水源連:Japan River Keeper Alliance

水源開発問題全国連絡会は、ダム建設などと闘う全国の仲間たちのネットワークです

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事務局からのお知らせ

鬼怒川水害裁判の状況のお知らせとカンパのお願い

2020年1月31日
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鬼怒川水害裁判の状況のお知らせとカンパのお願いです。

鬼怒川水害裁判の状況

2018年7月西日本豪雨の愛媛県・肱川の野村ダムと鹿野川ダムの緊急放流によって甚大な被害を受けた被災者が国家賠償を求める訴訟を今日(1月31日)、起こしました。
西日本豪雨については小田川の氾濫で多くの死者が出た岡山県倉敷市真備地区の住民も国や岡山県などを相手取って、損害賠償を求める訴訟を今年3月に起こす準備を進めています。
水害裁判については2015年9月の鬼怒川水害の被災住民が2018年8月に国家賠償を求める訴訟を起こし、今年1月24日に第4回口頭弁 論が行われました。
被災地の常総市に近い水戸地裁下妻支部に提訴して2018年10月に第1回口頭弁論が同支部で開かれたのですが、同支部の裁判長がこの裁判に関わりたくないため、原告の強い反対を無視して、水戸地裁本庁に本訴訟を回付してしまいました。そのため、原告らは遠く離れた水戸地裁まで行かなければならなくなり、昨年7月の第2回口頭弁論から、原告らは毎回、半日がかりでマイクロバスで常総市と水戸地裁本庁を往復することになりました。ひどい話です。
このバスには弁護士さんが同乗していないので、代わりに私がこの裁判がどういう状況にあるかを今回、バス内で資料 鬼怒川水害裁判についての説明(嶋津)を使って説明しました。この資料は弁護団ではなく、私の責任で、私が理解している範囲で作成したものです。

水害裁判で厚い壁となっているのが、1984年の大東水害訴訟最高裁判決で示された「河川管理の瑕疵についての判断枠組み」です。この最高裁判決までは水害裁判で被災者側が勝訴するケースもありましたが、この最高裁判決以降は、被災者側が勝つことが非常に難しくなりました。河川管理に度外れた瑕疵があると認められないと、勝訴が困難になっています。
鬼怒川水害裁判でも、この「河川管理の瑕疵についての判断枠組み」がこれまでの口頭弁論の主な争点になっています。
そのため、原告、支援者の方々にとってこの裁判が分かりにくいものになっていますので、今回、添付の資料を使ってバス内で説明しました。原告、支援者の方々の理解に多少は役立ったようです。

 

鬼怒川水害訴訟へのカンパのお願い

call4(裁判へのカンパ要請のサイト)で鬼怒川水害訴訟へのカンパをお願いしております。
https://www.call4.jp/info.php?type=items&id=I0000053

呼びかけを今まできちんとしてきませんでしたので、カンパの金額はまだ少ないのですが、これからを期待しております。
このサイトには次の情報も掲載されています。これらの情報を是非、お読みいただきたいと思います。

訴訟資料
https://www.call4.jp/search.php?type=material&run=true&items_id_PAL[]=match+comp&items_id=I0000053

進捗(今までの裁判の様子)
https://www.call4.jp/search.php?type=action&run=true&items_id_PAL[]=match+comp&items_id=I0000053

原告・赤羽武義さんと鬼怒川水害訴訟
https://www.call4.jp/story/?p=429

原告・高橋敏明さんと鬼怒川水害訴訟
https://www.call4.jp/story/?p=498

「石木ダム 強制収用を許さない!東京行動12.24」の配布資料

2019年12月31日
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12月24日は既報の通り、「石木ダム 強制収用を許さない!東京行動12.24」として、国土交通省へ申し入れと国会議員会館での報告集会が行われました。
報告集会では私から「石木ダムは治水利水の両面で全く不要」というタイトルで講演しました。
その時の配布資料をは

12月24日石木ダム問題東京集会の配布資料(嶋津)のとおりです。

お読みいただきたいと思います。
石木ダム問題は切迫した状況になっていますので、地元の新聞、テレビには石木ダム問題が結構取り上げられていますが、石木ダムがいかに無意味なダムであるかということについてはきちんと報じられていません。
せいぜい、集会での報告のほんの一部が紹介されているだけです。
石木ダムがいかに無意味なダムであるかということが具体的に報じられれば、つまらないダムをつくって地元住民の生活を壊すなという声がもっともっと広がっていくと思います。

治水面では1/100の大雨に備えるために石木ダムが必要だと、長崎県は主張していますが、実際には、川棚川流域で1/100が大雨が降った場合、石木ダムで対応できるのは流域面積の4~5%に過ぎません。

利水面では佐世保市は渇水の到来に備えるために石木ダムが必要だと主張していますが、佐世保市は近年、水需要が大きく減少してきていますので(1994年度から2018年度まで23%減少)、過去の渇水が再来しても、十分に対応できる都市になっています。
佐世保市は今や渇水に強い都市になっているのであって、これからは人口の減少による水需要の一層の縮小により、ますます渇水に強い都市になっていくのですから、石木ダムは無用の長物です。

石木ダムがいかに無意味なダムであるかということを拡散してくださるよう、お願いします。

石木ダム 強制収用を許さない!東京行動12.24

2019年12月21日
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12月24日に下記および添付のチラシの通り、「石木ダム 強制収用を許さない!東京行動12.24」の集会が開かれます。是非、ご参加ください。

石木ダム 強制収用を許さない東京行動 12.24

長崎県石木ダム
強制収用を許さない!
東京行動12.24

報告集会
2019年12月24日(火)
14:30~17:00
参議院議員会館
101会議室
(16~17時記者会見)

報告集会プログラム
★映画「はたるの川のまもりびと」短縮版上映
★嶋津暉之
(水源開発問題全国連絡会共同代表)
「石本ダムは防災にも水利にも役立ちません」
★炭谷猛(長崎県川棚町議 強制収用対象地住民)
「こうばるの今」
★林田二三(長崎県東彼杵町議)
事業認定見直し要請書 国交大臣提出報告
★松井亜芸子
(石木ダム・強制収用を許さない県民ネットワーク)
「こうばるの里を失わないために」
★記者会見(質疑応答)

ほたるの川をまもりたい
長崎県東彼杵郡川棚町川原(こうばる)地区.石木川のほとり、棚田が広がる美しい里に13世帯50名以上が、まるで家族のように
暮らしています.ここに長崎県と佐世保市が「石木ダム」を造ろうとしています。
今年9月、こうばるの住民はすべての土地を強制収用されてしまいました。

人間が、人間のふるさとに
二度と帰れなし場所にすることのないように。
今からでも間に合います。
石木ダムは、まだ影も形もないダムです。

主催  石木ダム強制収用を許さない議員連盟
石本ダム・強制収用を許さない県民ネットワーク
〒859-3603長崎県東彼杵郡川棚町岩屋郷908-6
問合せ 090-2212-9949 (松井)  090-4981-9163 (林田)

直轄ダム・水資源機構ダムの2020年度予算案

2019年12月21日
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政府予算案の発表に伴い、直轄ダム・水資源機構ダムの2020年度予算案が国土交通省のHPに掲載されました。

http://www.mlit.go.jp/river/basic_info/yosan/gaiyou/yosan/r02/draft_r02.pdf

2020年度直轄・水機構ダムの予算の通りです。

補助ダムの各予算は2020年度予算がきまってからで、来年3月末にならないと公表されません。

直轄ダム・水資源機構ダムの予算合計は2019年度1915億円、2020年度1683億円で、232億円減りました。

2019年度の八ツ場ダム281億円、小石原川ダム351億円が2020年度ではゼロになりましたが、一方で、

沙流川総合開発(平取ダム)、成瀬ダム、設楽ダム、新丸山ダム、立野ダムなどで大幅な増額があります。

「石木ダムを断念させる全国集会」の講演の配布資料およびスライドと解説

2019年11月24日
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11月17日(日)に「石木ダムを断念させる全国集会」が川棚町公会堂で開かれました。

11月18日が家屋の明渡し期限になっていましたが、こうばるの13世帯は動じることなく、これまでの通りの暮らしを続け、長崎県と佐世保市に対して石木ダム建設を断念させる闘いを続けています。

この全国集会は奪われた土地を取り戻す新たな闘いのスタートとなる集会でした。

石木ダムは必要性が全くなく、地元住民を苦しめるだけの有害無益な事業です。この全国集会はそのことをあらためて確認する集会でもありました。

嶋津の方から最初に「石木ダムは治水利水の両面で全く不要」というテーマで30分間の講演を行いました。

この講演の配布資料と、講演で用いたスライドとその解説は次の通りです。

石木ダムは治水利水の両面で全く不要 配布資料20191117

石木ダムは治水利水の両面で全く不要 スライドと解説 20191117

治水に関して長崎県は、今年10月の台風19号豪雨のような未曽有の豪雨が川棚川流域に降る場合もあるから、石木ダムが必要だと言っていますが、それは全くの間違いです。

川棚川流域で1/100の雨量に対して石木ダムで対応できることになっているのは計画上も流域面積の8.8%に過ぎません。しかも、その中には港湾管理者の管理区間ということで堤防整備計画がない川棚大橋下流区間なども含まれているので、実際に石木ダムで対応できることになっているのは流域面積の4~5%にとどまります。したがって、1/100を超える未曽有の豪雨が降れば、石木ダムがあっても川棚川の各所で氾濫することになります。

さらに、1/100を超える雨が降れば、石木ダムが洪水調節機能を失ってしまうことも予想されます。

計画を超える雨が降ることもあることを考えれば、長崎県は石木ダムの建設に拘泥している場合でありません。その建設を断念して、川棚川流域の住民の生命と財産を本当に守ることができる治水対策に力を注がなければなりません。

利水に関しては、佐世保市は過去の渇水が再来すれば、市民の生活への影響が計り知れないものになると述べ、渇水の恐怖を煽って、石木ダムが必要だと宣伝しています。

しかし、過去の渇水到来時と現在は水需要の状況が大きく変わっています。佐世保市水道の一日最大給水量は1990年代後半から横ばいの傾向になり、2000年代になってから、ほぼ減少の一途を辿り、2018年度は1994年度の77%まで減少しています。

水需要の大幅な減少により、今の佐世保市は渇水に対応できる都市に変わっています。そして、これからも水需要の更なる減少が続くことは確実なので、佐世保市はますます渇水に強い都市になっていきます。

 

是非、上記の配布資料、スライドとその解説をお読みいただき、石木ダムが本当に無意味な事業であることを周りの方に伝えてくださるよう、お願いします。

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