国の皆さまに絶大なご協力・ご支援をお願いする次第です。

水源連会員の皆さまには8月23日発行の「水源連だより65号」でこの取組みを紹介すると共に、署名のお願い・二つの署名用紙・石木ダム問題説明チラシ・返送先宛名印刷済み封筒、以上5点セットを同封してお送りしました。

水源連会員の皆さまだけではなく、全国の皆さまにも是非、熱いご支援・ご協力をお願いしたく思います。
署名用  4 点セットをご希望いただける方は水源連事務局 mizumondai@xvh.biglobe.ne.jp へご一報ください。
「返送用封筒はご自分で」といわれる方は、署名のお願い・二つの署名用紙・石木ダム問題説明チラシを一つにまとめたzip形式FILE、もしくはそれぞれのFILEをダウンロードされてお使いください。

署名活動の期間は、11月30日まで延期致します。

一括したFILE
石木ダム中止と、事業認定拒否とを求める署名 zip 800kb

個別のFILE
石木ダム中止と、事業認定拒否とを求める署名への協力お願い
長崎県への署名
石木ダム説明ビラ3

よろしくお願い致します。

石木ダム問題のすべてが分かる電動紙芝居

石木ダム問題のすべてが分かる、石木ダム建設絶対反対同盟のいしまるほずみさんのスライドを基にした電動紙芝居。是非ご覧を! 26分かかりますが、必見です!
・ 電子紙芝居 石木ダムはいらない!改訂版 26分版
・ ほずみさんの一般普及向け 19分版ほずみさんの佐世保市民向け 20分版

 

 

国土強靱化の名で巨費 「世界の阿蘇」壊すダム 熊本・立野ダム(2013年9月4日)

2013年9月4日
カテゴリー:

アベノミクスで何が 現場に見る   国土強靱化の名で巨費 「世界の阿蘇」壊すダム 熊本・立野ダム
(しんぶん赤旗2013年9月4日) http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-09-04/2013090404_02_0.html

「アベノミクス」の名で大型公共事業をばらまく安倍自公政権の下、「阿蘇くじゅう国立公園」内で立野ダム(熊本県大津町、南阿蘇村)の建設が強引に進められようとしています。
洪水対策を理由にしていますが、市民からは「ダムよりも河川改修を」「世界の阿蘇に巨大ダムはいらない」との声があがっています。 (内野健太郎)
(写真)下流方向から見た立野ダム建設予定地=熊本県南阿蘇村
(写真)ダム建設反対の署名に応じる人たち=熊本市下通商店街
「『いまさらダムかい』の疑問が建設反対署名を集めていると寄せられます。ダムによる治水が時代遅れになる中のダム建設なんて逆行しています」
労組・民主団体でつくる「いのちとくらしを守るネットワークくまもと」の上田たかこ共同代表が語ります。
河川の改修怠る
立野ダムは、ダム建設ラッシュの一段落した1983年に事業を開始したものの、30年間、本体工事が着手されないままでした。「コンクリートから人へ」を掲げた2009年の民主党政権発足時に事業見直しとなりましたが、野田民主党政権の末期に「ダム継続」を決定、
「国土強靭(きょうじん)化」をうたう安倍自公政権は今年度、28億円の予算を計上し、14年度は37億9000万円を概算要求しています。
立野ダム計画は、火山活動でできた世界有数の大きなくぼ地(カルデラ)である阿蘇外輪山の切れ目の峡谷に巨大なコンクリート建造物を建設しようというものです。
「世界遺産登録や地球科学の重要な地域として世界ジオパーク認定をめざす熊本県にとってもイメージダウンは必至」と上田さん。建設予定地周辺は国立公園の特別保護地区。
完成後に水をためる「試験湛水(たんすい)」で国指定天然記念物「阿蘇北向谷原始林」の一部は枯死すると専門家が警告しています。観光資源となっているトロッコ列車の走る橋も水没予定地です。
環境への配慮もない“時代遅れ”のダム建設が動きだしたのは、阿蘇カルデラから熊本市内へと流れる白川が昨年7月の九州北部豪雨で氾濫したことでした。
「白川改修・立野ダム建設促進期成会」(会長=幸山政史・熊本市長)などが「スピード感を持って治水対策を」と国交省に迫ったのです。
日本共産党の松岡徹県議は「氾濫の原因は国・県が河川改修を怠ったことによるもの」と指摘します。「10年前につくっていた白川河川整備計画に沿って河川改修をしておれば防げた。
これまで立野ダム計画には421億円がつぎ込まれた。ダム計画が河川改修を遅らせ、災害を引き起こした」
「立野ダムで治水はできない」と語るのは、市民団体「立野ダムによらない自然と生活を守る会」の中島康代表です。「阿蘇カルデラの切れ目は最も地盤の弱いところ。建設予定地一帯は断層が集中し、溶岩が冷却した割れ目(柱状節理)だらけです。
工事では地盤の強度を高めるためセメントミルクを大規模に注入するとしていますが、それだけ岩盤が軟弱ということです。地滑りなどの危険がつきまといます」と語ります。
中島さんは続けます。「熊本市の洪水流量のうち立野ダムで洪水調整するのはわずか8%。ダム以外の代替案で十分対応可能です。
例えば、水田の保全。田んぼに水がため込めるように15センチあぜを高くすれば、立野ダムの有効貯水量と同じ容量ができます。河川改修、遊水地の整備、荒れた人工林の間伐などをこそ提案します」
中止求めて署名
「いのちネット」や「自然と生活を守る会」は、署名運動を展開。熊本県に国交省に中止を働きかけるよう要請しています。県負担だけでも県民1人当たり1万5000円にのぼるからです。
熊本県労連の楳本光男議長は、「ダム建設は費用が当初見込みよりどんどん膨らむ。当初想定の総事業費に匹敵する425億円がすでに使われ、総事業費は2倍の917億円を見込むようになった」と指摘。
「ダム建設は大手ゼネコンがもうかるだけで地域経済の活性化にならない」と「アベノミクス」を批判します。
日本共産党熊本県委員会は、立野ダム計画を中止し、河川改修や遊水地計画などを遅くとも5年以内に完了するよう提案してきました。
仁比聡平参院議員とともに国交省交渉も計画、参院選で躍進した力で「立野ダムはいらない」「アユが上り下りする豊かで安心安全の白川に」と全力をあげています。

淀川水系・丹生ダム、中止の可能性も(2013年9月3日の「検討の場」幹事会)

2013年9月4日
カテゴリー:

9月3日に淀川水系・丹生ダム「検討の場」幹事会が開かれました。その幹事会に関する記事を二つお送りします。この幹事会の様子を見ると、丹生ダムが中止になる可能性がでてきたように思います。

すなわち、丹生ダムの三つの目的のうち、「治水」は河道掘削案がコスト面で圧倒的に有利、「流水確保対策」も非ダム案が有利という検討結果が示されました。

そして、「異常渇水対策」はダム案が有利という検討結果なのですが、大阪府等の下流府県が「異常渇水対策」が不要との見解を示しました。

 なお、この会議の配付資料が近畿地方整備局のHPに掲載されましたので、関心のある方はご覧ください。http://www.kkr.mlit.go.jp/river/kensyou/siryou130903.html

治水 河川整備を評価 丹生ダム 近畿地方整備局「最も低コスト」
(京都新聞 2013年09月03日 22時50分) http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20130903000158

(写真)丹生ダム建設事業の目的別の対策案を評価した「検討の場」幹事会(大阪市中央区)
近畿地方整備局と水資源機構は3日、長浜市の高時川上流で計画している丹生ダム建設事業の「検討の場」の幹事会を大阪市内で開き、治水目的ではダムではなく河川整備をする案が最も低コストとする評価結果を、滋賀県や長浜市などの関係自治体に提示した。
最大の焦点となっていた治水対策でダム建設の優位性が低下したことは、今後の検討作業に大きな影響を与えそうだ。
同整備局は、治水、異常渇水時の水補給、流水機能維持の三つの目的別に、ダムを含む複数の対策案のコストや利点、課題などを提示した。
このうち、戦後最大の洪水被害を基準とする治水対策では、示した7案のうち、姉川と高時川の河道掘削を中心とする3案のコストが各80億円で、ダムを建設する2案(246億円、339億円)を大幅に下回った。ダム中止に伴う費用は計上していない。
異常渇水対策は、ダム建設2案が563億円と601億円で、野洲川ダムなど他のダムのかさ上げ案(1050億円)、地下水取水案(610億円)などに比べ有利とした。
ただ、異常渇水対策をダム建設目的に盛り込む場合に負担金が発生する大阪府、京都府、兵庫県は「緊急性、必要性は低い」として異常渇水対策を目的から外すよう求めた。
また高時川で頻発している「瀬切れ」を防ぐ流水確保対策は、琵琶湖から余呉湖経由で高時川上流に水を送る案が260億円で最低コストだった。県は「地元の受け入れやコスト面で実現性があるのか疑問」と指摘した。
次回幹事会は未定。長浜市などから早急に実効性のある結論を出すよう要請を受けた同整備局は「関係者の意見を聞きながらできるだけ早く検証作業を進めたい」(河川部)とした。
<丹生ダム> 長浜市の高時川と姉川の洪水調整などを目的に1972年に琵琶湖総合開発計画に盛り込まれた。88年事業着手。95年に工事用道路に着工した。家屋移転と民有地買収は完了済み。本体は未着工。
京都府などの下流団体は利水目的から撤退している。2009年12月、国が再検証対象に位置付けた。

滋賀・丹生ダム:「異常渇水対策では必要ない」 大阪府が見解
(毎日新聞大阪朝刊 2013年09月04日) 
http://mainichi.jp/area/news/20130904ddn002010018000c.html

国が計画見直しの対象にしている淀川水系の丹生(にう)ダム(滋賀県長浜市)について、大阪府は3日、大阪市内で開かれた検討会で「異常渇水対策としては必要ない」との見解を示した。
京都府と兵庫県も「異常渇水対策としての緊急性は低い」などと同調した。ダムは国や3府県などが建設費を負担。目的は治水対策、流水維持、異常渇水対策の三つとされており、国によるダム事業継続の判断に影響を与えそうだ。
検討会には、3府県など関係自治体と国土交通省、水資源機構の担当者が出席。
大阪府は、ダム建設の前提とされた渇水時の琵琶湖の水位低下は節水などで抑制できるとの試算を基に、「丹生ダムで容量を確保する必要はなく、計画的な渇水調整や節水対策などで対応できる」とした。
一方、国交省などは三つの目的別に、ダム建設と河川改修や宅地かさ上げなど代替案のコストを比較した試算を初めて公表。異常渇水対策では「ダム建設が有利」とした。
丹生ダムは琵琶湖に注ぐ高時川上流に治水・利水の多目的ダムとして1972年に計画された。96年までに水没地域の家屋移転が完了。用地取得などに約550億円が投入された。【千葉紀和】

 

「ヤマメ、サクラマスたちの川を守ろう! 北海道・サンルダムをとめるために」報告(動画つき)

2013年8月23日
カテゴリー:

「ヤマメ、サクラマスたちの川を守ろう! 北海道・サンルダムをとめるために」を開催しました。

7月6日、東京・水道橋のYMCAアジア青少年センターにて、北海道・サンルダムについての学習会を開きました。「サクラマス守り隊」の代表で北海道大学名誉教授の小野有五(おの・ゆうご)さんに、現地の自然環境やダム計画についてのお話を伺いました。

サンルダム建設が計画されているサンル川は、北海道北部を流れる天塩川(てしおがわ)の支流・名寄川(なよろがわ)のそのまた支流です。小さな川ですが、サクラマスが海から200kmも遡上してくることができる、日本で唯一の川です。

しかし、サンルダムがつくられてしまうと、サクラマスの遡上が妨げられてしまうほか、海へ下らずに川に残って育つサクラマスのオス(全オスの約半数)の生育環境が悪化してしまうそうです。

サンル川は、絶滅危惧種のカワシンジュ貝の生息地でもあります。カワシンジュ貝は80年から100年も生きるという長寿の貝ですが、幼い貝はサクラマスの子であるヤマメのえらにくっついて育つので、ヤマメの少なくなった川では若いカワシンジュ貝が育たず、ヤマメの豊富なサンル川が貴重な生息地となっています。

そんな貴重な自然の残るサンル川に国が計画しているサンルダムですが、必要性に疑問がある、と小野さんは指摘します。例えば、ダムの目的のひとつである水害防止についてみると、水害防止に関する国の説明は、市民から疑問を指摘される度につぎつぎに変わる、信頼性の欠けたものです。小野さんは、流域の写真を示しながら、現在、流域で発生している水害は、堤防を整備したり、川幅を広げる工事をすることで防止できるので、ダムをつくらなければ防げない、と説明されました。このように、小野さんたちは、ダムの代替案を示して、国にサンルダムの中止を求めているのです。

現在、サンルダムの関連工事がすすめられています。北海道では、いくつかの市民団体がサンルダム反対を求めてきていますが、小野さんたちは、「サクラマス守り隊」を立ち上げ、道内だけでなく全国に広く支援をよびかけてダム中止をめざしています。サンルダムの地元・下川町(しもかわちょう)で地域おこしをめざす人たちとも連携して、サンル川や森などの貴重な自然をいかした地域経済をつくっていこうという動きがはじまっています。

「サクラマス守り隊」では川の生き物やダム建設に関する情報発信のほか、現地ツアーなども企画しています。詳しくはフェイスブックページhttps://www.facebook.com/#!/SakuraGuard?fref=ts をご覧下さい。

 

小野先生が当日使われたスライド(無声動画)
0706サンル 小野先生 MP4 15.2MB

また、今秋にサンルダム予定地見学会を企画します。企画が決り次第、掲載致します。

↑ このページの先頭へ戻る