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報道

国交省中間報告案「科学的正確性欠く」 静岡県が意見書送付【大井川とリニア】

2021年4月26日
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静岡県は昨日(4月23日)、リニア中央新幹線工事に伴う大井川の流量減少問題を議論する国土交通省専門家会議で示された中間報告案は「科学的・工学的に正確性を欠いている」とする意見書を同省鉄道局に送付しました。その記事を3点掲載します。

この意見書は静岡県のHPに掲載されています。

静岡県のHP

リニア中央新幹線建設工事に伴う環境への影響に関する対応  http://www.pref.shizuoka.jp/kankyou/ka-020.html

リニア中央新幹線静岡工区有識者会議  http://www.pref.shizuoka.jp/kankyou/ka-020/rinia/kokkousyouyuusikisyakaigi.html

有識者会議の運営に係る動き

2021年4月23日

「第11回リニア中央新幹線静岡工区有識者会議」において提示された中間報告(案)について、県の意見を国土交通省へ提出  http://www.pref.shizuoka.jp/kankyou/ka-020/rinia/documents/20210423iken.pdf

「リニア中央新幹線建設工事に伴う環境への影響に関する対応」のサイト http://www.pref.shizuoka.jp/kankyou/ka-020.html はいろいろな情報が入っていますので、是非、ご覧ください。

 

国交省中間報告案「科学的正確性欠く」 静岡県が意見書送付【大井川とリニア】

(静岡新聞20201年4月24日) https://www.at-s.com/news/article/shizuoka/892427.html?lbl=542

静岡県は23日、リニア中央新幹線工事に伴う大井川の流量減少問題を議論する国土交通省専門家会議で示された中間報告案に関し「科学的・工学的に正確性を欠いている」などとする意見書を同省鉄道局に送付した。次回の会議で本格的に議論される中間報告案に、意見書の内容を反映するよう求めている。

意見書は、①大井川の水利用の実態を踏まえていない②掘削時に起きる現象を重視していない③一定条件の予測で影響を断定している―の3項目。

これまでの会議では地質構造などのデータ不足が委員から指摘された。JR東海が作成した資料には、地質構造などがJRの想定と異なる場合に中下流域の水が減る可能性があると記されている。ところが、中間報告案は「(JRの想定では)下流側では河川流量は維持される結果となった」と断定する一方、中下流域の減水可能性を明記していない。

県は意見書で、中間報告案の別項目に「トンネル湧水量や突発湧水等が不確実性を伴う」との記載があると反論。不確実性を考慮した上で、どのような現象が起きるのかを記すよう求めた。

また「利水関係者が互譲互助の精神で何とか水利用を調整している実態を理解したものとなっていない」とも指摘し、過去20年間に22回の取水制限を行ったことを盛り込んだ。

ただ、専門家会議の議論については「想定されるリスクについて対話できるようになってきている」と評価する文言も入れた。

 

リニアの行方 有識者会議 中間報告案 知事選争点に浮上 副知事「記述に問題多い」 /静岡

(毎日新聞静岡版 2021/4/24) https://mainichi.jp/articles/20210424/ddl/k22/020/151000c

未着工のリニア中央新幹線南アルプストンネル静岡工区を巡り、国土交通省の有識者会議(座長、福岡捷二・中央大研究開発機構教授)で公表された中間報告案が注目されている。リニア問題が知事選(6月3日告示・20日投開票)の争点に浮上する可能性があるからだ。有識者会議の初会合から27日で1年。中間報告は大井川の水に関する議論を総括したものになり、県とJR東海の今後の話し合いに大きな影響を与える。【山田英之】

4選を目指して立候補を表明した現職の川勝平太氏(72)は、静岡工区の着工を認めていない。大井川の水や南アルプスの自然環境を守る姿勢を鮮明にしている。自民党県連は対立候補として、リニアを所管する国交省の副大臣を務める参院議員、岩井茂樹氏(52)の擁立を目指す。自営業の石原義裕氏(64)も出馬する意向だ。

川勝氏はリニア整備そのものに反対していない。国交省もリニアの早期実現と、水や自然環境への影響回避・軽減を両立させる方針だ。考え方にあまり違いはないように見えるが、水と環境の保全を重視するか、早期開通を重視するかで着工時期が大きく変わる。

4月17日にあった第11回有識者会議で、福岡座長は中間報告案の修正を事務局の国交省に指示した後、「私たちがどういう立場でJRを指導、助言してきたか原案を示して、次回はそれを中心に議論したい」と言って会議を締めくくった。

終了後、知事選との関係を問われた国交省の江口秀二・大臣官房技術審議官は「我々は科学的・工学的な観点から議論する。政治の話は別世界。選挙とは別次元でやる」と答えた。

中間報告案は有識者会議が条件付きで「リニアのトンネル工事をしても大井川の水への影響は小さい」という結論に傾いているように読める表現になっている。掘削でトンネル内に湧き出る水の県内への全量戻しが実現しない点についても、静岡工区内で同時期に発生する他の湧水(ゆうすい)を大井川に戻せば、「湧水が県外流出した場合も、椹島(さわらじま)地区(静岡市北部)付近より下流側の河川流量は維持される」と断定する。

これに対して、難波喬司副知事は記者会見で「中間報告案はかなり驚いた内容になっている。記述に問題が多々ある。我々の指摘が全く受け止められていない。科学的な詰めは相当されたが、合意に達する内容かは別評価だ」と述べ、県の考え方と中間報告案の内容に溝があることを明確にした。

県、疑問点示し国へ文書

未着工のリニア中央新幹線南アルプストンネル静岡工区を巡り、県は23日、有識者会議で公表された中間報告案の疑問点を示した文書を事務局の国土交通省に提出した。

中間報告案の疑問点として、大井川の水は流域の住民生活や産業に欠かせない命の水であり、取水制限を繰り返して慢性的な水不足に悩まされている現状の記述がない▽(トンネル湧水(ゆうすい)を大井川に戻すために建設する導水路の出口がある静岡市北部の)椹島(さわらじま)地区付近の流量だけで、それより下流の流量を論じるのは科学的・工学的な正確性を欠く――などを挙げた。県は中間報告の取りまとめに慎重な検討を求めた。【山田英之】

 

リニア中間報告案に疑問点記す意見書 国交省に県

(朝日新聞2021年4月25日 11時00分

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