事務局からのお知らせ
「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」公開要請
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2010年3月20日改訂
非公開であることに対して、1月14日に住民団体が抗議と公開を求める2回目の要請を行いましたが、2回目も非公開でした。この有識者会議はダムによらない治水のあり方を追求し、従来の河川行政を根本から変えていくことを目的とするものですから、国民とともに議論を進めていく姿勢がなければ、国民の共感を得る答を得ることができません。公開はその目的を達成するための必須の条件であるにもかかわらず、公開をかたくなに拒否しています。
以前から有識者会議の公開を求めている市民団体が全国に要望団体を募集したところ、要望団体を108団体が名乗りを上げました。
これだけ多くの皆さんがこの有識者会議の公開を求めていることはとても重要なことです。
2月8日、3回目の公開要望書を前原大臣と中川座長に提出しました。
市民団体からの公開要望書提出はこれで3回になります。
前原大臣への要望書、中川座長への要望書
1回目公開要請書(PDF 106KB)
2回目公開要請書(PDF 115KB)
3回目公開要請書(108団体名簿付き)(PDF 348KB)
第二回「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」嶋津氏陳述
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2010年3月20日改訂 有識者会議についてはここ
2010年1月15日午後3時から、2回目の上記有識者会議が開催されました。
2回目はこれまでのダム依存水行政に異論を唱えてきた淀川水系流域委員会の生みの親であり且つ国交省を退職して同流域委員会の委員長を務めた宮本博司氏と、水源連共同代表の嶋津暉之氏が参考人として出席要請がありました。二人とも公開を求めましたが聞き入れられませんでした。宮本氏は「非公開であるならば出席拒否」を選択され、嶋津氏は「有識者会議が少しでも後ろ向きではない答申を出すように」と出席要請に応じました。お二人の結果は異なるものの、苦渋の決断でした。
15日の嶋津氏の陳述には補助者として遠藤も同席しました。
冒頭に座長が公開要請があったことについて非公開の理由を説明しました。その主旨は、この会議では特定の河川、ダムも議論の対象となるが、それがそのままオープンになると、その関係住民に不安を与える恐れがあるので、公開しないというものでした。しかし、これは理由にならない理由です。
嶋津暉之氏は主に次のことを陳述しました。
15日の有識者会議における配布資料は国交省のホームページに掲載されています。
http://www6.river.go.jp/riverhp_viewer/entry/
y2010e63a795e5783f9cc2330b4991f1d97ae84f539bef.html
そのうちの資料1-1、1-2、1-3、1-4が嶋津氏の配布資料です。
資料1-2がスライドで使ったものです。
嶋津氏陳述の主な論点
●ダムによる治水対策の問題点
- ダムの集水面積は小さく、もともと、あまり大きな効果を持ち得ない。
- 雨の降り方によって治水効果が大きく変動するギャンブル的治水対策である。
- ダム地点から下流に行くほど、洪水ピークの削減効果が減衰する。
- ダム地点の洪水が想定を超えると、ダムは治水機能が急減する。
●新規ダムを治水計画から除くためのステップ
第1ステップ
治水計画の目標流量の再設定
治水計画は、机上の計算で求めた現実離れした過大な洪水流量ではなく、実際に観測された近年の最大洪水流量に近い数字を目標流量とする。
第2ステップ
新規ダムよりも河道整備優先の治水計画へ河川整備基本方針で定められている河道整備を優先して進める。
第3ステップ
河道整備で対応可能な範囲と洪水受容の方策の徹底追求
- 現況河道で流下が可能な洪水流量および河床掘削や堤防の一部嵩上げで流下が可能となる洪水流量を追求する。
- 河道整備で対応できる範囲を超える洪水については豊川霞堤地区の事例および国交省による球磨川の川辺川ダムの代替治水策を参考にして、流域への受容の方策を追求する。
第4ステップ
想定規模を超える洪水への対応策洪水が堤防を越流することがあっても、堤防が直ちに決壊しないように耐越水堤防に強化するとともに、流域への洪水の受容の方策を追求する。
●ダムの費用便益比(B/C)の正しい再計算の実施
新規ダム事業の費用便益比(B/C)を現実に即して正しく再計算し、ダム中止の理由を明確にする。
陳述の後、出席委員から質問・意見が出されました。
「嶋津氏の陳述内容を基本的に支持する」という意見、
「基本高水流量を棚上げにして、戦後最大などの洪水流量を治水計画の目標とするのが現実的である」という意見、
「降雨量を引き伸ばしで基本高水を出すことが科学的だ」という意見(基本高水流量を恣意的に大きく算出するカラクリとして使われていると嶋津氏は反論)、
「ゲリラ降雨と破堤が問題であり超過洪水対応を考えなければならない」という意見、「越水対策堤防は重要であるが、技術的な見通しが明確ではない」という意見、
「洪水を受容する選択をした場合、受容地域の公平性をどのように確保するのか」という意見、
「これまでは洪水を河道とダムでおさえるとしてきたが頭を切り替える必要があり、国交省の範囲だけではできない。この委員会では実際にできることを考えるべきではないか」という意見などが出されました。
会議の全体的な雰囲気としては、治水計画の目標流量を現実的な値にし、超過洪水対策として、耐越水堤防と氾濫受容の可能性を探っていく方向性はあったように思います。
その中で特に重要な課題は耐越水堤防(越流洪水があった場合に、直ちに決壊しない堤防)の技術的な見通しをつけることです。
これが今後の治水対策の要になりますので、それを求める国民的な運動を展開していくことが必要だと思います。
利根川水系4ダム等事業中止と生活再建を求める署名にご協力を!
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八ッ場ダムをはじめとするダム建設の中止、見直しへと国が方針転換したことに対しては、いったん建設を受け入れた地元からの強い反発が起こり、特に、首都圏の都県知事はダム推進に固執しています。
真の脱ダムが実現できるのか、流動的な状況が続いています。
そこで、鳩山総理と前原国交大臣に対し、「八ッ場ダム・霞ヶ浦導水・湯西川ダム・南摩ダム各事業の中止と現地住民の生活再建の早期実施を求めます」という署名活動を開始しました。
どうぞ添付の署名用紙をご覧下さい。
メール転送等で、また署名用紙をプリントアウトして、広く署名を呼びかけて下さいますようよろしくお願いします。
少なくとも3月末までは集める予定です。
八ッ場ダムをストップさせる東京の会 深澤洋子
T/F 042-341-7524
187-0001 小平市大沼町1-106-19
署名用紙(PDF 131KB)
※署名の注意事項
- 「同上」、「々」、「ヾ」などは不可です。
- ファックス送信ではなく、郵送または手渡しでお願いします。
公共事業チェック議員の会「補助ダム事業の政策転換に関する緊急提言」提出
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「公共事業チェック議員の会」、前原国土交通大臣に「補助ダム事業の政策転換に関する緊急提言」提出
国交省、「新たな基準に沿った検証の対象とするダム事業を選定する考え方について」発表
2009年12月25日掲載
12月21日、「公共事業チェック議員の会」が前原国土交通大臣に「補助ダム事業の政策転換に関する緊急提言」を提出しました。
提言書(PDF 70KB)と、平成21年10月時点の「事業実施中の国土交通省所管ダム事業一覧【補助】(PDF 70KB)」をご覧ください。12月25日、「新たな基準に沿った検証の対象とするダム事業を選定する考え方について(PDF 197KB)」が発表されました。
路木ダム、内海ダム、浅川ダムは本体工事契約直前でしたが、駆込みダムということで別途あらためて判断する対象になりました。
本体着工して間もない当別ダムなどの凍結を「議員の会」も国交大臣に求めたのですが、「続行」になってしまいました。まだあきらめることなく、中止を求めていきましょう。
「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」について
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2009年11月30日掲載
前原誠司国土交通大臣は11月20日に「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」の設置を発表しました。
「ダムに依存しない河川行政を目指す」ことを目標にした大臣の私的諮問機関です。
この有識者会議で143ダムの見直し基準が提言されることになります。
これまで「ダム依存の治水」を国は進めて来ました。その方向転換を果たす上でこの有識者会議は大きな役割を果たすことになります。
この試みそのものは評価したいのですが、心配なことが二つあります。
- 国の「ダム依存の治水」を国と共に積極的に推進してきた人たちが相当数この有識者会議を構成していることです。彼らが本当に「ダムに依存しない河川行政を目指す」前原国土交通大臣の意向に沿う働きができるのか大変心配です。水源連として 9委員の情報(PDF 180KB)を集めました。ご活用ください。
- この会議が「傍聴不可」になっていることです。これまでの「ダム依存の治水」を転換することはそう簡単なことではありません。国民参加の下でなされるのが当然のことです。
「ダムに依存しない河川行政」を確立する上で必要な取組、水源連としても的確な提案を心がけたく思います。
- 「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」の設置(PDF 70KB)
- 9委員の情報(PDF 180KB)