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八ッ場ダムの情報

鳩山由紀夫氏 旧民主が一時凍結「八ッ場ダム」が利根川守ったに反論「氾濫考えられない」

2019年10月20日
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鳩山由紀夫氏 旧民主が一時凍結「八ッ場ダム」が利根川守ったに反論「氾濫考えられない
(デイル2019.10.18)https://www.daily.co.jp/gossip/2019/10/18/0012801066.shtml

鳩山由紀夫元首相がツイッター投稿で、旧民主党政権が一時建設中止にしようとした群馬県の「八ッ場ダム」が台風19号襲来時に利根川氾濫を防ぐ役割を果たしたの評価があることに、「事実ではない」と反論している。
鳩山氏は「ダム推進派は八ッ場ダムのお蔭で利根川を守ったと強調しているようだ。でもそれは事実ではない」と主張した。
「八ッ場ダムがなかった場合水位は17センチ上昇したに過ぎず、氾濫は考えられないのだ」と自身の分析を記した。
「むしろ今回八ッ場ダムは試験的貯水だったため貯水量は最低水位より低かった。本格運用していたら緊急放流もあり得たのだ」ともツイートした。

 


ネットで賞賛の八ッ場ダム 「利根川流域を守った」は本当か

(NEWSポストセブン 2019年10月18日 07:00)https://blogos.com/article/411405/

(写真)台風19号が去り、ほぼ満水状態となった八ッ場ダム(写真:Natsuki Sakai/アフロ)
台風19号は日本の各地に大きな爪痕を残した。全国55河川の79か所で決壊が起き、NHKの集計(10月17日9時)によると、77人が死亡、10人が行方不明、346人が怪我をしたとされている。
東京では多摩川が世田谷区二子玉川付近で氾濫。荒川は氾濫しなかったが、荒川上流に流れ込む入間川や都幾川などが埼玉県内で氾濫を起こした。荒川も何か所かで危険水位に達していたので、これらの河川が溢れていなければ、荒川もどこかで決壊していたかもしれない。
関東を流れるもう一つの大河川、利根川も一時、氾濫危険水位を超えたが、なんとかもちこたえた。これについてSNS上では、「八ッ場ダムのおかげで氾濫が起きなかった」という噂が飛び交っている。
すでに忘れてしまった人もいるかもしれないが、八ッ場ダムは民主党政権時代に事業仕分けで建設中止が検討されたダムだが、実は完成していたのだ。
10月1日から八ッ場ダムでは試験湛水(しけんたんすい。ダム完成後に貯水して問題がないかをチェックする)に入っていたが、そこへ台風19号が襲った。11日午前2時に標高518.8メートルだった水位はみるみる上昇し、13日午後2時半には約59メートル上昇して577.5メートルになり満水位に達した。
八ッ場ダムは利根川水系の吾妻川の中流部(群馬県吾妻郡長野原町)に建設された多目的ダムで、有効貯水量は約9000万トン。ここで水と土砂をせき止めたから利根川は氾濫しなかったという説だ。
建設事業再開を決めたのは民主党野田政権だが、ツイッターでは「民主党政権のままだったら下流は今頃大洪水か」「民主党に止められなくて良かった」と、旧民主党叩きの材料にされている。
八ッ場ダム礼賛の声を受けて、ダム建設反対派の人々からは、「八ッ場ダムの貯水量など誤差の範囲」といった反論が出ている。
八ッ場ダムの建設反対運動をしてきた「八ッ場あしたの会」は、公式サイト上で「台風19号、利根川における八ッ場ダムの洪水調節効果」と題したリリースを掲載。同会運営委員で元東京都環境科学研究所研究員の嶋津暉之氏による試算を紹介している。
嶋津氏が国土交通省による八ッ場ダムの治水効果の計算結果を用いて試算したところ、もし八ッ場ダムがなかったとしたら、利根川中流部の栗橋地点(埼玉県久喜市)の水位は17センチ高くなったはずだという。同地点の実際の水位はピーク時でも堤防まで2メートルほど余裕があったことから、八ッ場ダムがなかったとしても利根川が氾濫することはなかったと主張している。
同会の主張通り、八ッ場ダムが利根川の氾濫を防いだという説は事実ではないのか。公益財団法人リバーフロント研究所技術参与の土屋信行氏はこう語る。
「そういう試算(注:水位を17センチ下げただけ)が出ているのは知りませんでした。シミュレーションなので、現実にそうだったかはわかりませんが、仮に17センチが本当だったとしても17センチを舐めてはいけません。
千曲川が決壊した映像を見ると背筋が凍る思いがします。5センチ、10センチでも水が越流すると、堤防外側の土を削り取って一気に川は決壊します。今回の台風19号では八ッ場ダムが氾濫を防いだわけではなかったとしても、次の台風、その次の台風ではこの17センチの差が多くの命を救う可能性はあります」
今回の台風19号は100年に1度といわれているが、地球規模の気候変動と無関係ではないように見える。来年また、これを上回る規模の台風が襲うとも限らない。
昨年の西日本豪雨も大きな被害を生み出したが、ダム一つで洪水を防げるわけはなく、ダム頼みの水害防止には限界があるのも事実だ。河川の流れを維持するための河床(川底)の掘削や堤防の補修などを含め、どうすれば水の災害を防げるかを改めて考え直すときが来ているように思える。
●取材・文/清水典之(フリーライター)

八ツ場ダムは本格運用されていれば、今回の豪雨で緊急放流を行う事態になっていた

2019年10月15日
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関東地方整備局の発表によれば、今回の豪雨で、八ッ場ダムに貯留した洪水は7500万㎥です。
(関東地方整備局「令和元年台風19号における八ッ場ダムの試験湛水状況について」http://www.ktr.mlit.go.jp/kisha/kyoku_s_00000334.html )
八ッ場ダムの洪水調節容量は6500万㎥ですから、1000万㎥も上回っていました。
試験湛水の初期段階であったので、1000万㎥オーバーの貯留が可能でした。
八ツ場ダムの貯水池容量の配分は下図の通りで、下の方から計画堆砂容量1750万㎥、洪水期利水容量2500万㎥、洪水調節容量6500万㎥で、総貯水容量は10750万㎥です。貯水池の運用で使う有効貯水容量は、堆砂容量より上の部分で、9000万㎥です。
今回の豪雨では関東地方整備局の発表によれば、貯水位が54m上昇し、573.2mになったということです。
豪雨前の貯水位573.2mー54m=約519mは下記の貯水池容量配分図をみると、計画堆砂容量の上端(最低水位)536.3mより17mも低いレベルです。
すなわち、今回の豪雨では、本格運用では使うことができない計画堆砂容量のかなりの部分を使い、さらに、利水のために貯水しておかなければならない洪水期利水容量2500万㎥も使ったから、7500万㎥の洪水貯留が可能であったのです。

本格運用で使える洪水貯水容量の上限は6500万㎥ですから、今回の豪雨で八ツ場ダムが本格運用されていれば、満杯になり、緊急放流(流入水をそののまま放流)をしなければならない事態になっていました。

そして、利根川の場合は7月1日~10月5日が洪水期で、八ッ場ダムは10月6日から水位を上げて、洪水調節容量の空きを減らしていく時期ですから、10月中旬の台風時には洪水を調節できる容量が6500万㎥よりもっと小さくなっています。
雨の降り方によりますが、10月に入って雨が降り続いて、貯水位がかなり上昇した後に今回のような台風がくれば、八ッ場ダムが緊急放流を行う時間はかなり早まることになります。
国交省による八ツ場ダムの貯水池運用の計算例(2004年)を示します。この例では10月中頃には貯水量が5500万㎥になっており、満水の9000万㎥までの空き容量は3500万㎥に減っています。
このような状態で今回のような豪雨が来れば、八ツ場ダムは短時間で緊急放流する事態になり、ダムの治水機能はゼロになっていました。

以上のように、今回の豪雨は、八ツ場ダムが治水面で役立たないことを示す例になりました。

 

八ツ場ダム

利根川における八ッ場ダムの治水効果について 現時点のコメント(2019年10月14日 13時)

2019年10月14日
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今回の台風19号により、試験湛水中の八ッ場ダムの貯水量が一挙に増えました。八ッ場ダムの貯水量が急増したことに関して、
「台風19号では利根川中流の堤防が決壊寸前になった。決壊による大惨事を防いだのは八ッ場ダムの洪水調節効果があったからだ。八ッ場ダムの反対運動を進めてきたことを反省せよ」という趣旨のメールが送られてきました。
利根川中流部の水位は確かにかなり上昇したけれども、決壊寸前という危機的な状況ではありませんでした。
このことに関して現時点でわかることを下記の通り、整理しましたので、その結果を掲載します。

現時点のコメント(2019年10月14日 13時)

現時点では、公表されている洪水のデータが限られていますので、言えることは限られていますが、国交省の水文水質データベースのデータを使って検討してみました。
下記の図1は利根川の群馬県伊勢崎市八斗島(やったじま)地点、図2は埼玉県久喜市栗橋地点における今回の洪水の水位変化です。八斗島地点は利根川の中流部の最上流側、栗橋地点は中流部の最下流に近い場所です。
今回の洪水で利根川の水位が計画高水位に近づきましたが、利根川本川は堤防の余裕高が2mあって、計画堤防高にはまだ十分な余裕がありました。
したがって、今回の台風では、八ッ場ダムの洪水貯留がなく、水位が多少上がったとしても、利根川が氾濫することは考えられませんでした。
また、国交省による八ッ場ダムの治水効果の計算結果は図3のとおりです。この図が示すように、八ッ場ダムの治水効果は下流に行くほど減衰していきますので、今回の八ッ場ダムの洪水貯留がなくても、利根川の中流下流の水位がそれほど上昇しなかったと考えられます。

このことを数字で検討しました。
図2の栗橋地点のグラフでは、今回の洪水の最高水位は9.67mで、計画高水位9.9mに近い値になっています。栗橋地点の最近8年間の水位流量データから水位流量関係式をつくり(下記の図4参照)、それを使って今回の最高水位から今回の最大流量を推測すると、約11,700㎥/秒となります。
利根川河川整備計画では計画高水位9.9mに対応する河道目標流量は14,000㎥/秒です。すなわち、今回の洪水は、水位は計画高水位に近いが、流量は河道目標流量より約2,300㎥/秒も小さいのです。このことは河床掘削作業が十分に行われず、そのために利根川中流部の河床が上昇して、流下能力が低下してきていることを意味します。
下記の栗橋地点における水位と流量の関係図(図4)を見ると、河川整備計画に沿って河道の維持がされていれば、今回の洪水ピーク水位は70㎝程度下がっていたと推測されます。

一方、八ッ場ダムの治水効果は図3の国交省の計算結果を使うと、栗橋地点に近い江戸川上流端のピーク流量削減率は1/50~1/100洪水では3%前後です。
今回の最大流量の推測値、約11,700㎥/秒を97%で割ると、12,060㎥/秒で、八ッ場ダムの効果がなければ、この程度のピーク流量になっていたことになります。
12,060㎥/秒に対応する栗橋地点の水位を、水位と流量の関係図(図4)から求めると、9.84mになり、実績の9.67mより17㎝高くなりますが、大きな数字ではありません。
八ッ場ダムがなければ、大変なことになったというけれども、国交省の数字を使うと、八ッ場ダムの効果はこの程度のものなのです。

河川整備計画に沿って河道の維持に努めていれば、上記の通り、栗橋地点の水位は70cm程度低下していたのであっで、八ッ場ダムの小さな治水効果を期待するよりもそのことの方がはるかに重要です。

 

東京都水道の水需要の実績と予測(大きく減少してきた実績と架空の予測)

一極集中が進む東京都ですが、前にもお伝えしたように、水需要の動向は全く別で、水需要が大きく減少してきました。

東京都水道の最新の水需要データを入手しましたので、水需要の実績と予測の最新のグラフを掲載します。

図1 東京都水道の配水量の実績と予測

図2 東京都水道の一人当たり配水量の実績と予測

図3 東京都水道の給水人口の実績と予測

図1のとおり、東京都水道の一日最大配水量はピーク時(1992年度)には617万㎥/日もありましたが、2019年度(8月までの最大値)は459万㎥/日になりました。

これは、図3のとおり、給水人口は増加し続けてきているのですが、一方で、図2のとおり、一人当たり一日最大配水量がピーク時には522㍑/日もあったのが、340㍑/日程度まで減ってきたことによるものです。

一人当たり一日最大配水量の減少率は約35%にもなります。凄まじい減り方です。

しかし、東京都水道局は八ッ場ダム事業と霞ヶ浦導水事業に参画する理由をつくるため、図1のとおり、水需要の架空予測を続けています。

今年2月の「見える化改革」の予測でも将来のピーク時には600万㎥/日近くまで急増するとしています。

水源開発事業に参画するための架空予測がまかり通っているのです。

八ツ場ダム 10月1日から試験湛水を開始 計画から67年地滑りなど異変が発生しないか 

2019年10月2日
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大変残念なことですが、八ッ場ダムの試験湛水が10月1日から始まりました。
その記事を掲載します。
朝日新聞9月28日の記事と上毛新聞10月1日の記事が、試験湛水で地すべりが起き、完成が大幅に遅れた大滝ダムと滝沢ダムの実例に触れています。

朝日新聞10月2日の記事の終わりに嶋津の談話も載っています。

関東地方整備局もこの試験湛水開始をHPで発表しています。「八ッ場ダム試験湛水を開始しました」http://www.ktr.mlit.go.jp/kisha/yanba_00000089.html

八ツ場ダム、水没始めた街 住民「もう後戻りは」
(朝日新聞群馬版2019年10月2日03時00分) https://digital.asahi.com/articles/ASMB164GQMB1UHNB01C.html?iref=pc_ss_date

(写真)吾妻川をせき止めるため、ダム本体中央下のゲートが閉まり、試験貯水が始まった八ツ場ダム=2019年10月1日午後、群馬県長野原町、長島一浩撮影
国が建設中の八ツ場(やんば)ダム(群馬県長野原町)で、試験貯水が1日始まった。ダム本体の下部にあるゲートは午前9時ごろに閉じ始め、午前10時40分には吾妻川の流れをせき止めた。70年近い歳月と国内のダムで最高額の約5320億円を費やし、500世帯近くが暮らした土地は水底に沈む。地元住民たちは今、何を思うのか。
「長かった」。前町長の高山欣也さん(76)はダム湖を望む高台の自宅前で、そうつぶやいた。八ツ場ダムは戦後間もないカスリーン台風の被害を受け、治水対策として1952(昭和27)年に構想が明らかになった。その時、高山さんは小学生。地元では激しい反対運動が起きた。地元が生活再建を条件にダム建設を事実上受け入れたのは85年。その時点ですでに33年が過ぎていた。同時期に計画された利根川水系のダム群は次々に完成していた。
ところがその後、八ツ場は工期延長を繰り返し、事業費も膨らみ続け、国内最高額のダム事業になった。
民主党政権の誕生で、八ツ場ダムの建設中止問題が全国的な注目を集めたのはちょうど10年前の今ごろ。町長だった高山さんは、中止撤回に奔走した。中止になれば補償も下流都県の支援も消え、地元の生活再建は宙に浮く――。そんな住民の不安に後押しされた。
高山さんに代わって2014年から町長を務める萩原睦男さん(48)は「試験貯水が始まったことは一つの節目。いま一番重要なのは3月末にダムを完成させることだ」。萩原さんはダム問題に関わってきた世代と、将来を担う世代の交流を促し、ダム湖を生かした地域活性化を思い描く。
表裏一体なのが、ダムを受け入れる見返りに造られた公共施設や道路、下水道、公園などの維持管理問題。どう生かし、保っていくか。水没関係五地区連合対策委員会の桜井芳樹委員長(69)は「意識を共有し、各地区が足並みをそろえなければ」と語る。
代替地への移転で様変わりした地域の中でも、特に川原湯地区の衰退が目立つ。移転前の最盛期には20軒以上あった温泉旅館は、代替地では数軒。地区のダム対策委員長、豊田幹雄さん(53)が経営していた柏屋旅館は11~12年、移転せずに取り壊した。代替地には介護福祉施設を建てた。
旅館は江戸末期創業で、温泉街で最大規模だった。豊田さんは今年8月、水没予定地を歩いたが、どこにあったか思い出せないほど変わり果てていた。「取り壊した当時は思うところはあったが……。川原湯はダムを生かした観光をやって盛り上げていくしかない」と思いを新たにする。
代替地で「やまた旅館」を営む豊田拓司さん(67)は、水没する温泉街を懐かしむ。「みんなが幼い頃から慣れ親しんだ場所が水につかってしまう。もう後戻りはできないんだな」
民主党への政権交代時にはダム以外の道があるという可能性を感じたが、期待は裏切られた。「今は政治にあまり興味はない。国が一度決めたことは何も変わらないから」と、ぽつり。
07年に亡くなった父・嘉雄さんは生前、ダム反対を貫いた。そんな父に共感はしなかったが、拓司さんは穏やかに言った。「ダムばかり気にかけていた父の墓に、『水がたまり出してダムに一区切りついたよ』と、線香でもあげてやろうかな」(丹野宗丈、泉野尚彦)

〈八ツ場ダム〉 ダム本体の重さで水圧に耐える重力式コンクリートダムで、本体の高さは116メートル。完成後は利水と治水、発電の多目的ダムとなり、総貯水量は1億750万立方メートルで、東京ドーム約87杯分という。

「事実は受け入れる」
水問題研究家で、八ツ場ダムの建設見直しを求めてきた市民団体「八ツ場あしたの会」の嶋津暉之さん(75)は「建設反対を訴えてきたが、水がたまり出したことをまずは事実として受け入れたい」と声を落とした。
嶋津さんは大学院生だった1970年ごろ、反対運動が盛んだった長野原町を訪れて地元への影響の大きさを実感して以来、ダム問題に取り組んできた。「首都圏の水需要が減少傾向にあり、治水効果も非常に小さい」と、一貫して不必要なダムと主張してきた。
あしたの会は近年、住民が移転した代替地の地盤の安全性などを危惧し、国土交通省に問いただしてきた。嶋津さんは「明確な回答がないうちに貯水が始まってしまった」と批判する。
09年の民主党への政権交代で建設中止に傾いた計画は、再び息を吹き返してこの日を迎えた。「動き出したら何が何でも止まらないのが公共事業。残念だが、引き続き問題があれば追及していく。八ツ場だけでなく、全国でおかしな計画は止めたい」

計画から67年 観光客「どんな景色に」 八ツ場ダムで試験湛水開始 3~4カ月で満水見通し
(上毛新聞2019/10/2(水) 6:03) https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191002-00010000-jomo-l10


(写真)1日午前10時40分から試験湛水が開始された八ツ場ダム (写真)試験湛水の見学でにぎわう「やんば見放台」
計画発表から67年が経過し、建設が最終段階を迎えた群馬県の八ツ場ダム(長野原町)で、国土交通省は1日、ダムに水をためる試験湛水(たんすい)を始めた。約半年間かけて水位を上下させ、堤体や貯水池周辺の安全性を確認する。気象条件や河川の状況にもよるが、3~4カ月で満水となる見通し。漏水や地滑りなどの異常がなければ、来春以降にダムとして利用を開始する。
同省八ツ場ダム工事事務所によると、ダム上流面に設置した「締切(しめきり)ゲート」を下げて仮排水路を閉鎖し、同日午前10時40分に試験湛水を開始した。閉鎖作業中、ゲート付近に「八ツ場ダム 湛水開始」と書かれた幕が張られた。
赤羽一嘉国交相は同日の閣議後会見で、「本年度中のダム完成に向けて着実に事業を進め、地元の皆さまに役立つようにしっかり取り組みたい」と述べた。
ダム建設に伴い、県は周辺道路の付け替えなど、地元の生活再建事業に取り組んできた。山本一太知事は同日の記者会見で「(生活再建は)大事な問題だと思っている。県として責任を持ってやり遂げていく」と語った。

◎平日かかわらず多くの観光客 無事完了願う声も
八ツ場ダムの試験湛水が開始された1日、ダム周辺は多くの観光客でにぎわった。住民は完成の最終段階を迎えたダムの姿を胸にとどめつつ、無事に湛水が完了し、ダムが誘客の追い風となることを願った。

ダム本体を見渡せる無料の展望台「やんば見放台」(長野原町川原畑)には朝から多くの人が途切れることなく訪れた。工事中から見守ってきたという峯岸和人さん(44)=太田市=は「工事をしている時は昔の景色がなくなってしまうのが寂しかったが、完成したダム本体は想像以上に壮大。これから水がたまってどんな景色になるのか楽しみ」と目を輝かせた。近くでうどん店を営む中島泰さん(70)は「朝から駐車場がいっぱいで、平日なのに週末のようなにぎわいだった。ダム湖を中心に、にぎやかな地域になってほしい」と期待した。
湛水中は地滑りや漏水などの異常が発生することも懸念され、住民からは無事を願う声が聞かれた。午前9時から行われたゲートの閉塞(へいそく)作業を見守った同町川原湯地区の60代男性は「水をため始め、ようやく一区切りという感じ。事故なく湛水が完了してくれれば」とした。ダム近くでレストランを営む水出耕一さん(65)は「ダム完成後も住民の生活は続く。完成がゴールではない。ダムがしっかりと機能するまで見守りたい」と話した。


八ツ場ダム きょうから試験湛水を開始予定 計画から67年

(上毛新聞2019/10/01) https://www.jomo-news.co.jp/news/gunma/society/163604

(写真)水没する国道から望む八ツ場ダム(9月27日撮影)
本年度中の完成を見込む八ツ場ダム(群馬県長野原町)の建設事業で、国土交通省が1日にもダムに水をためる試験湛水(たんすい)を開始する予定であることが30日、分かった。同省八ツ場ダム工事事務所が水没地区の住民に書面で伝えた。当日の天候や吾妻川の状況から最終判断する。計画発表から67年が経過し、地域に多大な犠牲を強いてきた大型建設事業が、完成に向けた最終段階を迎える。

◎地滑りなど異変が発生しないか 注意深く監視
同事務所は30日、水没5地区の全世帯に「試験湛水開始のお知らせ」とする文書を配布した。1日に湛水を開始する方針のほか、気象条件や河川の状況によって延期になる可能性も示した。併せて、貯水範囲は水位が急に上がり危険になるため、立ち入らないよう注意も呼び掛けた。

試験湛水は、水をためて水位を上下させ、ダム堤体や基礎地盤、貯水池周辺の安全性を確認するダム建設の最終工程。常時満水位(標高583メートル)まで水をためた後、1日1メートル以内で水を抜き最低水位(同536.3メートル)まで下げる。
試験湛水中は、計器や巡視により異変を警戒する。ダム堤体と周囲の基礎地盤については、水位の変動に伴う漏水や変形などを監視。貯水池周辺でも斜面や構造物などに変動がないかを確認する。漏水や地滑りがあった場合は湛水を止める。
試験湛水により異変が確認されれば、計画が遅れることもある。奈良県の大滝ダムでは2003年、試験湛水中に周辺の家屋や地面に亀裂が発生。37戸が移転を余儀なくされ、計画が約10年遅れた。八ツ場ダムを巡っては、市民団体や超党派の国会議員が「地滑りなどの安全対策に問題がある」として、国に詳細な説明を求めている。

一方、試験湛水の開始方針を受け、同町の萩原睦男町長は「67年の時を経て、ようやくここまできた。国には問題のないようしっかりと進めてもらい、予定通り3月の完成を迎えたい」と話した。
地元の川原湯温泉協会の樋田省三会長は「大きな区切りであると同時に新たな出発でもある。早くダム湖を見てみたい」と完成に期待を寄せた。

八ッ場ダム試験湛水 1日開始へ 3~4カ月間で満水に
(毎日新聞2019/09/30 19:08) https://mainichi.jp/articles/20190930/k00/00m/040/208000c

(写真)試験湛水を前に公開された八ッ場ダム工事現場の水没地域から見たダム本体=群馬県吾妻郡長野原町で2019年9月27日午後2時47分、藤井太郎撮影
群馬県長野原町に国が建設している「八ッ場(やんば)ダム」の試験湛水(たんすい)が1日にも始まることが分かった。試験湛水開始で、ダムは3~4カ月間で満水になる見込み。来年春の本格稼働に向けて大きな節目を迎えることになる。
試験湛水とは、ダムの本格的な運用開始前に最高水位まで水をためて、ダム本体や基礎地盤、周辺の山などの斜面の安全性を確認するもので、漏水状況や地滑り対策箇所などがチェックされる。最高水位まで水がたまった後、1日に約1メートルずつ水位を下げていくが、最低水位以下まで水位を下げることはなく、ダムの底部分が見られることはなくなる。
工事関係者によると、1日午前9時ごろにダム本体にある「締切(しめきり)ゲート」と呼ばれる水門を閉めて、ダムに流れ込む吾妻川の流れをせき止める。当日の天候状況などでは中止する可能性もあるという。
国土交通省はこれまで、1日以降に試験湛水を始めることを明言していたが、具体的な期日は公表していなかった。【西銘研志郎】

八ツ場ダム 10月1日にも試験貯水開
(朝日新聞群馬版 2019年9月28日03時00分) https://digital.asahi.com/articles/ASM9W30SCM9WUHNB001.html?iref=pc_ss_date

国が来春の完成を予定する八ツ場(やんば)ダム(群馬県長野原町)の試験貯水を、最短で10月1日にも始める可能性があると、国土交通省八ツ場ダム工事事務所が27日明らかにした。これまで地元に対して「10月初め」と説明していた。ダム湖の湖底となる水没予定地への一般向けバスツアーは、29日で終了。所々の橋や道路が水没前の姿を残していたが、間もなく湖底に沈む。
同事務所によると、開始日はダム上流域の天候や吾妻川の流量により判断する。ダム本体中央下のゲートを閉じ、吾妻川をせき止める。3~4カ月で最高水位の標高583メートルまで水をため、その後、原則1日1メートル弱ずつ水を抜き、最低水位の同536メートルまで下げる。半年間で、ダム本体の強度や、基礎地盤とダム湖周辺の斜面の安全性などを確認するという。
試験貯水の開始日は決まり次第、地元住民にチラシを配布して知らせる予定。
奈良県川上村の大滝ダムでは試験貯水を始めて間もない2003年4月、地層に水が入り込んだ影響で家屋や道路に亀裂が発生。ダム湖近くの37世帯が移転を強いられ、その後ダム完成まで約10年を要した。08年に完成予定だった埼玉県秩父市の滝沢ダムは、試験貯水中に斜面で亀裂が見つかり、完成が3年遅れた。八ツ場ダム工事事務所は「引き続き安全に留意して進めていく」としている。
27日はダム本体周辺の水没予定地で報道向け見学会があった。山腹の川原湯温泉街の面影は皆無。吾妻川の川べりに樹木が残る以外、ほぼ更地だ。かつては国道145号やJR吾妻線が通っていた橋は、往時の姿をとどめる。同事務所の遠藤武志副所長は「これらはダム湖の運用管理に影響はないので、そのままにします」と話した。(丹野宗丈)

 

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