水源連:Japan River Keeper Alliance

水源開発問題全国連絡会は、ダム建設などと闘う全国の仲間たちのネットワークです

ホーム > ニュース

ニュース

水源連の最新ニュース

2022年9月の台風14号では九州地方と中国地方の9ダムで緊急放流

2022年10月1日
カテゴリー:

今年(2022年)9月18~20日の台風14号では九州地方と中国地方の9ダムで緊急放流が行われました。

1 緊急放流を行ったダム

事前にダムの水位を下げる事前放流を行ったダムは国土交通省のHPに載っているのですが

(「台風第14号による被害状況等について(第11報)」https://www.mlit.go.jp/common/001514738.pdf 事前放流を実施 128ダム(うち、利水ダム77))、

氾濫を起こす危険性がある緊急放流を行ったダムについてはその情報が国土交通省本省のHPには掲載されていません。

そこで、国交省の河川環境課流水管理室に聞きました。

次の9ダムでした。

九州地方

○ 市房ダム(球磨川水系、熊本県)

○ 松尾ダム(小丸川水系、宮崎県)

○ 渡川(どかわ)ダム(小丸川水系、宮崎県)

○ 綾北ダム(大淀川水系、宮崎県)

○ 立花ダム(一ツ瀬川水系、宮崎県)

○ 祝子(ほうり)ダム(五ヶ瀬川水系、宮崎県)

○ 北川ダム(五ヶ瀬川水系、大分県)

中国地方

○ 向道ダム(錦川水系、山口・広島県)

○ 小瀬川ダム(小瀬川水系、山口・広島県)

 

九州地方の7ダムの緊急放流は九州地方整備局のHP https://www.qsr.mlit.go.jp/site_files/file/bousai2209220201%281%29.pdf に掲載されましたが、中国地方整備局のHPには見当たりませんでした。

ダムの恐ろしさは計画規模を超える洪水が来ると、調節機能を失ってしまって緊急放流を行うことです。

ダム下流はダムの洪水調節を前提とした治水計画になっているので、氾濫の危険性が高まります。特にダム直下の住民は緊急放流で命の危険にさらされることになります。

2018年7月の西日本豪雨では愛媛県・肱川の野村ダムと鹿野川ダムが緊急放流を行い、深刻な洪水被害を引き起こしました。野村ダムの下流では、ダムの放流により、5人が死亡し、約650戸が浸水しました。鹿野川ダムの下流でもダムの放流により、3人が死亡し、約4600戸が浸水しました。

今年9月の台風14号では幸いなことに9ダムの緊急放流で人の命が奪われることはなかったようですが、ダム緊急放流の恐ろしさを伝えるニュースが流れました。

 

2 球磨川・市房ダムの緊急放流

国土交通省八代河川国道事務所が9月29日に次の発表を行い、NHKが下記の通り、報じました。

その要点は、9月の台風14号において市房ダムの緊急放流を1時間遅らせたことにより、市房ダムに最も近い多良木町の観測所では氾濫危険水位を38センチ上回るところ、氾濫危険水位を超えなかったということです。

球磨川流域住民のダムへの不信感に対応するため、市房ダムが効果を発揮したことを伝えることを目的にした発表のようです。

しかし、果たしてどうでしょうか。

下記のグラフは国交省と熊本県のデータを使って、多良木、人吉の当日の水位、および市房ダムの流入量・放流量の時間変化を見たものです。、

市房ダムより約9㎞下流の球磨川・多良木地点では、緊急放流の影響で5時頃に水位が少し上がっただけでした。

中流の人吉地点では、緊急放流の影響は明確ではなく、球磨川流域の降雨によって、水位がかなり上昇しました。

流域面積が小さい市房ダムの治水効果は元々小さなものであって、人吉あたりではほとんど期待できません。市房ダムはむしろ、緊急放流時のダム直下での氾濫が心配されるダムです。

ダムを前提としない河道整備をきちんと行うことに力を注ぐべきです。

 

令 和 4 年 9 月 2 9 日    八代河川国道事務所 熊本県

台風第14号洪水における市房ダムの効果について《速報値》 http://www.qsr.mlit.go.jp/yatusiro/site_files/file/news/r4/20220929kisya.pdf

 

球磨川上流の市房ダム 緊急放流遅らせ下流の水位上昇抑える
(NHK熊本放送局2022/09/29 09:52) https://www3.nhk.or.jp/lnews/k/kumamoto/20220929/5000017111.html

今月中旬に熊本県に接近した台風14号に伴う大雨を受け、球磨川の上流にある市房ダムで行われた「緊急放流」について、国などが分析したところ、県が当初の予定よりも1時間放流を遅らせたことで、氾濫危険水位を超えることなく下流の水位を抑えられたことがわかりました。
今月18日から19日にかけて熊本県に接近した台風14号の影響で、球磨川上流にある水上村の市房ダム周辺では、おととしの記録的な豪雨を上回る雨が降って大量の水がダムに流れ込み、27年ぶりに緊急放流が行われました。
緊急放流は、放流を段階的に増やし、最終的にはダムに流入する水と同じ程度の量を流す緊急的な操作で、たまった水を一気に流すわけではありませんが、下流の水位が増すため、雨量などに応じた調整が必要とされます。
県は当初、市房ダムの緊急放流について今月19日の午前2時から行う予定でしたが、下流の水位が上昇していたことなどから、1時間遅らせて午前3時に放流を始めました。
この判断について、国と県が分析したところ、市房ダムに最も近い多良木町の観測所では、緊急放流を当初の予定通りに実施していた場合、氾濫危険水位を38センチ上回る3メートル98センチまで水位が上昇したとみられるということです。
緊急放流を1時間遅らせた結果、観測所の水位は氾濫危険水位を超えず、水位の抑制につながったとみられるということです。

 

2022年9月18~19日の球磨川の観測水位と市房ダムの流入・放流量の時間変化 (国交省と熊本県のデータを使って作成)

流域面積 市房ダム158㎢  多良木250㎢  人吉1137㎢ (市房ダムは河口から約93㎞)

田んぼダムについての情報のまとめ

2022年10月1日
カテゴリー:

最近、田んぼダムについての記事、ニュースが多いので、田んぼダムについての情報をまとめておきます。

 

1 田んぼダムの主たる考案者である吉川夏樹氏の説明

  • 田んぼダムの適切な装置の設計 新潟大学農学部 吉川夏樹

https://www.bing.com/videos/search?&q=%e7%94%b0%e3%82%93%e3%81%bc%e3%83%80%e3%83%a0+%e4%bb%95%e7%b5%84%e3%81%bf&view=detail&mid=1D8E39191BB5F1CD07711D8E39191BB5F1CD0771&form=VDQVAP&ru=%2Fvideos%2Fsearch%3Fq%3D%25e7%2594%25b0%25e3%2582%2593%25e3%2581%25bc%25e3%2583%2580%25e3%2583%25a0%2B%25e4%25bb%2595%25e7%25b5%2584%25e3%2581%25bf%26qpvt%3D%25e7%2594%25b0%25e3%2582%2593%25e3%2581%25bc%25e3%2583%2580%25e3%2583%25a0%2B%25e4%25bb%2595%25e7%25b5%2584%25e3%2581%25bf%26FORM%3DVDRE&rvsmid=D213EA59A70AE798F464D213EA59A70AE798F464&ajaxhist=0

約30分の映像による説明があります。

また、次の説明もあります。

近年、毎年のように大規模な水害が発生していますが、その原因として、雨の降り方の変化をはじめ、農地転用や、耕作放棄地の増加などが考えられます。
水田のあぜは、雨水を一時的にため込む機能がありますが、水田が減少すれば、この機能も弱体化し、水が一気に河川に流れ込み、氾濫につながります。
明治以降の河川整備は、水の流れを押しとどめるために、堤防設置などが主流でしたが、ここへきて異なる動きが見られます。私が専門とする「田んぼダム」も、そのひとつ。
「田んぼダム」は水田の排水口の口径を狭める「仕掛け」を設置して、大雨が降ったときに水田から排水されるピーク時の流出量を少なくする仕組みです。
遊水地のように河川の水を水田に導いて貯水するのではなく、水田に降った雨水を、一時的にとどめる仕組みです。排水口からの水量を調整する「適切な仕掛け」を設置すれば、水田から水があふれるリスクを低くできます。
排水口を完全にふさいで、全降水量を水田にためてしまった場合、300mmの雨が降れば、水田の水深は30cmになりますが、田んぼダムは排水しながら雨水をためるので、水深はもっと浅くなります。私が開発した仕掛けは、30年に1度の大雨(170mm/日)が降った場合でも、排水量を7割程度カットできるように設計しています。
新潟県で記録された1日あたり180ミリという、50年に1度クラスの大雨が降ったても、ピーク時の水深は11cm程度。田植え直後ならイネが水没しますが、水害が起こりやすい梅雨以降であれば、稲も水没しない程度に成長しています。
新潟県や農協とともに、水田への影響を検討した結果、仮に1年に1回、11cm程度の深さの水に浸かっても、生育にはほとんど影響がないことがわかりました。
しかし、最近では「不適切な仕掛け」を使った装置も出回っているので、注意が必要です。私の設計した装置では、排水口に取り付ける「堰(せき)板A」とは別に、内側にもう1枚、穴が空いた板Bを設置できる仕組みになっています。
水深を調節するには、排水マスの前面にある堰板Aで行いますが、水田から水を抜く中干し時には、これを外して水を抜いたのち、これとは別に、マスの内側に、穴があいたもう1枚の板Bを設置します。
この装置だと、小雨程度では田んぼダムを実施しても、雨水は常に排水されっぱなしになるので、水田にはたまりません。
大雨で水深が増えて、排水マスに流入する水量が、堰板の穴から排出できる水量を上回ったときに初めて、田んぼダムの効果を発揮します。要するに、大雨が降った場合だけ効果が現れるので、通常の中干し期の管理と変わりません。
一方、堰板の構造が異なる不適切な装置の場合、小雨であっても、水田に水がたまってしまううえ、中干し期には水を抜けない状況が起こりやすくなるので要注意です。
田んぼダムは「適切な仕掛け」を採用すれば、イネへの影響はほとんどありません。ここに田んぼダムを推進してきた新潟市が発行するパンフレットがありますので、ご参照ください。

吉川氏は、田んぼダムは適切な仕掛けにしなければ効果がないと、強く指摘しています。田んぼダムは下図の通り、流量調整版を新たに設ける機能分離型と、そうではない機能一体型があり、一般には後者の方が多いようですが、吉川氏は前者でなければ効果がなく、持続しないと指摘しています。


2 スマート田んぼダム

最近実用化されているのは、スマート田んぼダムです。田んぼの排水門に通信機能をつけて、スマートフォンやパソコンから遠隔操作するものです。

大雨が予想されるときには、市町村の職員がスマートフォンやパソコンで排水門を遠隔操作して、田んぼに張ってあった水をあらかじめすべて外に排水して水位を下げ、排水門を閉鎖して雨水を貯留し、降雨後に排水門を遠隔操作で開けて水位を下げるものです。

スマート田んぼダムについてはすでに9月9日のメール「浸水対策のカギにぎる?“田んぼ”が秘める可能性」

(NHK2022年9月8日 17時30分) https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220908/k10013808881000.html でお知らせしました。

スマート田んぼダムを導入した兵庫県たつの市では、農家の協力を得て市内24か所、約9haの水田に遠隔操作のできる排水門を設置し、すべての田んぼで排水すれば、約9000トンの雨水をためることができることになっています。

「スマホで簡単に水管理ができる! 田んぼのダム化に対応する自動排水制御装置とは?」株式会社 笑農和)(アグリジャーナル) https://agrijournal.jp/renewableenergy/58384/ という情報もあります。

通常の田んぼは稲作の時期によって水深が確保されていますので、田んぼダムで貯留できる雨水は10㎝程度ではないかと思いますが、スマート田んぼダムは事前に排水するので、貯留できる雨水の量をもっと大きくすることができます。

田んぼの畔の高さは約30cmですので、最大で20cm程度までの雨水貯留ができるのではないでしょうか。

スマート田んぼダムがこれからどんどん普及していくことを私は期待します。

 

3 農林水産省の動き

農林水産省も田んぼダムの普及に向けての動きを示しています。

2021年4月に流域治水関連法が成立したことを受けて、

農林水産省農村振興局のHP 6.農業用水 流域治水への取組み https://www.maff.go.jp/j/nousin/mizu/kurasi_agwater/ryuuiki_tisui.html

に田んぼダムの情報が次のように掲載されています。

○「田んぼダム」の手引き (概要版) 平成4年4月  農林水産省 農村振興局 整備部

https://www.maff.go.jp/j/nousin/mizu/kurasi_agwater/attach/pdf/ryuuiki_tisui-66.pdf

○「田んぼダム」の手引き  平成4年4月  農林水産省 農村振興局 整備部

https://www.maff.go.jp/j/nousin/mizu/kurasi_agwater/attach/pdf/ryuuiki_tisui-67.pdf

○「田んぼダム」の手引き 参考資料

https://www.maff.go.jp/j/nousin/mizu/kurasi_agwater/attach/pdf/ryuuiki_tisui-65.pdf

その中に上記のスマート田んぼダムの情報も掲載されています。

 

自然と人々の生活に大きな影響を与えるダム建設をやめて、田んぼダムなどの本来の流域治水が進められていくことを強く期待します。

 

最高裁、人権侵害認めず 石木ダム工事継続差止訴訟

2022年9月21日
カテゴリー:

2022年9月16日付で、最高裁は石木ダム工事継続差止訴訟上告審で「上告・上告受理申立 却下」を決定しました。

人権侵害・憲法違反を認めない、いわゆる「三行(みくだり)決定」です。

最高裁がこれほど酷い石木ダム事業の実態を直視できずに、人権擁護の立場に立てないのは何故か? 深刻な問題です。

「最高裁決定」とマスコミ報道を下記に掲載しましたので、参照願います。
2022年9月16日 決定

石木ダム 必要性で平行線 大石知事4度目の面会 住民側、利水の議論提案

2022年9月10日
カテゴリー:

9月7日の夜、石木ダム水没予定地の反対住民約20人と大石賢吾・長崎県知事の4度目の話し合いが行われました。その記事、ニュースを掲載します。

大石知事は「住民の心にひっかかっているものをひもときたいが、どこまで解消できるかは難しい」と述べていますが、必要性が皆無の石木ダムを中止することしか、解消の道はありません。

話し合いは今後も続けられる見込みで、住民側は、次回は利水について議論するよう提案しています。

9月7日午後には「石木川の清流とホタルを守る市民の会」が県への申し入れを行いました。そのニュースも掲載します。

 

石木ダム 必要性で平行線 大石知事4度目の面会 住民側、利水の議論提案

(長崎新聞2022/09/08)https://nordot.app/940421464862310400?c=39546741839462401

知事(右奥)にダム建設への不満を訴える住民=川棚町東部地区コミュニティーセンター

大石賢吾知事は7日、長崎県と佐世保市が石木ダム建設を計画している東彼川棚町を訪れ、水没予定地で暮らす反対住民約20人と意見を交わした。「ダムは必要」とする大石知事と、「必要ない」と主張する住民側の意見は、約2時間半にわたって平行線をたどった。
両者の面会は、初めて対面で話し合った8月10日以来4度目。前回、住民側から出された治水、利水両面での質問に対し、大石知事らが県の主張を繰り返したが、住民側は「ダムありきの回答だ」と反発。知事が県民の安全を守る行政の責務として「ダムは必要だと考えている」と答えると、岩下和雄さん(75)は「本当に必要か、これから話し合うんじゃないのか。最初から必要と言うのなら、すぐにでも行政代執行すればいい」と突き放した。
若い男性参加者は、これまでの強制測量や強制収用を挙げ、知事に「県の解決手法は何十年にわたって強権的で、問題を長引かせてきた。今までと同じような手法では全く解決しない。それを踏まえてこの問題と向き合ってもらいたい」と注文をつけた。
住民側は、資材価格の高騰などで当初の予定から建設費が膨らみ、ダムの目的の一つである佐世保市の水道料金も上がるはずだと主張。次回は利水について議論するよう提案した。
終了後、石丸勇さん(73)は「知事は何も勉強せずに必要と言っている。パフォーマンスとしか思えない」とばっさり。知事は「皆さんの心にひっかかっているものを丁寧に解いて、必要性についての疑問に明確に答えていきたい」と述べた。

 

 石木ダム建設巡り話し合い 住民と知事、またも平行線 /長崎

(毎日新聞 2022/9/9) https://mainichi.jp/articles/20220909/ddl/k42/040/387000c

県が川棚町に建設を進める石木ダムを巡り、大石賢吾知事とダム建設に反対する水没予定地に暮らす13世帯の住民の話し合いが7日夜、同町東部地区コミュニティーセンターであった。

治水、利水両面からダムは必要とする基本姿勢を示す大石知事に対し、住民はダム建設を前提とした話し合いに意味はないと反発。やり取りは平行線をたどったが、今後も話し合いの場を持つことでは一致した。

8月10日に面会した際に出た住民の意見、疑問に答えるために開き、約20人が参加した。

県と住民が交わした覚書を守らずに工事を進めている▽ダム検証の審議の場で住民の意見を聞かない――などの住民の意見に対し、大石知事は「(ダム建設に理解を得た水没予定地住民の)8割の方々の思いを受け止める必要がある」「審議の構成は関係自治体である県、佐世保市、川棚町、波佐見町の4者が対象」と回答した。

また「渇水、洪水から県民の安全、安心を確保するのが行政の務め。工事中断はできない」としたことから住民は反発。「ダムありきの回答ばかり」と批判が噴出した。

面会後、大石知事は「住民の心にひっかかっているものをひもときたいが、どこまで解消できるかは難しい」と語った。【綿貫洋】

 

【長崎】石木ダム 大石知事と反対住民が意見交換

(長崎文化放送2022年09月08日) https://www.ncctv.co.jp/news/105825.html

(映像)

長崎県と佐世保市が東彼・川棚町に計画する石木ダムの建設をめぐり大石知事は7日夜、ダムの水没予定地で暮らす「反対住民」と対面で2度目の話し合いをしました。

大石知事と「反対住民」の面会は3月以降4回目で、対面での話し合いは8月10日以来2度目です。

今回は、前回の話し合いで住民側から出た意見や質問に知事が回答する形で行われましたが、住民側は知事の「ダムありき」の姿勢に反発しました。

反対住民からは「50年以上反対しているんだから我々は引き下がれない」「私たちの意見を聞いて心が動いたらもしかしたらダムを中止にするかもしれませんとか一言くらい言ったらどうですか」「実現可能な解決策があると思うんです。そこを知事の判断で今後この問題を解決に向けて進めてもらいたい」などの意見が出ました。

大石知事は「しっかりダムの必要性について納得なのか、しょうがないかと思っていただけるのか、ぜひ必要だと思っていただけるのか、ダムを完成させるということについてご理解を頂けるのがやはり最後の着地点」と話しました。

知事は「反対住民」との話し合いは継続したいとしています。

 

【長崎県】石木ダム 大石 知事と地元住民2度目の意見交換

(テレビ長崎2022年9月8日 午後0:05)https://www.fnn.jp/articles/-/414345

長崎県川棚町の石木ダム建設をめぐり、大石 知事は7日夜、2度目となる反対住民との意見交換にのぞみました。

7日、川棚町で開かれた石木ダムをめぐる意見交換です。

「ダムの必要性」を前面に出す大石 知事に、出席した地元住民約20人が強く反発しました。

ダム予定地の住民 岩下 和雄 さん 「(行政)代執行も、ダムの必要性もあるとなると話し合いをする必要がなくなる」

住民側は川棚川の改修工事の「治水効果」やダム予算が大幅に膨れ上がる恐れなどを質した一方、根拠が明確ではない過去の説明資料を示しました。

行政への不信感は根強く、知事に「行政代執行」か「話し合いの継続」か選択を迫る場面もありました。

大石 賢吾 知事 「ダムを完成させることを理解してもらうことが最後の着地点だと思う」

大石 知事は話し合いによる解決を目指していますが、住民側との意見の対立は決定的です。

映像)

 

石木ダムをめぐり 大石知事と反対住民が面会
(NHK長崎放送局2022年9月8日)https://www3.nhk.or.jp/lnews/nagasaki/20220908/5030015930.html?fbclid=IwAR2o8UCg1eEyCgGB4SP6viEta1zaCIL8h05x3yvOqMRspPBwad0sdCDQrZs

川棚町で建設が進む石木ダムをめぐって、長崎県の大石知事と建設に反対する地元住民が7日、面会しました。

川棚町で建設が進む石木ダムをめぐっては、県は、建設に必要なすべての用地の収用を終え、家屋の撤去などを伴う行政代執行の手続きに入れるようになった一方、地元住民などによる反対運動が続いています。

こうした中、7日、町内のコミュニティセンターで長崎県の大石知事とダム建設に反対する地元住民が4度目の面会を行いました。

はじめに大石知事は、先月の面会の際に住民側から寄せられたダム建設の経緯や、住民に対してのこれまでの県の対応などに関する意見に回答し、この中では石木ダムの必要性や、県としてダムの早期完成を目指す考えを改めて説明しました。

一方、住民側からは再び利水や治水の面からダムの必要性に対して疑問の声が上がったほか「最初から『ダムが必要だ』というのなら話し合いをする必要はないのではないか」とか「話し合いを続けていきたいのなら、知事が第三者の立場にならないといけない」などの意見が相次ぎました。

これに対して大石知事は「話し合いは継続させてもらいたいが、いただいた意見をしっかり踏まえてどういった形で話し合いができるか相談させてほしい」と述べ、今後も住民との面会を継続していく考えを示しました。

(映像)

 

【長崎】石木ダム建設で話し合い 反対住民から知事に厳しい声

(NIB長崎国際テレビニュース2022/9/8(木)12:14) https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/nib/region/nib-news106id8jl0q5xlyir3sg-html

川棚町で進められる石木ダム建設について大石知事と反対住民との2回目の話し合いが7日行われた。
話し合いでは、先月の1回目で出た反対住民からの意見や質問に大石知事が回答。これに対し、住民側は「知事の回答は建設を前提としている」と反発し、「ダムの必要性を議論しないのであれば、話し合いは続けられない」という厳しい声が上がった。

大石知事は「行政の立場として必要ということを言っている何とか話し合いを継続していきながら形を作っていくことがまずは必要」と説明した。

話し合いは今後も続く見込みで、住民側は、次回は利水について議論するよう提案している。

 

石木ダムは必要?市民団体が公開討論会を求め申し入れ【長崎県】

(テレビ長崎2022年9月7日 水曜 午後6:27)  https://www.fnn.jp/articles/-/414145

(映像)

長崎県と佐世保市が建設を進める東彼・川棚町の石木ダムについて、建設に反対する市民団体が、ダムの必要性を問う公開討論会の開催などを大石 知事に申し入れました。

申し入れしたのは、石木ダムの建設に反対する住民の支援や、石木川周辺の環境保全などに取り組む市民団体です。

県と佐世保市が進める東彼・川棚町の石木ダムは、川棚川の洪水対策や佐世保市の水源確保などを目的としています。

大石 知事は8月、建設に反対する住民と面会し意見を交わしていますが、ダムの早期完成を目指す方針は変わっていません。

一方、市民団体は2021年と2020年、長崎市内でのべ千人あまりにアンケート調査を行っていて、その結果9割以上の人が「ダムは不要」と答えたということです。

市民団体は7日、大石 知事と県民などが改めてダムの必要性について意見を交わす場を設けることなどを求めました。

石木川の清流とホタルを守る市民の会 西中 須盈 代表世話人 「人口も減って水の需要もずっと減っている。そういうことを考えると、どうしても納得いかない。なぜここまで強引に県が進めるのか」

大石 知事は、これまでに建設反対の住民からも公開討論会開催の提案を受けていますが、実施については明言を避けています。

知事は、7日夜も川棚町で住民と面会する予定です。

 

 

 

地球温暖化による水害の頻発と激甚化、忘れてはならない国の河川行政の誤り

2022年9月7日
カテゴリー:

地球温暖化の影響で近年は水害が頻発し、激化してきている問題を取り上げた記事を掲載します。

確かに地球温暖化の影響で水害が頻発し、激甚化してきているように思います。

しかし、近年の凄まじい水害の発生は国の河川行政のあり方に根本的な問題があることに起因するところが少なくありません。

2015年の茨城・鬼怒川水害は国が上流ダムの建設に固執して下流の堤防整備を怠ってきたこと、2018年の岡山・真備水害は国が小田川の付け替え工事を半世紀も遅らせてきたこと、2018年の愛媛・肱川水害は国が肱川の河道整備の遅れを弥縫するため、野村ダムの放流ルールを改悪してしまったこと、2020年の熊本・球磨川水害は国が川辺川ダム事業の復活に固執して本来実施すべき河道整備をずっと怠ってきたことの影響が大きいと思います。

近年の水害の激化を単に自然現象の変化の問題としてとらえるではなく、国の河川行政のあり方に根本的な問題があることを洞察する必要があると思います。

 

水害が温暖化で激甚化 一人一人が生活スタイル見直し、2100年の天気予報変えよう

(徳島新聞2022/09/01)https://nordot.app/937802121617899520?c=39546741839462401

台風11号で浸水した住宅街から住民を救助する救急隊員=2014年8月、那賀町和食郷

「全国の気温を観測する約900カ所のうち140カ所で40度を超えました」「日本の南の海上に最大瞬間風速90メートルの台風があります。家屋が倒壊するような風が吹くスーパー台風です」―。

今から78年後の2100年夏、天気予報のキャスターが発する言葉だ。地球温暖化対策が実らず、平均気温が最大4.8度上昇した未来を描き出している。環境省が制作し、ウェブサイトで公開している動画「2100年未来の天気予報」を見てほしい。

風速90メートルの台風とはどれほどの威力なのか。実は既に同規模の台風は生まれている。13年にフィリピン中部を襲った台風30号は、最大風速65メートル、最大瞬間風速90メートル。暴風雨に加えて高潮が街を襲い、多くの住宅が倒壊。死者・行方不明者は7千人を超えた。

19年9月に千葉市付近に上陸した房総半島台風(台風15号)は、千葉で最大風速35.9メートル、最大瞬間風速57.5メートルを観測し、いずれも同地点の観測史上1位を更新した。この風速でも死者が9人出て、千葉県を中心に多くの建物が被害に遭った。屋根がブルーシートに覆われた家屋が連なる写真を覚えている人も多いだろう。停電が続いた地域では熱中症と見られる死者も相次いだ。

気象庁によると、日本の平均気温は100年当たり1.28度上昇している。海水温が上昇すると台風は巨大化し、気温が上がるほど大気中に含まれる水蒸気量は増え、豪雨を降らせる。

18年7月の西日本豪雨は平成に入って以降で初めて100人を超える死者を出し、「平成最悪の水害」となった。徳島県内でも三好市や那賀町で土砂災害が相次ぎ、三好市山城町では今も避難生活を送る被災者がいる。気象庁は18年8月、個別の豪雨について初めて「地球温暖化に伴う気温の上昇と水蒸気量の増加」が一因との見解を公表した。

激甚化した水害は毎年のように日本、そして世界を襲っている。世界は今、50年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル社会」の実現を目指している。一人一人が生活スタイルを見直せば、まだ2100年の天気予報は変えられる。

今日は「防災の日」。いつ起きてもおかしくない水害に、どう対応すべきか。雨雲の動きが分かるアプリをスマートフォンに入れておく、ハザードマップを確認する、備蓄品を買う―。それぞれがまず一歩、備えを進めたい。

ここ10年の主な水害

【2012年7月 九州北部豪雨】
熊本、福岡、大分の3県を中心に、1時間に100ミリ前後の猛烈な雨が観測された。河川の氾濫や土砂災害が発生し、3県の死者・行方不明者32人。

【2013年10月 台風26号】
伊豆諸島の伊豆大島では記録的な大雨が降り、土石流が発生した。伊豆大島などで43人の死者・行方不明者が出た。

【2014年8月 台風11号】
高知県安芸市付近に上陸し、四国を縦断。徳島県内では那賀川が氾濫し、那賀町鷲敷地区と阿南市加茂谷地区で大規模な浸水被害が発生、山間部では土砂災害が相次いだ。

【2014年8月 広島土砂災害】
広島市の一部地域への記録的集中豪雨で土石流が発生し、77人が犠牲になった(災害関連死を含む)。新興住宅地での土砂災害とあって、都市計画の在り方なども問われた。このときの豪雨による全国の死者・行方不明者は91人。

【2015年9月 関東・東北豪雨】
茨城県常総市の鬼怒川で堤防が決壊、広範囲に氾濫した。死者・行方不明者20人。

【2016年8月 台風7,9,10,11号】
北海道、岩手県で記録的豪雨。死者・行方不明者31人。岩手県岩泉町の高齢者施設で9人が犠牲になった。

【2017年7月 九州北部豪雨】
福岡、大分両県で大規模な土砂災害が相次いだほか、河川が氾濫した。死者・行方不明者は両県で44人。

【2018年6、7月 西日本豪雨】
死者・行方不明者は271人に上った。平成に入ってから初の死者が100人を超える水害。7月5日から8日にかけ、東海地方から九州までの広範囲で16の線状降水帯が形成されている。徳島県内では三好市と那賀町で土砂崩れによる孤立世帯が出た。

【2018年9月 台風21号】
非常に強い勢力を保ったまま、徳島県南部に上陸し、近畿地方を縦断。近畿地方を中心に14人が犠牲となり、関西国際空港の滑走路が浸水するなどの高潮被害が出た。

【2019年9月 房総半島台風】
千葉市付近に上陸。千葉市では最大風速35.9m/s、最大瞬間風速57.5m/sを観測し、いずれも観測史上1位を更新した。東京都と千葉県で死者9人が出た。千葉県内を中心に4000棟を超える住宅が全半壊。停電や断水が続いた地域もあり、熱中症とみられる症状で亡くなる人も相次いだ。

【2019年10月 東日本台風】
関東・東北地方を中心に河川の氾濫と土砂災害が発生し、107人の死者・行方不明者が出た。

【2020年7月 熊本豪雨】
熊本県内の死者(災害関連死含む)・行方不明者は69人。球磨村の特別養護老人ホームの入所者14人も犠牲になった。球磨川の13カ所で氾濫が発生。その後、白紙撤回されていた川辺川ダム整備計画が復活した。このときの豪雨による全国の死者・行方不明者は86人。

【2021年9月 徳島県南部の大雨】
徳島県南部上空に線状降水帯が形成され、海陽町では観測史上最大となる1時間に120ミリの猛烈な雨を観測。住宅の浸水被害などが出た。

 

↑ このページの先頭へ戻る