水源連:Japan River Keeper Alliance

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1月17日、「ダム検証のあり方を問う科学者の会」が「八ッ場ダムと利根川整備計画の要請書」を提出

2013年1月21日
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「ダム検証のあり方を問う科学者の会」が太田昭宏国交大臣に対して八ッ場ダムと利根川整備計画の要請書(科学者の会)(12kb)を提出しました。
代表の今本博健先生、川村晃生先生が提出し、国交省記者クラブで記者会見を行いました。

1997年に河川法が改正され、それまでの第16条「工事実施基本計画」が第16条「河川整備基本方針」、第16条の2「河川整備計画」の二つに分かれました。水系としての最終的な整備目標を定めるのが「河川整備基本方針」です。
この河川整備基本方針で治水整備最終目標安全度、基本高水流量(安全度に見合った潜在的最大流量)、計画高水流量(川に負担させる流量)、流量調整の必要の有無が判断されます。基本高水流量>計画高水流量の場合は洪水があふれることになるので流量調整施設が必要となります。具体的施設については河川整備計画に引継がれます。
20~30年のスパンで実際に河川を水系として整備することに関して定めたのが第16条の2「河川整備計画」です。具体的なダム事業計画はこの河川整備計画のもとに策定されることになっています。河川整備計画は環境の視点を加えて、その水系に詳しい人(学識経験者)、流域住民、自治体の意見を反映させて策定することとされています。詳しくは「河川法16条・16条の2 議事録含む」をご覧ください。

八ッ場ダム建設事業はこれまで「工事実施基本計画」に基づいて進められてきました。利根川水系河川整備基本方針は2006年2月14日に策定されましたが、利根川水系河川整備計画は策定されていないからです。河川整備計画策定が義務付けられたのが1997年なので、実にこれまで16年ものあいだ八ツ場ダム事業は本来の上位計画ナシで進んできました。1997年河川法改正時に「基本方針・整備計画策定までは工事実施基本計画をそれらとみなす」と附則が着いているので、利根川水系河川整備計画なしで八ッ場ダム建設事業が進んできたことは違法とは言えないかも知れないが、限りなく違法に近い脱法であることは疑う余地がありません。
環境の視点、流域住民との合意形成の視点等に重きを置いた利根川水系河川整備計画の策定は最早喫急の課題です。

八ッ場ダム事業を盛込んだ河川整備計画の策定が本体着工の条件とされていることから、関東地方整備局は何が何でも八ッ場ダムを同計画に位置付けることだけを目論んでいます。
私たち利根川流域住民は、多様な生物相を育み、水産資源豊富な利根川を蘇らせるべく内容=「利根川水系まるごとラムサール登録湿地」を利根川水系河川整備計画に盛込ませるべく取組みを進めます。

 

熱気にあふれた利根川シンポジウム報告

利根川シンポジウム
ウナギが問う! 「生物多様性から考える 利根川水系河川整備計画」

2013年1月19日、13時半から東京水道橋の全水道会館4階大会議室で開催しました。
利根川水系はウナギの名産地である、ということを知る人は意外と少ないのではないでしょうか?
その漁獲高が年々歳々減少の一途をたどっています。

利根川水系の流れ遮断をもとに戻して全域にウナギを、鮎を復帰させ、汽水域が復活することでシジミなどの資源も復帰する。自然資源の復活によって地域経済が活発になるばかりでなく、食物連鎖で水質も改善される。それには生物多様性の保障が不可欠。まさしく利根川水系全体をラムサール条約登録湿地として登録することを目指そうではないか。!!
利根川水系整備計画に「利根川水系まるごとラムサール条約登録湿地を目指す」を盛込ませよう!!、という方向性を参加者全員が確信したシンポジウムでした。

その実現を目指す取組みがこれから展開されます。皆さんのご協力、よろしくお願い致します。

当日の様子は下記Ustrem をご覧ください。
http://www.ustream.tv/channel/ramnet-j

当日の報告、資料集を掲載しますのでご覧ください。
ウナギシンポ報告 157Kb
1月19日利根川シンポ資料集 6.3Mb

 

 

ウナギは困ってます 八ツ場ダム固執行政の転換を 東京でシンポ(2013年1月20日)

2013年1月20日
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1月19日の利根川シンポジウムは内容が豊富で、非常に説得力がある充実したシンポジウムであったと思います。

ウナギは困ってます 八ツ場ダム固執行政の転換を 東京でシンポ(しんぶん赤旗 2013年1月20日(日))http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2013-01-20/2013012015_01_1.html

ウナギの視点から利根川の河川行政を考えようと19日、
シンポジウム「ウナギが問う! 生物多様性から考える。利根川水系河川整備計画」が東京都内で開かれ、80人の
参加者は八ツ場(やんば)ダム建設に固執する河川行政からの転換の道を探りました。
関東地方を流れる利根川は日本最大の流域面積を持ちます。
シンポでは、霞ケ浦漁業研究会の浜田篤信さんが、利根川流域のダム建設が1967年以降のウナギの漁獲量減少に相関性があることを紹介。
「ダム一つできるごとに漁獲量が14・8%も減る結果にあり、絶滅につながりかねない。乱獲が減少の原因とされてきたが、河川工事が主因だ」と指摘しました。
ラムサール・ネットワーク日本の浅野正富事務局長は、利根川流域の多様な生態を紹介し
「日本の代表的河川はラムサール湿地登録されていない。生物多様性のある利根川の登録をすすめることで、ラムサール条約の理念である国内のすべての湿地の賢明な活用をする姿勢を国は示すべきだ」とのべました。
利根川上流には、民主党政権が建設再開を言明した八ツ場ダム建設予定地(群馬県長野原町)があります。
八ツ場ダムの本体工事着工にあたっては、利根川水系の今後20~30年先の整備計画を定めることが条件。
国交省は現在、有識者会議で策定作業を行っています。安倍内閣の太田昭宏国土交通相は「(八ツ場ダムの)早期完成に向けた取り組みを進めていく」と、推進姿勢です。
利根川流域市民委員会の嶋津暉之さんは「今後の河川行政に大規模開発は不要だ。過去の事業で破壊された自然をできるだけ回復させ、新たな負荷を与えないものにすべきだ」と訴えました。
(写真)ウナギとダム開発の相関性を指摘する浜田氏(奥)=19日、東京・文京区内

川上ダム:「ダム無しで解決」有識者が治・利水代替案 建設支持の市議が不満??伊賀市議会 (2013年1月17日)

2013年1月17日
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淀川水系の川上ダム計画について地元の伊賀市が1月16日に市議会議員全員懇談会を開きました。
この懇談会に旧淀川水系流域委員会の宮本博司さんと千代延明憲さんが出席して意見を述べたのを見ると、伊賀市の岡本栄市長は川上ダム問題をそれなりに検討するように思われます。

川上ダム:「ダム無しで解決」有識者が治・利水代替案 建設支持の市議が不満??伊賀市議会 (毎日新聞 2013年01月17日) http://mainichi.jp/area/mie/news/20130117ddlk24010292000c.html

本体未着工の川上ダム(伊賀市)について、独自の検証委設置方針を表明した岡本栄市長は16日、建設の現状や治水、利水の代替案について、有識者らを招いて市議会に説明した。
治・利水ともに有識者らが「ダム無しで解決可能」と説明、建設支持の市議からは不満の声が上がった。
市議会全員懇談会で説明。国交省近畿地方整備局が設けた「淀川水系流域委員会」の元委員らが出席した。
木津川の幅が狭く、洪水時にボトルネックとなる伊賀市の岩倉峡付近について、宮本博司元委員長は「河道改修によって治水は可能」と説明。利水も千代延明憲元副委員長が、名張市からの青蓮寺ダム水利権購入による対応策を示した。
これに対し、市議からは「予備調査以来46年、建設に向け努力を重ねてきた」「青蓮寺ダムの水利権も過去に議論したが、進展はなかった。今さらの話だ」と批判が相次いだ。
また、市の検証委について、岡本市長は委員に市議2人を含める方針を示したが、議会側は「行政をチェックすべき市議が市長の諮問機関に名を連ねるのは適切ではない」と反発、不参加と決まった。
このため、岡本市長は市民からの公募委員を当初案の3人から5人程度に増やす方針。今月中にも発足する。
同ダムは民主党政権時代の09年、国交相が「工事の新たな段階に入らない」と表明したことを受け、本体工事は未着工となっている。近畿地整局と関係自治体は、代替案の検討を続けている。【伝田賢史】


治水・利水の代替案を議会に説明 川上ダム計画 伊賀市
(伊賀タウン情報ユー 2013年1月17日) http://www.iga-younet.co.jp/news1/2013/01/post-431.html

淀川水系の1級河川「前深瀬川」に予定している川上ダムの計画について、地元として改めて治水や利水の目的を検証・検討するとしている伊賀市は1月16日、国の関係機関や学識経験者らを招き、市議会議員全員懇談会で事業の進ちょく状況や代替案などを説明した。
近く立ち上げる岡本栄市長の諮問機関「川上ダムに関する検証・検討委員会」の要綱案も提示し、議会が設置を了承した。
同ダム建設事業の経緯は、国土交通省・近畿地方整備局河川部の中込淳河川調査官が説明。進ちょく状況では未着工の本体工事を除く関連事業などについて述べた。
ダムの必要性については現在、関係する自治体や機関などが、現行計画とは異なる「治水」「新規利水」「流域の正常な機能維持」「長寿命化」の4分野から計45の対策案を立案し検証。その中から昨年12月に抽出・評価した組み合わせによる21案を示した。
治水の代替案については、同整備局の諮問機関「旧淀川水系流域委員会」で委員長を務めた宮本博司氏が「河道掘削と堤防のかさ上げを組み合わせる代替案を検討している」と説明。
「上野地区を水害から守るためには遊水地と河床の掘削が必要」と述べ、下流への対策は「島ヶ原地区の堤防のない600メートル区間を改良すれば遊水地の機能が完成する」と話した。
また、利水の代替案は同流域委副委員長だった千代延明憲氏が「今後余ると予測される青蓮寺ダムの水利権を名張市から一部譲ってもらい、青蓮寺用水土地改良区の幹線水路に送水する余力を活用すれば、三者ともに得をする」などと説明。
初期投資や維持管理費などの経済性でも「ダム建設の継続より代替案が優位だ」と意見を述べた。
また、この日、同ダムに関する検証・検討委の委員構成について、市側が9人のうち2人を議会選出とする案を提示したが、議員らから削除の申し出があり、市民公募枠を追加することに決まった。

川辺川住民団体による新年会で採択された集会宣言 2013年1月12日

2013年1月14日
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集会宣言

2008年、相良村長と人吉市長の川辺川ダム建設反対表明は、同年熊本県議会での蒲島熊本県知事の川辺川ダム建設計画白紙撤回表明へと続きました。

このことは40有余年にも及ぶ流域の人々の粘り強い川辺川ダム反対運動と、これを支持する熊本県民と全国の人々の支援の結果でした。流域住民の意志と全国の世論の力が行政を変えた歴史的瞬間だったのです。そしてこの世論は、荒瀬ダムの撤去も実現させました。

しかし、その後の政権与党の迷走は、政権交代となり、幾多の重要法案を廃案としてしまい、五木の復興に絶対必要であったダム特措法もその中に含まれていたことは、残念の極みです。また現在熊本においては、歴史上日本一どころか世界一破廉恥な理由付きで路木ダム建設を強行しています。さらには下流住民を途方も無い危険にさらし、法律を無視した立野ダムを建設しようとしています。球磨川流域では、ダムによらない治水と言いながら新たに計画流量なる虚言を作り出し、最終的にはダムによる治水へという意向が見え隠れしています。

私たちは、国が作り出した虚言による土俵に立って論議をするつもりはありません。球磨川流域に住み慣れた人々は、長い歴史の中から本来の治水のあり方を知っています。そのような先人の英知を用い、新たな治水対策を検討していくつもりです。

川には、ダムを造ってはなりません。いま領土問題が多く論じられています。しかしダムで水に沈んでしまった大切な日本の国土が、どれほどあることでしょう。今後、川にはダムは造らず、ダムで沈んだ日本の国土の復活に努力しなければなりません。

私たちは、国にダム特楷法を制定させるとともに、今日この人吉の地から「川にダムは造らず」「今あるダムは撤去」「自然が豊かな川づくり」という世論を広げていく、更なる一歩を踏み出すことをここに宣言します。

2013年1月12日「川辺川住民団体による新年会」参加者一同

 

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