水源連:Japan River Keeper Alliance

水源開発問題全国連絡会は、ダム建設などと闘う全国の仲間たちのネットワークです

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事務局からのお知らせ

直轄ダム・水資源機構ダムの予算額の推移

2015年12月27日
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12月24日、平成28年度予算案の発表があり、
直轄ダム・水資源機構ダムの2016年度の予算案が国交省のHPに掲載されました。http://www.mlit.go.jp/river/basic_info/yosan/gaiyou/yosan/h28/h28damyosan.pdfをご覧ください。補助ダムの予算は箇所付けがきまってから公表されますので、来年3月末頃になると思われます。
2009~2016年度の直轄ダム・水資源機構ダムの予算の推移を整理しました。
直轄ダム・水資源機構ダムの予算の推移(2009~2016年度)

なお、ダム事業の予算は2013年度までは特別会計の治水勘定で組まれてきましたが、2014年度から治水勘定がなくなり、一般会計にダム予算を計上するようになりました。

それに伴って、その年度の全体事業費を「共同費」から「事業費」と表わすようにになりました。この事業費には国庫負担のほかに、ダム使用権設定予定者(利水予定者等)の負担金も含まれます。また、直轄ダムの「国費」は特別会計時代は国庫負担金だけであったのですが、一般会計になってからは、「事業費」と同じ額が示されるようになりました。
一方、水資源機構ダムの「国費」は従前通り、国庫負担金のみの金額が示されています。

荒川水系河川整備計画原案の問題点

2015年12月24日
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埼玉県と東京都を流れる荒川について関東地方整備局が河川整備計画の策定を進めつつあります。

計画原案が示され、原案に対する公聴会が12月20日、21日に開かれ、意見募集が11月25日~12月24日で行われています。

荒川河川整備計画原案の主要な問題点の一つは、中流部に第二、三、四荒川調節池を増設すること、一つは荒川下流部で両岸合わせて52kmのスーパー堤防が計画されていることです。
この二つの問題点をまとめて、意見として関東地方整備局に送付しましたので、参考までに添付します(嶋津暉之)。

荒川下流のスーパー堤防52㎞整備の問題

荒川中流部の第二~四洪水調節地増設問題
荒川下流部は東京の都心部を貫流しており、もし堤防の決壊が起きれば、凄まじい被害になります。地下鉄が縦横に走っているので、荒川が氾濫した場合の影響は極めて深刻です。
ところが、河川整備計画原案では、荒川下流部はスーパー堤防を整備することになっているため、堤防強化対策がほとんど何もありません。
荒川のスーパー堤防の整備距離は延べ52kmにもなるので、何百年経っても、整備が終わることはありません。
このようにまことに無責任で、おろかなスーパー堤防の整備計画が荒川河川整備計画原案に盛り込まれています。

鬼怒川水害と行政(国交省)の責任

2015年12月23日
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12月20日、「常総市水害・被害者の会」の集会があり、そこで、鬼怒川水害の行政の責任に力点を置いて講演をしました。(嶋津暉之)
鬼怒川水害には三つの大きな要因があります。鬼怒川21km地点の決壊、鬼怒川25km付近の越水、八間堀川の二次的氾濫です。
それぞれ、次のように行政(国交省)の責任が問われることがあります。
〇鬼怒川21km地点の決壊(三坂地区)
・堤防高が周辺より一段と低く、堤防幅も狭くて決壊の危険性がある三坂地区付近をなぜ長年放置してきたのか。
・国交省は2014年10月の鬼怒川直轄河川改修事業の計画で三坂地区をなぜ、今後20~30年間に行う改修の対象にとどめ、今後7年間の河川改修の対象に入れなかったのか。国交省は三坂地区の破堤の危険性、対策の緊急的必要性を認識していなかったのではないか。

〇鬼怒川25km付近の越水(若宮戸地区)
・河川区域をなぜ自然堤防の範囲まで広げようとしなかったのか。
・国交省は2014年10月の鬼怒川直轄河川改修事業の計画で若宮戸地区をなぜ河川改修の対象にしなかったのか。国交省は若宮戸地区の自然堤防を堤防と同様に評価し、同地区の危険性を認識していなかったのではないか。

〇八間堀川の二次的氾濫
・9月10日午後1時の八間堀川排水機場の運転停止判断は妥当なのか。
・少なくとも、鬼怒川の水位はその後、下がり続けているのであるから、この機場の運転を早めに再開していれば、八間堀川、新八間堀川の氾濫を小さくできたのではないか。

この講演で使ったスライドは、「八ッ場あしたの会」のHPに掲載されていますので、そちらもご覧ください。

鬼怒川水害と行政の責任

http://yamba-net.org/%e3%80%8c%e9%ac%bc%e6%80%92%e5%b7%9d%e6%b0%b4%e5%ae%b3%e3%81%a8%e8%a1%8c%e6%94%bf%e3%81%ae%e8%b2%ac%e4%bb%bb%e3%80%8d/同会のHPには鬼怒川水害に関して次の頁もありますので、合わせてご覧いただければと思います。

 

鬼怒川水害に関する講演
http://yamba-net.org/%e9%ac%bc%e6%80%92%e5%b7%9d%e6%b0%b4%e5%ae%b3%e3%81%ab%e9%96%a2%e3%81%99%e3%82%8b%e8%ac%9b%e6%bc%94/

 

鬼怒川水害における上流4ダムの治水効果

http://yamba-net.org/%e9%ac%bc%e6%80%92%e5%b7%9d%e6%b0%b4%e5%ae%b3%e3%81%ab%e3%81%8a%e3%81%91%e3%82%8b%e4%b8%8a%e6%b5%814%e3%83%80%e3%83%a0%e3%81%ae%e6%b2%bb%e6%b0%b4%e5%8a%b9%e6%9e%9c/

常総市での講演についての記事も掲載します。

「水害は行政の不手際」 常総・被害者の会で専門家の嶋津さん講演

(東京新聞茨城版2015年12月22日)http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/list/201512/CK2015122202000154.html
元東京都環境科学研究所研究員で水問題専門家の嶋津暉之(てるゆき)さん(72)が二十日、
常総市内で講演し、関東・東北水害による鬼怒川決壊について、国土交通省の資料などを基にした科学的知見から「今回の水害では行政の不手際があった」と結論づけた。
嶋津さんは、国に賠償請求するため被災住民らでつくる「常総市水害・被害者の会」の集会で講演した。
鬼怒川全体の堤防整備率は約43%なのに比べ、下流の県内は約17%と、はるかに低いことを指摘。
三坂地区の決壊現場について、図で示しながら「河道の整備が遅れ、洪水を流せる流量がもともと少なく、危ないところが決壊した」と説明、「ダム偏重の河川行政のため、河川改修がなおざりにされてきた」と強調した。
昨年十月の国交省関東整備局の鬼怒川改修事業計画で、三坂地区は「おおむね二十~三十年内に改修する予定」とされたが、嶋津さんは「国交省の認識が不足していた」と批判。
越水した若宮戸地区は「自然堤防が堤防代わりに扱われ、河川改修の対象にもなっていなかった」と断じた。
さらに、市内を流れる八間堀(はちけんぼり)川の氾濫では、水害当日、鬼怒川に排水するポンプが約九時間停止していたことを問題視。
「少なくとも運転を早めに再開すれば、八間堀川の氾濫を最小限に抑えることができた」と見方を示した。 (増井のぞみ)


「被害者の会」集会に200人 常総水害「賠償を」アピール

 (毎日新聞茨城版 2015年12月21日)関東・東北豪雨による被害補償を国に求めるため「常総市水害・被害者の会」は20日、同市で集会を開いた。
参加者の窮状を聞いたうえで「私たちは被災者ではなく被害者。法に基づく損害賠償を国と県に求める」との集会アピールを発表した。
今後、被害額をまとめ、行政に対する活動を本格化させる。
約200人が参加し、逆井正夫・共同代衷は「みなさんがいなければ前に進めない」と協力を呼びかけた。
水海道地区で事業を行う女性は「私ら事業主への資金支援がない。来年の固定資産税が払えない」と明かした。
「常総の未来をつくるため国土交通省と前向きに話したい。まず国交省にはごめんなさいと言ってほしい。それがなければ始まらない」「人災と言えるデータを整理し、法の力で解決を図るべきだ」などの指摘もあった。

また、水問題研究家で元東京都環境科学研究所研究員の嶋津暉之氏が講演し、行政の問題点を指摘。
①同市三坂町の決壊堤防は上下流より低いのに改修は20~30年内と後回しになっていた。
②同市若宮戸の越水地点は河川改修の対象にもなっていなかった。
③八間堀川の氾濫原因は排水停止という判断ミスの可能性があるーーーを挙げた。(去石信一)

茨城水害 「行政に不手際」 「被害者の会」集会で専門家が指摘

(しんぶん赤旗 2015年12月24日)

常総市

20日、茨城県常総市で開かれた「常総市水害・被害者の会」の集会では、元東京都環境科学研究所職員で水問題研究家の嶋津暉之氏が講演し、国土交通省の資料などをもとにした科学的知見から、国や自治体の対応について「今回の水害では行政の不手際があった」 と述べました。

嶋津氏は、9月に発生した関東・東北豪雨で大洪水を起こした鬼怒川の堤防整備率は平均約43%だが、下流の茨城県内では約17%とはるかに低かったと指摘。そのうえで、大きな被害が出た三つの発生現場の問題点を詳細に報告しました。

具体的には、①堤防が大規模に決壊した三坂地区については、堤防の高さが周辺より低く、幅も狭くて決壊の危険性があったにもかかわらず、補強工事が20~30年内と後回しにされていた②堤防を越えて水があふれ出した若宮戸地区については、自然堤防まで河川区域を広げず、河川改修の対象にしていなかったこと③二次的氾濫が発生した鬼怒川支流の八間堀川について、鬼怒川氾濫直前の9月10日午後1時の排水機場の運転停止の判断が妥当だったか疑問があり、運転を速やかに再開すべきではなかったか―と話しました。

 

鬼怒川水害に関する講演

2015年11月23日
カテゴリー:

さる11月20日【金)に「八ッ場ダムを考える1都5県議会議員の会」の総会を開かれました。

総会の後、鬼怒川水害に関して、水源連の嶋津がパワーポイントを使って講演を行いました。
現在の治水対策のあり方に根本的な問題があること、
いくつかの人為的なミスが洪水被害を拡大させてしまったことを
多くの資料の分析を踏まえて明らかにしたものです。

講演の内容(当日の配布資料の全文とスライドの一部)が

八ッ場あしたの会のHPに掲載されましたので、ご覧ください。

http://yamba-net.org/?p=12923

八ッ場ダム最高裁決定 抗議集会 「ダム依存から真の河川行政への転換を求めて」 12月13日(日)

八ッ場ダム最高裁決定 抗議集会 「ダム依存から真の河川行政への転換を求めて」
八ッ場最高裁抗議集会チラシ-20151213

日 時: 2015年12月13日(日)13:20~16:30

会 場: 全水道会館4階大会議室 (JR水道橋駅東口3分、都営地下鉄三田線 水道橋駅A1出口1分)

2015年9月初旬、最高裁は6都県からの八ッ場ダム住民訴訟上告を 全て棄却しました。一斉提訴から11年近く、誰が見ても明らかな事実を もって八ッ場ダムの不要性、危険性を突きつけてきたにもかかわらず、 司法は目をそむけ、行政追認の姿勢に終始しました。 まさに「絶望の裁判所」でした。

折しも首都圏では鬼怒川の堤防決壊で人命を含む大きな損害が生じました。 ダムやスーパー堤防など巨大事業に固執するあまり、堤防強化など、 より効果的な水害対策がおろそかになっているのではないか? 国交省のダム行政を熟知し、その転換を求める宮本博司さんと、 裁判でも鬼怒川水害の危険性を指摘していた嶋津暉之さんの お話とディスカッション、ぜひお聞きください。

河川行政の抜本的な転換なくして、災害を軽減し、財政悪化を くい止めることはできません。未来につなげるために、 八ッ場ダム住民訴訟が提起してきた問題を共に考えましょう!

<第一部 八ッ場ダム住民訴訟・最高裁決定を受けて> 弁護団報告「最高裁よ、目を覚ませ!」 上告団報告「これは真実を刻んだ闘いだった」

<第二部 命を守る河川行政とは?>

講演「想定外と治水」 宮本博司さん  プロフィール:国交省河川局で長良川河口堰等を現場トップとして担当、  事務方として淀川水系流域委員会の画期的な市民参加の方法を主導、  国交省退職後は一市民としてその委員長に就任。脱ダムの流れをつくる。

報告「鬼怒川水害の分析」嶋津暉之さん   (八ッ場ダムをストップさせる市民連絡会代表)

パネルディスカッション&質疑 集会アピール

参加費 500円

主 催 八ッ場ダムをストップさせる市民連絡会、  八ッ場ダムをストップさせる群馬の会・茨城の会・埼玉の会・千葉の会・東京の会、ムダなダムをストップさせる栃木の会

連絡先 八ッ場ダムをストップさせる東京の会 T/F 042-341-7524(深澤)

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