水源連:Japan River Keeper Alliance

水源開発問題全国連絡会は、ダム建設などと闘う全国の仲間たちのネットワークです

ホーム > ニュース

ニュース

水源連の最新ニュース

八ッ場「15年度完成」見直し(読売新聞群馬版 2013年7月31日 )

2013年7月31日
カテゴリー:

太田昭宏国交大臣が7月30日の記者会見で、八ッ場ダムの2015年度完成は事実上不可能と述べたことに関して、読売新聞が詳しく報じています。
事業費増額に関して、八ッ場あしたの会の試算結果「500億~600億円規模の増額が必要になる」も紹介されています。

八ッ場あしたの会ホームページ

事業費の増額  http://yamba-net.org/problem/meisou/zougaku/

工期の延長   http://yamba-net.org/problem/meisou/kouki/

八ッ場「15年度完成」見直し(読売新聞群馬版 2013年7月31日 ) http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gunma/news/20130730-OYT8T01484.htm

太田国土交通相は30日の閣議後の記者会見で、八ッ場ダム(長野原町)の2015年度完成を目指す現行の基本計画について、「事実上不可能。よく議論、精査して(完成が)何年ということを提起し直さないといけない」と述べ、見直す方針を明らかにした。
ただ、見直しを終える時期や、完成時期の見通しについては言及しなかった。
八ッ場ダムは工事用道路の整備など関連工事の手続きが始まったばかりで、本体工事着工のめどは立っていない。本体着工から完成までに7年が必要との見方もある。
県関係者らは、現行の基本計画の期間内での完成は不可能とみて、国に対し「基本計画変更の手続きに早急に着手すべきだ」(大沢知事)と求めていた。
ダムの基本計画は1986年に告示され、3回にわたって見直されてきた。3回目の2008年の見直しでは、完成時期が15年度に延長された。計画見直しは次で4回目となる。
太田国交相の見直し表明について、地元は冷静に受け止めている。
長野原町の高山欣也町長は「誰が見ても今の計画通りの完成は間に合わず、見直しはやむを得ない。遅れを取り戻すよう工期短縮などに努め、早期完成を望む」と語った。
八ッ場ダム水没関係5地区連合対策委員会の篠原憲一事務局長は「いつまでもダラダラと工事が続くようでは困る。地元の声を新計画に反映してほしい」と訴えた。
また太田国交相は記者会見で、基本計画で約4600億円とされている総事業費について「それほど増加するとは思っていないが、精査が必要だ」と述べた。
総事業費は工事遅延による人件費の増加や、新たな地滑り対策工事などで、増額が避けられないとみられている。国交省が11年度に行った検証では、増額は約183億円と試算し、
建設に反対する市民団体「八ッ場あしたの会」は、500億~600億円規模の増額が必要になるとの試算を公表している。

「千曲川への遺言―河川環境の回復と水害防止を願って」 (中沢 勇著)

2013年7月31日
カテゴリー:
千曲川の西大滝ダム問題、浅川ダム問題に長年取り組んでこられた中沢 勇さんが「千曲川への遺言―河川環境の回復と水害防止を願って」というタイトルの本を上梓されました。
表紙と奥付は 千曲川への遺言(中沢勇著) をご覧ください。
西大滝ダム(東京電力)が千曲川の治水と自然にどれほどの悪影響を与えているかを具体的に実証した力作です。
関心のある方は是非、お読みください。
出版社は川辺書林で、連絡先は奥付のとおりです。

黄河「大洪水」の危険高まる…ダムも砂でいっぱいに=中国 (サーチナ2013年 7月29日)

2013年7月31日
カテゴリー:

この記事に出てくる小浪底ダムは目的が洪水調節、堆砂軽減、流氷増水防止(初春に上流から大量の氷と水が流下し、洪水が発生するのを防ぐ)、潅漑、発電などで、総貯水容量126.5億㎥です。計画中の古賢ダムの目的と総貯水容量はわかりません。

河「大洪水」の危険高まる…ダムも砂でいっぱいに=中国
(サーチナ2013年 7月29日) http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130729-00000061-scn-cn

(写真)中国北部を流れる黄河が今後数年の内に大洪水を起こす危険が高まっている。黄河の水は大量の泥や砂を含むが、過去十数年に工業・農業用水の使用が劇的に増え、土砂の堆積が増加しているためだ。

2002年に本格的な供用が始まった小浪底ダムは土砂の食い止めに大きな効果をみせているが、2030年ごろにはダム湖に土砂が堆積して「寿命」を迎えるという。(写真は「CNSPHOTO」提供。甘粛省蘭州市内を流れる黄河。6月24日撮影)
中国北部を流れる黄河が今後数年の内に大洪水を起こす危険が高まっている。黄河の水は大量の泥や砂を含むが、過去十数年に工業・農業用水の使用が劇的に増え、土砂の堆積が増加しているためだ。
2002年に本格的な供用が始まった小浪底ダムは土砂の食い止めに大きな効果をみせているが、2030年ごろにはダム湖に土砂が堆積して「寿命」を迎えるという。(写真は「CNSPHOTO」提供。甘粛省蘭州市内を流れる黄河。6月24日撮影)
黄河はこのところ、毎年のように「大洪水が発生する可能性が高まっている」と発表されてきた。黄河下流では、川底が周囲の平地よりも高い「天井川」と化している部分があるので、いったん洪水を起こすと大規模な被害が長期化する可能性た高い。
増水期である夏には、渇水期に川床にたまった土砂を大量の水が押し流すという現象もある。しかし、工業・農業用水の使用の劇的な増加などで、夏期の流量も以前ほどには増えず、「水と土砂のバランス関係」が少しずつ失われている。
黄河の土砂の問題で大きな機能を発揮してきたのが2002年に本格的な供用が始まった小浪底ダムだ。ダム湖の総容量は126億5000万立方メートルで、うち75億5000万立方メートルにまで土砂をためるとの設計だった。
しかし、すでに同ダム湖には28億立方メートルの土砂がたまっており、2030年ごろには「満杯」になって砂防機能を果たさなくなるとみられている。
砂防機能を果たすもうひとつのダムとして期待されているのが、現在計画が進められている古賢ダムだ。中国水科学院胡春宏副院長は、古賢ダムの供用開始は「早ければ早いほどよい」との考えを示した。
小浪底ダムが砂防機能を喪失してから古賢ダムの供用が始まった場合、両ダムの合計で黄河下流における土砂の堆積量を累計103億トン減少させることができるが、
小浪底ダムがまだ機能しているうちに古賢ダムを供用できた場合、両ダムで下流に堆積する土砂を累計128億トン減少させることができるという。
黄河下流地域で1958年に発生した大洪水では、毎秒2万2300立方メートルの水が周囲にあふれた。現在から55年前の大洪水で、「60年に1度の洪水」と考えてよい。
1982年に黄河下流地域で毎秒1万5300メートルの水が、周囲にあふれた。「30年に1度の洪水」とみなすことができる。
黄河推理委員会水文局教授級高級技師であり河南省人民代表大会常務委員会委員である王玲氏によると、「洪水の周期性と気象の情勢から言って、今後数年の間に黄河で大洪水が発生する可能性はますます高まっている」という。(編集担当:如月隼人)

石木ダム事業認定拒否要請 九地整に反対地権者ら (長崎新聞 2013年7月24日)

2013年7月25日
カテゴリー:

7月23日、『石木ダム建設絶対反対同盟』をはじめとする6団体は国土交通省九州地方整備局へ、 石木ダムの事業認定拒否を求め、申し入れに行いました。

申入書は 九地整への申入書2013年7月23日
)のとおりです。

 石木ダム事業認定拒否要請 九地整に反対地権者ら (長崎新聞 2013年7月24日)

県と佐世保市が東彼川棚町に計画している石木ダム事業の反対地権者でつくる「石木ダム建設絶対反対同盟」と支援者は23日、福岡市の九州地方整備局を訪ね、県が同局に申請している事業認定手続きを拒否するよう申し入れた。

同ダム事業は認定の可否決定を待つ段階にあり、認定されれば用地の強制収用手続きが可能になるため反対派が反発を強めている。

反対地権者ら27人が同局を訪ね、▽ダム建設は予定地住民の人権を侵害する▽市の水需要予測の根拠に疑問が生じている―などと主張。「ダムは不要。県との話し合いに絶対に応じない。県側も譲らないので、国として事業を拒否してほしい」と要請。同局は「公正中立の立場で対応している」とした。(宮崎智明)

思川開発の栃木県利水問題(2013年7月17日の裁判)

八ッ場ダム等に関する6都県の住民訴訟で、栃木の裁判は八ッ場ダム、思川開発(南摩ダム)、湯西川ダムの3ダムを対象としています。
湯西川ダムはすでに完成してしまいましたが、思川開発に関しては栃木県の利水問題が裁判の最大の争点になっています。
栃木県は思川開発で毎秒0.403㎥の水源を得ることになっていますが、この水源を使う予定は全くなく、巨額の費用を負担して、ただ抱えているだけの水源になることは必至です。
思川開発事業のダム検証でも、栃木県の0.403㎥/秒については厚生労働省の認可を受けた水道事業が存在しないことが問題になり、栃木県は対応を迫られました。
栃木県が窮余の策として今年3月に策定したのが「栃木県南地域の水道用水確保の方針」です。この方針は「将来は県南地域の水道用地下水を減らすから、思川開発の水が必要となる」というものですが、全く机上のもので、ただそのように語っているだけのものです。
栃木県は水道用地下水の削減の理由として地盤沈下や地下水汚染などを上げていますが、いずれも根拠がなく、杞憂のものにすぎません。また、0.403㎥/秒の水源を県南地域に供給するためには、約200億円もかかる水道用水供給事業の施設を建設しなければならず、実現性がゼロです。
先週7月17日(水)の栃木控訴審で、この問題についての証人尋問が行われ、私が控訴人側の証言を行いました。
私の証言の意見書は訴訟ホームページに掲載されています。http://www.yamba.sakura.ne.jp/shiryo/tochigi_k/tochigi_k_g_iken_shimazu.pdf
また、栃木県の元・水道課長の早乙女正次さんが控訴人側に立った陳述書を提出しています。 http://www.yamba.sakura.ne.jp/shiryo/tochigi_k/tochigi_k_g_chinjutsu_saotome.pdf
合わせてお読みいただければと思います。
翌日の下野新聞が裁判の様子を伝えています。

下野新聞 2013年7月18日
3ダム訴訟 利水・治水効果なし 住民側、県と争う構え

鹿沼市の思川開発事業(南摩ダム)などダム3事業をめぐり、市民オンブズパーソン栃木{代表・高橋信正弁護士}と県民20人が、
福田富一知事に事業負担金の支出差し止めと既に支出された約81億9千万円の損害賠償を求めた住民訴訟の控訴審第1回口頭弁論が17日、東京高裁(田村幸一裁判長)で開かれた。
住民側は「南摩のほか湯西川(日光市)、八ッ場(群馬県)のいずれのダム事業でも、利水・治水の効果はない」とする控訴理由書を提出。控訴棄却を求める県側と全面的に争う構えをみせた。
この日は思川開発事業の利水問題について、原告、被告双方証人尋問が行われた。
県側の印南洋之県土整備部次長は、同事業に関係する栃木市など県南2市2町の高い地下水依存率を下げる必要性があると主張。ダム建設によって水道水とする河川表流水を確保し、地盤沈下などのリスクに備えるとした。
これに対し、住民側でダムに詳しい嶋津暉之さんは「地下水のみに依存する市町は、県内でほかにもある」「地下水くみ上げの大半は農業用地下水で、水道用ではない」などと反論した。次回期日は11月12日で終結する見涌し。(田面木千香)

↑ このページの先頭へ戻る