水源連:Japan River Keeper Alliance

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<参院選>八ツ場ダム 残った不信感 住民「政治には期待できぬ」

2019年7月6日
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八ッ場ダム予定地の地元住民の声を紹介した記事を掲載します。。
この記事の終わりの文章「故郷を水没させてまで、本当に必要なものなのか。納得できる説明はなく、不信感だけが残った」は本当にそのとおりであると思います。

<参院選>八ツ場ダム 残った不信感 住民「政治には期待できぬ」
(東京新聞夕刊2019年7月6日) https://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201907/CK2019070602000292.html

二〇〇九年の衆院選で当時の民主党が「建設中止」を公約に掲げて注目された群馬県の八ッ場(やんば)ダム。同年九月の中止表明と二年後の中止撤回という混乱を経て、今年六月にダム本体がほぼ完成した。参院選群馬選挙区でも、完成間近のダムは争点ではなくなった。翻弄(ほんろう)された水没地の住民は「もう政治には期待できない」と、選挙戦に冷めた目を向ける。
同県長野原町で、ダム代替地の高台に立つ真新しい家。「こんなものいらなかった。大切な故郷がダム湖に沈む悲しさには代えられない」と、町の元消防署員高山彰さん(65)は語る。二階の窓からは、高さ約百十六メートル、幅約二百九十メートルの巨大なダムの姿を一望できる。
ダム計画が持ち上がった翌年の一九五三年に生まれ、住民が賛成と反対に分かれて争うのを見てきた。建設は仕方ないと諦めていたが、民主党の中止表明で「やはり造らなくていいんだと、目からうろこが落ちた」。ダム建設再開を要望する住民の中でも反対の立場を隠さず、家族からは「いつまでこだわってるんだ」「余計なことを言わないで」と止められた。
一一年の中止撤回後も、水没予定地で最後まで移転を拒否。強制収用を可能にする、土地収用法に基づく国土交通省の事業申請を受け、一六年に移転契約に応じた。
「家族の中でも移転するかしないかで意見が分かれ、ばらばらになってしまった。一人ならいつまでもいたかった」と振り返る高山さんは、介助が必要な兄と町外で暮らし、新居には引っ越していない。県によると、移転対象の四百七十世帯のうち、代替地に移ったのは一八年末で九十六世帯。多くは町を離れたとみられる。
ダムは今年六月に本体のコンクリート打設が完了し、来年三月に完成予定。故郷を水没させてまで、本当に必要なものなのか。納得できる説明はなく、不信感だけが残った。「政治家は今からでも、一番犠牲になった住民に目を向けてほしい」。高山さんは、訴える。

霞ヶ浦導水事業:魚類迷入試験(那珂川から桜川への試験通水)を開始

2019年7月2日
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霞ヶ浦導水事業に関する情報をお知らせします。
霞ヶ浦導水事業の工事中止を求める裁判は昨年4月末に東京高裁で那珂川漁協と国土交通省との間で和解が成立し、漁業への影響がないようにする条件が和解条項に盛り込まれました。
国土交通省は今日(7月2日)、那珂川からの取水試験を行って、魚類への影響を調査することを下記の通り、発表しました。試験の内容は魚類迷入試験(那珂川から桜川への試験通水)を開始の通りです。
那珂川から霞ヶ浦への計画導水量は15㎥/秒ですが、その導水路は一部しかできていないので、完成済みの桜川への導水路を使って3㎥/秒の規模で取水試験を行うというものです。
3年間の試験ですが、その結果によって導水路の工事が再開されますので、試験の経過を厳しく監視することが必要です。

国土交通省・霞ヶ浦導水工事務所の発表 http://www.ktr.mlit.go.jp/kisha/dousui_00000034.html
魚類迷入試験(那珂川から桜川への試験通水)を開始します。

霞ヶ浦導水事業において、那珂川の魚類迷入試験施設が完成したことから、令和元年7月8日に魚類迷入試験(那珂川から桜川への試験通水)を開始します。
霞ヶ浦導水工事事務所
1.試験の目的
霞ヶ浦導水事業において、那珂川からの導水の本格運用の方法を決定するに当たり、魚類の迷入(吸い込み)を防止する魚類迷入防止対策(案)について、魚類迷入防止効果を科学的に評価・検証することを目的として実施するものです。
2.試験の実施時期
令和元年7月8日(月)~(3年間程度を予定)
3.試験の実施場所
茨城県水戸市渡里町字枝内地先
4.試験の概要
添付のとおり
5.その他
・那珂樋管設置魚類迷入(吸い込み)防止対策効果試験検討委員会の経緯等
http://www.ktr.mlit.go.jp/dousui/dousui_index003.html

別紙・参考資料 http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000750538.pdf

日軽金に生態系調査要求、由比港漁協が文書 静岡、山梨知事にも

2019年6月28日
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日本軽金属蒲原製造所(静岡市清水区)の放水路から海に強い濁水が流れ出ている問題で、由比港漁協(同区)が日本軽金属に対して駿河湾の生態系への影響を調査するよう要求しました。
その記事を掲載します。
由比港漁協は駿河湾の漁協で、サクラエビが水揚金額の約9割を占めています。
先日、日本軽金属から多額の補償金を受け取っていることが報じられたのは富士川漁協(山梨県身延町)です。


日軽金に生態系調査要求、由比港漁協が文書 静岡、山梨知事にも

(静岡新聞2019/6/28 07:20)https://www.at-s.com/news/article/social/shizuoka/651080.html

(写真)日本軽金属蒲原製造所の放水路から駿河湾に流れ出る濁水=20日、静岡市清水区蒲原(静岡新聞社ヘリ「ジェリコ1号」から)
(写真)濁りについて日本軽金属や山梨県などに要望書を提出したことを会見で発表する由比港漁協の宮原淳一組合長(左)=27日午後、静岡市清水区の同漁協
日本軽金属蒲原製造所(静岡市清水区)の放水路から海に強い濁水が流れ出ている問題で、由比港漁協(同区)の宮原淳一組合長と原剛専務らは27日、同製造所を訪れ、幹部らに対し、深刻な不漁にあえぐサクラエビなどが生息する駿河湾の生態系への影響を調査するよう要求した。同日記者会見した宮原組合長は不漁と濁りの関係性への懸念を念頭に、「きれいな海を返してほしい」と悲痛な面持ちで訴えた。
宮原組合長らは同社の執行役員らに対して「要望書」と題した文書を提出。要望書では、放水路から流れ出る水の取水元になっている早川水系(山梨県早川町)の雨畑ダムの水が極めて強く濁っていることを指摘。「駿河湾の漁業環境に大きな影響を与えている」と訴えた。
同社が出資する採石業者のニッケイ工業(東京都)が、早川水系の雨畑川に産業廃棄物の汚泥(ヘドロ)を長年、計画的に不法投棄していたとみられることにも言及。サクラエビなど海洋生物への影響を調べるよう強く主張した。
漁協によると、要望書を受け取った幹部らはニッケイ工業のヘドロ投棄について謝罪した。一方、生態系への影響調査実施には「文書で回答する」と述べるにとどめたという。宮原組合長は「日軽金に対し、雨畑ダム周辺の状況について現地案内してもらうよう要求した。全てメディアにも公開する」と強調した。
漁協は27日までにニッケイ工業と山梨県の長崎幸太郎知事、静岡県の川勝平太知事宛てにも文書を提出したことを明らかにした。同社に対しては法令順守、両知事には両県合同の早川水系での濁り実態調査の徹底、業者への適正な指導・監督などを要請した。
山梨県大気水質保全課の渡辺延春課長は「要望の趣旨は承った。合同水質調査を踏まえ適切に対応する」と述べ、静岡県水産業局の中平英典局長は「しっかりと山梨県と連携し対応していく」とコメントした。

■日本軽金属に提出した「要望書」骨子
・以前より蒲原製造所放水路から駿河湾に流れ出る水の濁りが強く、サクラエビなどの漁獲への影響について苦情が寄せられていた。導水管取水口のある早川水系で濁りを確認した。
・早川水系で不法投棄されたとみられる汚泥や、雨畑ダムの極めて強い濁水が放水路から海に注がれ、駿河湾の漁業環境に大きな影響を与えている可能性があると危惧。
・ニッケイ工業への指導や、雨畑ダムの堆積土砂の処理について早急に検討してほしい。
・導水管から流れ出る汚泥が駿河湾の生態系に影響があるかどうかの調査実施を強く求める。

「サクラエビ異変」駿河湾に流れ込む濁り 支流の早川、雨後5日も強い濁り 富士川上空ルポ

2019年6月27日
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駿河湾のサクラエビ異変の問題に熱心に取り組んでいる静岡新聞社が濁りの原因を追って、富士川の支流・早川と富士川、富士川河口部と駿河湾、駿河湾への日本軽金属・蒲原製造所の放水路における濁りの状況を空撮した結果をユーチューブと写真で公開しています。
その情報をお知らせします。
堆砂でほぼ満杯になっている日本軽金属の雨畑ダムは富士川の支流・早川の支流・雨畑川にあります。
ユーチューブは下記のURLでご覧ください。
日本軽金属の雨畑ダムが濁りの原因になっていることは明らかであると思います。

「サクラエビ異変」 駿河湾に流れ込む濁り
(静岡新聞ニュース(アットエス) 2019/06/24 に公開)
ユーチューブhttps://www.youtube.com/watch?v=uk95K1Ob3H0&feature=youtu.be

雨から5日たった2019年6月20日撮影。
富士川にそそぐ早川の濁りは強いが、他の富士川の支流は澄んでいた。
濁りが富士川河口と放水路から駿河湾に広がる様子を静岡新聞社ヘリ「ジェリコ1号」から撮影した。
(「サクラエビ異変」取材班) 2019年6月25日付静岡新聞朝刊掲載記事の関連動画

支流の早川、雨後5日も強い濁り 富士川上空ルポ
(静岡新聞SBS 2019/6/25 07:46) https://www.at-s.com/sp/news/article/social/shizuoka/649821.html

(写真)早川(左)と富士川本流(右)の合流点。早川から灰色の濁りが出ていることが分かる=6月20日、山梨県身延町(静岡新聞社ヘリ「ジェリコ1号」から)
(写真) 福士川(左)と富士川本流の合流点。早川以外の支流は基本的に澄んでいる=6月20日、山梨県南部町(静岡新聞社ヘリ「ジェリコ1号」から)
(写真)富士川から駿河湾に流れ出る濁り=6月20日、富士市(静岡新聞社ヘリ「ジェリコ1号」から)
(写真) 早川水系から導水管で引いた水を海に出す日本軽金属蒲原製造所放水路。富士川河口に比べ濁りが強い=6月20日、静岡市清水区(静岡新聞社ヘリ「ジェリコ1号」から)

釣り人から「アユには死の川」と呼ばれる理由となっている富士川中流域の強い濁り。発生元とみられるのが支流の早川水系(山梨県早川町)だ。6月中旬のまとまった降雨から5日たった20日、合流地点から富士川本流を下った。
>富士川中流域~駿河湾の略図、空撮位置
比較的透明度の高い本流の水と早川からの灰色の水によるはっきりとしたコントラスト。同県身延町の富山橋(長さ447メートル)付近の合流地点。一部工事中だった導水管が4月に再稼働し富士川への水量は減ったが、早川からは強い濁りが出ている。静岡新聞社が確認した昨年12月以降、変わらない。
中流域の他の支流は降雨から数日以上経過すれば基本的に澄んでいる。富山橋から約20キロ下流、同県南部町の福士川と富士川の合流地点。福士川の清流と富士川本流の濁流の間にも対比が見て取れる。
濁りは富士川河口からそのまま駿河湾へ。水力発電のため、雨畑川起点の導水管により濁った水を海に流す日本軽金属蒲原製造所(静岡市清水区蒲原)の放水路沖はさらに濁りが強い。
濁りは専門家がサクラエビの産卵場と指摘する沖合500メートル付近(水深約100メートル)まで拡散している。
参考資料 富士川のアユ減少に関する報告書(PDFファイル)

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