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各地ダムの情報

大阪府の安威川ダムは無意味で愚かなダム事業 

2018年2月24日
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去る11月4 日(土)に大阪府茨木市で安威川ダムに焦点を当てたシンポジウム「川は誰のものか。河川法改正20 年。河川行政はかわったか」が開催されました。
安威川ダムは大阪府が茨木市に建設しようとしている治水を主目的とするダムです。
安威川ダムへの公金支出差し止めを求める裁判が2014年から進行しています。
裁判の争点は、①ダムサイトの岩盤がぜい弱でダムの安全性が保証できないのではないか、②治水上の必要性が本当にあるのか、ダムが役に立つのかです。
後者の治水問題に関しては嶋津が原告弁護団への技術的な支援を担ってきており、今回のシンポジウムでもその報告を行いました。

この報告に使ったスライドを

安威川ダムは役に立つのか に掲載しましたので、ご覧いただければと思います。
安威川ダムは大阪の市街地に建設される特異なダムで、総貯水容量が1800万㎥もあり、補助ダムとしてはかなり大きいダムです。
他のダムと同様に、工期の延長と事業費の増額が繰り返されてきていて、工期は当初の2008年度完成が2023年度まで延期され、事業費は当初の836億円から1676億円へと、約2倍になりました。
安威川ダムの治水問題で最も重要な問題は、100年に1回の降雨による洪水への対応で安威川ダムが必要とされているものの、実際には1/100の降雨があると、安威川ダムがあっても、安威川・神崎川流域の大半のところが氾濫してしまうことです。
(安威川は下流の神崎川につながっていて、一連の川ですので、安威川・神崎川と呼ぶことにします。)
安威川ダム下流の安威川・神崎川流域の大半は低地部であって、内水氾濫域です。
内水氾濫域は降った雨がはけ切れずに溢れる地域で、川からの越水による氾濫ではないので、安威川ダムで川の水位を下げても氾濫を防ぐことができません。そのことは裁判で被告の大阪府も認めました。
内水氾濫域については河川整備計画では1/10の雨量に対応するために整備を進めることになっていますので、1/100の雨が降れば、安威川ダムがあっても確実に氾濫します。
また、安威川・神崎川の支川の多くは、1/10の雨量に対応するために整備を進めることになっており、整備が完了しても1/100の雨が降れば、やはり氾濫します。
したがって、安威川ダムが完成しても、1/100の雨が降れば、安威川・神崎川流域の大半のところで氾濫することになります。
1/100の雨に対応するために、安威川ダムが必要とされていながら、実際には安威川ダムができても、下図のとおり、流域の大半で氾濫することになります。
1536億円という巨額の公費を使ってダムを建設しても、目的とする1/100の降雨への対応ができないのですから、何のためにダムをつくるのか、わかりません。

さらに、治水に関しては次のような問題もあります。

〇 ダム推進のために、来る可能性がほとんどない、極めて過大な 洪水目標流量1,850㎥/秒(相川基準点)が机上の計算で設定されており、実際の1/100流量は河道整備で対応できる1,250㎥/秒を下回る可能性が高い。
〇 耐越水堤防工法を導入すれば、安威川・神崎川の流下能力が飛躍的に大きくなり、大洪水への対応が可能となるだけでなく、仮にそれを超える洪水が来ても、壊滅的な被害を防ぐことができるようになる。しかし、有効な治水対策である耐越水堤防工法がダム事業の推進のために表舞台から消されている。
〇 安威川・神崎川流域の実際の水害被害額(水害統計)の166倍という被害額の架空計算から安威川ダムの費用便益比が求められ、それが安威川ダム推進の根拠となっている。
〇 大阪府は治水効果が乏しい安威川ダムの建設ばかりに力を入れ、流域住民の安全を守るために必要な河川管理を疎かにし、河床堆積土砂の撤去に取り組んでいない。
このように無意味で愚かなダム事業は中止されなければなりません。安威川ダムの建設を中止させ、流域住民の安全を真に守ることができる治水対策の実施と河川管理を大阪府に求めていくことが必要です。
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霞ケ浦導水事業 工事差し止め訴訟控訴審 漁業者と国、和解協議へ

2018年2月23日
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2月22日に漁業者が霞ヶ浦導水事業の工事差し止めを求める控訴審において東京高裁で和解協議がありました。

その新聞記事を掲載します。

 

霞ケ浦導水事業 工事差し止め訴訟控訴審 漁業者と国、和解協議へ
(東京新聞2018年2月22日) www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/list/201802/CK2018022202000154.html?ref=rank)

(写真)霞ケ浦導水の地下トンネルの完成部分=霞ケ浦導水工事事務所提供

霞ケ浦と那珂川、利根川を地下トンネルで結ぶ霞ケ浦導水事業を巡り、那珂川流域の県内の4漁協と栃木県の漁連が、稼働で生態系に影響が出るなどとして国に工事差し止めを求めた訴訟の控訴審で、東京高裁が和解を勧告し22日から、本格的に協議が始まる。効果のある被害の防止策で合意できるかが和解の焦点になる。 (宮本隆康)
「事業を認める形での和解は本意ではないが、漁業への被害の防止策が確保されるなら、応じられる」
漁業側弁護団の丸山幸司弁護士はそう話し、和解に前向きな姿勢を見せる。
事業は民主党政権時代に中断され、自民党政権に戻って継続が決まったが、工事は今も再開されていない。完成すれば、アユ漁が盛んな清流の那珂川に、霞ケ浦の水が流れ込むことになる。このため、漁協側は「生態系が壊され、漁業権を侵害される」と主張してきた。
国は、利根川と那珂川の水を行き来させ、水量調整で首都圏の用水を確保し、霞ケ浦の水質浄化を図ることが事業の目的と説明する。これに対し、漁協側は人口減少で水需要の増加は見込めない上、水質浄化の効果も薄いとして「事業目的は疑問」とも訴えていた。
だが、二〇一五年の水戸地裁の判決は「漁業権侵害の具体的危険があるとはいえない」として請求を棄却。ただ、「運用次第で侵害の可能性がある。環境への影響が最小限に抑制されるよう努力が望まれる」と国に対策を促していた。
漁協側弁護団によると、控訴審で昨年夏ごろ、東京高裁から和解の打診があった。漁協側は、霞ケ浦から那珂川に水を流す「逆送水」をする際、漁協側の同意を得るよう要求。ふ化したアユが吸い込まれないように、十月から四月までの夜間には、取水を停止することも求めた。
国側が難色を示し、協議は進まなかったが、先月十六日に高裁が和解を勧告した。漁協側弁護団の丸山弁護士は「このまま何の条件もなく、事業が進むかもしれない。強行されるよりは漁業被害防止の足がかりはある」と苦渋の決断だったことをにじませる。
漁協からは、逆送水と取水の制限のほか、国と漁協が導水の運用方法を話し合う協議会の設置、水質モニタリングなども求める声が出ている。
一方、国側は「和解に応じるかどうかも含めて検討する」との立場という。

<霞ケ浦導水> 那珂川と霞ケ浦間(43キロ)、利根川と霞ケ浦間(2.6キロ)を、深さ20~50メートルの地下トンネル2本で結ぶ国の事業。1984年に着工し、地下トンネルの利根導水路(長さ約2.6キロ)は完成したが、那珂導水路(同約43キロ)は30キロ近くが未完成。事業費約1900億円のうち、既に約8割が使われ、さらに費用は増えるとみられている。

霞ケ浦導水訴訟 和解案、国は一部難色 原告に譲歩求める
(茨城新聞2018年2月23日(金)〕 http://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=15193089640303

霞ケ浦導水事業で那珂川と涸沼周辺の生態系が破壊され漁業権が侵害されるとして、流域の4漁協と栃木県の漁連が国に那珂川取水口(水戸市)の建設差し止めを求めた訴訟の和解協議が22日、東京高裁(都築政則裁判長)で開かれた。
漁協側弁護団によると、国と漁協による協議会の設置などを柱として弁護側が示した和解案に対し、国側は部分的に難色を示して譲歩を求めた。漁協側は条件の修正の可能性を含めて検討する。

原告である漁協側が示した和解案は、取水口の運用に向けた協議会の設置▽霞ヶ浦から那珂川への「逆送水」に関する条件設定▽ふ化したばかりのアユの吸い込みを防ぐ10~4月の夜間取水停止-などで構成している。

漁協側弁護団によると、昨年11月に示した和解案の内容を一部修正した上で、今月19日に国側と高裁に捉示した。2回目となるこの日の和解協議で、国側は、和解案について部分的に難色を示し、主張に開きがあることをうかがわせた。
漁協側は国側の意見を踏まえ、譲歩を含めた条件修正の可能性を検討する。

高裁は和解協議の期日として、3月に計5日間指定した。和解協議の後、弁護団の丸山幸司弁護士は「国側と隔たりの大きい部分がある」と説明。
同時に「3月末まで期日を入れたということは、裁判所が和解に積極的な姿勢を示したということ」と話した。

控訴審で弁護側は、逆送水によって那珂川や涸沼にかび臭が流入する恐れがあるなどと主張してきた。
これに対し、高裁は昨年フ月、「(逆送水は)必要やむを得ざる場合だけにする」などと、和解協議の可能性を視野に入れた考えを示していた、

高裁は1月16日に「話し合いによる解決が双方の利益になる」として和解を勧告した。国側は「和解に応じるかということも含めて今後検討する」、弁護側は「異存ありません」と応じている。

霞ケ浦導水事業 訴訟で和解協議 原告が一部譲歩案
(毎日新聞茨城版 2018年2月23日) https://mainichi.jp/articles/20180223/ddl/k08/040/177000c

霞ケ浦と那珂川、利根川を地下トンネルで結ぶ霞ケ浦導水事業を巡り、茨城、栃木両県の漁協が那珂取水口の建設工事差し止めを求めた訴訟の和解協議が22日、東京高裁(都築政則裁判長)で開かれた。
協議は非公開。終了後、原告弁護団が報道陣の取材に答えた。
原告側は既に、アユがふ化する10~4月は夜間取水しない▽霞ケ浦からの逆送水の際には漁協の事前同意が必要▽事業に関する国と漁協の協議会の常設--などの和解条件を提示。この日の協議では一部を譲歩する和解案を提示したという。
3月中に協議を計5回開く。次回は同月7日。【山下智恵】

3/1 15時から 石木ダムから見る土地収用法 

2018年2月22日
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「勉強会・石木ダムから見る土地収用法」のご案内

公共事業改革市民会議は、無駄な公共事業によって生活基盤が奪われてしまうのをなんとか防ぎたい、と活動している仲間たちの連絡組織です。

当該住民が必要としている公共事業ならばまだしも、全く必要としない事業が異論を無視して強行されています。事業立地地域の貴重な自然だけでなく、地域社会が破壊され、そこで生活している住民の生活基盤が侵害されています。石木ダムでは、土地収用法を適用した長崎県が断念しない限り、13世帯の全住居が取り壊されてしまう事態にまで至っています。

私たちは、このような現実を国会議員の皆さんにお知らせするとともに、国のシステムの問題点を明らかにし、改善することを目的にした連続勉強会を、「公共事業チェック議員の会」の後援をいただいて企画しております。

その手始めとして、緊迫状態にある石木ダムを取り上げ、「勉強会・石木ダムから見た土地収用法」を下記の通り開催いたしますのでご案内申しあげます。

ご多忙のところ恐縮ですが、皆様お誘いあわせのうえ、ご参加いただきますようお願いします。

石木ダムから見た土地収用法

日 時  2018年3月1日(木)15:00~17:00 

場 所  衆議院第二議員会館1階 多目的会議室 14;30から1階ロビーで入館票を配布します. 

内 容  石木ダムから見る「土地収用法」について

  • 映画「ほたるの川のまもりびと」(20分短縮版)上映

なぜ50年以上にわたってダム反対を貫けるのかがわかる映画の短縮版です。
ご必要な方には当日お分けします。

  • 制作者からの説明・挨拶
  • 石木ダムの現状について
    • 現地地権者として:        岩下和雄
    • 受益予定者とされている佐世保市民として:        松本美智恵
  • 土地収用法について
    • 石木ダム 「土地収用法が公共事業推進法になっている理由」 遠藤保男
    • 横浜環状道路「横環南に見る土地収用法の不当性」 比留間哲夫
    • 外環自動車道「区分地上権の問題」        國井さわ美
  • 意見交換

国会議員からのご発言は随所でいただきます。

連絡先:初鹿明博事務所(衆内線51112・石井)
公共事業改革市民会議事務局(090-8682-8610 遠藤保勇)

 

差止請求権、覚書と人格権侵害  (石木ダム工事差止訴訟)

2018年2月5日
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第4回石木ダム工事差止訴訟口頭弁論報告

2018年1月22日16時から長崎地方裁判所佐世保支部401号法廷にて、第4回石木ダム工事差止訴訟口頭弁論が持たれました。
いつものように門前集会、法廷傍聴、裁判報告会と進みました。

法廷では、今強行されている工事と今後予想される工事の進行を差し止める権利について原告側が主張するとともに、その主張を記した準備書面2通を提出しました。

原告側提出書面

差し止め本訴準備書面 5 手続論

1972年に川棚町長立会いの下で長崎県知事と水没予定地区3総代の間で交わされた覚書が現在も有効であることの説明です。その趣旨を魚住昭三弁護士が口頭説明しました。

「川原郷は、いわゆる「権利能力なき社団」(法人格を持たない団体)に該当する。郷には代表者としての総代がいて、団体としての組織を備えている。転出者や転入者がいても、川原郷自体は変わらず存続してきたから。『権利能力なき社団』であれば、郷の代表者=総代が県と交わした覚書の効力は他の住民やその後の住民にも及ぶこととなる」
よって、
「『乙(長崎県)が調査の結果、建設の必要が生じたときは、改めて甲(3つの郷)と協議の上、書面による同意を受けた後着手するものとする』の有効性は現在も引き継がれている」

という主張です。

長崎県はこの覚書について、「甲に該当する全員からの同意が必要とは解釈できない。多くの該当者が移転に同意して移転していることから事実上問題ない」とも主張していますが、この覚書にある「甲と乙による協議の上、書面による同意」が諮られたことは一度もありません。長崎県による工事強硬はこの覚書違反であることは明らかです。

差し止め本訴準備書面 6 人格権

被告側が、疑義を示している、「『工事を差し止める権利』として『人格権』が認められるか否か」の問題です。その主張要旨を平山博久弁護士が口頭説明しました。

  • 4件の判例を示し、「人格権、とりわけ、生命身体や健康を守り、生活を営むという権利は、人間の根幹にかかわる権利として法律上の保護を受け、それが侵害された際には当然に差止が認められるとの理論が確立している」
  • こうばるで生活する原告らの、こうばるに住み続ける権利、これまで連綿と続いて来た平穏な生活を続ける権利に対する侵害に対して「石木ダム事業は事業認定がなされているから、受忍限度を超えた違法な侵害など存在しない」としているが、ただ事業認定を受けているからという理由のみで侵害の違法性がないこととなるはずはない。
  • ダムの必要性がないことについて、別訴で長崎県および佐世保市の担当者の尋問および専門家の尋問を行った結果、一層明らかになっている。
  • 必要性について真摯かつ適切な説明をしないことや、覚書に反して工事を進めるなど、その工事の進め方の状況のみをみても、侵害の態様が極めて悪質である。

 まとめ

「土地収用法を適用しているのだから、損失補償は保証されている。必要性も認められている。原告の言う権利侵害はありえない」という被告側の主張があまりにも人格権を無視したものであることを広く伝えていきましょう。

 

参照ください。

石木川まもり隊HP
川原郷は「権利能力無き社団」

 

3証人尋問終える。 (石木ダム事業認定取消訴訟)

2018年2月3日
カテゴリー:

石木ダム事業認定取消訴訟 証人尋問報告

大まかな経過

石木ダム事業認定取消し訴訟は 9 月 4 日の第 8 回口頭弁論で、治水・利水面から見た石木ダムの必要性についての原告・被告双方の主張が一通り終えたとし、起業者である長崎県(治水面)、佐世保市(利水面)の担当者と、事業認定審査過程 で石木ダムの水源開発を是とする意見書を 提出した 2 名の学識経験者に対する証人尋 問の準備を進めることになりました。
10 月 31 日の第 9 回口頭弁論で、具体的 な証人尋問日程が決まりました。

  • 12 月 5 日
    長崎県治水担当者 長崎県土木部 河川課 浦瀬俊郎企画官
  •  12 月 25 日
    佐世保市利水担当者 田中英隆氏
  •  2018 年 1 月 9 日
    利水意見提出者;首都大学東京特任教授 小泉  明 氏 長崎地裁での尋問は拒否。
    首都大学東京南大沢キャンパスで出張尋問
  •  もう一人の利水意見提出者、東京大学教授 滝沢 智氏、証人尋問出席拒否。

長崎県治水担当者・長崎県土木部河川課 浦瀬俊郎企画官 尋問
12 月 5 日 13 時半~17 時:長崎地方裁判所にて

①計画規模1/100年としたことについて(田篭弁護士担当)、②計画規模1/100年の基本高水流量を 1,400m³/秒としたことについて(緒方弁護士担当)、③石木ダムがあることによる治水上のメリットの有無について(平山弁護士担当)、 などを質しました。

回答

  •    昭和33年までが既往最大値として昭和31年洪水を採用
  •  昭和50年に既往最大値から超過確率に替えた。費用対効果と妥当投資額から、 超過確率1/100年の洪水とした。
  •  平成17年に超過確率1/100年を確認した。
  •  1/100は、長崎県が平成11年に策定したルールに従った。
  •  昭和50年当時の河道の想定氾濫面積内について諸項目を評価した結果、1/100であることを確認した。
  •  山道橋地点の計画高水流量(1130㎥/秒)は、1020㎥/秒(当時の流下能力)~基本高水流量1320㎥/秒(野々川ダム調節後)のなかでの一番事業費が少 なくなる組み合わせを選んだ結果、1130㎥/秒とした。
  •  (平成17年の川棚川水系河川整備基本方針は)昭和33年から進め
    てきた「ダ ムと河道の組み合わせによる治水」を基本にしている(=治水目標規模1/100 年)。

まとめ

2009 年の河川法改正でこれまでの工事実施基本計画を河川整備基本方針と河川整備計画に分離して策定することになりましたが、長崎県は「川棚川の治水は昭和 33年から進めてきた『ダムと河道の

組み合わせによる治水』を基本にしている」として昭和 50 年に決めた計画規模 1/100 年を科学的に見直すことはしていないことが 分かりました。これまで何度か見直しの機会があったもの、「石木ダムありき」でしかなかったことが確認できました。

尋問調書(裁判所作成議事録)と修正上申書

証人調書・浦瀬俊郎氏(2017.12.5)
国上申書(浦瀬証人 修正)

佐世保市利水担当者 田中英隆氏 尋問
12 月 25 日 10 時~17 時:長崎地方裁判所にて

  • 水需要予測の生活用水関係(八木弁護士担当)、業務営業用水関係(毛利弁護士)、負荷率・不安定水源(高橋弁護士担当)について質しました。
  •  佐世保市の水需要予測策定経過について実態を明らかにするうえで極めて重要な証 人尋問であるという期待を原告・代理人・支援者は抱きましたが、質問に対する証 の回答は、知らない、覚えていない、記憶にない、の連続でした。
  •  慣行水利権を認可水源として申請することも、慣行水利権を許可水利権に切り替え ることも検討したことがないと証言しました。
  •  佐世保市が不安定水源としてゼロ評価している相浦川の慣行水利権水源について、 当方は 2007 年度渇水において
    「安定水源」以上に安定取水できていたことを示したうえで、「取水が安定していなかったとデータ で示せるのか?」 と質したところ、「わからない」 とと答える始末でした。下の新聞 記事を参照ください。

佐世保市水道が求める「石木ダ ムの水源確保」 も、治水と同様、「石木ダムあり き」であること を明白にすることができました。

尋問調書(裁判所作成議事録)と修正上申書

証人調書・田中英隆氏(2017.12.25)
国上申書(田中証人 修正)

利水意見書提出者;小泉 明・ 首都大学東京特任教授 尋問
2018 年 1 月 9 日 11 時~13 時半 首都大学東京 南大沢キャンパスにて

長崎地方裁判所から裁判官 3 名と書記官 1 名、原告側から代理人 4 名・水没予定地居住原告 4 名・そのほか原告 2 名計 10 名、被告側 8 名による、小泉 明氏への証人尋問でした。 高橋弁護士が尋問の目的を明らかにした上で、水需要予測の生活用水関係(八木弁護士担当)、業務営業用水関係(毛利弁護士)、負荷率関係(高橋弁護士担当)について質しました。

  • 自分に求められた役割は需要予測の手法が妥当かどうかであり、それを判断したに過ぎない。
  • そのやり方で出てきた数値には関知しない。

として、各論の具体的な内容についての尋問への回答は事実上拒否したのです。
そして、

  • 余裕をもって予測することは必要。水が足りないと佐世保市の経済は発展しないのだから。

と持論を展開。
高橋弁護士から、

  • 「経済発展のためには、より多くの水があった方がいい。そのためにダムを造りましょうと言われる。しかし、そこに住んでいる13 世帯の人たちを追い出して…というのは少し乱暴ではありませんか?」、

と問われると、
やや時を置いて、

  • 「まあ、そうですね。」

との回答でした。
長崎県や佐世保市が、「自分たちの主張は有識者から同意を得ている」として権威づけているものの、その実態は全く中身のないものであることを実証できました。

尋問調書(裁判所作成議事録)と修正上申書

証人調書(小泉 明氏 2018.1.9)
国上申書(小泉証人 修正)

 参照ください。

石木川まもり隊ブログ 学者証人、手法の妥当性を判断しただけ

 

◎ 石木ダム訴訟関係はこちらもどうぞ

石木ダム訴訟・申立 資料集

 

 

 

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