各地ダムの情報
4月6日に「パタゴニア」辻井隆行日本支社長は地権者の岩下和雄さん、石丸勇さん、板井優弁護士とともに、日本外国特派員協会で石木ダム反対運動支援の記者会見を行いました。その記事を掲載します。
この記者会見では石木ダム問題に関して英文と和文の資料が配布されました。、
石木ダム 周知目指す 「パタゴニア」支社長と地権者会見
(長崎新聞2015年04月06日)
石木ダム建設事業の反対派支援を表明した米国のアウトドア衣料品ブランド「パタゴニア」の辻井隆行日本支社長と、地元の反対地権者代表が6日、東京都千代田区の日本外国特派員協会で記者会見し、ダム建設反対を訴えた。
同事業は県と佐世保市が東彼川棚町に計画。同社は今月、人権問題や環境保全を理由に支援を決めたと発表した。
辻井氏は外国人記者らに、事業の概要や反対運動の経緯を説明。「関心が薄く、事業が知られていない」と述べ、問題点の全国的周知などを目指す考えを示した。
反対地権者の石丸勇さんは「半世紀近く翻弄(ほんろう)され続けた。日本のダム行政は問題がある」と強調。岩下和雄さんは「不必要なダムから古里を守る」と語った。
同社は国内の他のダム建設反対運動にも協力しているが、石木ダムに今後、特に力を入れる方針。辻井氏は取材に「切迫した状態にある。まだ事業を止められる可能性がある」と説明した。(山口恭祐)
(写真)記者会見で石木ダム事業反対を訴える。左から石丸、岩下、辻井の各氏。=日本外国特派員協会
(西日本新聞2015年04月06日)http://www.nishinippon.co.jp/nnp/nagasaki/article/161023
アウトドア衣料品販売の米パタゴニア日本支社は6日、長崎県川棚町で計画されている石木ダム建設に関して、建設予定地の住民などによる反対運動を支援すると発表した。
東京の日本外国特派員協会で記者会見した辻井隆行支社長は「環境と(住民の)人権を守るという二つの柱が、企業理念と合致した。
地元の水需要は伸びておらず、冷静な議論で計画見直しを」と呼び掛けた。全国や海外への情報発信などで協力する。
会見に出席した住民の石丸勇さん(65)は「不要なダムに故郷を奪われる理由はない。多くの人に知ってほしい」と話した。
石木ダム建設:アウトドア衣料「パタゴニア」日本支社、「反対」を支援 「冷静な議論の下、見直しを」 /長崎
(毎日新聞長崎版 2015年04月02日)http://mainichi.jp/area/nagasaki/news/20150402ddlk42010378000c.html
県と佐世保市が川棚町に計画している石木ダム建設事業を巡り、米国カリフォルニア州に本社を置くアウトドア衣料メーカー「パタゴニア」日本支社(神奈川県鎌倉市)が1日、建設に反対する地権者や市民団体の活動支援を決定したと発表した。
同社はこれまで水没予定地の地権者の意見や主張を県や市に伝えるため、抗議活動や建設反対の署名活動に協力してきた。
辻井隆行支社長は「日本に2800基ほどもあるダムについてその利益と弊害が客観的に評価されているとは言えない。
さまざまな弊害をうむ『古い技術』である複数のダム建設が計画されている」と指摘。「建設阻止活動の支援を通じて冷静な議論のもとで計画が見直され、日本における他のダム建設を含む多くの公共工事が再評価されるきっかけになることを願っている」とのコメントを発表した。
【梅田啓祐】
パタゴニアが石木ダム反対運動を全面支援決定
(NetIB NEWS長崎 2015年4月8日16:34) http://www.data-max.co.jp/politics_and_society/2015/04/35095/0408_ymh_1/
米アウトドア用衣料製造販売のパタゴニア日本支社(所在地:神奈川県鎌倉市、支社長:辻井隆行)が、長崎県東彼杵郡川棚町で計画されている石木ダムの反対運動を全面的に支援することを決定したことが波紋を呼んでいる。
パタゴニアはこれまでも、同社直営の福岡ストアを通じて石木ダム反対の活動をサポートしてきた。
今回の決定は、新聞報道やネットを通じて広がり、パタゴニア製品を愛用する自然愛好者らは、同社の環境保護や社会責任活動に積極的な姿勢として好意的に受け止めている。
石木ダム計画は約50年前に始まり、反対する地元住民は「権力と圧力とのたたかい」を長年強いられてきた。
住民の1人は「私たちは、必要もないダムのために、生活と美しい自然を壊されたくないと思っているだけです。私たちの気持ちをわかっていらっしゃる企業があることだけで力になります」と語る。
パタゴニア日本支社は、4月1日付で支援決定のプレスリリースを発表し、「美しい川棚町の自然と住民の皆様の人権を脅かすダム建設の阻止に向け、日本支社を挙げ、さらなる支援に取り組んでまいります」と述べた。
同6日には、辻井支社長が東京の日本海外特派員協会で記者会見した。
会見には、建設予定地住民や同ダム対策弁護団副団長が同席。地元住民は「日本の美しい原風景が残っている」「この田んぼを守り続けなければいけません」と述べ、「不要なダムのために故郷が水の底に沈められることが許せない」と訴えた。
今回の全面的支援決定の背景には、長崎県が反対地権者の土地収用に動き、建設反対運動を支援する緊急性が高まったことがある。
パタゴニアは、「ビジネスを手段として環境危機に警鐘を鳴らし、解決に向けて実行する」と掲げており、映画「ダムネーション」を制作提供し、米国におけるダムのあり方を問う活動もしてきた。
ダム問題をめぐって、日本では、2001年の田中康夫長野県知事の脱ダム宣言で注目されたが、米国では当時からダムの撤去が大きな流れになっていた。
「日本ではダム撤去は1つしかないが、米国ではダム撤去は普通に語られる」(同支社広報担当)ように、ダム行政をめぐる日本の後進性は際立つ。日本のダム行政は「ダムを造るのが目的」で、一度決めた計画は実質的な見直しがされないまま推進されると言っても言い過ぎではない。
辻井支社長はプレスリリースで「日本においては、2,800基ほどもあるダムについて、その利益と弊害が客観的に評価されているとは言えません」と指摘した。
また、「その客観的必然性が低く、豊かな自然だけでなく、そこに住む13世帯60名の人権までをも踏みにじることになる石木ダムの建設に、数百億円もの大切な税金が投じられようとしています」と述べ、「この石木ダム建設阻止活動の支援を通じて、冷静な議論のもとで計画が見直され、日本における他のダム建設を含む多くの公共工事が再評価されるきっかけになることを願っています」としている。
すでに現地に何度も足を運んでおり、今後も現地でのサポートの必要性に合わせて随時現地を訪れることも計画している。
石木ダムは、約50年前に計画され、地元地権者が反対運動を続けてきた。長崎県と佐世保市は、水道用水供給や洪水被害の軽減を目的にしているが、地権者らは「ダム建設に必要性がまったくなく、居住者の生活や自然環境に重大な影響を与える」などと主張している。
【山本 弘之】
3月19日に本体工事中の浅川ダムの付近で斜面崩落がありました。長野県は「崩落の原因は表面の土砂に雨水や雪解け水が染み込んで滑ったため」として終止符を打とうとしていますが、実際はどうなのでしょうか?
(写真)斜面崩落現場を調べる県職員や地質調査の専門業者ら=21日、長野市浅川一ノ瀬
長野市浅川一ノ瀬の県営浅川ダム下流の浅川右岸で発生した斜面崩落について、県は21日、地質調査の専門業者と現地を調査した。
県浅川改良事務所(長野市)の蓬田陽所長は調査後、崩落の原因は表面の土砂に雨水や雪解け水が染み込んで滑ったため―とあらためて説明。「今回の崩落はダムの安全性が揺らぐ大きな問題ではない」との見方を示した。
県職員と専門業者、建設工事を担う共同企業体(JV)の計9人が、崩落斜面や周辺を約1時間半かけて調査。周辺に新たな亀裂が発生していないか目視で点検し、崩落で露出した岩盤をハンマーでたたいて強度を確認した。
蓬田所長は取材に、今回の斜面崩落は表面の土砂の問題とし、「基礎岩盤や深い部分での大きな地滑りの議論とは関係ない」とした。崩落箇所や周囲に亀裂は確認されず、土地の傾斜も変化がないとして、「これ以上大きく周りに影響する地滑りの兆候もない」とも述べた。
今後は「これ以上斜面が削られることがないよう、保護対策をする」とし、崩落を防ぐための構造物(のり枠)の設置など具体策を4月中にはまとめるとした。調査結果は同事務所のホームページで3月中に公表する方針だ。
長野市の県営浅川ダムで斜面の土が崩落したことを受け、専門家による調査が行われました。
調査した専門家は地滑りの兆候はないという見解を示しました。
調査は県が依頼した地質の専門家4人が崩落した箇所の土を削るなどして斜面の状態を確認しました。
県営浅川ダムではおととい下流の右岸で幅およそ20m、長さおよそ90mにわたって斜面が崩れているのがみつかりました。
調査した専門家は雪解けなどで表面の土が水を多く含み発生したものでこれ以上の拡大の恐れはないとしました。
県は来月中に崩れた部分の補修方法を決める予定です。
浅川ダム下流の斜面崩落 県議団・市議団が緊急・現地視察
19日に発生した浅川ダム下流の斜面の崩落を受けて、党県議団と長野市議団は20日、現地調査を行いました。長野県浅川河川改良事務所長から説明を受けました。
崩落した個所は、昨年5月に崩落し、のり枠加工したすぐ隣の場所でした。県は「雪解けと雨で発生した」と説明しましたが、きちんとした調査・検討が十分されてこなかったことが問題です。
2月県議会では左岸深部亀裂に対する追加工事の予算が盛り込まれており、税金をどんどん使い続け、それでも崩落が起こる危険で無駄な浅川ダムの工事は直ちに中止するしかないことが浮き彫りになりました。
ダム検証が2010年9月末から始って、4年半経ちました。国交省でさえ、二の足を踏んでいる「城原川ダム」計画が佐賀県の主導で流水型ダム(穴あきダム)として動き出す気配が出てきました。
ダム予定地に指定されてから、44年間も翻弄されてきた地元住民の苦しみは相当なものだと思いますが、その地元からダム建設を求める声があるからといって、ダムを造るのは主客転倒した話です。
2012年に衆議院に上程されたが、審議されないまま廃案になっている「ダム中止後の生活再建支援法案」(「ダム事業の廃止等に伴う特定地域の振興に関する特別措置法案」)を制定して、ダムが中止になっても生活再建はきちんと行う仕組みを用意することが必要です。
国交省でさえ、二の足を踏み、必要性、緊急性が希薄な城原川ダム計画は中止されるべきです。
(写真)地元住民の案内で水没予定地を回る山口知事(中央)
山口知事は19日、国土交通省が建設の是非を再検証している城原川ダム(神埼市)の水没予定地を視察し、住民と意見交換した。国の予備調査開始から40年以上続くダム問題に、予定地の住民は早期の建設を要請。
同省が「ダムによる治水」と、「ダムに頼らない治水」の検証を進めているが、山口知事は視察後、洪水時のみに水をためる「流水型ダム」建設の推進を目指す考えを表明した。今後、同省に伝える意向だ。(光安素子)
城原川は神埼市の脊振山を水源に、佐賀平野を南下して筑後川に合流し有明海に注ぎ込む1級河川。流域面積64・4平方キロ・メートル、流路延長は31・9キロに及ぶ。
同ダムは1953年の水害を受け、国が治水などを目的に検討を開始。71年に神埼市で予備調査を始めた。2005年には古川康知事(当時)が、流水型ダムとすることで建設に合意。しかし、民主党政権が「再検証ダム」に認定し、未着工の状態が続いている。
同省九州地方整備局は昨年10月、ダムを含めた城原川の治水対策について、県や同市などと協議する準備会合を4年ぶりに開催。ダム建設のほか、河川改良など25種類の治水対策を説明した。同整備局は今後について「ダムが必要かも含めた検討を進める状態でスケジュールは未定」とする。
山口知事は19日、水没予定の同市脊振町広滝の岩屋地区を訪問。同市の松本茂幸市長や地元議員らと、ダム建設に備え放置された空き家などを見てまわった。
その後、近くの公民館で、水没予定の岩屋、政所の両地区の住民約50人と懇談。 住民は「隙間風の吹かない家に住みたいと思うが、国策に翻弄されるうち住宅ローンが組めない年齢になった。1日も早く解決を」「賛否がバラバラだった住民も約10年前、ダム受け入れでまとまった。本格的なダム建設検討の場を開き、生活再建の足がかりをつくって」などと訴えた。
山口知事は「自分がリーダーシップをとって、1日も早くみなさんの思いを実現したい」と応じた。
訪問を終えた山口知事は記者団に対し、「これまでの歴史をひもといた時、流水型ダムを建設することで県の結論は出ている。早急にその方向で作業を進めたい」と表明。「国の検証作業が進んでいないので、強く治水の必要性、早急な解決を訴えていきたい」と強調した。
一方、ダム以外の治水対策を訴える「城原川を考える会」の佐藤悦子代表(62)は読売新聞の取材に対し、「流域も含めた地元から様々な意見を聞いてほしい」と話した。
「ダム早期建設訴える」 知事が城原川住民と意見交換 [佐賀県]
(西日本新聞 2015年03月20日) http://www.nishinippon.co.jp/nnp/saga/article/157099
(写真)城原川ダムの水没予定地を視察する山口祥義知事=19日午後、神埼市脊振町広滝
山口祥義知事は19日、国が建設を凍結している神埼市脊振町広滝の城原川ダム水没予定地を就任後初めて視察し、早期建設を求める地元住民と意見交換した。
ダム事業は、1953年の豪雨による筑後川大水害を機に国が計画。2005年に県が同意したが、09年に民主党政権で見直し対象になった。
山口知事は、川沿いの傾斜地に並ぶ民家や畑を約20分間歩いて視察。地区の集会所で開かれた意見交換会には水没予定地の住民約50人が参加し、住民グループ「城原川ダム対策委員会」の真島修会長(77)が「40年以上国策に翻弄(ほんろう)され、住民は高齢化し、転居もできないまま家屋は老朽化し、苦しんでいる。早期解決をお願いしたい」と訴えた。
山口知事は記者団に「前知事の時にダム同意の結論が出ている。現場の皆さんの気持ちを受け止め、ダムの必要性と(建設が)早急に進むよう私が前面に立って訴えたい」と語った。
城原川ダム:民主政権時見直し事業、再検証問題 知事「流水型で解決を」 予定地の住民らと懇談 /佐賀
(毎日新聞佐賀版 2015年03月20日)http://mainichi.jp/area/saga/news/20150320ddlk41010444000c.html
民主党政権時の見直しで事業が止まっている城原川ダム(神埼市脊振町)の再検証問題で、山口祥義知事は19日、水没予定地を視察し、住民と懇談した。知事は「私がリーダーシップを取って皆様の思いを実現できるようにしたい」と述べ、住民が求める流水型ダム建設を前提に、国に対して早期の解決を求める姿勢を強調した。【上田泰嗣】
懇談会には水没すると想定されている同市脊振町広滝の岩屋地区と政所地区の約50人が参加した。会では地元を代表し、城原川ダム対策委員会の真島修会長(77)が「予備調査が入ってから来月で44年になり、集落の人は長年翻弄(ほんろう)されてきた。一日も早く生活再建をさせてほしい」とあいさつした。
住民は「住民同士や家族間のいさかいも多く、国策を恨む日々だった。高度経済成長期にも動けず、住宅ローンも組めない年齢になってしまった」「一刻も早く災害の不安を取り除くためにもダム建設を」「ダムを起爆剤とした経済の再活性化に協力したい」「城原川ダムの問題を早く解決することが水害を未然に防ぐことにつながる」「高齢者世帯にはダム建設による補償が必要」などと訴えた。
最後に山口知事は「検証再開を一日も早く実現したい」と述べ、2014年10月から開催されていない国による城原川ダム事業の再検証会議の再開に努力することを約束した。
懇談会に先立ち、知事は住民の案内で岩屋地区を歩いて視察。集落内の細い道を通って、空き家が多くなっている現状を実感していた。
城原川ダムは1953年の大水害を受けて計画され、住民の反対などで長く進まなかった。05年には県が大雨時だけ水をせき止める流水型ダムを国に提案し国も理解を示したものの、09年には民主党政権が再検証対象事業にした。
城原川ダム予定地視察 知事建設に前向き
(佐賀新聞2015年03月20日) http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/168186
(写真)城原川ダム計画の水没予定地となっている集落を歩き、住民から現状説明を受ける山口祥義知事=神埼市脊振町の岩屋地区
「地元の声受け止める」
佐賀県の山口祥義知事は19日、国の事業見直し対象となっている神埼市の城原川ダム計画について、洪水時だけ水をためる治水専用の「流水型ダム」建設を国に働きかける考えを明らかにした。
ダムの必要性に言及したのは初めて。「科学的検証も大事だが、44年間翻弄(ほんろう)されてきた地元のダム建設を求める声を一番に受け止める」と語った。
山口知事は同日、水没予定地の岩屋地区集落を視察し、住民との意見交換会の後で報道陣に対し、「前知事の時に(県として)首長会議まで開いて一定の結論を出した。それは重く受け止めたい」と述べた。
城原川ダム計画は1971年、予備調査に着手したが、住民の賛否をめぐる争いで頓挫した。古川康前知事は2003年に流域自治体の首長会議を設け、県は05年に流水型ダムの建設を国に申し入れた。
決着したかに見えたが、「コンクリートから人へ」を掲げた民主党政権は城原川ダムを再検証の対象とし、計画は宙に浮いた。事業継続の是非を判断する「検討の場」は初会合さえ開かれず、昨年10月にようやく2回目の準備会が開かれた。
山口知事は、これまでダム計画について賛否を明確にしておらず、2月県議会で「現地を訪れ、生の声を聞きたい」としていた。この日は、空き家の目立つ水没予定地の集落を歩いた。
意見交換会には住民約50人が参加し、「佐賀県にはいくつか国策絡みの課題があるが、地元が翻弄されてきた44年という長さや危険性からみて、一番の喫緊の課題だ」「知事のリーダーシップで生活再建の糸口をつくってほしい」と訴えた。
山口知事は「皆さんの思いは受け止めた。言葉よりも私の行動をみてほしい」と答えた。終了後、取材に対しては「水没予定で何も手が入っていない集落を回り、その過酷さに心が痛んだ。早急に(ダム建設の方向で)作業が進むよう前面に立って訴えていきたい」と述べた。
苦悩44年住民切々と 城原川ダム意見交換会
(佐賀新聞 2015年03月20日) http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/168187
((写真))ダム水没地区住民の切実な訴えを真剣な表情で聴く山口祥義知事(左奥2人目)=神埼市脊振町広滝の「ふれあい館せせらぎ」
城原川ダム建設をめぐり40年以上翻弄(ほんろう)されてきた水没予定地。初めて視察した山口祥義知事は、苦悩してきた住民の声に耳を傾け、ダムの必要性に踏み込んだ。知事の前向きな姿勢に住民たちは「思いが伝わり救われた」と評価しつつ、スピード感を持って国に働き掛けるよう注文をつけた。1面参照
神埼市脊振町のふれあい館せせらぎで開いた意見交換会で、山口知事は「私は49歳。それと匹敵する長い間、翻弄されていることに胸が張り裂けんばかりの思いだ」と語り掛けた。集まった住民約50人は約1時間、解決へ向けたリーダーシップを求めて切々と訴えた。
「44年間翻弄されてきた気持ちを分かってもらい、心強く感じた」と語る梅崎哲夫さん(71)。実家が大雨による土石流被害に遭い、自宅も警戒区域に指定された。「大雨のたびに怖い思いをしてきた。ダムは治水だけでなく防災のためになる」とダムの必要性を指摘する。
城原川ダム対策同盟の實松英治会長(73)は「知事が現地を見て、考えてもらった意義は大きい」と強調する。政所地区は現在21戸で、計画浮上から3分の1にまで激減し、4割が高齢世帯になった。「命のあるうちにこの問題を解決してほしい」とスピード感を持って対応するよう求めた。
「ゼロベースでなく、(これまでの)流水型ダム建設を進める方針にほっとした」と城原川ダム対策委員会の眞島修会長(77)。「家屋はぼろぼろだが、住民の多くが高齢でローンもくめない状況にある。将来の生活設計が描けず、待ったなしだ。一日も早く解決してほしい」と重ねて要望した。
小豆島の新内海ダムの試験湛水についての記事を掲載します。
ようやく満水になったということですが、新内海ダムは試験湛水を2012年12月にはじめて2年3カ月になります。
なかなか水が貯まらないのはダムから水が漏れているからだと言われています。
ダム周辺では井戸水が茶色に濁るなど、ダムによる弊害が顕在化してきています。
小豆島の新内海ダムで湛水試験 最高水位に達し越流開始
(産経新聞 2015年3月20日(金)) http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150320-00000019-san-l37
湛水試験を実施している香川県小豆島町の新内海ダムの貯水が最高水位(79メートル)に到達した。同県河川港湾課は今後、1日に1メートルのペースで平常時最高水位(70メートル)に下げるための放流を行う。
同ダムは総事業費約185億円で平成22年4月に本体工事が始まった。24年12月に湛水試験のため仮排水ゲートを閉鎖し、平常時最高水位からさらに上の洪水対策容量(約58万トン)をためる最高水位にある開放された水門まで水をためていた。
昨年6月には頂部の水門まであと2・4メートルまでたまったものの梅雨や台風シーズンの洪水対策のために平常時水位までの放水を実施。貯水が再開された11月以降、順調な降雨で18日までのダム周辺の降水量は計約380ミリだった。
湛水試験では越流を24時間以上放置させた後、1日に1メートルずつ水位を下げながら放流設備の稼働状況や基礎岩盤、貯水池の安全性などの点検・観測を実施し、国への報告を経て供用が開始される。
同ダムは堤の高さ43メートル、堤頂部の長さ423メートル、総貯水量は106万トン。供用が始まれば同町は日量2000トンを水道用水として取水する。
秋田県の直轄ダム「鳥海ダム(ちょうかいダム)」計画について環境影響評価法に基づく住民説明会が行われました。その記事を掲載します。事業を疑問視する住民の意見も紹介されています。
この記事にある「配慮書」は、「計画段階で住民意見を広く取り入れ環境への負荷を和らげる仕組みで、過剰な公共事業の抑制を目指す環境影響評価法の“目玉”とされている」ものですが、
9年前の2006年3月策定の「子吉川河川整備計画)が配慮書の代わり」になるという理由で、その手続きが省かれてしまいました。
鳥海ダム:「配慮書」手続き疑問視 住民側「意見聞くべきだ」 説明会 /秋田
(毎日新聞秋田版 2015年03月18日)http://mainichi.jp/area/akita/news/20150318ddlk05010115000c.html
由利本荘市鳥海町の百宅(ももやけ)地区に建設が予定される国直轄の「鳥海ダム」について、国土交通省東北地方整備局の住民説明会が16日夜に由利本荘市鳥海町であった。乱開発を抑制する手段とされる「配慮書」の作成手続きについて、住民側からは「省かれている」と疑問視する声が相次いだ。
住民説明会は、改正環境影響評価法(改正アセス法、2013年4月施行)に基づく手続きとして同整備局が開いた。同法は「開発で失われた生物多様性の再生は困難」との視点から、巨大ダム事業に対し計画立案段階からのアセスを義務付けた。
このうち配慮書は、計画段階で住民意見を広く取り入れ環境への負荷を和らげる仕組みで、過剰な公共事業の抑制を目指す同法の“目玉”とされている。
説明会には住民9人が出席。同省鳥海ダム調査事務所が冒頭、説明会を録画録音すると宣言し小笠原由次・調査設計課長が配慮書の次の段階の手続きとされる「方法書」について説明した。方法書はダム事業推進を前提に動植物や景観など国交省があらかじめ決めた調査項目や手法などを記したものだ。
出席者からの「なぜ配慮書(作成の)手続きを省いたのか」との疑問に対し、小笠原課長は「子吉川河川整備計画(06年)が配慮書の代わり」などと説明。環境省からの了解を取り付けていると主張した。
出席者は「はじめに事業ありきではなく、住民の意見を聞くべきだ」「生物多様性の観点が担保されない」と納得しなかった。だが、小笠原課長は「説明会は方法書を理解してもらうためのもの。意見は意見書提出で」と突っぱねた。
説明会の終了後、出席した女性は「これでは形だけの手続きだ」と憤った。
同整備局によると、鳥海ダムは洪水調節と水道用水供給などの多目的ダム。総貯水量は約4700万トン、総事業費約960億円。1970年に予備調査を開始し93年に実施計画調査に着手した。民主党政権が成瀬ダムなども含めて見直しの対象としたが、事業は現在も継続している。【佐藤伸】
鳥海ダム:住民説明会 きょうから、由利本荘などで /秋田
(毎日新聞秋田版 2015年03月15日) http://mainichi.jp/area/akita/news/20150315ddlk05010023000c.html
由利本荘市鳥海町の百宅(ももやけ)地区に建設が予定される国直轄の「鳥海ダム」について、国土交通省東北地方整備局は環境影響評価法(アセス法)に基づく住民説明会を15?17日に同市と山形県遊佐町の計3カ所で実施する。
同整備局によると、鳥海ダムは洪水調節と水道用水供給などの多目的ダム。総貯水量は約4700万トン、総事業費約960億円。1970年に予備調査を開始し93年に実施計画調査に着手した。民主党政権が成瀬ダムなども含めて見直しの対象としたが、事業は現在も継続している。
鳥海ダムは現在、アセス法に基づき、事業実施に向けた現地調査と予測、評価方法を示す「方法書」の公告と縦覧を行っている。方法書は26日まで、鳥海ダム調査事務所(由利本荘市)と秋田・山形両県、由利本荘市、遊佐町などの関係窓口で見ることができる。
住民説明会ではこの内容に沿う形で、ダム事業の目的や内容、環境調査項目などについて説明する。
説明会の日時と場所は、15日午後6時?7時半=由利本荘市北裏地のボートプラザアクアパル▽16日午後7時?8時半=同市鳥海町伏見久保の紫水館▽17日午後7時?8時半=遊佐町遊佐鶴田の町生涯学習センター。
問い合わせは鳥海ダム調査事務所(電話0184・23・5120)。【佐藤伸】