水源連:Japan River Keeper Alliance

水源開発問題全国連絡会は、ダム建設などと闘う全国の仲間たちのネットワークです

ホーム > ニュース

ニュース

水源連の最新ニュース

相模川に本州南限のサクラマス自然遡上を復活させることができるか

2019年3月5日
カテゴリー:

神奈川県の相模川で本州南限のサクラマスの自然遡上を復活させる取り組みを取り上げた記事を掲載します。
相模川は河口から5kmのところに寒川取水堰、12kmのところに相模大堰、さらにその上に磯部頭首工があります。いずれも魚道が付いていますが、サクラマスの遡上に有効かどうかはわかりません。
また、本川の更なる上流には城山ダム、相模ダム、支川の中津川には宮ケ瀬ダムがそびえています。
サクラマスの自然遡上を復活させる運動によって、川の堰やダムの問題が浮き彫りになっていくと予想されるので、重要な取り組みであると思います。

相模川に本州南限のサクラマス自然遡上を復活させることができるか
(ルアマガ 2019/3/4(月) 17:00配信) https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190304-00010000-tsuriplus-life&p=1

(写真)サクラマスが自然遡上できる環境を整えるには、多くの課題がある
サクラマスの太平洋側南限と言われる神奈川県・相模川。かつてこの川には、数多くのサクラマス(ヤマメの降海型)が遡上する姿が見られたというが、降海型の魚が生存するのに適さない河川環境であることなど様々な要因が重なり、今は見る影もない。

そんな相模川に、サクラマスを復活させようというプロジェクトが動き出している。相模川・中津川・小鮎川の三川合流地点にて行われたイベントの模様を、トラウトアングラーの木下進二朗さんにレポートしてもらった。

(写真)木下進二朗さん
■トラウトアングラー
木下進二朗(きのした・しんじろう)

静岡県中部や伊豆地方の川をホームとするトラウトアングラー。
ジャクソンのフィールドテスターを務める。
(写真)サクラマス。最大で70cmほどにも成長する。冷水域を好み、川で孵化して海で育ち、再び産まれた川に戻ってくる降海型の魚。ヤマメは河川に残留するサクラマスの陸封型

かつて多くサクラマスが遡上していた相模川
ここ数年「catch&clean」というフィールド清掃活動に参加させていただいているのだが、昨年神奈川県・中津川で行われたこの活動の中で耳寄りな情報をキャッチした。同県相模川水系に“サクラマスを復活させよう”というプロジェクトが進行中とのことである。ここで気になるのは“復活”という言葉だ。

聞くところによると、かつて相模川には多くのサクラマスが遡上していたそうだ。遡上河川としては本州の南限と言われており、相模川に遡るマスはそういった意味でも非常に貴重な存在であることがすぐに理解できた。

今ではダムや取水堰堤が数多く建設され、その数は激減。釣りの対象にするのは難しくなってしまったそうだ。彼らのように、川と海を行き来する魚類の存在は河川環境を映し出すと云われるため、日常的に水道水や電気を使う僕達にとっては耳の痛いところでもある。

(写真)プロジェクトの発起人となったザンマイオリジナルハンドメイドルアーズの小平豊さん。「catch&clean」の活動に深く携わる人物

ゆかりある地で育ったヤマメを放流したい
さて、件のプロジェクトの発起人となったのは「ZANMAI ORIGINAL HAND MAID LURES」の小平豊さん。イベント開催までの道のりは険しかったと語ってくれた。

まず、皆さんご存知かもしれないが個人が勝手に川に魚を放流する事は、ゲリラ放流になってしまう。そのため、水系を管理している“漁協の承認”が必要になってくる。

さらに、放流をするからにはそのための魚。つまりサクラマスになるヤマメを調達しなければならない。それに伴い資金も必要なのは言うまでもない。

小平さん曰く、漁協へは何度も足を運び、理解を求めるために説明と協議を繰り返したそうだ。そして資金調達については、このプロジェクトに共感した「catch&clean」参加者や、地元ロコアングラーである木岡氏を始めとした有志が「丹沢の釣り人大反省会」と称したチャリティイベントを開催。

神奈川県大和市にお店を構える「くらげ亭」さんに協力してもらい、イベント当日の飲食代を寄付していただくという、この上ないご厚意を承ったのだそうだ。

残念ながら僕は参加することが出来なかったのだが、SNSには未来の相模川を映すかのような明るく楽しそうな写真が数多く掲げられていた。

(写真)放流したのは相模川水系のヤマメ

できるだけ、元の環境に近いものを
放流会を開催するに際し、放流する魚にもこだわった。山梨県水産試験場より発眼卵を購入し、同県忍野村の宮下養魚場に飼育を依頼。

忍野は相模川水源のひとつでもあり、少しでもゆかりのある地で育ったヤマメであることが重要だった。卵から孵ったヤマメは降海型となるように育てられたそうだ。

ご存知のようにサクラマスになる個体は、自然界で発育が遅れ一度ライバル争いに敗れたものが海へと下る。あえて飼育中のエサの量を抑え発育を遅らせることで、本能的に海に下ろうとするのだそうだ。その目安は8月の時点で、10cm未満の個体だという。

他にも大小様々な課題があったようなのだが、裏側のお話はこのぐらいにしておこう。
(写真)この取り組みに関心のある84名もの人が集まった

釣り人が成果を公表し本州南限のブランドリバーへ
去る2018年11月25日(日)。84名もの参加者たちが、相模川・中津川・小鮎川の3つの川が合流する前の広場に集結した。

この場所が選ばれたのには理由があり、釣り人だけでなく多くの人が利用する広場であれば、カワウが近づき難いという狙いもあるそうだ。それに、河口から15~16km地点にあるこの場所は野生を取り戻した個体が半日程で汽水域にたどり着けるため、ヤマメたちにとっても好都合のようだ。

(写真)放流されたヤマメは次々と泳ぎだしていった

放流ヤマメを区別する
開始してから間もなく、バケツに移されたサクラマス候補生が参加者に配られた。用意されたのはおよそ3500尾のヤマメ。その内の100尾から油鰭をカットし、区別化を図った。さらにカットした鰭もDNA解析用サンプルとして保管。

昔から「可愛い子には旅をさせよ」というけれど、たった今バケツに受けたヤマメでさえも愛おしく思える。

近くで小平さんの声がしたので、この活動の発起人でもある氏に、唐突に今の心境を聞いてみた。

小平「あとは皆さんが成果(釣果)を見せてください。最終的に目指すのは“放流に頼らない自然回帰のサイクルを取り戻すこと”。それにはまだまだ課題は山積みで、釣り人・漁協・行政が連携することが必要なんです」

課題はあるかもしれないが、これだけたくさんの参加者が集まっているのだから、皆で真剣に取り組むことで、大きな一歩に繋がるはずだ。
(写真)神奈川県水産試験場専門研究員の勝呂尚之さん。当日は“ 野外講座 ”と題し「 丹沢のこと・相模川のこと 」について、講習会を開いていただいた

いま必要なのは、サクラマスの活動に関するデータを集めること
その後行われた、神奈川県水産試験場の勝呂尚之さんのお話しの中でも具体的に挙げられたのは、サクラマスが戻って来た際の産卵場所の調査と整備は大きな課題とあった。

対策のひとつとして、大規模堰堤やダムのように魚道を設けることが困難な場合において、迂回するための水路の設置がビジョンにあるようだ。

そのためには、小平さんの言う通り僕たち釣り人がまずは成果を公表し、サクラマスの希少性と注目度の高さ、それにおける経済効果をアピールしたいところである。

(写真)イベント終了後には豚汁が振る舞われた。できるだけゴミを出さないよう、参加者たちは自前の箸と器を持参。「catc&clean」らしい試みである

いつか本州南限の天然サクラマスが遡上する日が来ることも夢ではない
最後に、相模川のサクラマスを釣り上げることが出来た際は次のことを思い出して欲しい。放流当時は体長15cm(40g)程度だったこと。過去の調査から、東は房総半島沖・三浦半島沖。西は紀伊半島沖までを旅して来た可能性があること。

釣り人はついついサイズに目がいってしまいがちだけど、彼等が乗り越えた苦難を想像しリスペクトしてあげて欲しい。

そして、釣果があれば、関係機関(相模川漁連・catch&clean公式ブログ・ザンマイHP)に連絡をいただけると研究材料になるそうなので、ぜひともご協力願いたい。

ルアマガ+編集部

西日本豪雨災害受け、避難行動など提言 土木学会四国地区調査団

2019年3月4日
カテゴリー:

西日本豪雨サ災害に関する土木学会の四国地区調査団の報告会が3月2日に開かれました。その記事を掲載します。
愛媛大学が野村ダム下流の避難シミュレーションを行った結果によれば、保育所の園児が避難場所に徒歩で向かったとすれば15分かかる一方、実際は氾濫から10~20分で2メートル程度浸水しており、氾濫してから避難しても遅い状況でした。
ダムは満水になって洪水調節機能を失うと、急激に放流量を増やします。昨夏7月の野村ダムは300㎥/秒をいきなり1800㎥/秒まで増やしました。これでは避難することは困難です。
昨年11月に発表された「野村ダム・鹿野川ダムの操作に関わる情報提供等に関する検証等の場」のとりまとめhttp://www.skr.mlit.go.jp/kasen/kensyounoba/04setumei0402.pdf
を読んでも、洪水調節ダムが持つこの基本的な問題については改善策が書かれていません。

 

西日本豪雨災害受け、避難行動など提言 土木学会四国地区調査団
(愛媛新聞2019/3/3(日) 8:00) https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190303-03000801-ehime-l38

西日本豪雨水害に関する土木学会の四国地区調査団の報告会が2日、松山市文京町の愛媛大であり、
県内関連では西予市野村地域の浸水被害を踏まえた避難行動への提言のほか、社会福祉施設や医療機関の災害対策の課題などを説明した。
野村地域の浸水状況を調べた愛媛大の森脇亮教授は、保育所を例に避難シミュレーションした結果、
園児が避難場所に徒歩で向かったとすれば15分かかる一方、
実際は氾濫から10~20分で2メートル程度浸水しており、氾濫してから避難しても遅い状況だったと分析。
「ダム直下では放流量の情報を避難の判断基準とするタイムライン作成が必要だ」と提言した。
肱川周辺の高齢者施設の対応について、徳島大の金井純子助教は、防災情報を入手しても、入所者を他施設へ移送するタイミングが遅れ、切迫した状況で2階へ避難した例もあったと指摘。
「避難行動を始める目安がないと判断が遅れる可能性がある」と述べ、施設独自での目安づくりは難しいとし、行政や社会福祉協議会、専門家なども連携して作成する徳島県内の事例を紹介した。
徳島大の湯浅恭史助教は愛媛県内44医療機関で浸水被害があったと説明。
被災経験がある大洲市の病院では診療機能を2階以上に置くなど対策を講じており、浸水後3日という早期の外来診療再開につながったと評価した。

奈良県・大滝ダム貯水域周辺を走る高原トンネルで亀裂が発生

2019年3月2日
カテゴリー:

奈良県・吉野川の直轄ダム「大滝ダム」の貯水域周辺を走る高原(たかはら)トンネルで亀裂が発生し、昨年12月1日から通行止めになっています。

奈良県に「国道169号高原(たかはら)トンネル安全対策検討会」が設置され、変状の原因究明及び交通開放に向けての検討が行われています。
検討会の配布資料はhttp://www.pref.nara.jp/item/206698.htm#itemid206698
に掲載されています。

大滝ダムと高原トンネルの位置関係は下記のとおりで、高原トンネルは大滝ダムの堤体から数km上流の左岸側を通っています。


この場所は下記の検討会の資料のとおり、迫地区としてかつて地すべり対策が行われた箇所です。そのすぐ上流の右岸側の白屋地区は大滝ダムの試験湛水に伴って激しい地すべりが起き、38戸全戸が移転しました。

大滝ダムの経過は次の通りです。
2002年8月にダム堤体が完成し、2003年3月に試験湛水開始。
試験湛水で白屋地区で地割れが発生し、38戸が全戸移転
その後も大滝地区と迫地区でも地すべりの危険性が判明
白屋地区及び大滝地区では押え盛土工、鋼管杭工等、迫地区では押え盛土工、アンカー工等の地すべり対策工事を実施
地すべり対策の追加工事に308億円投じて、
2013年3月に大滝ダムがようやく完成

今回の高原トンネルの亀裂発生の原因は明らかにされていませんが、大滝ダムの貯水位変動の影響ではないかと思われます。
地質の脆弱な場所にダムをつくると、このような問題がいつまでも続くことになります。
八ッ場ダムの貯水域周辺もこのような問題が起きるのではないでしょうか。

地滑り対策地半減 八ツ場ダムに警鐘 盛り土強度にも疑問 群馬 地質研究者ら会見

2019年2月28日
カテゴリー:

八ッ場ダムの本体工事が残念ながら、急ピッチで進んでいます。来年3月には完成する予定で、本体工事が終わったら、試験湛水が始まることになっています。
八ッ場ダム事業にはまだまだ多くの問題がありますが、その一つとして試験湛水やその後の本格運用で地すべりが引き起こされる危険性の問題があります。
八ッ場ダム貯水池周辺は地質が脆弱なところが多く、また、周辺に造成された移転代替地は民間の宅地造成では例がない超高盛土の造成が行われたため、試験湛水や本格運用による貯水位の変動で地すべりが起きる危険性があります。
その危険性が強く指摘されてきたので、2011年に行われた八ッ場ダム事業の検証で、国土交通省はようやく、地すべり対策を10カ所(対策済みの1カ所を除く)、代替地安全対策を5カ所で実施する方針を示しました。
ところが、最近になって国土交通省は費用節減のため、地すべり対策を5カ所に、代替地安全対策を3カ所に減らし、対策を実施するところも安上がりの工法に変えてしまいました。
地元の安全性が蔑ろにされているのです。そこで、八ッ場あしたの会は情報公開請求で国土交通省の地質報告書と対策検討報告書を入手し、対策箇所削減と対策工法変更の問題点について専門家グループに検討を依頼しました。
2月26日に専門家グループが群馬県庁記者クラブでその検討結果について記者会見を行いました。その記事を掲載します。
記者会見の様子は八ッ場あしたの会のHP https://yamba-net.org/46148/ 
会見の配布資料は八ッ場あしたの会のHP https://yamba-net.org/46170/ をご覧ください。

地滑り対策地半減 八ツ場ダムに警鐘
盛り土強度にも疑問
群馬 地質研究者ら会見
(しんぶん赤旗 2019年2月27日)https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2019-02-27/2019022701_04_1.html

(写真)会見する伊藤さん(左から2人目)ら研究者と八ツ場あしたの会のメンバーら=26日、群馬県庁内

「いま、最低限の対策をとらないと重大な事態を引き起こしかねない」―。不要不急の大型公共事業と指摘されながら国土交通省が工事を推し進めてきた八ツ場(やんば)ダム(群馬県長野原町)。今年中にダムに貯水して機能を確かめる「試験湛(たん)水」を行う予定です。それを前に地質の研究者らが26日、群馬県内で会見を開き、同ダムの不十分な地すべり対策に警鐘を鳴らしました。
会見をしたのは、伊藤谷生・千葉大学名誉教授ら地質などの専門家です。伊藤さんらは、同ダム建設の中止と建設予定地の地域再生を求めて活動する「八ツ場あしたの会」が情報公開で入手した国交省の資料を調査しました。
その結果、2011年の計画では、10カ所にするはずの地すべり対策が17年には5カ所に減らされていました。
また、同ダム水没予定地の住民は、ダム湖を見下ろす造成地に建設した代替地に移転しています。高い盛り土の上に造られたため、11年の時点では5カ所で鋼管杭(くい)やアンカーを打ち込んだ地すべり対策をする予定でした。
ところが、17年に2カ所ではなんら対策をしないことになりました。さらに残り3カ所も杭の打ち込みをやめ、「押さえ盛り土」などの安価な工法に変更されていました。
伊藤さんは「温泉地帯にダムを造るというのはあまりないのではないか。押さえ盛り土でセメントを使うが、酸性に弱い。水没することでセメントの劣化が懸念される」と指摘しました。
さらに、伊藤さんらは、盛り土の強度について国交省の報告書に「最初に結論ありきで、恣意(しい)的に数値が操作されている疑いがある」と指摘しました。
「あしたの会」は3月中に国交省関東地方整備局に公開質問状を提出する方針です。
八ツ場ダム工事事務所は「調査検討を行い、必要に応じて安全性を確保しています」と、本紙の取材に答えました。同ダムは、国と1都5県で5320億円の事業費となっています。

(写真)工事中の八ツ場ダム(国交省のHPから)


代替地や貯水池 「安全対策に問題」 八ッ場あしたの会

(上毛新聞2019年2月27日)

新年度完成予定の八ッ場ダム(長野原町)について、市民グループの八ッ場あしたの会は26日、県庁で記者会見し、
水没予定地の代替地や貯水池周辺で、地滑りなどが起きないようにする安全対策に問題があると指摘した。
ダムに水をためる前に対応を検討すべきだとしている。
国土交通省の地質調査や、対策工事に関する資料を情報公開請求で入手し、専門家の協力で検討した。
その結果、安全対策を決める際に用いるデータの評価などについて、不適切とみられる項目が見つかったという。
当初予定より安価な工法に変更されたとして「事業費を圧縮するためではないか」とみている。
国土交通省に近く公開質問書を送る。
国土交通省八ッ場ダム工事事務所は上毛新聞の取材に、同会の指摘内容を把握していないとしつつ「対策については適正に調査検討を行い、安全性を確保している」とした。

天竜川の白濁対策、下伊那漁協などが県に要請へ ダムの堆砂原因か (長野県の小渋ダム)

2019年2月27日
カテゴリー:

長野県営小渋(こしぶ)ダムの放流水で天竜川が白く濁ることがあり、アユやアユの餌となる藻類の成長に悪影響が及ぶ恐れがあるとして、下伊那漁業協同組合が県企業局に対策を求めることになりました。その記事を掲載します。
小渋ダムは堆砂がひどく進行しています。総貯水容量5,800万㎥に対して2017年3月末の堆砂量は1,801万㎥にもなっており、総貯水容量の3割以上が土砂で埋まっています。

天竜川の白濁対策、下伊那漁協などが県に要請へ ダムの堆砂原因か

(信濃毎日新聞 2019年2月27日) https://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20190227/KT190218FTI090008000.php


(写真)小渋第2発電所の取水口がある小渋ダム=26日、中川村・松川町

県営小渋(こしぶ)第2発電所(下伊那郡松川町)からの放流水で天竜川が白く濁ることがあり、アユやアユの餌となる藻類の成長に悪影響が及ぶ恐れがあるとして、下伊那漁業協同組合(飯田市)などは近く、同発電所を管理する県企業局に対策を求める。
同発電所が取水している小渋ダム(松川町、上伊那郡中川村)で堆砂が進み、砂や泥が混じりやすくなっていると推測。取水口の位置を変えるよう要請する考えだ。

同発電所は、国土交通省天竜川ダム統合管理事務所が管理する小渋ダムの完成に合わせ、1969(昭和44)年に稼働した。同事務所によると、発電所に水を流す導水管とつながった取水口は標高583メートルの高さにある。設置当初のダム湖の湖底は同約540メートルだったが、堆砂が進み、現在は同約570メートルまで上昇。同漁協は、ダム湖の湖底が取水口に近づいたことで、濁った水が取水口に流れ込んでいると推測している。

県企業局電気事業課によると、2003年以前に同漁協から天竜川の濁りについての指摘があり、現場で確認。同年から、アユ釣りが盛んな6〜9月の土、日曜日は発電や天竜川への放流を行わないようにしているという。

一方、同漁協は、天竜川が濁る傾向は同年以降も続いており、釣り客離れも生じていると強調。天竜川下流の天竜川漁業協同組合(浜松市)を含む静岡県内2漁協と共同で対策を要請することにした。

電気事業課は、漁協側が求める取水口の新設について、「大きな工事になるので、効果があるのかしっかり検証する必要がある」と説明。「地域との共存共栄が大事。地元漁協とさらに話し合いを深めたい」としている。

↑ このページの先頭へ戻る