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ダム貯水容量、2倍に 「利水用」も洪水時に活用―政府 

2020年6月5日
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6月4日に首相官邸で「既存ダムの洪水調節機能強化に向けた検討会議」第4回が開かれました。その記事とニュースを掲載します。
会議の資料は「既存ダムの洪水調節機能強化に向けた検討会議」https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kisondam_kouzuichousetsu/index.html
の各回の議事次第を開けると、掲載されています。
第4回の会議資料は、資料1「治水協定締結の進捗状況」https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kisondam_kouzuichousetsu/dai4/siryou1.pdf
と資料2「1級水系における各水系の水害対策に使える容量 https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kisondam_kouzuichousetsu/dai4/siryou2.pdf です。
ダムの事前放流を行うと、ダムの洪水調節容量が約2倍になるという記事の話は資料2の合計値をもとにしています。
この資料2は水系ごとに集計したもので、各ダムの数字(955ダム)は第3回の資料「参考資料 一級水系のダム一覧」https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kisondam_kouzuichousetsu/dai3/sankou.pdf に示されています。
しかし、この資料を見ると、事前放流で洪水調節容量が約2倍になるという話はあくまで機械的に計算した結果であって、実際にどれほど意味がある計算なのか不明です。
個々のダムの数字を見ると、事前放流後の洪水調節容量が有効貯水容量より大きくなっているダムが少なからずあります。これは発電等の放流管が有効貯水容量の下部にある場合、堆砂容量の方まで食い込んで放流を続ける場合であって、そのようなことが実際にできるのか、きわめて疑問です。
また、この検討会議は菅義偉官房長官の肝いりで設置されたもので、議長は菅氏側近の和泉洋人内閣総理大臣補佐官です。どのような思惑で二人がこの問題に関わっているのか、首を傾げるところがあります。


洪水対処能力 既存ダム活用で倍増 都心部も手厚く

菅氏「八ツ場ダム50個相当」 利根川や多摩川など全国で
(日本経済新聞 電子版2020/6/4 20:00)https://www.nikkei.com/article/DGXMZO59989080U0A600C2PP8000/

政府は4日、台風などによる洪水への対処能力を倍増させる対策案をとりまとめた。菅義偉官房長官が既存の利水ダムの活用などによって新たなダムをつくらずに八ツ場ダム50個に相当する有効貯水容量を確保したと公表した。巨額の費用と時間を投じてきた治水対策を転換する契機となる。
洪水対策は昨年、日本列島を襲った台風19号の甚大な被害を受け、菅氏のもとで検討を進めてきた。菅氏は同日、首相官邸の検討会議で「電力や農業用水などのダムを最大限活用し、洪水調節機能の強化に取り組む。国民の生命と財産を水害から守る」と述べた。
急激な豪雨が降った際、一時的にダムにため込む洪水調節容量を全国でこれまでの46億立方メートルから91億立方メートルに増やす。群馬県の八ツ場ダムの有効貯水容量は0.9億立方メートルだ。新たに生まれる容量は八ツ場ダム50個分に相当する。
神奈川県の武蔵小杉などの浸水被害が生じた多摩川水系で新たに3600万立方メートルの容量を確保した。昨年の台風19号と同程度の台風なら浸水の被害を防ぐことができるという。
利根川水系のダムの貯水容量も3.6億立方メートルから6.3億立方メートルに増える。利根川は都心部を流れる江戸川や荒川などを支流に持ち、都市部の被害軽減につながる。大阪を流れる淀川や愛知などの木曽川なども従来の2倍程度の能力の確保にメドをつけた。
ダムに頼ってきた従来の洪水対策は効果が出るまでの費用や時間が課題だった。八ツ場ダムは1952年に調査に着手し、完成まで70年と総額5000億円の事業費がかかった。
それでも地球温暖化を背景とした豪雨への対応は難しく、昨年の台風19号は5県6カ所のダムで決壊を防ぐための緊急放流をした。緊急放流は下流の河川を氾濫させる危険性があり、人的な被害も生じる。
今回はこれまでの治水対策を転換し、短期間・低コストで対処した。精緻化した天気予報を元に大雨が予想される1~3日前にダムの水位を下げる事前放流を活用する。ダム自体の工事はしなくとも、豪雨時に活用できる容量を増やし、ダムの決壊や緊急放流を防ぎやすくする。
縦割り行政を排し、治水に使ってこなかった利水ダムも活用する。洪水対策は国土交通省の所管ダムが中心だった。経済産業省や農水省が所管する水力発電や農業、上下水道などに使う利水ダムは発電や農業用水の目的にしか使われなかった。
首相官邸が関係省庁に指示し、これまでに109の1級水系のうちダムのある全ての水系で電力や農業などの管理者と治水協定を結んだ。今月から事前放流などの運用を始め、今年の梅雨や台風に備える。
人工知能(AI)も重視する。事前放流は気象庁の気象予測モデルを基準に判断をする。気象庁は気象衛星「ひまわり」のデータや最新式レーダーの導入に加え、新たなAI技術の活用を進める。


ダムの洪水調節機能強化「八ッ場ダム50個分を確保」官房長官

(NHK2020年6月4日 18時19分)https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200604/k10012458261000.html

去年の豪雨災害を教訓に、ダムの洪水調節機能の強化を検討する関係省庁の会議が開かれ、菅官房長官は、発電や農業用水用のダムも活用できるようにするなど調整を進めた結果、洪水対策に八ッ場ダム50個分にあたる容量が確保できたと明らかにしました。
政府は、去年の台風19号などの豪雨災害を踏まえ、ダムによる洪水調節機能を強化する必要があるとして、発電や農業用水用も含む、全国のおよそ1500のダムについて、洪水の危険が予想された場合の「事前放流」など、洪水対策に活用できるか調整を進めてきました。
4日開かれた関係省庁の会議で、菅官房長官は「すべてのダムの有効貯水容量のうち、水害対策に使うことのできる容量を、これまでのおよそ3割からおよそ6割へと倍増することができた」と述べ、拡大できた容量は、群馬県の八ッ場ダム50個分にあたると明らかにしました。
そのうえで、「これから本格的な雨の時期を迎えるなか、国民の生命と財産を水害から守るため、既存ダムの事前放流など、国土交通省を中心に一元的に行う新たな運用を開始してもらいたい」と指示しました。また、菅官房長官は、さらなる容量の拡大に向けて検討を進めるとともに、降雨量やダムへの流入量などをAI=人工知能で予測する仕組みの早期の実用化を目指す考えを示しました。


ダム貯水容量、2倍に 「利水用」も洪水時に活用―政府

(時事通信2020年06月04日18時42分)https://www.jiji.com/jc/article?k=2020060401003&g=soc
(写真)既存ダムの洪水調節機能強化に向けた検討会議であいさつする菅義偉官房長官(手前)=4日午後、首相官邸
政府は4日、ダムによる治水強化に向けた関係省庁の検討会議を首相官邸で開き、水力発電や農業用水などのための「利水ダム」を洪水対策に活用する協定が全ての1級河川で締結されたことを報告した。これにより、1級河川の洪水時に活用できるダムの貯水容量は従来の2倍に増えた。
1級河川にあるダム955カ所のうち、主に治水向けの「多目的ダム」は335カ所。洪水対策に活用できる貯水容量は、全ダムの約3割にとどまっていた。
今回の協定締結で、620カ所ある利水ダムが加わり、洪水対策のための貯水容量は約45億トン増え、全ダムの約6割を活用できるようになった。

 

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