集会などのお知らせ・報告
岩木川漁協が国提訴の方針(津軽ダム問題)(東奥日報 2013年3月18日)
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津軽ダムをめぐる漁業権の収用裁決に対して岩木川漁協が徹底抗戦する方針をきめました。
岩木川漁協が国提訴の方針(東奥日報 2013年3月18日) http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2013/20130318083616.asp?fsn=eb33f76037153e93cde084f7e7644d6f
西目屋村の津軽ダム建設工事をめぐる国土交通省との漁業補償問題について、岩木川漁協(小野堅治組合長)は17日、弘前市総合学習センターで臨時総会を開き、国を相手取った訴訟を起こす方針を決めた。
現在行っている不服申し立ての手続きが不調に終わった場合、提訴するという。
昨年11月、県収用委員会が漁協側の主張を退ける形の裁決を下したのに対し、組合側は12月、この裁決を受け入れない方針を決定。同委員会が、ダム下流域の影響に関する判断を避けたことなどを不服として、国土交通大臣に審査請求の手続きを取っていた。
小野組合長によると、同委員会は審査請求の回答書の中で、裁決内容に問題はない-との認識を示した。組合側は近く、反論の意見書を国へ出す予定だが、進展は難しい見込みだという。
こうした動きと並行し、組合側は漁業補償問題に詳しい弁護士と相談するなど、訴訟について検討してきた。
同日の総会には組合員39人が出席。訴訟に関する議案は賛成197.反対37(書面議決含む)で可決した。
総会後の取材に、小野組合長は「具体的にはこれから弁護士と相談するが、ダム工事が環境に影響がない-という裁決になっていることは理解できない。この点については争うことになると思う」と述べた。
国側の提示額に近い約2027万円とした補償額を争うかについては言及しなかった。
ため池耐震化:24県「国補助増を」 市町村負担憂慮も?? (毎日新聞 2013年03月09日 大阪朝刊
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藤沼ダムのような決壊を起こさないように全国のため池の耐震化が急がれます。新しいダムを造っている場合ではありません。
ため池耐震化:24県「国補助増を」 市町村負担憂慮も??毎日新聞アンケート(毎日新聞 2013年03月09日 大阪朝刊) http://mainichi.jp/area/news/20130309ddn041010009000c.html
(写真)満濃池。南海地震による堤の決壊が危ぶまれる多くのため池について、新年度から耐震性調査が本格化する。写真は満濃池=まんのう町で
大地震で堤防決壊が危惧される農業用のため池とダムについて、都道府県の約半数が耐震化事業を進める国の補助率を引き上げるよう求めていることが8日、毎日新聞のアンケートで分かった。
国は都道府県だけではなく市町村にも負担を求めているが、財政力の弱い市町村が多いため、事業が進まない事態が懸念されている。【久保聡】
東日本大震災では、強い揺れや長周期地震動などで13県計1992カ所のため池やダムの堤防が決壊するなどした。福島県須賀川市では藤沼ダムが決壊し、住宅地に大量の水が押し寄せて7人が死亡、1人が行方不明となった。
アンケートは2月に行い、現行の補助制度などについて全都道府県の担当者に聞いた。国は、耐震化工事費の約半額を都道府県と地元市町村に求めるガイドライン(12年)を設けているが、24県の担当者からは、補助率の引き上げを求める声が相次いだ。
理由は「(工事による)効果を実感しにくいため、市町村の優先度は低くなりがち」(神奈川県)、「財政状況によっては早急な対策を講じることは難しい」(山梨県)などで、市町村の厳しい財政状況に言及する声が9件あった。
独自に市町村の負担軽減に乗り出す県もある。約2500カ所のため池がある岐阜県は、従来の老朽化対策工事と合わせ、13年度からは耐震化工事の県負担を最大15%引き上げる。
それでもため池が多い市町村は負担が大きく、「今後の事業進捗(しんちょく)に危惧を持っている」としている。宮崎県も県の負担を増やすよう検討している。
農林水産省は「ため池の耐震診断は、国の補助率を半額から全額に拡充している。耐震工事でも、地方から要望があれば検討したい」としている。
ため池の耐震工法などに詳しく、藤沼ダム復旧委員も務める独立行政法人・農村工学研究所(茨城県)の毛利栄征(よしゆき)・施設工学研究領域長は「大規模なため池は公共財としての性格が強く、国が耐震工事費を負担すべきだろう。ただ費用が膨大になる。
少しの手当てで耐震性が増すため池も多く、財源と安全性とのバランスをいかに図るかが問われる」と話している。
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■ことば
◇農業用ため池
来島ダム湖のヘドロ原因」 神戸川の石変色で報告 島根(2013年3月9日)
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島根県の神戸川分水問題で、来島ダムが、ダム下流の水や川底の石が黒くなる現象を引き起こしていることが明らかになりました。
黒い石「ダム湖の硫化鉄原因」(読売新聞島根版 2013年3月9日) http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/shimane/news/20130308-OYT8T01353.htm
◇神戸川分水 北大名誉教授指摘
神戸川上流の中国電力来島ダム(飯南町)から江の川の潮発電所(美郷町)への分水を巡り、北海道大学の松永勝彦名誉教授(70)(環境化学)が8日、出雲市で記者会見し、
ダム下流で水や川底の石が黒くなる現象について、ダム湖で生じた硫化鉄が原因と指摘し、ダムとの因果関係は不明とした県の専門委員会の報告に反対した。
松永氏は、分水に反対する「神戸川再生推進会議」の依頼を受け、昨年12月に採取された川底の石などを分析。湖の富栄養化で植物プランクトンが水中の酸素を消費したため、水に溶けていた酸化鉄が還元されて硫黄と結合し、黒い硫化鉄の微粒子になったと説明した。
硫化鉄はヘドロの黒い部分と同じ物質。
さらに、ダムからの流量が少なくなったため海に供給される鉄分なども結果的に減り、大社湾から島根半島西側で海藻が枯れる「磯焼け現象」が拡大しているとし、松永氏は「来島ダムが神戸川の水質悪化や磯焼けの原因ではないか。水量増などの対策が必要」と強調した。
記者会見には、神西湖の漁業権を持つ神西湖漁協の関係者も出席。中国電の水利権の更新手続きで、県が同漁協を「関係河川使用者」としていないことは河川法違反などと主張した。(高田史朗)
来島ダム湖のヘドロ原因」 神戸川の石変色で報告 島根(産経新聞島根版 2013.3.9) http://sankei.jp.msn.com/region/news/130309/smn13030902040000-n1.htm
島根県飯南町から出雲市を流れる82・4キロの神戸川で環境調査している北海道大の松永勝彦名誉教授(環境化学)が8日、「下流の川石が黒くなったのは、上流の来島ダム湖にたまったヘドロのためと考えざるを得ない」とする調査結果を発表した。
松永名誉教授は、来島ダムの分水に反対している住民団体「神戸川再生推進会議」の要請を受け、今年2月まで調査。
同市佐田町で採取した石の黒く変色した部分で重金属を測定したところ、96%が鉄、4%がマンガンだったとし、「起源はダム湖の低層で形成された鉄とイオウが結合した化合物。それ以外、石が黒色になる要因は理論的にあり得ない」と結論づけた。
石の変色については県が設けた専門委員会も調査したが、「原因解明に至らなかった」と2月に発表している。
松永名誉教授は、神戸川が注ぐ大社湾でも岩場などに藻が生えない磯焼け現象が広がっているとし、「出雲でも森と川と海のつながりについてよく考えるべきだ」と述べた。
マレーシアのダム建設、抗議活動が激化(ナショナルジオグラフィック 2013年3月5日)
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巨大ダム「バクン・ダム」が完成した際には、1万人の地元住民が住む場所を追われるというのですから、恐ろしい開発計画が進行中です。
マレーシアのダム建設、抗議活動が激化(ナショナルジオグラフィック 2013年3月5日)http://topics.jp.msn.com/life/environment/article.aspx?articleid=1709109
マレーシア、ボルネオ島北西部のサラワク州、バラム川流域は、電力の供給網から取り残されている。東南アジア独特の“ロングハウス”が並ぶ村々では、夜になるとディーゼル発電機の轟音が鳴り響く。インターネットはおろか、携帯電話も使えないという。
しかし建設中の巨大ダムが完成すると、熱帯雨林が広がるサラワク州の電力需要を補って余りある電力生産が可能になる。水力発電プロジェクトの供給能力は1000メガワット。アメリカの75万世帯分をカバーできるほどの発電量になるという。
ところが、現地に住む多くの住民は、電力の必要性を感じていないという実態がある。サラワク州のペナン族、クニャー族、カヤン族といった先住民たちは、伝統的なロングボートで下流の町ロン・ラマ(Long Lama)まで出向き、
ダム建設に対する抗議活動を行った。
マレーシア最大のサラワク州は、アルミニウム製錬や製鉄など、エネルギーを大量消費する重工業が盛んだ。安価な電力供給を目的とした大規模な水力発電プロジェクトが7件進められており、バラム川のダムもその一つとなる。
同時に州政府は1050億ドル(約9兆円)もの巨費を投じて、SCORE(Sarawak Corridor of Renewable Energy)という大規模なエネルギー開発計画を進めている。計画に組み込まれているダムがすべて完成すると、その総発電量は世界最大の中国、三峡ダムに匹敵するという。
SCOREは、サラワクの景観と人々の生活を一変させつつある。曲折するバラム川流域のダム湖によって、412平方キロの熱帯雨林が水没、およそ2万人の住民が故郷を追われることになる。
アブドゥル・タイブ・モハマド(Abdul Taib Mahmud)州首相のワンマン体制が30年間続くサラワク州では、表立った抗議活動が行われることはまれだった。
同首相は、材木業者との不正取引で広範囲の熱帯雨林を売却、私腹を肥やしているとの噂が絶えない人物である。
しかし最近では、この大規模な水力発電プロジェクトに対する先住民の抗議活動が活発化している。
2012年9月には、サラワク西部の住民がバリケードを設置、同州中央部を流れるムルム川(Murum River)のダム建設に対する抗議活動を展開したほか、2013年1月には、ロン
グボートを仕立てた先住民たちが、
民族言語で「バラム川のダム建設を中止せよ」と声を合わせ、普段は静かなロン・ラマ市を騒然とさせた。
「行政指名の地位などどうでもいい。仲間たちのために声を上げなければ」と、パナイ・エラング(Panai Erang)氏は話す。ペナン族出身の55歳の同氏は、表立ってプロジェクト抗
議活動を行っている村長の1人だ。
◆エネルギー開発の意義
バラム川のダム建設は、サラワクの経済発展を担う重要なプロジェクトの一部である。
南シナ海に面するボルネオ島は、北部のマレーシア領サラワク州とサバ州、南部のインドネシア領と西部のブルネイ領を合わせて世界第3位の面積を誇る島であり、世界最古の熱帯雨林が広がっている。
島固有のクロヘミガルス(ジャコウネコの1種)やミュラーテナガザルのほか、6種類のサイチョウなどの絶滅危惧種が生息している。また、バラム川の上流では2012年11月、非常にまれなボルネオヤマネコも目撃されているという。
サラワクの固有種は植物8千種、動物2万種にも及んでおり、世界最大級のチョウであるアカエリトリバネアゲハも含まれている。
だが、豊かな自然環境に恵まれている一方で、サラワクの経済は他の州に遅れを取っている。急速に発展しているマレー半島の各州や首都クアラルンプールとの海による隔たりが埋められず、経済格差が広がっている。
その現状を打開するため、「サラワクを2020年までに工業化する」という目的を掲げたプロジェクトがSCOREなのだ。
計画では、2030年までにサラワクの経済規模を5倍に拡大、雇用機会を増やして人口を460万人に倍増させる予定だという。
しかし、2013年1月にロン・ラマ市で抗議活動を行ったペナン族のパナイ・エラング氏は、「工業化で自分たちの生活が豊かになるとは考えにくい」と言う。
同氏は、サラワク中央部のスンガイ・アサップ(Sungai Asap)という街も訪れた。巨大ダム建設プロジェクトの足掛かりとなったバクン・ダム建設によって住む場所を追われた1万人の先住民が、この街に移り住んでいる。
強制退去は1990年代後半に開始、現地での建設作業は10年以上も続いた。総出力は2400メガワットを予定。2011年に操業が一部開始され、中国を除くと、アジアでも最大規模の水力発電ダムとして機能している。
「しかし、移住者への補償は不十分だ。標準以下の家屋と養分に乏しい農地しか与えられていない。バクンに戻り、ダム湖で水上生活を送っている人もいる」とエラング氏は話す。
エラング氏は、自分の村の住民たちも同じ境遇におちいるのではないかと危惧している。政府の規制で少数民族の市民権取得が難しくなっているため、村民の多くは「MyKad」というマレーシアの身分証明書を持っていない。
先祖代々住んできた場所を追われ市街地に移り住むことになると、投票権がないことに加え、就業機会も失われる。
「こんな開発は誰も望んでいない」と、バラム川の下流に住むクニャー族のサロモン・ガウ(Salomon Gau)氏(48歳)は憤った。「巨大なダムは必要ない。もっと小規模で、
環境に優しい発電施設をわれわれは求めている」。
(写真)マレーシア、ボルネオ島北部のサラワク州にあるロング・ナピール(Long
Napir)村は、州全体で進められている巨大ダム建設計画の影響を受ける可能性が高い地域の1つだ。
巨大ダム「バクン・ダム」が完成した際には、1万人の地元住民が住む場所を追われることとなる。 Photograph by Yvan Cohen, LightRocket/Getty Images (ナショナルジオ グラフィック)
ダム完成…一滴も利用されず(中国新聞2013年2月24日)
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