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報道

関東・東北豪雨  鬼怒川氾濫、国を提訴 茨城の住民ら30人「管理に不備」

2018年8月13日
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2015年9月の関東・東北豪雨では鬼怒川下流部で堤防が決壊し、無堤地区で大規模な溢水があって、その氾濫が茨城県常総市の鬼怒川左岸側のほぼ全域におよび、凄まじい被害をもたらしました。
この鬼怒川水害は、氾濫の危険性が極めて高い箇所を放置してきた国土交通省の誤った河川行政が引き起こしたものです。
そこで、8月7日、国家賠償法により、被災者30人が国に対して損害賠償を求める裁判を起こしました。この提訴についての記事とニュースを掲載します。

関東・東北豪雨「高さ不足の堤防放置で浸水」 住民ら国を提訴
(NHK 2018年8月7日 16時53)分https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180807/k10011567881000.html

(期限切れ)

3年前の「関東・東北豪雨」で鬼怒川の堤防が決壊し大きな被害が出た茨城県常総市の住民などが、大規模な浸水が起きたのは堤防の高さが不足していたのに国が放置したためだなどとして、3億3000万円余りの損害賠償を求める訴えを起こしました。
訴えを起こしたのは、平成27年9月の「関東・東北豪雨」で鬼怒川の堤防が決壊して2人が死亡しおよそ8000棟が浸水する被害が出た常総市の会社や住民およそ30人で、7日、水戸地方裁判所下妻支部に訴状を提出しました。
原告は、川沿いにある「若宮戸地区」では砂丘林が堤防の役割を果たしていたのに、国が十分な規制をしなかったために民間の事業者による砂丘林の掘削工事が行われ、浸水を防げなかったと主張しています。さらに、「上三坂地区」では毎年の測量で堤防の高さが不足しているのを知りながら放置したことが決壊につながったなどとして、国に対しおよそ3億3500万円の損害賠償を求めています。
これについて国土交通省関東地方整備局は「訴状が届いていないのでコメントできない」としています。
原告弁護団の弁護士「人災の側面が強いと考える」
原告の弁護団の只野靖弁護士は「近年は全国各地で水害が起きているが、鬼怒川の浸水被害については人災の側面が強いと考えている。国にはまず事実をきちんと明らかにしてもらいたい。今回の裁判が、同じように水害で苦しんでいる人たちが治水の在り方を見直すきっかけになるのではないか」と話しています。

鬼怒川決壊で国に賠償請求=茨城・常総市の住民ら―水戸地裁支部
(時事通信 / 2018年8月7日 11時57)分https://news.infoseek.co.jp/article/180807jijiX468/

(期限切れ)

2015年9月の関東・東北水害で、鬼怒川の堤防が決壊し甚大な被害を受けた茨城県常総市の住民ら約30人が7日、被害が生じたのは河川管理者である国に責任があるとして、約3億3500万円の損害賠償を求める訴訟を水戸地裁下妻支部に起こした。
訴えたのは、堤防決壊により大きな被害を受けた同市内3地区で、住宅や工場などが浸水した約30人。
訴状によると、管理者である国は、堤防の役割を果たしていた砂丘林を河川区域に指定せず、民間事業者による掘削を放任。また、堤防のかさ上げが必要と認識していながら、対応を怠ったことなどが水害の原因になったとしている。
関東・東北水害では、茨城と宮城、栃木各県で計20人が死亡。常総市では堤防決壊で市街地が浸水、約5000の家屋などが半壊以上の被害を受けた。
弁護団事務局長の只野靖弁護士は「この水害は人災の面が強い。今まで国は水害被害の責任を取ってこなかった。泣き寝入りしてきた人たちを勇気づけられれば」と話した。
国土交通省関東地方整備局の話 訴状が届いていないので、コメントできない。
[時事通信社]

「堤防整備怠った」鬼怒川氾濫 住民ら30人が国提訴
(テレ朝NEWS 2018/8/7(火) 17:23配信)https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/ann?a=20180807-00000030-ann-soci

(期限切れ)
(映像あり)
鬼怒川が氾濫して被害を受けた住民が国を訴えました。
2015年9月の関東東北豪雨で鬼怒川の堤防が決壊して大規模な水害が発生し、茨城県常総市では14人が死亡しました。水害の原因は国が堤防の整備を怠ったためなどとして、常総市の住民ら30人が国に対して3億3500万円の損害賠償を求める訴えを起こしました。
原告の赤羽武義さん(78):「(Q.ずっと水は引かなかった?)引かなかった。幾日も引かなかったね」
赤羽さんの家も1階が水につかり、妻の芳子さん(当時75歳)は、避難生活で体調を崩して亡くなりました。
原告の赤羽武義さん:「女房の死(の原因)はどこにあった。それがやっぱり今回の提訴にふみ切った理由」
訴えに対して国側は、訴状が届いていないのでコメントはできませんとしています。

鬼怒川氾濫、住民ら30人が国を提訴
(TBS NEWS 2018/8/7(火) 13:03配信)https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20180807-00000049-jnn-soci

(期限切れ)
(映像あり)
鬼怒川の堤防決壊などによる水害は、河川の管理に問題があったためだとして、被災した住民らが国に損害賠償を求める裁判をおこしました。
訴えを起こしたのは、3年前、鬼怒川が氾濫し、堤防の決壊で被災した周辺住民ら30人です。原告の住民らは、国は鬼怒川のダム建設に巨額の予算を投じる一方で、河川改修がなおざりとなり、堤防の整備が進んでいなかったなどと主張。鬼怒川の氾濫は、国の河川行政の過ちによるところが大きいとして、治療費や住宅の修繕費、慰謝料など、あわせておよそ3億3500万円の損害賠償を求めています。(07日11:17)

関東・東北豪雨  鬼怒川氾濫、国を提訴 茨城の住民ら30人「管理に不備」

(毎日新聞2018年8月7日 東京夕刊)https://mainichi.jp/articles/20180807/dde/041/040/032000c

2015年9月の関東・東北豪雨で、鬼怒川が氾濫して被害を受けたのは国の河川管理に不備があったためとして、茨城県常総市の住民ら約30人が7日、総額約3億3500万円の損害賠償を国に求める訴訟を水戸地裁下妻支部に起こした。
訴状によると、鬼怒川は同市若宮戸で越水したが、付近は私有地で堤防がなかった。砂丘が堤防の役割をしていたが、国は土地の掘削などに許可が必要な河川区域に指定せず、ソーラーパネル設置に向けた民間業者による掘削を止めなかったと主張。周辺は最大約4・5メートル低くなり、国は14年7月に応急対策として土のうを積んで約1・6メートルかさ上げしたが、水があふれた。
原告側は、若宮戸では国土交通省が治水計画で規定した計画高水位(氾濫せずに耐えられる基準)に達していなかったと指摘。「無堤防のまま放置し、掘削を放任したのは管理に明白な瑕疵(かし)がある」と訴えた。
三坂町でも堤防が決壊。堤防は約20年間で約50センチ沈下したが、国はこれを把握しながら放置したとしている。
この豪雨で、同市は市域の3分の1に当たる約40平方キロが浸水。市内の住宅被害は全壊53棟、大規模半壊と半壊は計約5000棟に上り、災害関連死の12人を含めて14人が死亡した。【宮田哲】

「国の人災明らか」 花卉壊滅被害の原告

(写真)「明らかな人災。責任を認めさせたい」と話す高橋敏明さん=茨城県常総市若宮戸の鬼怒川河畔で

鬼怒川の氾濫から間もなく3年になるが、多くの被災者は再建途上にある。高橋敏明さん(64)=茨城県常総市=もその一人で、農園が浸水して壊滅的な被害を受け、原告団に加わった。高橋さんは「対策を尽くさなかった国の人災は明らか。責任を認めさせたい」と語気を強める。
「砂丘が堤防の役割をしているのをみんな知っていた」。氾濫後に築かれた堤防から鬼怒川を見つめながら、高橋さんはつぶやいた。越水したのは民間業者が掘削した砂丘周辺で、国も砂丘の役割を認識していたという。
高橋さんは代々続く農家。越水地点から東に約800メートル離れた場所にある温室16棟で、観葉植物の鉢植えや花卉(かき)類を生産していたが、地上1メートルの高さまで浸水した。丹精して育てた植物は泥に埋まり、全15万鉢の9割近くがだめになった。
「再建は無理かもしれない」と感じたが、一緒に働く長女(38)から「あきらめちゃだめ」と励まされた。多くのボランティアも訪れ、顔まで泥だらけになって片付けを手伝ってくれた姿を見て、「負けてはいられない」と立ち上がった。
売り上げは水害前の7割にも届かず、設備を修理するために受けた融資の負担がのしかかる。一方で、育成に3年かかるポトスの鉢植えを来春、出荷できるめどが立った。高橋さんは自分に言い聞かせるように口を開いた。「もう一息頑張らないと」【宮田哲】

鬼怒川被災者ら、国に3・3億円賠償求め提訴 2015年の茨城豪雨
(産経新聞2018.8.7 12:20)http://www.sankei.com/affairs/news/180807/afr1808070010-n1.html

宮城、茨城、栃木の3県で8人が死亡した2015年9月の関東・東北豪雨で、茨城県常総市の鬼怒川の堤防決壊などによる水害に遭ったのは河川管理の不備が原因として、周辺住民らが7日、管理者の国に計約3億3500万円の支払いを求めて水戸地裁下妻支部に提訴した。
弁護団によると、原告は被災した19世帯と1法人。家財、建物の損害や慰謝料などを請求した。
鬼怒川は豪雨の際、常総市若宮戸で大規模に水があふれ、同市三坂町では堤防が決壊し、市総面積の約3分の1に当たる約40平方キロが浸水。5千棟以上が全半壊し、市内では2人が死亡した。
訴状によると、若宮戸地区には元々堤防がなく、砂丘林が自然の堤防になっていた。だが、掘削や建物を建築する際に河川管理者の許可を必要とする「河川区域」に国が指定せず、豪雨前に太陽光発電事業による掘削を放任したと指摘。その後の治水対策も不十分だったと訴えている。
また、三坂町で決壊した堤防の高さは周辺に比べて低く、経年による沈下が進んでいたのに、国が改修を急がなかったと主張。両地区からあふれた水は市中心部を流れる八間堀川の氾濫要因にもなり、被害を拡大させたとしている。
国土交通省関東地方整備局の担当者は「訴状が届いておらずコメントできない」としている。

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