水源連:Japan River Keeper Alliance

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山鳥坂ダム:地権者らと補償協定、総額36億円 松山で調印式 /愛媛(2013年 3月2日)

2013年3月4日
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山鳥坂ダム:地権者らと補償協定、総額36億円 松山で調印式 /愛媛(毎日新聞愛媛版 2013年 3月2日)  http://mainichi.jp/area/ehime/news/20130302ddlk38010656000c.html

国土交通省が1月に再開を決めた山鳥坂ダム(大洲市肱川町山鳥坂)事業で、同省四国地方整備局と水没予定地の岩谷地区の二つの住民・地権者団体が1日、損失補償基準を妥結し協定書を交わした。
事業が凍結されてから3年余りも、補償問題が宙に浮いたままだった両団体からは、早期の生活再建や地域振興を求める声が上がった。
両団体は山鳥坂ダム対策協議会(約70人)と山鳥坂ダム水没者地権者協議会(約30人)。09年9月に補償基準に合意していたが、直後の民主党政権による事業凍結で正式な協定は先送りされ、補償を前提に生活再建を準備していた住民らが苦境に立たされていた。
まとまった補償基準は、09年の合意と同内容。用地単価や移転費用の基準額を定めている。同局は、今後、両団体の会員以外も含めた全約150人の地権者と個別交渉し、住宅33戸の移転や田畑、山林などの買収などを進める。補償総額は約36億円の見込み。
この日は松山市内で調印式があり、同局の川崎正彦局長と対策協議会の城戸由幸会長(58)、地権者協議会の冨永清光副会長(68)が出席。中村時広知事、清水裕大洲市長も立ち会った。
城戸会長は「最たる課題は地域振興、生活再建。高齢者が多く時間的余裕もない。早急な取り組みを」と要望。冨永副会長は「かけがえのない古里は何をもっても補えないが、それに代わる手段は損失補償しか残されていない」と訴えた。【中村敦茂】

山鳥坂ダム補償協定 国と地権者2団体調印(愛媛新聞2013年 3月2日)http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130302-08611001-ehime-l38

【写真】協定書に判を押す山鳥坂ダム対策協議会の城戸由幸会長(右)=1日、松山市三番町5丁目
1月に事業再開が決まった山鳥坂ダム(愛媛県大洲市)建設計画で、国土交通省四国地方整備局と水没予定地の地権者2団体が1日、松山市のホテルで、土地や建物の補償基準を定めた協定書に調印した。
事業凍結前の2009年9月に3者で合意した基準をそのまま適用した。内容は非公表。
調印式では、山鳥坂ダム対策協議会(70人)の城戸由幸会長(58)と、同ダム水没者地権者協議会(33人)の冨永清光副会長(68)が、四国地方整備局の川崎正彦局長と署名押印を交わし、中村時広知事と清水裕大洲市長が立ち会った。
ダム完成は、用地買収終了後の工事再開から約14年かかるという。

栃木県に完成した直轄ダム「湯西川ダム」が地元に与えた影響についての連載記事(毎日新聞栃木版 2013年02月28日~3月3日 ) 

2013年3月3日
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栃木県に完成した直轄ダム「湯西川ダム」が地元に与えた影響についての連載記事その1~4です。

ダムの影:湯西川地区の行方/1 「水特・基金事業」起爆剤に /栃木(毎日新聞栃木版 2013年02月28日 ) http://mainichi.jp/area/tochigi/news/20130228ddlk09040112000c.html

◇風景一変、施設続々
福島県との境に連なる2000メートル級の山々に抱かれた日光市栗山地区は、湯西川と鬼怒川が横断し、渓谷が織りなす絶景を求めて湯西川温泉を中心に観光客が集まってくる。
ここに昨年10月、国直轄としては4基目となる湯西川ダムが完成した。予備調査開始から数えれば実に40年が経過していた。既にある五十里、川治、川俣の各ダムと合わせ、周辺は、道路などが整備され、相次いで観光施設が誕生して、風景を一変させた。
湯西川ダム建設の熱心な推進者として知られるのは、故斎藤喜美男・栗山村長だ。衆院議員の福田昭夫氏が旧今市市長だったころだ。「顔を合わせるたびに熱っぽく訴えていた」と懐かしそうに振り返った。
「ダムでの村おこしは村百年の大計」。斎藤村長の信念だった。その道半ばの02年に死去。後を継いだ最後の栗山村長、山越悌一・現日光市議(68)は「社会資本整備には相応の協力も必要だった」とダム建設の見返りにインフラ整備や雇用確保、観光振興にも役立てようとしたと明かす。
ダム建設と村おこし??。74年、水源地域対策特別措置法(水特法)が施行され、この二つがつながった。同法に基づく事業で、水の供給を受ける下流県市が負担してくれるようになり、村の生活再建、地域振興が可能になったのだ。
さらにこの事業の補完として76年に設立された、1都5県が出資する「利根川・荒川水源地域対策基金」による事業も展開できるようになった。合わせて「水特・基金事業」と呼ばれる。
旧栗山村では83年、3番目となる川治ダムから適用された。斎藤村長はドイツの有名な温泉保養地、バーデン・バーデンをモデルに村おこしを描いていたと言われる。
自分の足で現地を歩いて調査した。医師が常駐し、温泉治療を兼ねる。現在の「医療ツーリズム」を先取りする構想だった。
だが、あまりに壮大で周囲の反対に遭う。さらに川治ダム建設に伴い誕生した宿泊施設などが廃業。計画は縮小を余儀なくされた。
結実したのは、湯西川温泉入り口の道の駅湯西川だった。それでも水特・基金事業による相次ぐ施設整備は旧栗山村の他地区もうらやむほど、湯西川の風景を一変させるのには十分な起爆剤だった。
栗山地区の歴史は、ダム建設に伴う夢と、その長い影を落とす挫折の連続でもあった。移転を余儀なくされた住民の生活再建も含め、どう地域活性化につなげるかが問われている。課題と展望を追った。【浅見茂晴】=つづく
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◆湯西川ダムを巡る主な水特・基金事業◆
整備項目 事業費
国道121号道路改築(2460メートル) 28億1340万円
県道黒部西川線付け替え工事(11.442キロ) 33億2220万円
湯西川簡易水道整備 31億5140万円
下水処理センター整備 26億4580万円
湯西川小中学校建設など 14億8111万円
ふれあいの森整備 2億1024万円
西川人工芝サッカー場、クラブハウス整備 11億1353万円
水の郷整備 9億1951万円
観光振興対策助成 8404万円
宅地代替地造成助成事業 6029万円
水没者雪寒対策事業(46世帯×594万円) 2億7328万円
2カ所温泉掘削 2億9259万円
生活相談員設置事業 1149万円


ダムの影:湯西川地区の行方/2 「素人経営」苦い思い /栃木
(毎日新聞栃木版 2013年03月01日 ) http://mainichi.jp/area/tochigi/news/20130301ddlk09040135000c.html

◇「身の丈」に合わせ
日光市の湯西川温泉で11年7月、観光施設「水の郷」のオープン式典が開かれていた。祝辞を述べる斎藤文夫市長の笑顔。だが、対照的に水の郷の中川恒男社長(77)は唇をかんだ。「あと3年早く開業していれば少しは体力も付いたんだが」
湯西川ダム建設で移転した住民の要望で、生活再建・雇用確保を目指したが、東日本大震災から約4カ月。風評被害の嵐が収まらない中での船出だった。
開業1年で売り上げは7000万円。当初見込みの約7割に過ぎなかった。温泉利用客の10万人目も予想より約4カ月遅い昨年11月になってから。一時は支払いが滞る危機もあった。
湯西川温泉にはもう一つ、似たような観光施設「道の駅湯西川」がある。2施設は車で15分の距離。こちらも移転住民の要望に沿って建設され、下流でダムの恩恵を受ける茨城、千葉県などが負担する「水特・基金事業」の目玉施設だ。
だが、足湯併設の温泉施設に飲食店、土産品を扱い、競合は避けられない。それでも中川社長は「何としても大事な雇用の場を維持したい」と強調。そして「栗山館」の二の舞いだけは避けたいと口にする。
「栗山館」は川治ダムの建設に伴い、やはり移転者の生活再建のために、上流の旧栗山村戸中に建設された。宿泊施設などを併設した自然公園総合センターで、鉄筋コンクリート一部3階建て。温泉を掘削するなどして、総工費は計約8億1711万円をかけた。
地元でつくる組合が運営した。だが、経営は「素人」の集まりだった。村の行事やイベント会場に使ったが、収益には結びつかず、冬は前日から暖房を入れないと寒くて使えない。
近くの大王高原キャンプ場などと共に誰も責任を取れないまま98年ごろまでに閉鎖に追い込まれた。赤字は4000万?5000万円とも言われ、下流県の負担で処理された。最後の組合長を務めた山越英二さん(82)は「申し訳ないことをした」と振り返る。
これを教訓に、湯西川ダム建設に伴い整備された「道の駅」と「水の郷」は指定管理で責任所在を明確にする一方、「身の丈」にあった施設に整備。水の郷では釣り堀やバーベキュー施設を取りやめた。
先にできた近くのキャンプ場「安らぎの森 四季」にあるからだ。
それでもある観光関連業者は「水の郷」は「動線がばらばら。人件費などランニングコストがかかりすぎ」とみる。
「最初にある程度のお金を積んだから、こういう施設ができる。民間は何が必要かを積み上げて作る。方法が正反対だ」とも批判し「お役所仕事は怖いよ」と、水特・基金事業の影の側面を指摘している。【浅見茂晴】=つづく
ダムの影:湯西川地区の行方/3 水陸両用バス前途多難 /栃木(毎日新聞栃木版 2013年03月02日) http://mainichi.jp/area/tochigi/news/20130302ddlk09040118000c.html

◇運行ルートも未定
日光市西川に誕生した湯西川ダムの人造湖で昨年7月、水しぶきを上げながらバスがスイスイと「泳いで」いた。来年度から本格運用を予定する水陸両用バスの試乗会だ。「これは観光の起爆剤になる」。日光市の斎藤文夫市長が目を輝かせた。
ダム建設に伴い、県道が水没した。代わって建設された県道には10カ所、計4634メートルのトンネルがある。
ダム周辺は自然林が多く、隠れた紅葉の名所なのに、これでは「最も紅葉が美しい場所」が見えない。ならばダム湖から眺めてもらおう??。このもくろみが水陸両用バスでの観光への期待となっているのだ。
水陸両用バスはトラックを改造し、後部にスクリューや船用のエンジンを取り付けた構造で、全長約12メートル、全幅約2・5メートル。定員は42人だ。開発したのはツアー企画も手がけるNPO法人「日本水陸両用車協会」(本部・大阪市)で、現在、東京湾などでも運行を予定している。
県内では国と市、地元がダム建設に伴う地域活性化策として、06年度から隣の川治ダムで体験・実験運行を積み重ねてきた。
川治ダム湖では、道の駅湯西川を出発してダム湖をクルーズし、ダム壁面に設置された作業用道路を歩く体験イベント「キャットウオーク」を実施している。
それでもバス乗車率は08年の77・9%をピークに低下傾向にあり、11年には東日本大震災の影響もあり60・0%となった。11、12年はさらに夏の少雨でダム湖が渇水して水位が低下。バスが進入できない日が続いた。
心配の種は尽きない。東京湾でも社会実験が行われるなどライバルが出現。運行を担当する同NPOは「地元の協力がないとなかなか難しい」と市に対し暗に支援を求めている。
だが、湯西川ダムの場合、根本的な問題がある。運行ルートが確定していないのだ。
地元は紅葉の見ごろに湖上から観賞できるルートを期待。山城晃一・湯西川温泉旅館組合長が「ぜひお願いしたい」と話す。
ところが、そのルートと湖の間には12度の傾斜の坂があり、試験走行ではエンジンが焼き切れた。国は別のルートを描いており、坂の改修予定もないという。
ダムの影:湯西川地区の行方/4止 水源地の活性ビジョン /栃木(毎日新聞栃木版 2013年03月03日) http://mainichi.jp/area/tochigi/news/20130303ddlk09040041000c.html

◇「国がもっと前に」
「選択肢が増えたのは楽しみだが……」。アウトドアスポーツを企画・主催する「ネイチャープラネット」代表の坂内剛至さん(38)は、昨年10月の湯西川ダム完成を受け、早速、湯西川温泉を取り巻く標高1000メートル前後の山のトレッキング企画を売り出した。
だが、課題の多さも感じている。
近くの川治温泉周辺でのカヌーやトレッキング体験などで実績を積んできた。ダム湖利用で一番重要なことは「地元とダムを管理する国、活用を希望する組織や団体などが集まってのルールづくりが先決」だと実感している。
それなのに、湯西川ダムを巡っては先行きが見えてこないのだ。
日光市内のダムの水源地をどう活性化させるか。国は五十里、川治、川俣の「3ダム時代」に、活性化に向けたビジョンの策定に動いた。だが、このときは計画倒れに終わった。
川治のダム湖で水没した地区の住民だった山越一治市議は「国が予算を付けなかったからね。絵に描いた餅だ」と振り返る。
国は次に、湯西川ダムを含めた「鬼怒川上流ダム群水源地域ビジョン」の策定を11年に着手。地元自治会などと協議を進めた。4ダムごとに湖面利用の協議会を設立することなどを柱に、協議は昨年3月、最終局面を迎えた。
ところが、土壇場になって住民側から「ダムを活用するなら、湖岸などの整備をすべきだ。しないなら協議会には入らない」などの声が噴出し、事実上、流会。「ビジョン」は幻影となった。湯沢光明・副市長は「地元の声を集約したのか」と疑問を呈す。
湯西川ダム完成を機に、国は改めてビジョン策定を目指し新規まき直しに乗り出す。だが、国にも市にも、積極的に責任を取ろうとする姿勢は見られない。
国は自らの財政的負担には口を閉ざす。市は国に「財政の裏付けと役割分担、アクションプログラムの三つがそろわなければビジョン策定は難しい」とくぎを刺し「もっと前面に出てくれないとダムが活用できない」と責任の重さを指摘する。
一方で地元に対し「地元が望み、市が必要と認めれば」応じると言い「あれもこれもでなく、あれかこれかにしてほしい」と念押しする
昨年10月8日。湯西川ダムの完工式。祝賀会の席で、旧栗山村長の山越悌一市議は「寂しいよなあ。下流の自治体からは誰も出席しなかったんだから」と漏らした。
「ダムが完成するまでは、地元はちやほやされるが、できれば終わりさ」と冷ややかな視線を送る地元関係者も多い中、整備された膨大な施設をどう活用するか。最後は地元の工夫と手腕で盛り上げていくしかない。【浅見茂晴】=おわり

 

川上ダム:需要予測、積算根拠を 検証委、伊賀市に求める /三重(毎日新聞三重版 2013年02月28日)

2013年3月2日
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 川上ダム:需要予測、積算根拠を 検証委、伊賀市に求める /三重(毎日新聞三重版 2013年02月28日) http://mainichi.jp/area/mie/news/20130228ddlk24010320000c.html

本体未着工の川上ダム(伊賀市)建設の是非について検討する「川上ダムに関する検証・検討委」(宮本博司委員長)の第2回会合が25日夜、同市で開かれた。
一部委員が「市計画の水需要予測は過大」として、ダムに代わって名張市から導水する代替利水案を提案。宮本委員長は市水道部に対し、3月5日の次回会合で水需要の詳しい積算根拠を示すよう求めた。
代替案を示したのは、元淀川水系流域委副委員長の千代延明憲、大阪府立大名誉教授の荻野芳彦、公募の武田恵世の3委員。
それぞれ「名張市が青蓮寺ダムで有する水利権を買い取ることで代替が可能」などと主張した。根拠として、現状の給水実績が計画を大きく下回っていることなどを挙げた。
代替案に対し、別の委員らは「名張市の意向を確認していない」「現在使われている簡易水道を使用継続する場合、安定供給や水質でリスクを伴う」「伊賀市だけで完結できる水源を確保すべきだ」と反論した。
また、昨年12月の毎日新聞で、淀川水系の4ダムで計1850万立方メートル以上の水が余っていると報じられたことについて、国交省近畿地方整備局の担当者は「(民主党政権時の)ダム見直しに伴い、流域自治体から意見聴取した結果」と説明。
「利水転用も代替案には含まれているが、実施には自治体間での調整が必要となる」とした。【伝田賢史】
〔伊賀版〕

ダム完成…一滴も利用されず(中国新聞2013年2月24日)

2013年2月25日
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ダム完成…一滴も利用されず(中国新聞2013年2月24日)http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn201302240006.html
多額の税金をつぎ込んで完成しながら一滴も上水道事業に利用されなかったダムが岩国市の山あいにある。同市周東町の山口県営中山川ダム。
 利水計画を進めた企業団は採算が見込めず昨春解散。光、周南、岩国3市が権利を引き継いでいまも借金払いを続ける。景気浮揚を旗印に再び脚光が当たる公共事業だが、重い負の遺産が地域に横たわっている。
 「ことしは水不足が深刻だったが、これで近隣市町に安定した水の供給ができる」。中国地方が異常渇水に苦しんだ1994年秋。平井龍知事(当時)は中山川ダム完工式でこうあいさつしてくす玉を割った。
 流域の光市と玖珂郡周東、玖珂、熊毛郡熊毛、大和町(いずれも当時)に上水を供給する多目的ダム。131億円もの事業費が投じられ、1市4町で組織する広域水道企業団が約59億円を負担した。
 上水道を確保して人口増を図り、地域発展にも結びつけたい―。県の後押しもあり、地域は大きな「夢」を描いた。しかし、ダム建設途中でバブルは崩壊し、人口増などの計画もあっさり頓挫した。
 ダムは当初予定より8年遅れで完成したものの、上水施設や配管を整備するための100億円を超す計画を実現する力は企業団にはなかった。
 事業を止めると補助金返還を迫られるため、計画は店ざらしにされた。結局、企業団は元利合わせ約72億円の事業費だけを背負い込み、2012年に解散した。
企業団を構成した1市4町は平成の大合併で光、岩国、周南3市になった。その3市はダムの水利権を分割取得するのと引き換えに企業団の負債を継承。払い続ける借金はいまも約18億円残る。
企業団解散後、周南市は光市の浄水場を経由して熊毛地区にダムの水を引く準備を始めた。配水管工事も進めているが、整備にはさらに約58億円が必要な見通しだ。一方、光、岩国両市では現時点で水利権を活用する予定はない。
県は今春、広島県境の弥栄ダム水源の大半が活用されず、赤字が続いていた小瀬川第2期工業用水道事業の負債155億円を県民の税金である一般会計で肩代わりすることも決めた。甘い見込みで窮地に陥った公共事業のツケはいまも地域に重くのしかかる。
【写真説明】131億円もかけて完成しながら一滴も上水道として利用されないまま企業団が解散した岩国市周東町の中山川ダム

利根川・江戸川有識者会議 次回以降の開催、明言せず(2013年2月22日)

2013年2月22日
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2月21日に開かれた利根川・江戸川有識者会議の終わりで、関東地方整備局の泊宏河川部長は有識者会議の打ち切りの可能性を示唆しました。有識者会議の議論は緒に付いたばかりなのに、本当にひどいものです。何とかしなければなりません。

 

会議打ち切りの可能性を示唆 河川整備で国交省(下野新聞 2013年2月22日 朝刊) http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/local/news/20130222/986609

国土交通省関東地方整備局は21日、八ツ場ダム(群馬県)の建設に関連し、利根川水系の河川整備計画策定に向けた「第9回利根川・江戸川有識者会議」を東京都内で開いた。
同整備局の泊宏河川部長は会議の最後に、「多くの委員からさまざまな意見をいただいた。今後の対応は整備局で検討させていただきたい」と述べ、場合によっては有識者会議での意見聴取を今回で打ち切る可能性を示唆した。
同整備局は有識者会議について、利根川・江戸川河川整備計画案の策定に当たり有識者から意見を聴く場と位置付けている。
この日は国交省が1月に公表した整備計画原案について意見交換した。
同整備局は次回会議の開催候補日を委員に提示しているものの、実際に開催するかどうかについて、担当者は「今後検討する」と述べるにとどまった。


建設根拠議論へ参考人招聘要請 八ッ場ダム有識者会議
(東京新聞群馬版 2013年2月22日) http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20130222/CK2013022202000200.html

(写真)有識者会議に臨む委員たち=東京都台東区で
国土交通省関東地方整備局は二十一日、利根川・江戸川河川整備計画を議論する第九回有識者会議を都内で開催した。
八ッ場(やんば)ダム(長野原町)の建設計画を盛り込んだ計画原案について、主に利水や環境面から意見が出た。
岡本雅美・元日本大教授は、各地の水道局で過去の渇水時に対応したベテラン職員の退職時期が近づいていることを踏まえ「対策のノウハウがなくなり、今後渇水が起きれば社会的混乱が起こる」と対応を求めた。
浅枝隆・埼玉大大学院教授は「利根川中流はリンや窒素が高い。外来種への注意も必要だ」と指摘。絶滅危惧種に指定されたニホンウナギの保護を盛り込むことを求めた委員もいた。
八ッ場ダム建設の必要性の根拠となっている目標流量の検証に使われた「貯留関数法」のより詳しい議論が必要だとして、大熊孝・新潟大名誉教授、関良基・拓殖大准教授の両委員が参考人の招聘(しょうへい)を要請した。
(伊藤弘喜)

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