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国交省の100mm/h安心プランについて
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短時間の局地的な大雨(いわゆるゲリラ豪雨)に備えるための国交省の100mm/h安心プランについての情報をお伝えします。(嶋津暉之)
最近は都市部のヒートアイランド現象と、地球温暖化の影響のためか、ゲリラ降雨がしばしば発生するようになりました。東京でも時間雨量70~100㎜以上の雨が降ることもあるようになりました。
確率降雨と時間あたり雨量との関係は地域によって異なりますが、たとえば、東京都清瀬市下水道の資料(公共下水道雨水新規事業評価)http://www.city.kiyose.lg.jp/s002/030/040/110/2306.pdf には次のように書かれています。
1年確率降雨:時間あたり30mm降雨(現況の排水能力)
5年確率降雨:時間あたり50mm降雨(下水道の計画排水能力の目標値、計画降雨)
10年確率降雨:時間あたり75mm降雨
30年確率降雨:時間あたり90mm降雨
50年確率降雨:時間あたり95mm降雨
一般に都市の下水道の雨水排水計画は清瀬市と同様、時間あたり50㎜程度が目標値であって、現状はそれを下回っているところが多いので、上記のようなゲリラ豪雨が降れば、確実にあふれることになります。いわゆる内水氾濫です。
ダムは100年確率降雨に対応して計画され、下流域を1/100の降雨の洪水から守るためにダムが必要とされていますが、下流域の都市の下水道の雨水排水計画は50㎜程度を目標としていることが多いので、ダムで洪水調節をしても、1/100の雨が降れば、ダムがあろうがなかろうが、下流域は内水氾濫で溢れることになります。
石木ダムで氾濫を防ぐという川棚川下流域、安威川ダムで氾濫を防ぐという安威川下流域がまさしくそうです。1/100の雨に対応するために石木ダムや安威川ダムが必要とされているにもかかわらず、実際に1/100の雨が降れば、ダムがあっても、下流域は内水氾濫で溢れてしまうのですから、ダム事業者が宣伝するダムの治水効果は虚構であって、誇大宣伝です。
前置きが長くなりましたが、このゲリラ降雨に対応するということで、国交省は100mm/h安心プランwww.mlit.go.jp/river/kasen/main/100mm/ を2013年度から始めています。
市町村および河川管理者、下水道管理者等が特定流域を対象に100㎜/h降雨に対応するプランを策定して、国交省に登録の申請を行い、登録されれば、登録した地域について、流域貯留浸透事業の交付要件が緩和され〔注〕、社会資本整備総合交付金の重点配分を受けられるというものです
〔注〕流域貯留浸透事業において500 ㎥以上の貯留機能を持つ構造を300㎥以上に緩和するというものです。社会資本整備総合交付金の交付対象事業の要件は http://www.mlit.go.jp/common/001197130.pdf をご覧ください。
今までに100mm/h安心プランに登録された流域は21カ所で、全国的にみれば、ほんの一部です。http://www.mlit.go.jp/common/001219561.pdf
いわば経済特区のようにほんの一部の流域だけ、優遇して100㎜/h降雨に対応するようにしようというものです。
しかし、本当に求められているのは、ほんの一部の流域ではなく、ゲリラ豪雨に対して各地域で対応できるような全体の底上げをするような雨水排水対策の展開です。
無用なダムに巨額の公費を使うのをやめて、その公費を喫緊の課題であるこのような雨水排水対策の実施に回すべきです。
霞ケ浦導水事業の控訴審が大詰めに 那珂川の漁業被害が焦点
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1 霞ケ浦導水事業について
2 霞ケ浦導水事業による那珂川の漁業被害
① 那珂川から霞ヶ浦への導水による漁業被害
② 霞ヶ浦から那珂川への送水による漁業被害
3 9月19日の証人尋問
1月14日「八ッ場あしたの会」第12回総会記念集会「『ダムに抗(あらが)う』の配布資料
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1月14日に高崎で「八ッ場あしたの会」第12回総会記念集会「ダムに抗(あらが)う」を開きました。
この集会では八ッ場ダム、石木ダム、最上小国川ダム等のダム問題をとりあげました。
この集会の配布資料が「八ッ場あしたの会」のホームページ
https://yamba-net.org/40631/ に掲載されました。
32ページの資料です。目次は次のとおりです。
お読みいただければと思います。
第12回総会記念集会「ダムに抗(あらが)う」
資料目次 ページ
〇 八ッ場ダム、最上小国川ダム、石木ダムの位置図 1
〇 レジメ「ダムに抗う」-主権者として生き抜く人たち(相川俊英) 2~3
〇 日本有数の清流で持ち上がったダム建設計画(相川俊英) 4~6
・もの言わぬ、もの言えぬ地域風土
・漁協組合長はなぜ死を選択したのか
・豊かな日本と貧しい政治
・最上小国川ダムは税金の歪んだ使い方の典型事例ではないか
〇 石木ダム問題を知っていただくために 7~14
1 石木ダムの諸元
2 石木ダム問題の主な経過
3 石木ダムの諸問題
4 必要性が皆無の石木ダム
5 川原(こうばる)地区の土地・家屋の収用
6 地権者らによる石木ダム阻止の闘い
7 あなたにできること
〇 多くの問題、矛盾を抱えながら進行中の八ッ場ダム 15~22
1 失われていくかけがえのない自然
2 川原湯温泉街の現状
3 地すべり対策は十分か
4 鉄鋼スラグ問題
5 ダム建設の目的の喪失
6 更なる事業費の増額
7 工期再延長の可能性
8 八ッ場ダム事業の行く末を見据えよう
[補遺1]八ッ場ダム代替地の安全対策はどうなるのか? 23~24
[補遺2]川原湯温泉の源泉について 25
〇 八ッ場ダム水没予定地の遺跡 26~29
・特に注目される遺跡
・八ッ場ダム工事関連埋蔵文化財調査について(縄文時代の遺跡)
PFI法改正案を閣議決定/指定管理者手続き簡素化/上下水道でコンセッション後押し
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水道・下水道の民営化の動きが心配されているところです。
水道に関しては民営化を可能にする水道法改正案が今国会に再上程されます。
さらに、水道・下水道等の民営化を進めるため、民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律(PFI法)の改正も行われようとしています。この法案はすでに国会に上程されています。
内閣府のHPにPFI法改正案の内容が掲載されています。
民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律(PFI法)の 一部を改正する法律案の概要
http://www.cao.go.jp/houan/doc/196_4gaiyou.pdf
次の目標まで掲げられています。
○事業規模:平成25~34年度までの10年間で21兆円(コンセッション事業は7兆円)
〇コンセッション事業件数:水道6件、下水道6件、文教施設3件、国際会議場施設等6
法律の名称が「民間資金等の活用による・・」となっていますが、上下水道の場合は収入が料金から得られますので、民間資金等の活用に主眼があるわけではありません。
民間企業に運用権を譲渡することによって、公営ではなく、民間企業の観点で経営の効率化を図ることを企図したものです。
しかし、上下水道の運用権を民間企業に譲渡した場合に次のように心配されることがいろいろあります。
〇 特に外国資本が入った民間企業の場合、企業の利益を上げるために経営の効率化が行われ、その利益が外国資本の株主に回され、水道・下水道の利用者に還元されないのではないのか。
〇 経営効率化といっても、その多くは人件費の削減によることになり、合理化で、働く人々にしわ寄せがいくのではないのか。正規職員から非正規職員への転換が進むのではないのか。
〇 水道、下水道という生活に身近な施設の運用を民間企業に丸投げするのは危険ではないのか。利益を追求するために様々なサービスが低下していくのではないのか。
フランスのパリ市水道などでは上記のような問題があるため、再公営化が行われています。
少し前の記事ですが、このPFI法の改正について下記の通り、解説されています。
外資を含む民間業者に水道・下水道の運営権を譲渡すれば、どのようなことになるのでしょうか。
運営権の譲渡でどのようなことが予想されるのかを明確にしていく必要があります。
政府/PFI法改正案を閣議決定/二重適用の指定管理者手続き簡素化/上下水道でコンセッション後押し
[日刊建設工業新聞2018年2月13日2面] www.decn.co.jp/?p=97462
政府は9日の閣議で、内閣府が今国会に提出するPFI法改正案を決定した。地方自治体への公共施設等運営権(コンセッション)の普及でネックになっている「指定管理者制度との二重適用」が必要になる際の手続きを簡素化する。コンセッションの普及が空港など他のインフラより遅れている上下水道事業に限定し、自治体の財政負担を減らしてコンセッション導入を後押しする特例措置も設ける。
2013~22年度の10年間で7兆円に上るコンセッション事業の創出目標を達成するため、現行法の運用で普及に支障を来している課題の解決を図ることにした。具体策の一つとして、指定管理者制度との二重適用時の手続きを簡素化する。
現行法では、自治体が公共施設の運営権者として指定する民間事業者に施設の使用許可を出す際、民間事業者を従来の指定管理者としても指定する二重適用の義務が原則発生する。運営権者はコンセッション事業で必要になる手続きに加え、指定管理者としての手続きでも、設定した施設利用料金を自治体に承認してもらうほか、運営権の移転について議会議決を得る必要がある。
改正法案では、運営権者向けに指定管理者手続きを簡素化。施設利用料金の設定は自治体への届け出だけで済むように変更し、議会承認は事後報告だけで済むように変更する。
上下水道事業へのコンセッション導入を後押しする特例措置も設ける。具体的には、自治体が民間事業者から受け取る運営権対価を利用し、上下水道事業の財源として発行していた地方債の元本を一括で繰り上げ返済すれば、国に本来支払うはずだった利息を返済済み分を除いて全額免除できるようにする。この要件として、18~21年度の間に実施方針条例を定めることを規定する。
今国会で成立すれば、改正法のうち上下水道事業へのコンセッション導入支援措置を公布から3カ月以内に施行し、それ以外の規定は半年以内に施行する。
インフラ、民間への売却容易に 自治体の負担軽く
法改正へ 老朽水道など運営効率化
(日本経済新聞 朝刊2018/1/4)
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO25291440T00C18A1MM8000/
政府は地方自治体が運営する公共インフラの民間への売却を促すためPFI(民間資金を活用した社会資本整備=総合・経済面きょうのことば)法を改正する。上下水道や公共施設の運営権を売却する際、地方議会の議決を不要にし、国から借りたお金を前倒しで返すことも認める。公共インフラの老朽化が進む中、民間の資金を使った低コストの運営に転換し、公共料金の引き下げも視野に入れる。
政府は2017年にPFIを推進する行動計画を改定し、インフラの売却額や投資額などの合計を13年度から22年度の10年間で21兆円にする目標を掲げた。例えば水道事業を巡っては、浜松市の下水道が18年度から20年間、民間運営される予定。事業規模は年20億円程度で、収支次第では利用料が下がる可能性もあるという。
耐用年数を迎える公共インフラは増える見通しだ。国土交通省は補修の目安とする建設から50年以上の下水道が全体に占める割合が、11年度の2%から21年度に7%、31年度に23%に増えると試算する。上下水道などのインフラの維持費は、13年度の3.6兆円から23年度に最大で5.1兆円に膨らむと見込む。
15年度までのPFIの実績は関西国際空港や仙台空港の売却など大型事業で9.1兆円。空港と比べて上下水道は売却があまり進んでいない。狙い通り進まない背景には、手続きの面倒さや自治体が見込む利点の乏しさなどがある。
政府は自治体の売却手続きや財政負担を軽くするPFI法改正案を22日召集の通常国会に提出し、早期の成立・施行をめざす。
いまは案件ごとに議会の議決が必要だが、自治体が条例を定めれば、議決を不要にする。数カ月から年単位で時間がかかる場合があるためだ。
運営権を取得した企業が利用料金を設定しやすいようにもする。いまは所有する自治体の承認が必要だが、届け出るだけで済むように改める。民間のより自由な運営を促し、サービスの効率化や質の向上につなげる。
企業や自治体への国の支援も強める。首相をトップとする相談窓口を設け、支援措置や規制の内容を助言する。運営状況の報告を受け、全国のインフラの民間開放の情報をまとめる。職員が少ない自治体などは窓口の機能が手薄な現状を改善する。
さらに自治体が運営権を売却する際にかかる財政負担を軽くする。国から借りた運営資金を前倒しして返すことを認める。その際、本来は国の利息収入の減少を補うために必要となる補償金の支払いを特例で減免する。全国の自治体が水道事業で国から借りた資金の1~2割が減免対象に当たるとみられる。
インフラの運営権の民間売却は欧州の先進国で進む。内閣府などの調査によると、フランスは上水道の6割、下水道の5割を民間が運営する。スペインは上水道の5割、下水道の6割を民間が運営し、行政コストの軽減につなげているという。
大阪府の安威川ダムは無意味で愚かなダム事業
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この報告に使ったスライドを
さらに、治水に関しては次のような問題もあります。