水源連:Japan River Keeper Alliance

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全国のダム事業の検証状況(検証対象外を含む)

2010年10月から始まったダム事業の検証により、問題ダム事業のほとんどは事業継続の方針が示されてきています。

事業推進の結論が先にある虚構の検証によって、必要性が希薄なダム事業に推進のお墨付きが次々と出ることは腹立たしい限りです。

今年度全国で事業中・計画中のダムについて検証対象外ダムも含めて、2013年1月26日現在の検証状況をまとめてみました。

直轄ダム・水資源機構ダムの検証状況

補助ダムの検証状況

どうなる?最上小国川ダム 県が仮排水トンネル事業を計画、漁協は反発(山形新聞 2013年01月25日)

2013年1月25日
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どうなる?最上小国川ダム 県が仮排水トンネル事業を計画、漁協は反発(山形新聞 2013年01月25日)http://www.yamagata-np.jp/news/201301/25/kj_2013012500656.php

最上町の赤倉温泉上流に建設を予定する最上小国川ダムについて、県は2013年度、仮排水トンネルの整備、用地取得などの事業を計画している。
 同ダムをめぐっては、流域の漁業権を持つ小国川漁協が「ダムではなく河道改修による治水対策の方が迅速に安全を確保できる」などとして反発を強めており、事業の行方に注目が集まる。
 県は昨年10月、本体工事の前提となる取り付け道路の整備を開始、年度内に完了させる方針で工事を進めている。
県県土整備部は13年度、別の工事用道路と仮排水トンネルの整備、ダム本体部分(国有地)と上流側の用地取得を計画し、5億7200万円を予算要求。総事業費は約64億円で、15年度の完成を目指す。
 これに対し、小国川漁協は流域のアユへの影響などを懸念し、一貫してダム建設に反対の姿勢を示してきた。
 本体工事の着手には、最上小国川の漁業権を持つ小国川漁協の賛同が必要となる。沼沢勝善組合長は「漁協が同意しない限り、法的にダム本体の工事はできない。周辺工事は全く無駄な事業」と強調する。
 沼沢組合長らは昨年10月、関連予算の執行停止と河道改修による治水対策を県に要請。
 県は「ダムによる治水対策が最良」とのスタンスを崩さず、あらためて説明の場を求めているが、漁協側は「ダム案の推進を前提とした協議には応じられない」と主張、現段階で具体的な協議には至っていない。
 漁協との協議が平行線に終わった場合、県には土地収用法に基づき、漁業権を強制収用して本体工事を実施するという選択肢もあるが、強制収用は国内で例がない異例の対応となる。
 昨年10月の記者会見で、その可能性を問われた吉村美栄子知事は「強制的な手段はできるだけ取りたくない。安全安心の確保と内水面漁業振興を両立するため、(漁協側と)しっかり話し合いたい」と慎重な姿勢を見せた。
 本体工事の開始時期について、県河川課は「取り付け道路工事の進捗(しんちょく)状況を見ながら適切に判断する」と明言を避けている。
 ダムは1987(昭和62)年9月、度重なる洪水被害対策として最上町が県に建設を要望。県は91年に予備調査を始め、2006年11月に「流水型ダム(穴あきダム)」による建設を決定した。
 09年の政権交代に伴う政策転換で検証対象とされ、再検証の結果、県は11年2月に「ダム案が最良」との対応方針を決定。同年8月に国土交通省がダム建設計画を「継続」と判断したことを受け、県は同年9月、用地測量に着手した。
最上小国川ダムをめぐる経緯
 1987年9月 最上町が県に治水ダム建設を要望
 91年4月 県が最上小国川ダム計画の予備調査を開始
 95年4月 県がダム計画の実施計画調査を開始
 99年12月 県が最上川水系河川整備基本方針を策定
 2003年9月 県が最上圏域河川整備計画を策定
 06年11月 県が「流水型ダム(穴あきダム)」による治水対策を決定
 07年1月 県が最上圏域河川整備計画(変更)を策定
 11年2月 政権交代に伴う事業継続の見直しに関し、県が「穴あきダム案が最良の治水対策」との対応方針を決定
 11年8月 国交省が最上小国川ダムの建設計画を「継続」と決定
 11年9月 県がダム本体周辺の用地測量を開始
 12年10月 県がダム本体への取り付け道路の建設工事を開始
(写真)最上小国川ダム建設に関する予算執行停止などを県に要請する小国川漁協の沼沢勝善組合長(中央)=昨年10月、県庁

公募委員を募集 川上ダムの検証・検討委 伊賀市(2013年1月23日)

2013年1月24日
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淀川水系の川上ダム計画を地元の三重県伊賀市が検証するための委員会の委員を公募しています。委員は学識経験者3人と同ダム建設促進期成同盟会1人、公募委員の5人の計9人を予定しているとのことです。学識経験者3人は宮本博司氏、千代延明憲氏、荻野芳彦氏です。いずれも淀川水系流域委員会でダムに対して批判的な意見を述べた方々です。この検証委員会に大きな期待を持つことができます。
なお、市長の岡本栄氏は元関西テレビのアナウンサーで、昨年9月に市長になりました

公募委員を募集 川上ダムの検証・検討委 伊賀市
 (伊賀タウン情報ユー(2013年1月23日 14:22)  http://www.iga-younet.co.jp/news1/2013/01/post-441.html
 伊賀市内を流れる一級河川の前深瀬川に予定する川上ダムの計画について、同市は治水・利水の検討を改めて行うとし、検証・検討委員会の公募委員5人を募集している。
 ダム事業について、国土交通大臣が2009年10月に「同年度内に新たな工事の各段階に入らない」とするコメントを発表。川上ダムも対象の一つとなり、本体工事が未着工のままとなっている。
 委員の委嘱期間は13年3月末まで。会議は5回程度と見込んでおり、同ダムの果たす役割や代替案などを検討し、市長に上申する。委員は学識経験者3人と同ダム建設促進期成同盟会1人、公募委員の5人の計9人を予定している。
 応募資格は▼同ダムの検証・検討について考え、議論できる人▼委嘱した日から期間中に開く委員会に出席できる人▼市内に居住、通勤、通学している20歳以上の人だが、国・地方議会の議員や常勤の公務員は対象外。各委員の報酬として日額6000円が支払われる。
 応募用紙に必要事項を記入し、「川上ダムに対する想い」を800字(原稿用紙2枚)以内にまとめた上、郵送は「〒518-1313 伊賀市馬場1128 伊賀市建設部公共事業対策室」宛て、1月31日(日)必着で申し込む。
 ファクス(43・2324)、電子メールkoukyou@city.iga.lg.jpでも可。応募用紙は同市ホームページからも(http://www.city.iga.lg.jp/ctg/24255/24255.html)入手できる。
 岡本栄市長によると、1月23日現在、2人からの応募があり、「同委員会としては主に利水についての代替案や意見を広く募りたいと考えている。水源問題に関心ある方から応募が少しでも寄せてくれたら」と話していた。
 問い合わせは市公共事業対策室(0595・43・2326)へ。
川上ダム:伊賀市長「市民主体、市政に参加意識を」 検証委5人以内、応募呼び掛け    /三重
(毎日新聞伊賀版 2013年 1月24日) http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130124-00000214-mailo-l24◇利水について答申
本体未着工の川上ダム(伊賀市)について、岡本栄市長は23日、検証委員会の公募委員要項を発表した。検証委を2月上旬にも発足させ、利水面の必要性について答申を求める。
記者会見で岡本市長は「広くいろいろな立場の方の意見を聞きたい。主体は市民で、市政への参加意識をもってもらいたい」と公募の狙いを説明した。
公募委員の対象は、市内に在住か在勤、在学する20歳以上の男女で、5人以内とした。800字以内で「川上ダムに対する思い」をまとめ、提出してもらう。
◇5回ほど会合、治水の議論も
検証委は5人以内の公募委員のほか、学識経験者3人と「川上ダム建設促進期成同盟会」の1人で構成。3月末までに5回程度の会合を開き、利水面に限って岡本市長に答申する。
治水については「国、県の管轄のため」(岡本市長)、答申対象にはしないが、議論は自由とした。出席委員には、市の報酬規定に従い1回6000円が支給される。
応募・問い合わせは市公共事業対策室(0595・43・2326)。締め切りは31日。市ホームページ(www.city.iga.lg.jp)にも詳細を掲載している。【伝田賢史】
〔伊賀版〕

1月17日、「ダム検証のあり方を問う科学者の会」が「八ッ場ダムと利根川整備計画の要請書」を提出

2013年1月21日
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「ダム検証のあり方を問う科学者の会」が太田昭宏国交大臣に対して八ッ場ダムと利根川整備計画の要請書(科学者の会)(12kb)を提出しました。
代表の今本博健先生、川村晃生先生が提出し、国交省記者クラブで記者会見を行いました。

1997年に河川法が改正され、それまでの第16条「工事実施基本計画」が第16条「河川整備基本方針」、第16条の2「河川整備計画」の二つに分かれました。水系としての最終的な整備目標を定めるのが「河川整備基本方針」です。
この河川整備基本方針で治水整備最終目標安全度、基本高水流量(安全度に見合った潜在的最大流量)、計画高水流量(川に負担させる流量)、流量調整の必要の有無が判断されます。基本高水流量>計画高水流量の場合は洪水があふれることになるので流量調整施設が必要となります。具体的施設については河川整備計画に引継がれます。
20~30年のスパンで実際に河川を水系として整備することに関して定めたのが第16条の2「河川整備計画」です。具体的なダム事業計画はこの河川整備計画のもとに策定されることになっています。河川整備計画は環境の視点を加えて、その水系に詳しい人(学識経験者)、流域住民、自治体の意見を反映させて策定することとされています。詳しくは「河川法16条・16条の2 議事録含む」をご覧ください。

八ッ場ダム建設事業はこれまで「工事実施基本計画」に基づいて進められてきました。利根川水系河川整備基本方針は2006年2月14日に策定されましたが、利根川水系河川整備計画は策定されていないからです。河川整備計画策定が義務付けられたのが1997年なので、実にこれまで16年ものあいだ八ツ場ダム事業は本来の上位計画ナシで進んできました。1997年河川法改正時に「基本方針・整備計画策定までは工事実施基本計画をそれらとみなす」と附則が着いているので、利根川水系河川整備計画なしで八ッ場ダム建設事業が進んできたことは違法とは言えないかも知れないが、限りなく違法に近い脱法であることは疑う余地がありません。
環境の視点、流域住民との合意形成の視点等に重きを置いた利根川水系河川整備計画の策定は最早喫急の課題です。

八ッ場ダム事業を盛込んだ河川整備計画の策定が本体着工の条件とされていることから、関東地方整備局は何が何でも八ッ場ダムを同計画に位置付けることだけを目論んでいます。
私たち利根川流域住民は、多様な生物相を育み、水産資源豊富な利根川を蘇らせるべく内容=「利根川水系まるごとラムサール登録湿地」を利根川水系河川整備計画に盛込ませるべく取組みを進めます。

 

熱気にあふれた利根川シンポジウム報告

利根川シンポジウム
ウナギが問う! 「生物多様性から考える 利根川水系河川整備計画」

2013年1月19日、13時半から東京水道橋の全水道会館4階大会議室で開催しました。
利根川水系はウナギの名産地である、ということを知る人は意外と少ないのではないでしょうか?
その漁獲高が年々歳々減少の一途をたどっています。

利根川水系の流れ遮断をもとに戻して全域にウナギを、鮎を復帰させ、汽水域が復活することでシジミなどの資源も復帰する。自然資源の復活によって地域経済が活発になるばかりでなく、食物連鎖で水質も改善される。それには生物多様性の保障が不可欠。まさしく利根川水系全体をラムサール条約登録湿地として登録することを目指そうではないか。!!
利根川水系整備計画に「利根川水系まるごとラムサール条約登録湿地を目指す」を盛込ませよう!!、という方向性を参加者全員が確信したシンポジウムでした。

その実現を目指す取組みがこれから展開されます。皆さんのご協力、よろしくお願い致します。

当日の様子は下記Ustrem をご覧ください。
http://www.ustream.tv/channel/ramnet-j

当日の報告、資料集を掲載しますのでご覧ください。
ウナギシンポ報告 157Kb
1月19日利根川シンポ資料集 6.3Mb

 

 

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