水源連:Japan River Keeper Alliance

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原告・代理人が陳述! 石木ダム事業認定取消訴訟第1回口頭弁論

2016年4月30日
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  • 2016年4月25日 事業認定取消し訴訟 第1回口頭弁論

4月25日午後2時、長崎地方裁判所で事業認定取消訴訟第1回口頭弁論と執行停止申立審理が開かれました。多くの原告・傍聴者が結集し、法廷に入りきれないため傍聴は抽選となりました。
口頭弁論では、原告2名(岩下和雄氏・松本好央氏)と代理人3名(平山博久弁護士・鍋島典子弁護士・馬奈木昭雄弁護士)が意見陳述を行いました。
第1回口頭弁論の詳しい情報(訴状・被告答弁書、原告・代理人意見陳述書、マスコミ報道等)はこちら

口頭弁論に先立ち、地裁前で門前集会を持ち、原告代表として岩下和雄氏、弁護団代表として馬奈木弁護団長が事業認定取消し訴訟にあたっての気構えを確認しました。

終了後に長崎市役所内の会議室において、弁護団からこ第1回口頭弁論までのいきさつ、訴状に対する被告側の答弁書の趣旨と問題点、次回口頭弁論は7月19日午後三時から、・・・・等が報告されました。参加者からは、5人の意見陳述内容が素晴らしかったと絶賛の声が聞かれました。

なお、工事差止仮処分申立の第1回口頭弁論は5月16日午後二時から長崎地方裁判所佐世保支所で開かれます。

工事差止仮処分申立人に!  (石木ダム関係)2016年5月26日改定

2016年4月21日
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石木ダム事業に反対される皆様、申立人になって工事を差し止める本人になりませんか!

長崎県外の方が申立人になっていただくときに必要な、弁護団委任状と、ゆうちょ銀行の振込用紙見本をご覧下さい。

石木ダム予定地13世帯住民を先頭にした石木ダム中止を願う私たちは、石木ダムを法的に中止させることを目的に、事業認定取消訴訟と工事差止仮処分申立を闘っています。

110名の原告が事業認定取消訴訟・執行停止申立を2015年11月30日に長崎地方裁判所に提訴し、今年4月25日に第1回目の法廷が開かれました。原告に制限がある事業認定取消訴訟に続いて、2月2日には505人が、石木ダムによって人格が侵害されるとする人ならば誰もが訴えることができる「工事差止仮処分申立」を長崎地方裁判所佐世保支部に申立てました。5月16日には第1回目の審尋が行われました。

「工事差止仮処分申立」はこの訴訟が終わるまで、申立人の追加が出来ます。

水源連としても、石木ダム事業がもたらす4つの負の遺産、

  • 無駄な事業による人権破壊
  • 無駄な事業による環境破壊
  • 無駄な事業への税金支出・水道事業費支出
  • 本来優先されるべき事業の停滞

を拒否することを一人一人が明確に示す手段として、多くの皆様が「申立人」になることを呼びかけます。
今からでも遅くありません。是非、申立人に名乗りを上げて下さい。

「申立人」になる方は、委任状に必要事項を記入し、印じるし2箇所に捺印して下記連絡先に郵送してください。そして、誠に恐縮ですが、郵便局で払込取扱票をもらって必要事項をご記入の上、分担金1万円をお送りください。「申立人になるのはちょっと」と思われる方は、同封の払込取扱票の支援に○をつけて、支援金をお送り下さい。払込取扱票の通信欄には、今後の連絡のため、メールアドレスまたはFAX番号も記入をお願いします。

本会に送付いただいた分担金・支援金と委任状はすべてとりまとめて、石木ダム対策弁護団に送付いたします。

連絡先:石木ダム建設絶対反対同盟を支援する会

〒223-0064 神奈川県横浜市港北区下田町6-2-28
電話・FAX 045-877-4970
メール:mizumondai@xvh.biglobe.ne.jp
ゆうちょ銀行当座口座:00270-9-136202

石木ダムのことについて詳しくは、こちらをご覧下さい。
仮処分申立委任状と振込用紙

 

霞ケ浦導水の工期また延長 事業費の増額必至 完成予定は15→23年度

2016年4月21日
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2週間前の記事ですが、霞ケ浦導水事業に関する記事をお送りします。

事業費の約八割の約千五百億円が使われたが、トンネルの六割超に当たる約二十九キロが未完成のままです。事業費の増額が避けられないと思われますが、国交省は関係都県の反発を恐れて、先送りにしています。

一昨日、4月19日に那珂川の漁協が国土交通省を相手に闘っている霞ケ浦導水裁判の控訴審第2回口頭弁論がありました。

漁協側は、霞ケ浦から那珂川への送水が那珂川の魚介類に大きなダメージを与えることをデータに基づいて具体的に示しました。

第3回控訴審は8月23日(火)午後2時00分から東京高裁812号法廷で開かれます。

 

霞ケ浦導水の工期また延長 事業費の増額必至 完成予定は15→23年度

(東京新聞茨城版2016年4月7日http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/list/201604/CK2016040702000192.html

(写真)水を行き来させるポンプのある霞ケ浦導水の那珂機場。那珂川近くに建設されたままになっている=水戸市で

写真

 霞ケ浦と那珂川、利根川を約四十五キロの地下トンネルで結ぶ「霞ケ浦導水事業」について、国土交通省は事業計画を変更し、完成時期を二〇一五年度から二三年度に延期した。事業費は千九百億円で変更はなかった。

しかし、既に事業費の八割が使われたにもかかわらず、未完成の部分が多く、増額は避けられないとの見方は根強い。県の負担分も増え、維持費が水道料金に上乗せされるなど、県民の負担増になる可能性がある。 (宮本隆康)

 事業計画変更と工期延長は四回目。今回の計画変更では、水需要の増加が見込めず、千葉県内の三市町でつくる東総広域水道企業団と、千葉市が事業から撤退した。

 事業は、一九八四年に着工。九三年度だった完成時期は、用地取得の遅れなどで延期されてきた。民主党政権で必要性を検証するため中断されたが、自民党政権に戻った一昨年、継続が決定。しかし、今も工事は本格的に再開されず、県は早期建設を求めている。

 事業費の約八割の約千五百億円が使われたが、トンネルの六割超に当たる約二十九キロが未完成のまま。それでも事業費を変更しない理由を国交省関東地方整備局は「工事のコスト縮減を見込んだため。まだ確定的ではなく、今後に詳細な検討を進めたい」と説明する。

 しかし、国交省関係者は「今の事業費では到底、完成できない」と認める。事業費が増えれば、八百五十一億円とされる県の負担分も増額が懸念される。完成後、維持費は水道料金に上乗せされるため、値上げにつながる可能性もある。

 反対運動をしている市民団体「霞ケ浦導水事業を考える県民会議」の浜田篤信共同代表は「水道料金が上がるかどうか、県は試算して公表するべきでは。こんな巨額の事業よりも、予算をもっと有効に使った方が良い」と話している。

 <霞ケ浦導水> 那珂川と霞ケ浦間(約43キロ)、利根川と霞ケ浦間(約2・6キロ)を、深さ20~50メートルの地下トンネル2本で結ぶ。利根川と那珂川の水を行き来させ、水量調整で首都圏の用水を確保し、霞ケ浦の水質浄化も図るのが目的。

着工から30年以上たち、今では人口減少で水需要の増加は見込めない上、水質浄化の効果にも疑問があるとして、反対運動が起きている。茨城、栃木両県の漁協などが建設差し止めを求めて提訴し、東京高裁で係争中。

大戸川ダム検証素案に対する意見

淀川水系・大戸川ダム検証素案についての意見募集が3月14日まで行われています。

去る2月27日に開かれた大津市内の公聴会ではダム反対意見の公述がなかったと報道されています。

翌日、28日の大阪市内の公聴会では公述人が一人だけで、今本博健京都大学名誉教授が反対意見を公述されたと聞いています。

このままでは反対意見があまりにも少なく、先行きが大いに心配されますので、水源連として大戸川ダムの問題を急きょ検討して、意見を提出しました。

意見書は 大戸川ダム検証素案に対する意見(嶋津暉之) のとおりです。

要旨を記します。

① 淀川本川の治水対策として大戸川ダムは意味を持たない。

〇 治水代替案の事業費の大半を占めているのは淀川本川対策の事業費である。

〇 大戸川ダムは淀川本川で計画洪水ピーク流量を400㎥/秒削減する効果があるとされているが、これは下流に行くほど、ダムの洪水ピーク削減効果が減衰していことを考慮しないきわめて過大な数字であり、実際は100~150㎥/秒以下であると推測される。

〇 仮に400㎥/秒の削減効果があるとしても、最大で約15㎝の水位低下である。淀川本川は現況堤防の余裕高が2.5~3m以上あり、必要な余裕高2mは十分に確保されるので、淀川本川では大戸川ダムの小さな治水効果は意味を持たない。

〇 この淀川本川対策の費用を除くと、治水対策代替案の河道掘削案や堤防嵩上げ案の事業費は大戸川の分だけとなり(それぞれ210億円、230億円)、大戸川ダム案の事業費478億円(残事業費)を大幅に下回るので、これらの代替案を選択すべきである。


② 大戸川で進めるべき治水対策

〇 大戸川において耐越水堤防工法を導入すれば、大戸川の流下能力を大幅に高めることができる。耐越水工法の導入と流下能力不足箇所の河川改修に130~180億円程度の費用をかければ、大戸川ダムなしで、計画流量に対応でき、且つ、それを超える洪水が来ても破堤を防ぐことができるようになる。


③ 鬼怒川の堤防決壊を踏まえた治水対策を!

〇 耐越水堤防工法は旧・建設省土木研究所が研究開発し、技術的に確立して一部の河川で実施されつつあったにもかかわらず、国交省はダム事業推進の妨げになるとして、耐越水堤防工法の普及にストップをかけた。治水対策として必要性が稀薄な大戸川ダムにこれから500億円近くの河川予算を使うことをやめ、鬼怒川堤防決壊による悲惨な水害を踏まえて、流域住民の生命と財産を守るために有効な治水対策、耐越水堤防の導入を大戸川、淀川本川でも推進すべきである。


④ 自然にやさしくない流水型ダム(穴あきダム)

〇 大戸川ダムが建設されれば、流水型ダムの副ダムの存在が水生生物の行き来を妨げる障害物になる。さらに、洪水後の川の濁りが長期化し、魚類の成育や生態に対して少なからず影響を与えることも危惧される。


⑤ 流水型ダムは大洪水時には閉塞して洪水吐きが洪水調節機能を喪失

〇 流水型ダムについて強く心配されることは、大洪水時に流木や土砂などで洪水吐きが詰まって、洪水調節機能が失われてしまうことである。大戸川ダムが閉塞すれば、大戸川ダム下流の河道はダムの洪水調節を前提として計画されているから、大氾濫の危険にさらされることになる。

 

札幌市への豊平川水道水源水質保全事業に関する公開質問書(当別ダムとの関連で)

北海道の当別ダムは市民の反対を押し切って2012年に完成しましたが、必要性のないダムであることには変わりはありません。
同ダムの建設に反対した「当別ダム周辺の環境を考える市民連絡会」と「北海道自然保護協会」は当別ダムからの札幌市の撤退を視野に入れて活動を続けています。
去る2月25日には両市民団体は札幌市に対して「豊平川水道水源水質保全事業の再評価に関する公開質問書」を提出し、同時に厚生労働省に対して同事業への補助金交付中止を求める要望書を送付しました。
公開質問書は札幌市への公開質問書「豊平川水道水源水質保全事業の再評価に関して 」 、

厚労省への要望書は厚労省への要望書「豊平川水道水源水質保全事業の再評価に関して 」 をご覧ください。豊平川水道水源水質保全事業とは、札幌市水道水のヒ素濃度を下げることを理由にして、札幌市水道の主要水源である豊平川の上流から浄水場の下流までバイパス管を設置する事業です。

ヒ素を含む温泉水が混入する豊平川上流の水が、浄水場の原水にできるだけ入らないようにするという事業で、市民に安全な水を供給することをお題目にしていますが、しかし、この事業には裏の顔があります。
この事業は札幌市が当別ダム事業に参画するために、保有水源を減らす方策として考えられたものなのです。

札幌市水道の水需給図に示すように、札幌市は水需要の過大予測を行うとともに、この事業によって豊平川の流量が減って保有水源が8.6万㎥/日少なくなるとして、将来は当別ダムの水源が必要になるという水需給図をつくりました(過大予測は2012年の当別ダム完成後に下方修正しました。)

そして、この事業は187億円という巨額の公費を使い、市民に対して重い経済負担を強いる事業でもあります。
なお、札幌市水道水のヒ素濃度は現状のままで水道水質基準を超えることはなく、十分に安全な水です。市の水質目標値(基準の1/2)を超えることがまれにあるだけで、半世紀以上も支障なく供給されてきた安全な水道水です。
このように、札幌市は当別ダムに参画するため、市民に安全な水を供給することを名目にして、本来は必要性がない巨額公費の事業を無理矢理作り出しました。
この事業は計画後10年経過したことから、今回、事業継続が妥当か否かの再評価が行われました。札幌市による再評価の結果は費用便益比が2.95で、1を大きく超えているから、継続が妥当というものでした。
しかし、この再評価の内容を検討すると、それは虚構の計算であり、手順に沿って計算すれば、費用便益比が1を大きく下回って中止すべき事業であること、そして、札幌市水道水のヒ素濃度は最近は市の水質目標値を超えることはなくなってきており、この事業の目的が失われてきていることも明らかになりました。

そこで、これらの問題を問いただすため、「当別ダム周辺の環境を考える市民連絡会」の安藤 加代子さん、山田明美さん、「北海道自然保護協会」の在田一則さん、佐々木克之さんたちが札幌市水道局に公開質問書を提出しました。3月10日までに市から回答がある予定です。

下記の記事はこの公開質問書の提出を伝える記事です。

豊平川ヒ素対策「不要」自然保護団体 市に中止要望

(北海道新聞 2016年2月27日)
北海道自然保護協会と市民団体「当別ダム周辺の環境を考える市民連絡会」は26曰、札幌市役所で記者会見し、豊平川を水源とする水道水のヒ素濃度を下げる事業を中止するよう市に求めたことを明らかにした。
「近年は濃度が市の目標値を上回ることはほとんどなく、不要だ」と主張した。
 この事業は、ヒ素を含む豊平川の湧き水が浄水場に流れ込むのを防ぐため、バイパス水道管を整備するもの。工期は2005~20年度で、総事業費187億円。
 両団体は「05年度以降、浄水場で処理を終えた水のヒ素濃度は市の管理目標値である1㍑当たりO・O05ミリグラムをほとんど超えていない」と指摘、25日付で秋元克広市長宛てに事業の中止を求める要望書を提出した。
 一方、市水道局事業推進担当課は取材に対し「処理前の原水のヒ素濃度は基準を超える状況が続いており、事業は妥当だ」と話している。  (水野富仁)

 

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