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PFI法改正案を閣議決定/指定管理者手続き簡素化/上下水道でコンセッション後押し

2018年2月25日
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水道・下水道の民営化の動きが心配されているところです。
水道に関しては民営化を可能にする水道法改正案が今国会に再上程されます。
さらに、水道・下水道等の民営化を進めるため、民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律(PFI法)の改正も行われようとしています。この法案はすでに国会に上程されています。

内閣府のHPにPFI法改正案の内容が掲載されています。

民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律(PFI法)の 一部を改正する法律案の概要
http://www.cao.go.jp/houan/doc/196_4gaiyou.pdf
次の目標まで掲げられています。
○事業規模:平成25~34年度までの10年間で21兆円(コンセッション事業は7兆円)
〇コンセッション事業件数:水道6件、下水道6件、文教施設3件、国際会議場施設等6

法律の名称が「民間資金等の活用による・・」となっていますが、上下水道の場合は収入が料金から得られますので、民間資金等の活用に主眼があるわけではありません。
民間企業に運用権を譲渡することによって、公営ではなく、民間企業の観点で経営の効率化を図ることを企図したものです。
しかし、上下水道の運用権を民間企業に譲渡した場合に次のように心配されることがいろいろあります。
〇 特に外国資本が入った民間企業の場合、企業の利益を上げるために経営の効率化が行われ、その利益が外国資本の株主に回され、水道・下水道の利用者に還元されないのではないのか。
〇 経営効率化といっても、その多くは人件費の削減によることになり、合理化で、働く人々にしわ寄せがいくのではないのか。正規職員から非正規職員への転換が進むのではないのか。
〇 水道、下水道という生活に身近な施設の運用を民間企業に丸投げするのは危険ではないのか。利益を追求するために様々なサービスが低下していくのではないのか。

フランスのパリ市水道などでは上記のような問題があるため、再公営化が行われています。

少し前の記事ですが、このPFI法の改正について下記の通り、解説されています。
外資を含む民間業者に水道・下水道の運営権を譲渡すれば、どのようなことになるのでしょうか。
運営権の譲渡でどのようなことが予想されるのかを明確にしていく必要があります。

政府/PFI法改正案を閣議決定/二重適用の指定管理者手続き簡素化/上下水道でコンセッション後押し

[日刊建設工業新聞2018年2月13日2面] www.decn.co.jp/?p=97462

政府は9日の閣議で、内閣府が今国会に提出するPFI法改正案を決定した。地方自治体への公共施設等運営権(コンセッション)の普及でネックになっている「指定管理者制度との二重適用」が必要になる際の手続きを簡素化する。コンセッションの普及が空港など他のインフラより遅れている上下水道事業に限定し、自治体の財政負担を減らしてコンセッション導入を後押しする特例措置も設ける。
2013~22年度の10年間で7兆円に上るコンセッション事業の創出目標を達成するため、現行法の運用で普及に支障を来している課題の解決を図ることにした。具体策の一つとして、指定管理者制度との二重適用時の手続きを簡素化する。
現行法では、自治体が公共施設の運営権者として指定する民間事業者に施設の使用許可を出す際、民間事業者を従来の指定管理者としても指定する二重適用の義務が原則発生する。運営権者はコンセッション事業で必要になる手続きに加え、指定管理者としての手続きでも、設定した施設利用料金を自治体に承認してもらうほか、運営権の移転について議会議決を得る必要がある。
改正法案では、運営権者向けに指定管理者手続きを簡素化。施設利用料金の設定は自治体への届け出だけで済むように変更し、議会承認は事後報告だけで済むように変更する。
上下水道事業へのコンセッション導入を後押しする特例措置も設ける。具体的には、自治体が民間事業者から受け取る運営権対価を利用し、上下水道事業の財源として発行していた地方債の元本を一括で繰り上げ返済すれば、国に本来支払うはずだった利息を返済済み分を除いて全額免除できるようにする。この要件として、18~21年度の間に実施方針条例を定めることを規定する。
今国会で成立すれば、改正法のうち上下水道事業へのコンセッション導入支援措置を公布から3カ月以内に施行し、それ以外の規定は半年以内に施行する。

インフラ、民間への売却容易に 自治体の負担軽く
法改正へ 老朽水道など運営効率化

(日本経済新聞 朝刊2018/1/4)
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO25291440T00C18A1MM8000/

政府は地方自治体が運営する公共インフラの民間への売却を促すためPFI(民間資金を活用した社会資本整備=総合・経済面きょうのことば)法を改正する。上下水道や公共施設の運営権を売却する際、地方議会の議決を不要にし、国から借りたお金を前倒しで返すことも認める。公共インフラの老朽化が進む中、民間の資金を使った低コストの運営に転換し、公共料金の引き下げも視野に入れる。

政府は2017年にPFIを推進する行動計画を改定し、インフラの売却額や投資額などの合計を13年度から22年度の10年間で21兆円にする目標を掲げた。例えば水道事業を巡っては、浜松市の下水道が18年度から20年間、民間運営される予定。事業規模は年20億円程度で、収支次第では利用料が下がる可能性もあるという。
耐用年数を迎える公共インフラは増える見通しだ。国土交通省は補修の目安とする建設から50年以上の下水道が全体に占める割合が、11年度の2%から21年度に7%、31年度に23%に増えると試算する。上下水道などのインフラの維持費は、13年度の3.6兆円から23年度に最大で5.1兆円に膨らむと見込む。
15年度までのPFIの実績は関西国際空港や仙台空港の売却など大型事業で9.1兆円。空港と比べて上下水道は売却があまり進んでいない。狙い通り進まない背景には、手続きの面倒さや自治体が見込む利点の乏しさなどがある。
政府は自治体の売却手続きや財政負担を軽くするPFI法改正案を22日召集の通常国会に提出し、早期の成立・施行をめざす。
いまは案件ごとに議会の議決が必要だが、自治体が条例を定めれば、議決を不要にする。数カ月から年単位で時間がかかる場合があるためだ。
運営権を取得した企業が利用料金を設定しやすいようにもする。いまは所有する自治体の承認が必要だが、届け出るだけで済むように改める。民間のより自由な運営を促し、サービスの効率化や質の向上につなげる。
企業や自治体への国の支援も強める。首相をトップとする相談窓口を設け、支援措置や規制の内容を助言する。運営状況の報告を受け、全国のインフラの民間開放の情報をまとめる。職員が少ない自治体などは窓口の機能が手薄な現状を改善する。
さらに自治体が運営権を売却する際にかかる財政負担を軽くする。国から借りた運営資金を前倒しして返すことを認める。その際、本来は国の利息収入の減少を補うために必要となる補償金の支払いを特例で減免する。全国の自治体が水道事業で国から借りた資金の1~2割が減免対象に当たるとみられる。
インフラの運営権の民間売却は欧州の先進国で進む。内閣府などの調査によると、フランスは上水道の6割、下水道の5割を民間が運営する。スペインは上水道の5割、下水道の6割を民間が運営し、行政コストの軽減につなげているという。

霞ケ浦導水事業 工事差し止め訴訟控訴審 漁業者と国、和解協議へ

2018年2月23日
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2月22日に漁業者が霞ヶ浦導水事業の工事差し止めを求める控訴審において東京高裁で和解協議がありました。

その新聞記事を掲載します。

 

霞ケ浦導水事業 工事差し止め訴訟控訴審 漁業者と国、和解協議へ
(東京新聞2018年2月22日) www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/list/201802/CK2018022202000154.html?ref=rank)

(写真)霞ケ浦導水の地下トンネルの完成部分=霞ケ浦導水工事事務所提供

霞ケ浦と那珂川、利根川を地下トンネルで結ぶ霞ケ浦導水事業を巡り、那珂川流域の県内の4漁協と栃木県の漁連が、稼働で生態系に影響が出るなどとして国に工事差し止めを求めた訴訟の控訴審で、東京高裁が和解を勧告し22日から、本格的に協議が始まる。効果のある被害の防止策で合意できるかが和解の焦点になる。 (宮本隆康)
「事業を認める形での和解は本意ではないが、漁業への被害の防止策が確保されるなら、応じられる」
漁業側弁護団の丸山幸司弁護士はそう話し、和解に前向きな姿勢を見せる。
事業は民主党政権時代に中断され、自民党政権に戻って継続が決まったが、工事は今も再開されていない。完成すれば、アユ漁が盛んな清流の那珂川に、霞ケ浦の水が流れ込むことになる。このため、漁協側は「生態系が壊され、漁業権を侵害される」と主張してきた。
国は、利根川と那珂川の水を行き来させ、水量調整で首都圏の用水を確保し、霞ケ浦の水質浄化を図ることが事業の目的と説明する。これに対し、漁協側は人口減少で水需要の増加は見込めない上、水質浄化の効果も薄いとして「事業目的は疑問」とも訴えていた。
だが、二〇一五年の水戸地裁の判決は「漁業権侵害の具体的危険があるとはいえない」として請求を棄却。ただ、「運用次第で侵害の可能性がある。環境への影響が最小限に抑制されるよう努力が望まれる」と国に対策を促していた。
漁協側弁護団によると、控訴審で昨年夏ごろ、東京高裁から和解の打診があった。漁協側は、霞ケ浦から那珂川に水を流す「逆送水」をする際、漁協側の同意を得るよう要求。ふ化したアユが吸い込まれないように、十月から四月までの夜間には、取水を停止することも求めた。
国側が難色を示し、協議は進まなかったが、先月十六日に高裁が和解を勧告した。漁協側弁護団の丸山弁護士は「このまま何の条件もなく、事業が進むかもしれない。強行されるよりは漁業被害防止の足がかりはある」と苦渋の決断だったことをにじませる。
漁協からは、逆送水と取水の制限のほか、国と漁協が導水の運用方法を話し合う協議会の設置、水質モニタリングなども求める声が出ている。
一方、国側は「和解に応じるかどうかも含めて検討する」との立場という。

<霞ケ浦導水> 那珂川と霞ケ浦間(43キロ)、利根川と霞ケ浦間(2.6キロ)を、深さ20~50メートルの地下トンネル2本で結ぶ国の事業。1984年に着工し、地下トンネルの利根導水路(長さ約2.6キロ)は完成したが、那珂導水路(同約43キロ)は30キロ近くが未完成。事業費約1900億円のうち、既に約8割が使われ、さらに費用は増えるとみられている。

霞ケ浦導水訴訟 和解案、国は一部難色 原告に譲歩求める
(茨城新聞2018年2月23日(金)〕 http://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=15193089640303

霞ケ浦導水事業で那珂川と涸沼周辺の生態系が破壊され漁業権が侵害されるとして、流域の4漁協と栃木県の漁連が国に那珂川取水口(水戸市)の建設差し止めを求めた訴訟の和解協議が22日、東京高裁(都築政則裁判長)で開かれた。
漁協側弁護団によると、国と漁協による協議会の設置などを柱として弁護側が示した和解案に対し、国側は部分的に難色を示して譲歩を求めた。漁協側は条件の修正の可能性を含めて検討する。

原告である漁協側が示した和解案は、取水口の運用に向けた協議会の設置▽霞ヶ浦から那珂川への「逆送水」に関する条件設定▽ふ化したばかりのアユの吸い込みを防ぐ10~4月の夜間取水停止-などで構成している。

漁協側弁護団によると、昨年11月に示した和解案の内容を一部修正した上で、今月19日に国側と高裁に捉示した。2回目となるこの日の和解協議で、国側は、和解案について部分的に難色を示し、主張に開きがあることをうかがわせた。
漁協側は国側の意見を踏まえ、譲歩を含めた条件修正の可能性を検討する。

高裁は和解協議の期日として、3月に計5日間指定した。和解協議の後、弁護団の丸山幸司弁護士は「国側と隔たりの大きい部分がある」と説明。
同時に「3月末まで期日を入れたということは、裁判所が和解に積極的な姿勢を示したということ」と話した。

控訴審で弁護側は、逆送水によって那珂川や涸沼にかび臭が流入する恐れがあるなどと主張してきた。
これに対し、高裁は昨年フ月、「(逆送水は)必要やむを得ざる場合だけにする」などと、和解協議の可能性を視野に入れた考えを示していた、

高裁は1月16日に「話し合いによる解決が双方の利益になる」として和解を勧告した。国側は「和解に応じるかということも含めて今後検討する」、弁護側は「異存ありません」と応じている。

霞ケ浦導水事業 訴訟で和解協議 原告が一部譲歩案
(毎日新聞茨城版 2018年2月23日) https://mainichi.jp/articles/20180223/ddl/k08/040/177000c

霞ケ浦と那珂川、利根川を地下トンネルで結ぶ霞ケ浦導水事業を巡り、茨城、栃木両県の漁協が那珂取水口の建設工事差し止めを求めた訴訟の和解協議が22日、東京高裁(都築政則裁判長)で開かれた。
協議は非公開。終了後、原告弁護団が報道陣の取材に答えた。
原告側は既に、アユがふ化する10~4月は夜間取水しない▽霞ケ浦からの逆送水の際には漁協の事前同意が必要▽事業に関する国と漁協の協議会の常設--などの和解条件を提示。この日の協議では一部を譲歩する和解案を提示したという。
3月中に協議を計5回開く。次回は同月7日。【山下智恵】

アメリカのダム撤去の動き

2018年2月19日
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アメリカにおけるダム撤去の数がAmerican Rivers に掲載されています。

Dam Good Year for Dam Removal in 2017

(Jessie Thomas-Blate | February 13, 2018) https://www.americanrivers.org/2018/02/dam-removal-in-2017/

Last year was a banner year for dam removals across the country. Eighty-six dams were torn down in 2017, beating the previous high number of 78 dams in 2014. Communities in 21 states, working in partnership with non-profit organizations and state and federal agencies, removed the dams to reconnect more than 550 miles of streams.・・・・・・・・・・・・・・・
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2017年に86ダムが撤去されたと書かれています。これは2014年の78ダム撤去を上回るとのことです。
ただし、日本は堤高15メートル以上をダムと定義していますが、アメリカは堤高が15メートル未満のもの(日本では堰)もダムとしていますので、ダムの数の数え方が違います。

それにしても、日本では熊本県・球磨川の荒瀬ダムが唯一のダム撤去例です。2012年9月から始まった荒瀬ダムの撤去が今年3月で終わります。日本では次のダム撤去の計画がありません。

映画「ダムネーション」で見られたようにアメリカではダム撤去がどんどん進んでいるのに、それと比べると、日本の状況は嘆かわしい限りです。

なお、2015年2月にもアメリカのダム撤去についての記事がありました。
(suigenren.jp/news/2015/02/05/6949/ をご覧ください。)

 

この英文の記事を主なところを栃木の葛谷理子さんが翻訳してくださいましたので、掲載します。

American Rivers(AR) とは「野生の川の保護」、「こわされた川の復元」、「きれいな水の保全」を活動目的に掲げ、荒れた川を保護し、修復し、人と自然のために活動している自然保護団体。全米に事務所をもち、275,000人以上の会員、支持者、ボランティアを擁している。毎年、年次報告書を出している。(American Rivers のHPより)以下は、ARのJessie Thomas-Blate さんの寄稿文。
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2017年には86のダムが撤去された!

2017年は時代遅れの、安全性に問題のあるダムの撤去に関しては記録すべき年となった。どの州が役立たずのダムを撤去するために先頭を走っているか、偉大なる川の復元プロジェクトについてお読みください。

昨年は、全米のあちこちでダム撤去の記念すべき年となった。2017年は86のダムが撤去されたが、これは過去最高だった2014年の78ダムを上回るもので、21の州の市や町で、NPOや州や国の機関が協力し、延長550マイル(約880km)以上の川の流れを復活させた。

ダムが撤去されたのは、以下の21州である。アラスカ、カリフォルニア、コネティカット、アイオワ、インディアナ、ケンタッキー、マサチューセッツ、メイン、ミシガン、ミネソタ、ネヴァダ、ニューハンプシャー、ニュージャージー、ノースカロライナ、オハイオ、オレゴン、ペンシルヴェニア、テネシー、ヴァーモント、ワシントン、そしてウィスコンシン州。

2017年、ペンシルヴェニア州では16ダムと、最も多くのダムを撤去した。2番目がカリフォルニア州の10ダム、3番目がマサチューセッツ州の9ダムである。

ARはアメリカ合衆国で唯一のダム撤去記録を保持する組織である。ARのデータベースには、1912年以降の、全米のあちこちで撤去された1,492のダムの情報が蓄積されている。その殆どはこの30年間に撤去されたダムで、その数は1,275にも上る。ARは今年のリストにある中の14のダムの撤去事業で役割を果たした。このリストには、ARと関わりのあるなしに関わらず、撤去されたすべての既知のダムがリストアップされている。

2017年に撤去されたダムの記録を押し上げた要因としては、時代遅れで安全性に問題のあるダムを撤去することのメリットが周知されてきたことが挙げられるが、ARや他の組織の努力や、ダム撤去プロジェクトを回していく力量が大きくなったこと、さらに老化したダムを維持していくためにはコスト(保安上の問題でダムの所有者に負担)がかかることも挙げられる。

米国土木学会は国家の経済基盤(インフラストラクチュア)に関する報告書のなかで、この国のダムにD ランクを付けた。ダムが撤去されれば、川は自然に流れるようになり、水供給や洪水防止にも役立つ。

2017年に撤去されたダムのリストと共に、ARは1912年以来撤去されたダムの地理的関係を示す地図を公表した。

2017年に撤去されたダムと川の復活の事例

グリーンリバー第6ダム(ケンタッキー州)の場合
近年米国陸軍工兵隊のルイヴィル方面隊は、グリーン川とバレン川の小さなダムの経済効率を評価し、あまり使われていない5つの閘門ダムの撤去について議会の承認を得た。グリーン川第6ダムは合衆国魚類野生生物局により速やかに撤去され、続いて南東部のいくつかの老朽化したダムが撤去された。このプロジェクトに協力したのは他に、ケンタッキー州の魚類野生生物資源部、マンモスケーブ国立公園、自然環境保護団体、ケンタッキー水路協議会がある。魚類、貝類、無脊椎動物の生息環境を改善するためのプロジェクトに加え、ダムの貯水によりマンモスケーブ国立公園の一部に水や泥等が堆積していたのだが、現在ではその場所で重要な考古学研究をおこなうことが可能となった。今では、これらのプロジェクトは不経済で金のかかる国の水路網を撤去する前例となった上、陸軍工兵隊と合衆国魚類野生生物局の共同作業の協力の良き前例となった。

Lower Eklutna 川(アラスカ州)の場合
当初は発電のために建設されたダムであるが、もはや役目を終えていたこのダムは、2017年10月にアラスカ州の最も意欲的な環境回復プロジェクトの一つとして撤去された。Eklutna Native 会社と地元の村が協力し合い保護基金を設立した。300フィートの深さがある急な渓谷の中で、Eklutna 川の7マイル(約10km)を鮭が移動できるようにした。このプロジェクトは、鮭を復活させると同時に地元に建設工事を供給することで地域の経済を潤した。

Hamant  川(マサチューセッツ州)の3つの小さなダムの場合
Hamant 川の3つのダムは2017年秋に撤去されたが、危機にさらされていたマスとカメの生息環境が回復した。Hamant 川は、地区の広大な保護区の中を流れている川だったが、この作業の結果、この保護区へのカメの往来が容易になった他、安全性も増し、魚や野性生物の生息環境も改善された。このプロジェクトは土地所有者(町と村)の協力を得た州の魚類野生生物部、ARと州の生態系保全部の支援の下で行われた。

Boardman 川(ミシガン)の場合
Boardman ダムの撤去は、Boardman川の大きな4つの復元プログラムの一環として行われた。このプロジェクトでは、魚道の障壁を取り除いたばかりでなく、地域の人々が川を渡る際の障害をも取り除いた。過去には、2013年にブラウンブリッジダムが撤去され、今、セイビンダムも撤去計画中である。近い将来にはユニオンストリートダムが改修されることになっている。ミシガン州の最大の河川回復プロジェクトは、まとめてみれば3本以上の川で魚類の生息地と、250エーカー以上の湿地と60エーカーの陸地の生息地を回復することになるだろう。

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浜松市下水道の長期運営権の売却について

2018年2月12日
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浜松市は既報のとおり、今年4月から西遠流域下水道事業を民営化します。水処理世界最大手の仏ヴェオリアとJFEエンジニアリング、オリックス・東急建設・須山建設グループが設立した浜松ウォーターシンフォニー株式会社と契約締結を行いました。
国内初となる下水道の長期運営権の売却です。運営権者は2018年度から20年間にわたり事業を担います。運営権対価は25億円です(https://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ21HIL_R20C17A3000000/)。
浜松市のHPを見ると、http://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/suidow-s/gesui/seien/pfi.html
http://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/suidow-s/gesui/seien/koubo.html

運営権者は維持管理、改築更新工事、計画立案、利用料金収受を
浜松市は認可取得、モニタリング、使用料収受(償還財源分)を行うことになっています。

西遠流域下水道は元々は静岡県の事業でしたが、2005年の市町村合併に伴い、 対象流域が浜松市のみとなり、合併特例法の適用により2016年3月末に浜松市に移管されました。管理は移管前は静岡県下水道公社を通して民間会社に委託し、移管後は市が直接、民間会社に委託していました。
これを、今年4月から上記の通り、民営化するというものです。

民営化する理由として、次の3点があげられています。
① 膨らむ更新投資、施設の老朽化、耐震化による長期的資金需要への対応が必要
② 料金収入減少、水道有収水量が減少傾向、30年後の人口は約18%減少の予測
③ 職員減少と技術継承、組織のスリム化による技術継承への懸念

いずれも今後の下水道事業の運営において重要な問題ですが、外国資本が入った会社に任せれば、解決するという問題なのでしょうか。
公営のままでも対応する道があるように思います。

浜松市のHPによれば、選定された事業者の提案では、20年間で約86億円のコスト縮減効果が見込まれるということですが、そのようなことが本当にできるのでしょうか。
下水道事業で実際に働く人にしわ寄せがいくことも心配されます。

今回の浜松市の下水道民営化は、外資を入れた会社に運営権を売却するという先例をつくることに主眼があるように思われます。

霞ケ浦導水 漁協側、協議会設置求める 和解案近く提示

2018年1月31日
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茨城・栃木両県の那珂川関係の8漁業協同組合が霞ケ浦導水事業の差止めを求めた裁判の1月16日の控訴審で、東京高裁が和解勧告を出しました。

この和解に向けた動きについての記事を掲載します。

 

霞ケ浦導水 漁協側、協議会設置求める
和解案近く提示

(茨城新聞 2018年1月31日) http://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=15173266009585

霞ヶ浦導水事業で那珂川と涸沼周辺の生態系が破壊され漁業権が侵害されるとして、流域の4漁協と栃木県の漁連が国に那珂川取水口(水戸市)の建設差し止めを求めた控訴審の和解協議で、漁協側弁護団は、同事業によって流域の水産貞源に影響が出ないよう、取水口の運用などについて、国側と漁協側が随時意見を交わす協議会の設置を求めていく方針であることが30日、分かった。2月初旬にも捉出する和解案で示すとみられる。

漁協側弁護団によると、和解協議に向けた流れは昨年7月、動き始めた。東京高裁(都築政則裁判長)から「(逆送水は)必要やむを得ざる場合だけにする」などとする案を打診されていた。

これを受け、漁協側弁護団は昨年11月、取水口の運用について、国側と意見交換の場の設置をはじめ、霞ヶ浦から那珂川に水を送る「逆送水」に4漁協や漁連の同意を必要とする取り決めや、ふ化したばかりのアユの吸い込みを防ぐ10月~翌年4月の夜間取水停止などを求めた、たたき台を示した。ただ、この時点では和解協議に向けた進展には至らなかった。

その後話し合いを経て、今月16日に開かれた第8回口頭弁論では、裁判所側が原告、被告双方に和解を勧告した。都築裁判長は「話し合いによる解決が双方の利益になる」などと説明。国側は「和解に応じるかということも含めて
今後検討する」、弁護側は「異存ありません」と応じた。

漁協側弁護団は昨年のたたき台を見直し、2月初旬にも国側、裁判所側に和解案を提出した上で、2月22日の和解協議に臨む考え。和解協議は3月にも3回開かれる予定だ。

控訴審では、漁協側弁護団はアユのふ化の時期を特定する謳査結果を踏まえ、国側がアユの吸い込み防止策として示した10、11月の夜間取水停止では不十分などと主張。逆送水の影響により、涸沼のシジミにかび臭が移る恐れがあるとも訴えてきた。
一方、国側は「12月に取水制限を行えば足りる」などと反論。かび臭物質は一部が涸沼に流入する可能性があっても、那珂川河口部の海水などで希釈されるとしている。(小野寺晋平)

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