水源連:Japan River Keeper Alliance

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(でら日本一 東海)満面の水 どう使う(徳山ダムと木曽川水系連絡導水路についての記事)

2008年10月に完成した日本最大のダム「徳山ダム」(総貯水容量6.6億㎥)は開発水が一滴も使われていません。その徳山ダムと、その開発水を無理矢理使うために考え出された木曽川水系連絡導水路についての記事をお送りします。

(でら日本一 東海)満面の水 どう使う

〔朝日新聞2015年1月31日18時03分)http://digital.asahi.com/articles/ASH1W5T90H1WOIPE01Z.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_ASH1W5T90H1WOIPE01Z

(写真)徳山ダムがある岐阜県揖斐川町は県有数の豪雪地帯でもある。ダムの堤の直下(写真左下)には、発電所の建物がある=朝日新聞社ヘリから、吉本美奈子撮影

写真・図版
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木曽3川のひとつ、揖斐川最上流部の山奥に中部電力徳山水力発電所(岐阜県揖斐川町)はある。民家のような外観の建物の地下で昨年11月、発電機の据え付け作業があった。
天井からつるされたクレーンを使い、直径8・3メートル、重さ約200トンもある筒状の装置がゆっくりと床に置かれた。下にある水車が回り、中のコイルで発電する。計画から半世紀を経過した発電事業はようやく最終段階に入った。本格発電の開始は今年6月の予定だ。
発電所が使う水は、隣の徳山ダムのダム湖。その総貯水容量は6億6千万トンで、日本のダム湖で最も多い。静岡県の浜名湖の約2倍だ。
ダム計画が浮上した1957年は、政府が経済白書で「もはや戦後ではない」と宣言した翌年だ。濃尾平野を長年悩ませてきた洪水対策に加え、右肩上がりの経済成長に必要な水や電気をまかなうことを目的とする一大プロジェクトだった。
事業費は3327億円に達し、旧徳山村(現揖斐川町)の全466世帯に移転も強いた。南北朝時代に北朝に敗れた新田義貞が隠れていたとの伝説もある歴史ある村。87年3月の廃村式典で、神足正直・村議会議長(当時)は「今まさにこの地を失うことは痛恨極まる」と、無念の思いを残した。
そうした犠牲のうえに立つダムは、どれだけ世の役に立っているのだろうか。
揖斐川中流の岐阜県大垣市。荒崎地区では大雨が降ると支流から水があふれていたが、ダム完成後はそうした事態は招いていない。大垣市治水課の担当者は「ダムの効果が出ている」とみる。
ただ、人口減を迎えて低成長が定着したいま、経済成長を前提にした利水や発電での活躍は、むしろ期待外れだ。
発電所規模の最大約15万キロワットは76年に立てた計画の半分以下。工業用水や水道用水として毎秒6・6トン使うはずだった水はいまだに一滴も使われていない。国の予測によると、木曽川水系の水は徳山ダムがなくても、通常時は5割以上も余る。「10年に一度」の渇水時でもまだまかなえる。
国土交通省は、ダムの水を使えるようにと、新たに木曽川に水を通す導水路の新設を計画する。「10年に一度以上の渇水に備えるため」という。必要な事業費は890億円。「コンクリートから人へ」をスローガンにした民主党政権のもと、2010年に必要性の再検証を始めた。だが、それから4年余り。建設の是非は、結論を出す時期すら決まっていない。(大日向寛文)
■伸びぬ水需要、導水路には疑問 岐阜大教授・富樫幸一さん
1973年の当初計画から見直しの連続だったのが徳山ダムの歴史です。毎秒15トンだった水道用水や工業用水向けの水量は、2004年の見直しで6・6トンと半分以下に。「成長が続いて水需要が右肩上がりで増える」という想定が外れたからです。
これからは人口減少に加えて、節水型トイレなどへの切り替えも進み、水需要はさらに減っていくでしょう。国、自治体ともに未曽有の借金を抱えるなか、新たに徳山ダムの水を木曽川まで導水路で運ぶ余裕があるのかどうか。環境や住民の生活を壊してまでダムをつくる時代はもう過去のことではないでしょうか。
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八ッ場ダム本体着工 「最後までいたい」水没予定地に数世帯

2015年1月22日
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昨日(1月21日)、八ッ場ダムの本体工事開始に対して抗議行動が行われました。そのネット記事を掲載します。八ッ場ダム本体着工 「最後までいたい」水没予定地に数世帯

(東京新聞群馬版2015年1月22日)http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20150122/CK2015012202000169.html

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(写真)本体工事の現場付近で「八ッ場ダムNO!」の横断幕を掲げる市民ら=長野原町で
長野原町の八ッ場(やんば)ダムの計画が浮上してから六十三年。ダム本体工事が二十一日、いよいよ始まった。かつて地元では激しい反対運動が起こった。
 次第に建設容認が大勢を占めるようになったが、いまでもダムを受け入れていない人はいる。同日、工事現場近くで「八ッ場ダムNO!」の横断幕を掲げた一団の中にも地元住民の姿があった。 (伊藤弘喜)
「本体工事、反対!」
「美しい吾妻渓谷を守れ!」。建設に適した岩盤を露出させるために爆薬で発破する作業を二十二日に控え、作業員が準備する工事現場。
その近くで市民グループ「八ッ場あしたの会」などの十数人が声を張り上げた。町民の男性(61)も控えめに交じっていた。市民グループが去った後、男性は「反対といっても、もうどうにもならない」と無念そうにつぶやいた。
現場周辺は、ダムによって水没する地域から代替地に移転した住民たちの新築住宅が建ち並び、真新しい道路が縦横に走る。ダムを地元が受け入れる代わりに国などが進めてきた「生活再建事業」の一環だ。
水没予定地にはいまだ数世帯が暮らす。男性はその一人だ。国土交通省の職員が時々、移転を促しに自宅を訪れる。「生まれ育ったふるさと以上の代替地があるなら、いつでも移るよ」。いつもそう伝えている。
辺りの風景は激変したが、愛着は変わらない。「六十歳を過ぎて、よそに移るのは大変だよ。愛着は切り替えがきかない。ふるさとには最後までいたいじゃない」。男性は取材に、問い掛けるように語った。
この日、八ッ場あしたの会と「八ッ場ダムをストップさせる市民連絡会」は、八ッ場ダムが必要性に乏しく、地滑り災害を誘発しかねないなどとして、抗議書を国交省八ッ場ダム工事事務所に提出。

国が工事を発注した移転代替地で、建設資材として使われた鉄鋼スラグから基準値を超える有害物質が検出されたことについてもただしている。

市民連絡会の嶋津暉之(てるゆき)代表(71)は「問題を抱えたままの着工は非常に残念。これからも注視していく」と話した。

根強い反対の声も=八ツ場ダム着工で地元―群馬

(時事通信2015年 1月22日(木)12時46分配信) http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150122-00000058-jij-pol
群馬県長野原町の八ツ場ダムの建設現場では22日、ダムを設置する固い岩盤を露出させる発破作業が行われた。事業の一時中断など曲折を経て、63年かかって迎えた着工。地元では歓迎する住民がいる一方、建設への根強い反対の声もある。
 建設現場では、爆薬を用いて岩盤の上の土や岩を取り除く作業を実施。雪が降る中、ドンドンドンという音と共に土煙が上がった。今後、現れた岩盤の上に高さ116メートルのコンクリート製のダムが建設される。
群馬県の古橋勉県土整備部長は「地元住民にとって将来を見据えた生活再建が現実になると感じられる大きな一歩」と歓迎。水没予定地から移転し温泉旅館を経営する樋田洋二さん(67)は「ダムを早く完成させてほしい。ダム湖を生かした観光につなげたい」と期待を寄せる。
一方、建設の見直しを求めている市民団体「八ツ場あしたの会」の渡辺洋子事務局長は「貴重な自然が破壊され、災害が起こりやすくなる危険性もある」と懸念。改めて建設に反対し、「ダムは将来世代の大きな負の遺産になる」と訴えている。
八ツ場ダム 本体工事着工ノー
群馬・長野原町 現場近くで抗議行動
(しんぶん赤旗2015年1月22日(木))http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2015-01-22/2015012204_01_1.html
群馬県長野原町で、国が八ツ場(やんば)ダムの本体工事の着工を強行しようとしている問題で21日、予定地近くで、本体工事中止を求める「八ツ場あしたの会」と「八ツ場ダムをストップさせる会」の住民らが抗議行動を行いました。
 国土交通省八ツ場ダム工事事務所は20日、21日に予定していた本体工事開始の発破作業を1日延期すると発表。22日にも、着工を強行する構えです。
 抗議行動では住民らが、八ツ場沢をはさみ、発破作業現場に向かって「吾妻渓谷の自然を守ろう」「八ツ場ダムNO」「鉄鋼スラグNO」などと書かれた横断幕やプラカードを掲げアピールしました。
 また、工事事務所の担当者に、八ツ場ダム建設が「地域社会、自然環境を壊し、災害を誘発し、完成後も負の遺産を将来に残すものだ」とする抗議文を手渡しました。
八ツ場あしたの会の渡辺洋子事務局長は「問題が山積したまま、本体工事を着工することは大変危険です。これからもますます問題が顕在化してくると思います。今後も粘り強く、建設中止を求めていく」と話しました。
(写真)八ツ場ダムの本体工事着工に抗議する人たち=21日、群馬県長野原町(八ツ場あしたの会提供)
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八ツ場ダム、今も賛否 治水、「堤防が優先」見方も 利水、需要減予測どう反映  ダムの町、63年の曲折 八ツ場、本体工事に着手

2015年1月22日
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八ッ場ダム本体工事が開始されたことに関連して、八ッ場ダムの問題点について賛否両論の見解と、ダム事業が地元に与えた影響をまとめたをまとめた朝日新聞のネット記事を敬愛します。

八ツ場ダム、今も賛否 治水、「堤防が優先」見方も 利水、需要減予測どう反映

〔朝日新聞2015年1月22日05時00分)http://digital.asahi.com/articles/DA3S11563341.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_DA3S11563341
(写真)八ツ場ダムの完成イメージ
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21日、群馬県長野原町で始まった八ツ場(やんば)ダムの本体工事。計画浮上から63年たつが、国が建設の目的に挙げる治水・利水の効果には、今も賛否両論がある。
「時代に合わない国の大型直轄事業」。2009年に政権交代を果たした民主党は公約通り、八ツ場ダムの建設中止に突き進んだ。しかし、国土交通省関東地方整備局は、ダムの必要性を他の治水策と比べて再検証。11年に出した結論は「建設継続」だった。
根拠の一つに挙げたのが、ダムで防げる洪水の被害額を、治水にかかる事業費で割った「費用便益比」だ。1倍以上であれば、効果が費用を上回ることになり、八ツ場は6・3倍だった。07年は2・9倍、09年は3・4倍で、13年には6・5倍に上昇している。
地方整備局は「利根川下流の堤防が未整備な現状を考慮するなど最新データで見直している」とするが、会計検査院は10年に「想定が過去の水害の被害額を上回っているものが多い」と指摘。「算定方法を合理的に」と改善を求めた。
有識者の見解も割れる。
大熊孝・新潟大名誉教授(河川工学)は「八ツ場の予定地は地すべり地帯で砂がたまりやすく、ダムの適地ではない。利根川水系では河川改修や堤防強化を優先すべきだ」と話す。一方、宮村忠・関東学院大名誉教授(同)は「大きな支川が多いのが利根川の特徴。堤防を造り続けるのは非現実的で、八ツ場は必要だ」と訴える。
利水面でも論争がある。日本水道協会によると、利根川流域6都県の1日最大給水量は92年度の1418万立方メートルがピークで、12年度には1190万立方メートルと16%減った。「節水の機器普及と意識向上」が要因だ。人口減も予想される。しかし東京都水道局は「施設の老朽化や政策転換の可能性」を理由に12年度の469万立方メートルから、30年度には582万立方メートルへ増加すると予測。市民団体は「ダムを造るための方便だ」と批判している。
宮村名誉教授は「利根川水系は取水制限を伴う渇水が全国で最も多く起きている。様々な産業基盤が集まる首都圏では水資源の安定的確保が必要だ」と話す。
■建設継続46カ所、中止21 全国83計画、ダム脱却進まず
国交省の有識者会議(座長=中川博次・京大名誉教授)は民主党政権下の10年に「『できるだけダムに頼らない治水』への政策転換」を提言。全国83ダムについて必要性の再検証が始まった。安全性や費用面で他の治水策と比べ、住民の意見も聴いて判断するもので、「ダムありき」からの脱却かと注目された。
中川座長は「財政状況が悪化する中、治水も利水も財源は限られる。緊急性があり、効果がある方法は、地域で暮らす人だからわかると考えた」と振り返る。
だが全国では今、ダム計画が続々と息を吹き返す。83ダム計画のうち、建設継続は46カ所(55%)で、中止は21カ所(25%)。残る16カ所で検証が続く。大規模な国直轄の25カ所に限ると中止は5カ所だけだ。
再検証は国交省の出先機関である地方整備局や都道府県といったダム計画の事業主体が担った。中川座長は「客観的なデータに基づいて行われている」と評価するが、省内からは「民主党政権時代の精神論では命は守れない。必要なダムは造る」と本音も漏れる。
政府が来年度当初予算案に計上したダム事業費(国費)は1616億円。今年度当初より9・1%増えた。国交省治水課は「再検証で『建設継続』となったものが多いだけ。5年前よりは約4割減っている」と、“ダム復活”との見方にはくぎを刺す。
危機感を抱く全国の学者約140人は「ダム検証のあり方を問う科学者の会」を結成し、国交省に見直しを求める。共同代表の今本博健・京大名誉教授(河川工学)は「事業主体による再検証を認めたところから問題があった。有識者会議の委員もダム推進派が大半。今からでも市民団体や流域住民も交えて公開で議論すべきだ」と訴える。(小林誠一)
◆キーワード
<八ツ場ダム> 利根川の堤防が決壊し約1100人が死亡した1947年のカスリーン台風を受け、52年に計画が浮上した。
総貯水量1億750万立方メートルは東京ドーム87杯分。水没予定地は316ヘクタールに上る。移転対象の470世帯のうち、昨年10月までに456世帯が転居した。

失速する「脱ダム」 八ツ場本体着工、計画浮上から63年

〔朝日新聞2015年2015年1月22日05時00分)http://digital.asahi.com/articles/DA3S11563456.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_DA3S11563456
国土交通省は21日、八ツ場(やんば)ダム(群馬県長野原町)の本体工事に着手した。総事業費約4600億円は国内のダムで最大。一方、国交省は2010年に八ツ場を含む全国83のダムで必要性の再検証を事業主体に指示したが、これまでに55%が「復活」している。▼5面=今も賛否、33面=地元苦悩
ダムの再検証は民主党政権時代に「『できるだけダムに頼らない治水』への政策転換」を掲げて始まった。だが「中止」は21カ所にとどまり、「建設継続」が46カ所。残り16カ所で検証作業が続く。政府は来年度当初予算案に前年度比9・1%増のダム事業費(国費)を計上。国土強靱(きょうじん)化を掲げる自民党政権のもと「脱ダム」は失速した。
八ツ場ダムは利根川などの堤防が決壊し、関東だけで約1100人が死亡した1947年の「カスリーン台風」を機に、52年に計画が浮上。洪水や水不足の防止で恩恵があるとされる群馬、埼玉、東京、千葉、茨城、栃木の6都県などが総事業費の6割を、残りは国が負担する。ただし今後、地滑り対策などで、事業費がふくらむ可能性がある。
国は72年以降に利根川で取水制限が必要な渇水が15回もあったとして、水源確保の重要性を強調。70~80年に1回の豪雨による洪水も想定し、利根川の最大流量を抑制できるとする。一方、首都圏の水需要は節水の影響で92年度をピークに減少しており、治水面でも河川改修や堤防強化の優先を求める専門家は多い。
(小林誠一、井上怜)

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ダムの町、63年の曲折 八ツ場、本体工事に着手

〔朝日新聞2015年1月22日05時00分)http://digital.asahi.com/articles/DA3S11563447.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_DA3S11563447
計画浮上から63年。21日、八ツ場(やんば)ダム(群馬県長野原町)の本体工事が始まった。水没予定地にいまもとどまる人、新たな事業に乗り出した人。さまざまな生活をのみ込み、ダムは完成へと動き出した。▼1面参照
(写真)自宅の前に立つ冨沢吉太郎さん。奥に水没予定地に架かる不動大橋が見える=21日、群馬県長野原町、関田航撮影
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「1軒また1軒と引っ越していき、うちだけになってしまった」
元長野原町議会議長の冨沢吉太郎さん(74)は寂しげに語った。
全世帯がダム湖に沈む川原湯(かわらゆ)地区。移転対象の176世帯中、水没予定地にとどまっているのは冨沢さんを含め3世帯だけだ。谷あいに立つ築100年を超す自宅の周囲には、撤去された家々の土台が目に付く。
代々農家で、約2ヘクタールの畑で桑やこんにゃくいもを栽培してきた。ダム計画が持ち上がると反対運動に加わり、国や県に陳情を繰り返した。その行動力を買われ、30代で町議になった。
だが町は1992年、生活再建と引き換えに計画を受け入れる。「道路一つ直すにも、国や県からカネが出ない。追い込まれた末の苦渋の決断だった」
2001年に立ち退きの補償交渉が始まったが、代替地の整備が進まない。しびれを切らして町外へ出る住民が相次いだ。分譲は07年から進められた。だが、冨沢さんに提示された土地では小規模な農業しかできない。盛り土をした宅地の安全性も不安だった。
昨秋、自宅近くの国道145号が工事車両専用に。買い物や通院に遠回りを強いられ、精神的にも追い詰められた。年が明け、別の代替地への移転を決めた。「自分の生活を守りたいだけなのに、悪者扱いされた。ダムなど造らず、そっとしておいてほしかった」
国道のバイパス沿いにある道の駅「八ツ場ふるさと館」。ダム建設に伴う地域振興施設として13年4月にオープンした。「反対してもダムはできる。だったらダムを再生の起爆剤に」と、地区のダム対策委員長だった篠原茂さん(64)らが立ち上げた。ダムの受益者である利根川流域6都県の負担で整備。住民が起こした株式会社で運営する。
150戸の契約農家が栽培した野菜や果物の直売が人気で、行楽シーズンには首都圏からの車で駐車場は満杯になる。開業1年の売り上げは約3億円と目標を25%上回った。「何といっても八ツ場の知名度のお陰」と篠原さん。「品ぞろえやサービスをもっと充実させ、ダム湖観光のお客さんを迎えたい」と意気込む。
(土屋弘)
■建設でも中止でも、地元に影
ダム建設は継続か中止かを問わず、地域住民の生活再建に暗い影を落とす。
設楽(したら)ダム(愛知県設楽町)は民主党政権下で必要性の再検証が始まったが、昨年4月に継続となった。総事業費は約3千億円。
人口約5400人の町は道路整備などダム建設に伴う開発に期待する。だが、水没する124戸の半数ほどは町外へ移転。73年の計画浮上時に見込んだ水需要もすでにない。町外の息子との同居をあきらめた90代女性は「早く決まっていれば」と嘆く。立ち木トラストなどでの反対運動も続く。
近畿最大級の多目的ダムとして計画された丹生(にう)ダム(滋賀県長浜市)は事実上中止された。近畿地方整備局などが昨年1月、「コストや治水能力などを総合評価すると有利ではない」とし、国の決定を待つ。住民が移転を終えた後に中止と判断された初のケースだ。
水需要が減り、大阪府が03年、京都府が04年に利水事業から撤退を表明。滋賀県で06~14年に知事を務めた嘉田由紀子氏も建設に慎重な構えだった。地整などは昨夏、移転住民らでつくる対策委員会に、跡地の整備や地域振興策で意見を求めた。委員長の丹生(にゅう)善喜さん(67)は「ダム建設を見越した道路や河川の整備は止まり、路肩が崩れて通れない県道がある。ダム建設を求める住民もいる」と悩む。
再検証前に中止が決まった川辺川ダム(熊本県五木村)。当初は、ダム予定地を村が使えるよう、生活再建の特別措置法を成立させて、地域振興につなげるシナリオだった。しかし、民主党政権時代に国会へ提出された法案は廃案となり、自民党政権が復活した。土地は今も国が所有。企業も誘致できない。和田拓也村長は「村はダム計画のため、強制的に過疎にさせられた」と話す。
(伊藤智章、坂田達郎、知覧哲郎)

八ッ場ダム:本体工事の開始と抗議行動(1月21日)

2015年1月21日
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残念なことですが、今日(1月21日)、八ッ場ダムの本体工事が始りました。その記事を掲載します。
本体工事開始に対して八ッ場あしたの会と八ッ場ダムをストップさせる市民連絡会が抗議行動を行い、八ッ場ダム工事事務所に抗議文を提出しました。
詳しくは八ッ場あしたの会のHP http://urx2.nu/grHS  をご覧ください。

横断幕shuku

発破作業予定地の前で、横断幕を広げて八ッ場ダム本体工事に抗議の意思表示。 (2015年1月21日撮影)

群馬・八ツ場ダム本体が着工

(共同通信2015年 01月 21日 14:10 ) http://jp.reuters.com/article/kyodoMainNews/idJP2015012101001154
国土交通省は21日、群馬県長野原町の八ツ場ダムで、ダム本体の建設に向けた基礎掘削工事の準備作業に入った。
民主党政権下で無駄な公共事業の象徴とされた巨大ダムは一時凍結されるなど翻弄されたが、計画浮上から60年超を経て、事実上の本体工事への着手となる。
 国交省によると、21日は爆薬を埋め込む穴を掘り、22日以降、建設に適した岩盤を露出させるための発破を行う予定。2016年6月にコンクリートでダムの形を造っていく作業に移行する。完成は19年度になる見込み。
 工事現場には、午前9時ごろから作業員らが重機を搬入。建設反対の市民団体は「本体着工反対」と叫んだ。

八ツ場ダム、本体着工

〔朝日新聞群馬版2015年1月21日16時30分)http://digital.asahi.com/articles/DA3S11562957.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_DA3S11562957
(写真)ダム本体予定地の岩盤(手前)で掘削に向けた作業が始まった=21日午前10時24分、群馬県長野原町、本社ヘリから、堀英治撮影
国土交通省は21日、八ツ場(やんば)ダム(群馬県長野原町)について、水をせき止める堤体を造る本体工事に着手した。工事を落札した企業体が本体予定地の岩盤を掘る「基礎掘削」の作業を始めた。計画浮上から63年。民主党政権下での中止宣言を経た工事で、2019年度に完成予定としている。
この日午前、吾妻(あがつま)川左岸の現場に重機が運び込まれた。硬い岩盤を爆薬で砕き、搬出するための準備作業。ドリルで穴を開け、爆薬を据え付けて、22日に発破をする予定という。
現場周辺にはダム計画の見直しを求める市民団体のメンバーたちが、抗議のために集まった。治水、利水の両面からダムは不要だと訴え、中止を求めている。
国交省が昨年11月に公表した工程表によると、基礎掘削は16年5月までを予定している。翌月から18年5月にかけて掘削部分にコンクリートを流し込んでダム本体を造る。水門設備の設置や試験的に水をためる工程を経て、国交省は現行の基本計画どおり19年度中の完成を予定している。
八ツ場ダムは1952年に国が調査着手を地元に通知した。総事業費の4600億円は国内のダム史上最高。そのうち本体工事は342億5千万円(税抜き)で、清水建設など3社の共同企業体が落札した。
周辺では水没予定地を通る国道145号やJR吾妻線が高台に付け替えられ、水没予定地の住民や川原湯温泉の旅館のための移転代替地造成などの生活再建事業も進められている。(井上怜)
◆キーワード
<八ツ場ダム> 1947年に台風で利根川の堤防が決壊、死者約1100人の被害が出て計画が浮上した。水圧をコンクリートの重さで支える重力式ダム。総貯水量1億750万立方メートルは東京ドーム約87杯分。水没予定地は316ヘクタールに上り、470世帯が移転対象となった。

群馬・八ッ場ダム建設:63年、ようやく着工 反対派、抗議の声

(毎日新聞 2015年01月22日 東京朝刊)http://mainichi.jp/shimen/news/20150122ddm041010077000c.html

本体工事が始まった八ッ場ダム建設予定地=群馬県長野原町で21日
(写真)本体工事が始まった八ッ場ダム建設予定地=群馬県長野原町で21日
  民主党政権による建設中止判断が覆り、再び計画が動き出した八ッ場(やんば)ダム(群馬県長野原町)の本体工事が21日、始まった。計画浮上から63年。反対派の市民団体が建設予定地で抗議の声を上げる一方、地元住民らは安堵(あんど)の声を漏らした。

 始まった工事は、水をせき止めるダム堤体の基礎掘削。岩盤の発破作業に向け、爆薬を詰める穴を開けた。22日以降、発破で岩盤を削った後、高さ116メートルのコンクリート堤体を造る。全体の完成は19年度の予定。

 建設現場周辺では、ダム計画見直しを求める市民団体メンバー約15人が「八ッ場ダムNO!」と書かれた横断幕を掲げ、「本体工事着工反対」とシュプレヒコールを上げた。「八ッ場あしたの会」の渡辺洋子事務局長は「移転代替地での有害スラグ使用など、問題が山積している中で本体工事を始めることは断じて許せない」と憤った。

 水没地区で暮らしていた住民は、大部分が立ち退き、移転先で新生活を始めている。林地区の元ダム対策委員長、篠原茂さん(64)は「本体着工でまずは一安心。住民の生活再建もこれからが最も大事な時期になる。『一日も早く完成を』というよりは、最後まで丁寧に取り組んでほしい」と話した。

 建設予定地では昨年10月、ダム湖の両岸にある移転先同士をつなぐ最後の湖面橋が開通。線路が水没するJR吾妻線も新ルートで運行を始めた。

 国土交通省によると、用地の約92%を取得済みで、24日には強制収用に向けた説明会を開く。【角田直哉】

八ッ場ダム本体着工 計画から60年超

(東京新聞群馬版2015年1月21日 夕刊)http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015012102000225.html
(写真)事実上の本体工事が始まった八ッ場ダムの建設現場=21日午前、群馬県長野原町で
 国土交通省は二十一日、群馬県長野原町の八ッ場(やんば)ダムで、ダム本体の建設に向けた基礎掘削工事の準備作業に入った。
民主党政権下で無駄な公共事業の象徴とされた巨大ダムは一時凍結されるなど翻弄(ほんろう)されたが、計画浮上から六十年超を経て、事実上の本体工事への着手となる。
 国交省によると、二十一日は爆薬を埋め込む穴を掘り、二十二日以降、建設に適した岩盤を露出させるための発破を行う予定。二〇一六年六月にコンクリートでダムの形を造っていく作業に移行する。完成は一九年度になる見込み。
 工事現場には、二十一日午前九時ごろから作業員らが次々に重機を搬入した。付近にはダム建設に反対する市民団体のメンバー十数人が集まり、「本体着工反対」「税金の無駄遣いをするな」とシュプレヒコールを上げた。
 本体工事は、民主党政権が〇九年に建設中止を表明、入札を凍結した。その後、中止方針を撤回、自公政権で昨年八月、清水建設など三社の共同企業体(JV)が落札し、十月から本体工事に必要な測量作業に入っていた。
 八ッ場ダムは利根川支流の吾妻川に建設する多目的ダムで、国が一九五二年に調査を開始した。住民は当初激しく反対したが、高台の代替地に集団移転する生活再建案を受け入れ、九四年に周辺工事が始まった。

計画から63年、八ッ場ダム本体工事始まる

(読売新聞 2015年01月21日 13時24分)http://www.yomiuri.co.jp/national/20150121-OYT1T50052.html
(写真)八ッ場ダムの本体工事を進める作業員ら(21日午前10時52分、群馬県長野原町で)
   群馬県長野原町で国が進めている八ッ場やんばダムの本体工事が21日、始まった。計画から63年で、ようやく着工となった。総事業費は約4600億円。試験貯水などを経て、2019年度中の完成を目指す。
 この日は午前9時頃から、ドリル用重機がダム建設予定地に入った。国土交通省八ッ場ダム工事事務所によると、岩盤の発破作業に向け、火薬を詰める穴を開ける工事を行う。コンクリートを使った建設工事に入るのは、16年6月からの予定。
 ダム計画は1952年、利根川下流域の治水対策として持ち上がり、長野原町などで調査が始まった。09年9月、当時の民主党政権が関連工事を一時ストップさせたが、11年12月、計画継続の方針に戻された。
 移転対象となった水没予定地などの470世帯のうち、456世帯は、既に移転を終えている。水没予定地の住民で作る「八ッ場ダム水没関係5地区連合対策委員会」の萩原昭朗あきお委員長(83)は21日、「ダムは治水の観点から必要と思い、1960年代から関わってきた。長い間かかったが、本体工事に入ることは感慨深い」と語った。

群馬県営増田川ダム計画 白紙に賛同相次ぐ

2015年1月20日
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群馬県営の増田川ダム計画について有識者の意見を聞く会合が昨日(1月19日)開かれました。増田川ダム計画は中止になる見込みで、昨日の会合でも計画白紙に賛同の意見が相次ぎました。

県営増田川ダム計画 白紙に賛同相次ぐ
(東京新聞群馬版 2015年1月20)日http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20150120/CK2015012002000180.html県が計画を白紙にした安中市松井田町の県営増田川ダムをテーマに、河川を改修して貯水池を設ける代替案に対して有識者の意見を聞く会合が十九日、県庁で開かれた。有識者からは利水や環境などの面から計画の白紙に賛同する意見が相次いだ。
会合はこの日開いた県河川整備計画審査会の終了後にあり、出席した各分野の有識者十一人に意見を聞いた。
群馬高専の青井透特命教授は「ダムの計画が続いてきたのは、安中市が一日五千立方メートルの利水量を求めたからという。しかし、人口減少社会の中でそれほどの水は本当に必要なのか。工業用水で必要としても、今の企業は水を有効に活用する技術を持っている」と指摘した。
県漁業協同組合連合会の吉沢和具(かずとも)さんは「増田川は流量が少なく、ダムを造ると魚がダメージを受けると危惧していた」と語った。
野鳥研究者の卯木(うき)達朗さんは「増田川一帯には(絶滅危惧種の)クマタカなど貴重な生物がいるはずだ」と話した。
一方、日本大の岡本雅美・元教授は「各地には貯水池に水がたまらなかった失敗事例がいくつかある」とただし、県河川課は「コンクリートなどを使って整備し、水漏れしないようにしたい」と答えた。
県は三月までをめどに、流域の安中、高崎両市と代替案などを話し合う「検討の場」を開き、今回の意見を報告する。
(菅原洋)

増田川ダム:学識経験者からの意見聴取会ー県庁/群馬
 (毎日新聞群馬版 2015年01月20日) http://mainichi.jp/area/gunma/news/20150120ddlk10010285000c.html
建設中止が見込まれる県営増田川ダム(安中市松井田町)について、学識経験者からの意見聴取会が19日、県庁で開かれた。
 漁協関係者は「増田川は流量が少なく、もし上流にダムができればダメージが大きい」と県の建設中止方針を評価。安中市が水需要を1日5000トンと提示している点について「人口減が続く中、本当に必要なのか」と疑問視する意見も出た。
 増田川ダムについて県は、治水面では下流域の川幅拡幅、利水面では貯水池の方がコスト面で優位と判断。昨年末の検討会議で安中市と高崎市に建設中止の方針を示している。【吉田勝】

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