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ゼロメートル地帯はなぜ台風19号で被害を免れたのか <備えよ!首都水害>
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昨年10月の台風19号における利根川と荒川の状況を取り上げた記事を掲載します。
上流ダムや洪水調節池の洪水調節効果が大きかったというニュアンスで書かれていますが、上流ダムの洪水調節効果は中下流に来ると、減衰してしまうので、その役割は限られています。
一方、中流部にある渡良瀬遊水地のような洪水調節池はその洪水調節効果が中下流に対して直接機能しますので、重要な役割を果たしたと思います。
ゼロメートル地帯はなぜ台風19号で被害を免れたのか <備えよ!首都水害>
(東京新聞2020年4月10日)https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202004/CK2020041002100058.html
荒川と江戸川という大きな川が流れ込む東京東部の海抜ゼロメートル地帯。二つの川の同時氾濫と高潮で最大二百五十万人の浸水被害が想定されている。各地で記録的な雨が降った昨年の台風19号で、ゼロメートル地帯はなぜ大規模水害を免れたのか。流域や上流では何が起きていたのか。台風19号から半年を機に振り返る。 (大沢令)
台風が通過した昨年十月十三日朝。荒川から約五百メートルの団地に住む松坂敏彦さん(80)=足立区=が堤防から見渡すと、濁流が河川敷の遊歩道にまで押し寄せていた。「荒れる川」の光景に恐怖を感じた。
松坂さんが住む宮城地区は荒川と隅田川に囲まれている。前夜は避難所になった学校で不安な夜を過ごした。「大型台風にいつまた襲われるかもしれない」と危機感が募り、荒川氾濫を想定したタイムライン(事前防災行動計画)の勉強会を開くなど地域での取り組みに本腰を入れ始めた。
(写真)昨年10月の台風19号で、足立区の西新井第二小に避難した人たち(区提供)
◆水門を閉鎖 調節池に水引き込む
時間をさかのぼろう。十二日朝、荒川と隅田川を区切る北区志茂の岩淵水門近くの荒川下流河川事務所は、気象庁から「岩淵地点上流で三日間平均雨量がカスリーン台風(※解説参照)を超える」との予測を受けた。千人以上の死者を出した、あの雨台風を上回るというのだ。
夜には荒川の水位が四メートルに到達し、午後九時十七分、水が隅田川に流れ込まないよう水門を閉鎖した。十三日午前九時五十分に、荒川は氾濫危険水位(※)の七・七〇メートルに迫る戦後三番目の七・一七メートルを記録。これは隅田川の堤防を二七センチ上回る数値。もし水門を閉めなければ隅田川が氾濫していた恐れがあった。
上流に目を向けると、荒川第一調節池(さいたま市など)が十二年ぶりに水を引き込み、過去最大の約三千五百万トンをためて増水を抑えた。さらに荒川上流ダム群(二瀬、滝沢、浦山=いずれも埼玉県秩父市)も治水容量の57・8%となる約四千五百万トンを貯留。水資源機構荒川ダム総合管理所によると、滝沢ダムは東京ドーム約十七杯分の約二千百八万トンをため、ダム下流の中津川太平橋(秩父市)地点の水位を約二・五メートル低下させたという。
荒川下流河川事務所の出水速報をもとに作成
◆カスリーン台風の再来か 最悪シナリオ想定
江戸川に流れ込む利根川の上流も一時は深刻な事態に陥っていた。利根川の流量予測の目安となる八斗島(群馬県伊勢崎市)上流の三日間平均流域雨量がカスリーン台風の三〇八・六ミリを超える三一〇・三ミリを記録したのだ。
十三日に日付が変わるころ、栗橋水位観測所(埼玉県久喜市)の水位が堤防の高さを超えるとの予測が出て、利根川上流河川事務所に緊張が走った。
カスリーン台風では、栗橋の少し上流の現在の加須市で堤防が決壊、濁流が葛飾区や江戸川区にも到達した。その再来となるのか。「東京が危ない」。三橋さゆり所長はゼロメートル地帯が浸水する最悪のシナリオを覚悟した。
◆洪水調節うまく行ったが…ソフト対策も急務
栗橋の水位は、堤防が耐えられる最大値「計画高水位(※)」の九・九〇メートルに迫る九・六一メートルまで上昇したが、これをピークに落ち始めた。雨の降り方の違いに救われた。カスリーン台風の雨は八斗島上流域の全域で降ったが、台風19号は西部に集中していた。三橋所長は「上流でもっと降っていたら大変なことになった」と振り返る。
関東地方整備局の出水速報などをもとに作成
利根川上流の七つのダム(試験中の八ッ場ダム含む)は治水容量の80・6%となる約一億四千五百万トンを貯留。国土交通省関東地方整備局によると、これは八斗島地点の水位を約一メートル下げた計算になるという。渡良瀬遊水地などの調節池も計約二億五千万トンをためて利根川の洪水を食い止めた。
「荒川と利根川上流のダム群や調節池の洪水調節効果が高かった」。二瓶泰雄東京理科大教授(河川工学)はゼロメートル地帯が被害を免れた理由を、こう分析する。今回はハードの力に助けられたが「住民が危機感を高めることや、避難行動を支える情報提供の仕組みを整えるなどソフト対策も急務だ」とも指摘する。
◇どう備えるか 松尾一郎東大大学院客員教授に聞く
―大きな被害をもたらす台風が相次いでいる。
地球温暖化で海面水温が高まると局所的な豪雨が頻発し、台風も大型化しやすくなる。関東地方にも雨風の強い台風がやってくる。二〇二〇年も水温は高い。
―台風19号について。
荒川などは大変な事態になる一歩手前だった。第一調節池や岩淵水門などハードが活躍したから持ちこたえただけだ。あの時、東京湾が干潮ではなく、満潮だったら荒川は下流でもあふれていたはずだ。結果オーライだったにすぎない。
―水害への向き合い方は。
大きな水害の経験がないから今後も起きないと過信するのは危険だ。行政は河川の氾濫によってどんな被害が起きるか、避難方法も含めて情報を事前にきちんと伝えておくことが重要だ。その上で、住民は、危機感をもち、災害を想像し、より安全な親戚宅への早めの縁故避難なども視野に入れておくべきだ。
―教訓をどう生かすか。
二〇一二年に米国にハリケーン・サンディが上陸し、ニューヨークは大規模な高潮被害を受けた。州政府は、検証報告で「wake up call」(ウエイク・アップ・コール)、みんな目を覚ませと警告した。台風19号は自然の警告で、見過ごしてはいけない。次の台風シーズンまで残された猶予はあまりない。家族や大事な人の命をいかに守るかを真剣に考えていきませんか。
<まつお・いちろう>タイムライン防災(事前防災行動計画)の第一人者。足立区総合防災行政アドバイザーも務めている。専門は防災行動学。
◇用語解説
<カスリーン台風> 1947年9月に発生した典型的な「雨台風」で、関東南部では利根川や荒川の堤防が決壊し、東京東部の葛飾や江戸川、足立区で家屋が浸水した。群馬、栃木を中心に 全国で死者・行方不明者が1900人以上に上った。
<氾濫危険水位> いつ氾濫してもおかしくない水位。以下、危険度順に避難判断水位、氾濫注意水位、水防団待機水位。
<計画高水位> 堤防の高さよりは低いが、氾濫危険水位よりは高い。その堤防が耐えられる最高の水位。
「真備の被害は人災」 西日本豪雨の被災者ら40人が決起集会 4月15日提訴
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2018年7月の西日本豪雨で岡山県高梁川水系の小田川が氾濫し、倉敷市真備町の約50名の方が亡くなりました。
この水害について真備町の住民が4月15日に国などを相手に損害賠償を求めて岡山地裁に提訴します。その記事とニュースを掲載します。
西日本豪雨では愛媛県・肱川の野村ダムと鹿野川ダムの緊急放流により、ダム下流で凄まじい氾濫となり、8人が死亡しました。
この肱川の水害について被災者が今年1月31日に国などを相手に損害賠償を求め、松山地裁に提訴しています。
豪雨、国などに6.6億円請求へ 真備住民30人超、15日に提訴
(山陽新聞2020年04月04日 19時04分)https://www.sanyonews.jp/article/1000687/
(写真)弁護団が訴えの内容などを説明した住民集会
2018年7月の西日本豪雨で小田川と支流が決壊し、甚大な浸水被害を受けたのは河川やダムの管理が不十分だったためとして、倉敷市真備町地区の住民が国などを相手に損害賠償を求めて岡山地裁に提訴予定の集団訴訟は、原告として参加する住民が少なくとも16世帯32人、請求額は総額約6億6千万円に上ることが、4日分かった。15日に提訴する。
「真備水害訴訟弁護団」がこの日開いた住民集会で明らかにした。他に相当数の住民が訴訟への参加を検討しており、豪雨後2年となる7月に2次提訴を予定している。
住民ら約20人が参加した集会で、弁護団長の金馬健二弁護士(岡山弁護士会)らが「豪雨被害は自治体などが十分な備えをしていれば防げた『人災』だ」と強調。約50年前から計画されていた小田川付け替え工事の遅れ▽豪雨時に新成羽川ダムの事前放流を行わなかった過失▽住民への避難指示の遅延―などを巡り、国、岡山県、倉敷市、中国電力(広島市)の責任を追及していくと述べた。
豪雨で自宅が全壊し、訴訟に参加する男性(68)は「同様の災害が起こらないようにするため、訴訟を通じて警鐘を鳴らしたい」と話した。
「真備の被害は人災」 西日本豪雨の被災者ら40人が決起集会 15日提訴
(毎日新聞 2020/04/05 11:13) https://mainichi.jp/articles/20200405/k00/00m/040/031000c
(写真) 真備水害訴訟の決起集会であいさつする弁護団長の金馬健二弁護士(壇上左)=岡山県倉敷市真備町箭田の真備公民館で2020年4月4日午後1時32分、戸田紗友莉撮影
2018年7月の西日本豪雨災害を巡って国や岡山県、倉敷市、中国電力の責任を問い、損害賠償を請求する真備水害訴訟が15日に岡山地裁に提訴される。弁護団と被災者ら40人が4日、提訴に向けた決起集会を、甚大な浸水被害が発生した同市真備町地区で開いた。
集会では弁護団による訴訟の説明などがあった。第1次提訴には16世帯32人が参加し、損害賠償の請求額は総額約6億6000万円になる見通し。豪雨から2年の7月には第2次提訴を予定している。
裁判では、ダムの事前放流や陸こうの封鎖、河道掘削など適切な河川管理が行われず、避難誘導が適切に実行されなかったことなどから水害が発生し、被害が拡大したと主張する。
この日は磯部作・元日本福祉大学教授(地理学)による講演もあり、水害前後の新成羽川ダムの放流に関する自身の研究について説明した。
集会に参加した30代の男性は、自宅の1階が浸水して4カ月間の避難生活を余儀なくされたという。「できることをせずに水害が起きたのなら納得がいかない。天気のことだからしょうがないで済ませていたらまた同じことが起きる」と訴えた。
金馬健二弁護団長は「真備の被害は手当てしていれば防げた可能性が高く、人災と言わざるをえない。この訴訟で二度と水害を起こさないよう追及していきたい」と話した。【戸田紗友莉】
豪雨被害は「人災」 真備住民が国など提訴へ
(朝日新聞岡山版2020年4月5日 9時30分)
西日本豪雨は「人災」か 国などを訴える被災者の主張 岡山・倉敷市
(KSB瀬戸内海放送2020/4/7(火) 18:50配信) https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200407-00010009-ksbv-l33&p=1
(映像あり)
2018年の西日本豪雨で大きな被害を受けた倉敷市真備町の住民が15日、国などに損害賠償を求める裁判を起こします。
訴状案が固まり、提訴前の4日、最後の弁護団の集会が開かれました。大きな主張の一つは約50年前から訴えがあった河川の工事の遅延です。
(真備水害訴訟弁護団/金馬健二 団長)
「今回の水害が自然災害として 不可抗力のものではなく国や県、市、あるいはダム管理会社が瞬時に対応していば避けられた、いわゆる人災であるという思いを持つに至りました」
集会の様子
4日、「真備水害訴訟弁護団」が最後の集会を開き訴状の内容を確認しました。原告は真備町の被災者32人です。2018年の西日本豪雨で、倉敷市の真備地区では高梁川の支流の小田川などが氾濫したり堤防が決壊したりしました。
地区の4分の1にあたる約1200ヘクタールが浸水し4646棟が全壊、51人が亡くなりました。原告は行政などの対応の不備が被害の拡大につながったとして国、岡山県、倉敷市、ダムを管理する中国電力に対し6億6000万円の損害賠償を求めて15日、岡山地裁に提訴します。
国土地理院の空中写真より作成
この裁判ではダムの事前放流量が十分でなかったことや、倉敷市の避難態勢の不備など各被告の責任を追及します。そのうち大きな主張の一つが小田川の付け替え工事の遅延です。
国は川の氾濫の危険性を認識し、高梁川と小田川の合流点を付け替える計画を1971年に発表していました。しかし、構想から約50年間、工事は行われませんでした。
原告は付け替え工事が完了していれば、合流点の水位は約5メートル下がり、浸水被害は起きなかった可能性が高かったとして工事の実施を長年放置した国の責任を追及します。
(真備水害訴訟弁護団/賀川進太郎 事務局長)
「樹林の伐採もされていないということが大きな原因の一つであろう、これも国の責任ということになります」
小田川の中に生い茂っていた大量の木や草が川を流れにくくしたことで、水位の急激な上昇を招いたとしています。
浸水2階から1メートル80センチまで
渡辺清裕さん(70)はこの樹林化の放置に疑問を持ち、原告に参加しました。渡辺さんの自宅は真備町箭田、小田川の近くです。
(渡辺清裕さん)
「あそこの線、あれが水浸かった場所ですね」
2階から1メートル80センチまで浸水し、自宅が全壊しました。
(渡辺清裕さん)
「ここは久しぶり歩くの、いつも散歩してた」
渡辺さんは小田川に生い茂る草木を見て、不安に思っていました。
渡辺清裕さん
(渡辺清裕さん)
「こんな木がずーっと、流れない。もう何回もしとんすよ、地元の人が昔からね。伐採してくれと。自分のためばっかりじゃない。長い長い裁判になるかもしれない、黙ってたらよくならない」
豪雨から1年9カ月。復興は進んでも被災者の戦いはまだ続いています。
参議院 災害対策特別委員会の議事録(耐越水堤防と河床掘削)
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今年2月16日に「台風19号千曲川災害検証シンポジウム」が長野市で開かれました。嶋津も3人のパネリストの一人として報告しました。https://suigenren.jp/news/2020/02/17/12789/
昨年10月の台風19号豪雨では千曲川の穂保(ほやす)地点で堤防が決壊し、凄まじい氾濫になりました。家々が濁流にのまれ、2階近くまで水に漬かった住宅も出ました。
嶋津はこのシンポでは特に次の2点を強調しました。
① 決壊地点で計画されている復旧堤防は耐越水堤防になっておらず、越水によって再び破堤する危険性がある。川裏のり面の全面を連接ブロック等で覆う必要があるのに、のり肩のところだけの保護工になっている。本当の耐越水堤防工法を導入する必要がある。
② 台風19号豪雨による洪水位の異常上昇は降雨量が大きかったことだけではなく、河床の掘削がきちんと行われず、河床が上昇してきたことの影響が少なからずある。低水路だけでなく、高水敷も含めて河床の掘削を定期的に実施して必要な河道断面を確保する必要がある。
総務省が県等管理河川について「緊急浚渫推進事業費」創設し、2020年度から河川等の河床掘削費を支援することになっているのだからhttps://suigenren.jp/news/2019/12/22/12697/、国管理河川についても国土交通省が河床掘削を積極的に進めるべきである。
このシンポジウムに出席された武田良介参議院議員が①、②の話を踏まえてのことだと思いますが、3月19日の参議院災害対策特別委員会で耐越水堤防と河床掘削について質問しました。
その議事録が参議院HPに掲載されましたので、参考までにお知らせします。
少し長いですが、お読みいただければと思います。
しんぶん赤旗の記事も掲載します。
千曲川堤防強化して 武田氏「住民の切実な願い」
(しんぶん赤旗2020年3月26日)lhttp://www.jcp.or.jp/akahata/aik19/2020-03-26/2020032604_06_1.html
日本共産党の武田良介議員は19日の参院災害対策特別委員会で、昨年の台風19号によって決壊した千曲川の堤防強化策について取り上げ、「粘り強い堤防は切実な願いだ」と強調しました。
武田氏は千曲川決壊で被災した人たちからは「越水してもすぐに決壊しない堤防にしてほしい」との要望が出されていることをあげ、どのような対策を検討しているのかただしました。国土交通省の五道仁実水管理・国土保全局長は「堤防の浸食を抑えるような強化を行っていく」と答えました。
武田氏は、検討している堤防強化策には、越水しても堤防が決壊しないよう被覆型の強化工法であるアーマー・レビー工法も含まれるのかとただすと、五道局長は「検討の対象だ」と答えました。
武田氏は、総務省が緊急浚渫(しゅんせつ)事業を来年度予算案に盛り込む理由として、堆積土砂の撤去や樹木の伐採が十分にできていないために越水などの災害が起こっているとの認識をしめしているとして「同じ認識か」とただしました。
武田良太防災担当相は「水害から命を守るためには、河川の流下能力を維持することが大切だ」と答弁。国交省からも明確な回答はありませんでした。武田議員は「直接の答弁がなかったことは残念。不十分なところはあったと反省すべきだ」と強調しました。
(写真)質問する武田良介議員=19日、参院災害特委
第201回国会 参議院 災害対策特別委員会 第3号 https://online.sangiin.go.jp/kaigirok/daily/select0201/main.html
令和二年三月十九日(木曜日)
内閣府特命担当大臣(防災)武田 良太
国土交通大臣政務官 佐々木 紀
国土交通省水管理・国土保全局長 五道 仁実
総務省大臣官房審議官 谷 史郎
○武田良介君 日本共産党の武田良介です。
昨年の一連の台風災害が発生をいたしまして、私の地元であります長野県でも大変な被害が発生をいたしました。最近は気候変動の影響もあって災害が頻発化、激甚化しているということも指摘をされているところであります。私も、地元の長野でお話伺っていても、多くの被災者の方が、来年もやっぱり豪雨になるんじゃないかと、また災害が起こるんじゃないかと、そういうことをやっぱりおっしゃる方がたくさんいらっしゃいます。
こういう被災者の不安にどのようにお応えになるのか、まず大臣に見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(武田良太君) 御指摘のとおり、これまで数十年に一度とされてきた大規模な災害が頻発しています。今後も、気候変動等の影響により、強い台風や豪雨の増加等、自然災害の更なる頻発化、激甚化が懸念される中、国民の命を守る防災・減災対策の推進は我が国にとって重要かつ喫緊の課題であります。
令和元年房総半島台風、台風十五号や東日本台風、十九号を始めとした一連の災害については、政府として検証チームを立ち上げ、年度末目途の取りまとめに向け、現在議論を進めているところであります。この検証結果を踏まえ、今後の防災・減災対策に確実に生かしてまいりたいと思っております。
今後とも、発生した災害から得られた教訓を踏まえ、防災・減災対策を不断に見直し、万全の危機管理体制の確保に努めてまいります。
○武田良介君 千曲川については、今後、信濃川水系の治水対策プロジェクトということで進んでいくことになっていくかというふうに思います。
その被災された方たちの声を聞くと、堤防を強化してほしいという声は共通して聞かれてきますけれども、大臣に重ねてお伺いをしたいと思いますが、堤防を強化してほしいという願いが非常に多い、その理由をどのようにお考えになるでしょうか。
○国務大臣(武田良太君) やはり、水被害の恐ろしさというものをもう肌で感じておられるということが一番の動機なんでしょうけれども、委員の地元である長野県も含めまして、この十九号、十五号の被災地を私も回り、本当に多くの方々から切実なる意見を賜ってまいりました。
この災害被害というものを踏まえて、堤防強化、河道掘削などの水害対策を中心に、令和元年度補正予算では一兆円を超える国土強靱化関係予算を確保しておりまして、少しでもそうした方々が安心感を持っていただけるように我々も努力を重ねてまいりたいと、このように考えております。
○武田良介君 長野市が復興計画策定のための意向調査というものを行っておりまして、その速報というのが出ておりましたので私も見てまいりました。それ見ると、住民の皆さんの思いというのが見えてくるなというふうに思うんです。
例えば、被災した住宅の再建に向けて重視することという問いに対して、治水対策など防災面での安心感と回答された方が七九・二%。例えば、生活再建、括弧して、被災前の落ち着いた生活のために重視すること、これも、治水対策などの防災面での安心感、これが八〇・八%。防災・減災の強化、災害に強い町づくりに向け必要だと思うこと、これもやはり、河川整備や地すべり防止などの治水治山対策、これが八九・九%。住まいの再建に向けて課題と思うこと、これは、堤防強化など治水対策の進み具合、これが八二・三%。
いずれも、やはりこの治水対策などを中心に、町づくり、住まいの再建に向けてはそこが最大の課題だと。ほかの項目に比べても、群を抜いて、みんなこれ一番になっております。たとえ越水してでも、すぐに決壊しない堤防にしてほしいということは被災住民の皆さんの多くの願いだというふうに思っております。
国土交通省は、今回決壊した国管理河川、それぞれの河川の堤防調査委員会というのを開いて、それぞれ三回ずつほどですよね、やってきております。それをまとめるような形で、今技術検討会というのを開いているというふうに承知をしております。
今日、資料の一にも付けましたけれども、二月十四日に開催された第一回の技術検討会、当日、資料三の二というのが配られておりまして、論点と検討の方向性というものですけれども、これは例えば、既存の土堤への強化や用地の状況を前提とし、まず危機管理型ハード対策の改良版として被覆型を中心とした河川堤防の強化工法について検討するというふうにされております。
確認をしたいと思うんですが、危機管理型ハード対策の改良版として被覆型を中心とした河川堤防の強化工法、これは具体的にはどういったことなのか、御説明いただけますか。
○政府参考人(五道仁実君) お答えを申し上げます。
委員御指摘のとおり、令和元年東日本台風では、堤防が決壊したと、多数の堤防が決壊したと。その八割が越水によることが原因であったということを踏まえますと、越水に対して少しでも決壊までの時間を引き延ばすような堤防の強化を行っていくということは非常に重要だというふうに思っております。
この被覆型という言い方でございますけれども、平成二十年に土木学会が取りまとめた報告書において、堤防の越水対策工法として、土でできた堤防の表面を覆っていくものを被覆型、また堤防の内部にコンクリートの壁や、それから鋼材等を活用する自立型というようなものに分類をされておりまして、今回の検討会におきましてもその分類を基に整理をさせていただいているところでございます。
この中の被覆型ということでございますけれども、今行っています危機管理ハードというのは、堤防の天端、上面をアスファルトで舗装し、堤内地側といいますか、住宅地側ののり尻のところに洗掘をされないようなものを施すということでございますけれども、それに加えまして、例えば、堤防の川側、また住宅側ののり面のところをコンクリートであるとか、コンクリートブロックであるとか、シートであるとか、アスファルトであるとかというようなことで、堤防の浸食を抑えるような強化を行っていくというようなことでございます。
そういうようなことに対しまして今回検討会におきまして御意見をいただいているところでございまして、様々な材料とか工法とか活用しながら、堤防の強化を考えてまいりたいというふうに考えております。
○武田良介君 資料の二枚目にも付けたんですが、同じ第一回技術検討会のときに配付されている資料でして、様々な種類の河川堤防、括弧試験施工というふうに書いてあるんですけれども、アーマーレビー、フロンティア堤防と、こういうものも出てまいります。
今御説明いただいたものは、このアーマーレビー、フロンティア堤防、これも排除されないというか、これも含まれるということでよろしいんでしょうか。
○政府参考人(五道仁実君) このような形のものも堤防の強化、被覆型ということでございますので、検討の対象ということだと思います。
○武田良介君 このフロンティア堤防、アーマーレビーという工法というのは、これ国会でもこれまでも何度か取り上げられているかというふうに思いますけれども、二〇〇〇年の六月、当時の河川局治水課が策定した河川堤防設計指針第三稿というところでは、越水に対する難破堤堤防の設計ということで、こういったものも、アーマーレビーだとかフロンティア堤防に当たるものも示しておったわけだけれども、その二年後、二〇〇二年の七月十二日付けの河川堤防の設計における河川堤防設計指針には、この記述がなくなってしまったということが指摘をされてまいりました。
鬼怒川の決壊を始めとして各地で次々と起こってくる災害に対して、被災住民の皆さん、市民の皆さんが、今説明されたような堤防を是非造ってほしいという声はずっとあったけれども、危機管理型ハードの対策になったりだとか、裏のりも含めて覆うということはなかなかされないできたということでありましたが、今説明があったような堤防の強化策、それがいわゆるアーマーレビー、フロンティア堤防ということであれば、それは歓迎をしたいというふうに思っております。
もう少しお聞きしておきたいと思うんですが、これを、じゃ、どこでどのように造ることになるのかということなんです。堤防そのものはやはり長大なものですし、今回、決壊したところもあれば越水したところもあれば、それぞれ危険箇所もあろうかというふうに思います。
先ほどの一枚目の資料のところでも、ずっと四角を幾つか見ていきますと、一つ目の四角のところは、越水を想定した河川堤防の強化対策についてということが最初に言われた上で、二つ目の四角のところでは、その際、危機管理対策としての位置付けを明確にするだとか、三つ目の四角では、実験等だけでなく、少しずつでも現場の施工実績を積みながら、実践的に課題の整理、解決への取組を実施していく云々ということもこれ書かれております。
どこでどのようにこれをやっていくことになっていくのか、見通しについて御説明いただけますでしょうか。
○政府参考人(五道仁実君) お答え申し上げます。
東日本台風におきまして堤防が決壊した場所の特徴というのを調べさせていただいております。箇所数には重複がございますけれども、場所的な特徴としては、橋梁の上流部、また河川の合流点、また河道の湾曲部、堰の上流、狭窄部の上流というふうなところが決壊の場所的な特徴ということになっているわけでございます。
このような場所的な特徴、堤防の決壊場所の特徴も踏まえつつ、また、その堤防のまた基礎地盤の地質、土質、そういうことも加味して分析を進めながら、この検討会においてどういう場所でどうやっていくのかというふうなことについての箇所の整理を行ってまいりたいというふうに考えております。
○武田良介君 県や市町村が自ら管理している河川でもこういった、アーマーレビー工法というふうに今言っておきますけれども、こういう工法を取ることもできるんでしょうか。
○政府参考人(五道仁実君) 先ほどから御説明させていただいた被覆型ということでございますので、どのような形、アーマーレビーというのが固有名詞なのかどうなのかというのもございますけれども、堤防を被覆するというような工法について、例えば県と国の合流する合流地点、そういうところが重要だということであるならば、そういうことをしていくということも視野に進めていかなければいけないというふうに思っております。
○武田良介君 栃木県に伺いましたら、二〇二〇年度の当初予算に新規の堤防強化緊急対策プロジェクト事業費というのを三十億円計上したというふうにお聞きをいたしました。
台風十九号で河川が氾濫をして、堤防が十三か所決壊したと。その堤防強化の事業費で、川表だけではなくて、先ほどあった川裏も含めてコンクリート若しくはコンクリートブロックで覆っていくことを検討しているということを私も聞かせていただきました。強化箇所は、今おっしゃったような、橋梁の上流部ですとか合流部ですとか、そういう弱点になるところを予測して取り組んでいくということをおっしゃっておりました。
非常に粘り強い堤防は切実な願いなんだと、自治体にしても被災された方にしても、不安に思っておられる市民の方にとっても非常に切実な願いなんだということを強調させていただきたいというふうに思います。
次に、先ほども小野田委員からもお話ありましたけれども、総務省が今審議をしております緊急浚渫推進事業についてお聞きしたいと思いますけれども、総務省にこの制度の概要を簡潔にお願いしたいのと、背景について御説明いただけますでしょうか。
○政府参考人(谷史郎君) お答えを申し上げます。
昨今の台風被害等では、河川において堆積土砂の撤去や樹木の伐採ができていないために河川が越水するような状況が多々見られておりまして、維持管理のための河川などにおける堆積土砂の撤去や樹木の伐採が喫緊の課題となっております。
また、本年度、国土交通省等と連携をいたしまして、地方団体が緊急に実施する必要がある河川等のしゅんせつ事業につきまして調査を実施しましたところ、必要な事業費が四千九百億円と見込まれることが明らかになったところでございます。
このため、地方団体が単独事業として緊急かつ集中的に河川等のしゅんせつを実施できるように、地方財政計画に新たに緊急浚渫推進事業費を九百億円計上するとともに、その地方負担額に特例的に地方債を充当できるよう、地方財政法の改正案を今国会に提出をしております。
具体的には、事業期間を令和二年度から令和六年度までの五年間といたしまして、事業費は四千九百億円を予定しており、地方債の元利償還金の七〇%に交付税措置を講ずることといたしております。
○武田良介君 五年で四千九百億円、それぞれの県から上がってきたものを積み上げてということだったというふうに思います。
今総務省からもありましたけれども、河川において、堆積土砂の撤去だとか樹木の伐採が十分できていないために河川が越水するような状況が多々見られておりということでありましたけれども、大臣にお伺いをしたいと思うんですが、高市大臣自身もこういった御答弁を、私も参議院本会議でも直接お聞きしましたし、総務委員会でもされているというふうに承知をしておりますけれども、大臣は同じ認識でよろしいでしょうか。
○国務大臣(武田良太君) 水害から命を守るためには、やはり河川の流下能力、これのしっかりした維持が大事だと思うんですね。
流下能力を維持するためには、やはり堆積した土砂だとか樹木の繁茂というものを解決していかなくてはならない。そのためには、これはかけがえのない、いい事業だと私も思っておりますし、関係省庁と連携してしっかりと我々も取り組んでまいりたいと、このように思っています。
○武田良介君 いい事業だということで御答弁をいただきましたが、国交省にもお伺いしたいと思いますけれども、同じ認識でよろしいでしょうか。
○大臣政務官(佐々木紀君) 近年の豪雨災害は、全国各地で既往最高を更新する雨量がありましたことから、甚大な被害が頻発化しているということでもございます。したがいまして、河川の水位を低下させるという対策が極めて重要になってまいります。河道掘削や樹木の伐採は比較的早期に対策が可能であり、水位を下げる有効な手法の一つと認識しております。国交省としましても、防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策として、この河道掘削や樹木伐採に重点的に取り組んできたところでもございます。
今ほどの総務省の緊急浚渫推進事業の創設はそういった意味では大変大きな意義があるというふうに考えておりますので、国土交通省としましても、三か年の緊急対策を確実に進めるとともに、総務省とも連携を図りまして、緊急浚渫推進事業の制度の活用によって、河道掘削や樹木伐採等の河川の維持管理を適切に進めてまいりたいと考えております。
○武田良介君 私の質問の意図が正確に伝わらなかったのであれば申し訳ないんですが、堆積土砂がたまっていた、あるいは樹木が繁茂していた、そのことによって越水、越流するということに対して、そういうことがあったということについて同じ認識かということを私、聞かせていただいたつもりですけれども、直接そのことにはちょっとお答えいただけなかったかというふうに思っております。そのことはちょっと非常に残念かなというふうに思っております。
そういう状況があるというのは、先ほどの小野田委員の話や、冒頭からそうでしたけれども、やはり小野田委員もそういう思いでいらっしゃったというふうに思いますし、被災された住民の皆さん、私も被災地でお話聞きますけれども、皆さんやっぱり、そういう状況があったということを、私たちは毎日川を見ながらそう思っているという話を皆さん口をそろえておっしゃるわけなんですね。
そうであれば、それは不十分なところがあったと、土砂も堆積していたし繁茂していたところもあったと、不十分なところはあったはあったんだと、反省すべきは反省するということを言っていただいて、その上でこれから緊急浚渫の推進事業やっていきますということであれば、これは被災住民の皆さんの思いにもしっかりとかみ合って取り組めるんじゃないだろうかと、私はやっぱりそういうふうに思うんです。
そういう御答弁を是非いただきたかったというふうに思いますけれども、総務省にもう一つお伺いしたいと思うんですが、今回のこの事業に対して自治体からの要望があったというふうに聞いておりますけれども、どんな要望があったのか、御説明いただけますでしょうか。
○政府参考人(谷史郎君) お答えいたします。
近年の相次ぐ大規模な自然災害を踏まえまして、地方団体からは、河川等のしゅんせつに対する財政措置の拡充に関して強い要望をいただいております。
例えば、地方六団体からは、台風十九号による記録的な大雨により各地で堤防の決壊が引き起こされたことから、堤防強化対策や河川のしゅんせつ等への財政支援の拡充を図ることとの要望をいただいております。また、平成三十年七月豪雨の被災団体である岡山県からも、河川の流下能力を確保するために重要なしゅんせつや樹木伐採等を継続的に実施できるよう起債対象とするなど格段の財政措置を行うこととの要望をいただいております。
○武田良介君 具体的な自治体の名前も挙げていただいて具体的に紹介をいただきました。やっぱりそれだけ切実だということだと思うんです。
ですから、今回の事業、総務省が今進めようとしている、議論しているこの事業についても私も大事だというふうに思いますし、それを進める上でも、現状の認識、反省すべきは反省するということぐらい、私はまず必要なんじゃないだろうかというふうに重ねて思います。
最後に大臣に、こういう総務省や国交省を含めた議論がありますけれども、防災の観点から、河川の維持管理の重要性についてどのようにお考えなのか、私の時計だとあと二十秒あるんですけど、最後に大臣の見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(武田良太君) 多くの生活、そして命を奪っていく水害対策というのは、これは、我々防災だけではなくてオールジャパンで取り組んでいかなくてはならないと思います。様々な教訓を生かしながら、積極的に今後とも臨んでいきたいと、このように思っています。
○武田良介君 終わります。
反論書提出 石木ダム収用明渡裁決取消を求める審査請求
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反論書 提出
2019年7月3日付で113名の地権者(コウバル居住者と共有地家者)が提起した「石木ダム収用明渡裁決取消を求める審査請求」に対する、処分庁・長崎県収用委員会からの弁明書が、2020年1月7日付で審査請求者に届いています。
この審査請求については、収用明渡裁決の取消を求める審査請求書と収用明渡裁決の執行停止を求める審査請求書 の修正版 を参照願います。
その答弁書への反論の準備を「石木ダム建設絶対反対同盟を支援する会」が進めてきました。反論書作成段階で佐世保市が再評価にとりかかったので、その結果を踏まえて反論書を作成しました。
そして4月5日、106名の連名で2022年3月31日付で提出しました。
提出する反論書は本文と、佐世保市による再評価問題を記した別紙からなります。
反論書には引用した資料を証拠として添付しました。
これらの提出した書類と、ここまでの経緯で重要な書類を下に記します。
反論書提出に至るまでの重要書類
反論書と付属資料
反論書と別紙
付属資料
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- 反論用資料1-1 091013石木ダムの事業認定について 市長発言
- 反論用資料1-2 091013石木ダムの事業認定について 知事発言
- 反論用資料2 県資料2-1:事業認定手続きと交渉パターン
- 反論用資料3 県資料2-2:ケース1の場合
- 反論用資料4 石木ダム事業認定申請書 保留申し立て書
- 反論用資料5 事業認定告示と理由
- 反論用資料6 事業認定マスコミ報道
- 反論用資料7 主な反対意見の要旨と当該意見に対する事業認定庁の見解とを併記した意見対照表
- 反論用資料8 社会資本整備審議会第25回公共用地分科会議事録20130607
- 反論用資料9 佐世保市上下水道事業経営検討委員会(令和元年度石木ダム再評価)委員会資料/佐世保市水道局
- 反論用資料10 佐世保市上下水道事業経営検討委員会(令和元年度石木ダム再評価)委員会資料2/佐世保市水道局
- 反論用資料11 佐世保市上下水道事業経営検討委員会(令和元年度石木ダム再評価)答申書/佐世保市水道局
- 反論用資料12 長崎新聞記事「阻止されたらブルドーザー突っ込んで」 20200403UP
- 反論用資料13 長崎新聞投書と記者の目 20200403UP
2020年度の各ダムの予算とダム参画水道事業者に対する補助金額
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2020年度の各ダムの当初予算が決まり、国土交通省のHPに掲載されましたので、
直轄ダム・水資源機構ダムを直轄ダム水資源機構ダムの2019~2020年度予算
補助ダムの2019~2020年度予算を補助ダムの2019~2020年度予算
にまとめました。
直轄ダム・水資源機構ダムの総額は、2019年度1915億円、2020年度1573億円です。八ツ場ダムが完成し、小石原川ダム(福岡県)がほぼ完成したので、2020年度は少し減っています。
また、補助ダムの総額は、2019年度497億円、2020年度450億円です。長崎県の石木ダムの2020年度予算は8.1億円です。
出典は国土交通省のHPで
直轄ダム・水資源機構ダムの2020年度予算はhttp://www.mlit.go.jp/river/basic_info/yosan/gaiyou/yosan/r02/draft_r02.pdf
にまとまっていますが、
補助ダムの2020年度予算は、令和2年度 水管理・国土保全局 事業実施箇所http://www.mlit.go.jp/river/basic_info/yosan/gaiyou/yosan/r02enforcement.html
の各都道府県の表から取り出すことが必要です。
2020年度は全国でダム建設に2000億円を超える公費が投じられるわけですが、この公費をダムではなく、本当に有効な治水対策に使うことができればと思います。
厚生労働省もダム参画水道事業者等に対する補助金額をHPに掲載しました。
令和2年度 水道施設整備費内示一覧 https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000616905.pdf
です。
その4ページに
「令和2年度水道水源開発等施設整備費(水道機能維持施設整備費を除く)の内示について」があり、補助金額が示されています。
ダム関連の国庫補助額 (内示額)は次の通りです。
石木ダムの2020年度予算は国土交通省の資料http://www.mlit.go.jp/river/basic_info/yosan/gaiyou/yosan/r02/enforcement/42_Nagasaki_r02.pdf
では共同費805百万円、公共費523百万円となっています。共同費が全体で、公共費が治水分ですので、水道分はその差の282百万円です。
厚労省の石木ダムへの補助金額は141百万円ですから、補助率は1/2になります。
石木ダム関係では水道施設整備費の一部に対する補助金もあり、佐世保市に対して遠距離導水等施設整備費の補助金5千万円が計上されています。
厚生労働省「水道施設整備費国庫補助金交付要綱一覧について」https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/suido/yosan/01c.html に掲載されている
、
「水道水源開発等施設整備費国庫補助金交付要綱」https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/suido/yosan/dl/01c-08.pdf
の14ページを見ると、遠距離導水等施設整備費の補助率は佐世保市のケースでは1/2です。水道水源開発施設整備費の補助率は1/3です。