水源連:Japan River Keeper Alliance

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新潟・福島豪雨 只見川ダム損害賠償訴訟 控訴棄却 「電力側、河川管理義務なし」 仙台高裁判決 /福島

2019年3月16日
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2011年7月の新潟・福島豪雨で只見川が氾濫した水害は、発電用ダムにたまった土砂の除去を怠ったことが原因であるとして、金山町の住民らが東北電力とJパワー(電源開発)に損害賠償を求めた控訴審の判決言い渡しが昨日(3月15日)に仙台高等裁判所でありました。
昨年12月20日の控訴審第1回口頭弁論が即日結審になりましたので、判決には何も期待できませんでしたが、予想どおり、原告の訴えを棄却しました。
その記事とニュースを掲載します。
只見川では1969年にほぼ同規模の洪水があって、その時は氾濫がなかったのですから、2011年の氾濫の原因は土砂堆積による河床上昇にあることは明らかなのですが、判決は堆砂除去の責任を認めませんでした。
しかも、判決文は「ダム設置者である東北電力の管理権限はダムにとどまり、河川の従前の機能を維持する義務はない」というもので、耳を疑う最悪の判決文でした。
こんな裁判長(小川浩裁判長)もいると思うと、司法への期待が絶望的になります。

 

新潟・福島豪雨
只見川ダム損害賠償訴訟 控訴棄却 「電力側、河川管理義務なし」 仙台高裁判決 /福島
(毎日新聞福島版2019年3月16日)https://mainichi.jp/articles/20190316/ddl/k07/040/175000c

2011年7月の新潟・福島豪雨で只見川が氾濫した水害を巡り、被災した金山町の住民らが、発電用ダムを管理する東北電力とJパワー(電源開発)に約2億円の損害賠償を求めた控訴審で、仙台高裁(小川浩裁判長)は15日、1審の福島地裁会津若松支部の判決を支持し、原告側の控訴を棄却した。
原告側は水害の原因として「ダム上流部の河川にたまった土砂が河床を上昇させた」と主張。電力会社側は「河川管理者の国から指示はなく、土砂の浚渫(しゅんせつ)はしている」と反論。電力会社にダム設置時の河床高まで土砂を浚渫する義務があったかなどが争点だった。
小川裁判長は「ダム設置者である東北電力の管理権限はダムにとどまり、河川の従前の機能を維持する義務はない」と指摘。「水害は未曽有の豪雨が原因で、ダム設置時の河床高まで浚渫していたとしても、被害を免れなかったと推認できる」と判断した。
また、被害を拡大させたのはJパワーの浚渫船が流出して本名ダムの放流ゲートを塞ぎ、上流の川の水位が上がったためで、陸揚げや厳重な係留を怠ったとした主張についても「水害が発生するほどの降水量は予測できず、浚渫船の固定に落ち度があったとまでは認められない」とした。
原告団の黒川広志事務局長(77)は「納得できない。ダム設置時の河床高まで浚渫しないと安心できない」と悔しがった。弁護士らと相談し上告するかを決めるという。
東北電力とJパワーは「弊社の主張が認められた。これからも安全第一に発電所の運営に努める」と話した。【湯浅聖一】

<只見川ダム訴訟>住民側の控訴棄却 仙台高裁
(河北新報2019年03月16日土曜日)https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201903/20190316_63024.html

2011年7月末の新潟・福島豪雨の只見川氾濫に伴う浸水被害を巡り、福島県金山町の住民ら20人が流域の発電用ダムを管理する東北電力と電源開発(Jパワー)に約2億円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、仙台高裁は15日、請求を棄却した福島地裁会津若松支部判決を支持、住民側の控訴を棄却した。
小川浩裁判長は、ダム設置者が負う河川機能の維持義務は河川管理者の指示に基づくものに限られるとした上で「東北電は只見川の利用者であって管理者ではない」と指摘。支部判決が認めた東北電の注意義務違反について、只見川管理者の国土交通省から河床維持に関する指示はなく「東北電の義務違反は認められない」と結論付けた。
住民側は11年7月29、30両日の豪雨による河川流量は想定内で、堆積土砂(堆砂)を除去してダム設置当時の河床高に戻しておく義務を怠ったと主張したが「豪雨の流量を具体的に予見できたとは言えず、河川整備計画は一定の自然堆積を前提に策定されている」と退けた。
昨年3月の支部判決は、堆砂に伴う河床上昇による被害発生の恐れを認識できたとして、堆砂を除去しなかった東北電の注意義務違反を認めたが、浸水被害との因果関係は否定した。

只見川豪雨裁判控訴審 原告の訴えを棄却(福島県)
(日テレNEWS24 2019/3/15(金) 19:43配信) http://www.news24.jp/nnn/news16272154.html

豪雨災害で被害を受けた住民がダムを管理する電力会社を訴えた民事裁判の控訴審で、仙台高等裁判所は、原告らの訴えを棄却する判決を言い渡した。
この裁判は、2011年の「新潟・福島豪雨」で洪水の被害を受けた金山町などの住民らが、東北電力と電源開発を訴えていたもの。
原告側は「電力会社がダムの土砂を取り除くことを怠ったため被害が拡大した」と、2億円あまりの賠償を求めていた。
きょうの控訴審で、仙台高等裁判所は「電力会社は、国の指示でダムの機能を保つ立場にあり、注意義務違反があったとは認められない」などとして、訴えを棄却した。
原告側は、上告するかを含め、今後、検討するとしている。

 

 

 

八ッ場ダムの代替地安全対策等が後退したことに関する公開質問書

2019年3月16日
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八ッ場あしたの会が国土交通省関東地方整備局に対して、八ッ場ダムの代替地等の安全性に関して公開質問書を提出しました。
八ッ場あしたの会のメールを掲載します。

 

本日(3月15日)、八ッ場あしたの会では、国土交通省関東地方整備局長宛てに
「八ッ場ダムの代替地安全対策および地すべり対策が大きく後退したことに関する公開質問書」を
送付しました。

公開質問書の全文と資料、資料の目次を以下のページに掲載しました
https://yamba-net.org/46335/

国交省八ッ場ダム工事事務所の広報では、
八ッ場ダムのコンクリート打設は、昨年12月~今年2月まで続けて打設率9割と発表されています。

試験湛水の時期が迫っていると思われますが、
湛水に備えた代替地の安全対策と地すべり対策の工事は、
今もダム湖予定地周辺の各所で続けられています。

本体工事現場に隣接する川原湯温泉の代替地(安全対策工事現場)の写真も
ホームページに掲載しましたので、ご覧になってみてください。

八ッ場あしたの会 https://yamba-net.org/

平成史 平成の大渇水 平成6年  再来しても水需要の減少で断水にはならない

2019年3月15日
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1994年(平成6年)の大渇水を取り上げた記事を掲載します。
1994年渇水は西日本では近年で最大の渇水でした。一部の都市では長時間の断水が行われました。
しかし、その後、水道の水需要がかなり減ってきていますので、そのような大渇水が再来しても、当時のような厳しい状況にはなりません。
参考までに、全国の水道の水需要の変化を下図に示します。全国の水道の一日最大給水量は現在は当時よりも20%も小さくなっています。
ほとんどは一人当たり一日最大給水量の減少によるもので、下図のとおり、一人当たり給水量は23%も小さくなりました。
今後は給水人口も確実に減っていきますので、水需要の規模はますます小さくなっていきます。
1994年の渇水は西日本では確かに大渇水でしたが、今後、そのような大渇水が到来しても、水需要の規模が小さくなっているので、断水になることはなく、給水制限不要かまたは減圧給水で対応できるレベルであると考えられます。
新たなダムを考える必要はまったくありません。

平成史 生活② 平成の大渇水 平成6年
(ウェザーニュース2019年3月14日 11時25分) http://news.livedoor.com/article/detail/16157930/

局地的な渇水はときおりありますが、平成6年(1994年)から翌年にかけて西日本で起きた渇水は、その規模も期間もきわめて異例なもので、平成の大渇水と呼べるものでした。
カラ梅雨と夏の高温で始まった渇水
平成6(1994)年の夏は異常に早い梅雨明けから始まりました。連日、勢力の強い太平洋高気圧に覆われ、東京や大阪など広範囲でそれまでの最高気温記録を上回るなど、前年の冷夏・多雨から一転、晴れて猛烈な暑さが続きました。この年は、暖冬で雪が少なく、春から梅雨期にかけても少雨だったことが、夏の水不足に拍車をかけたといえます。

福岡市の断水期間は295日
福岡県内のダム貯水率は4月段階ではほぼ100%でしたが、梅雨時期の降水量が平年の約半分にとどまり、7月1日の梅雨明け後は連日猛暑が続きました。ダム貯水率は急激に減少し、7月20日には50%を割り込み、福岡市では8月4日に夜間断水が始まりました。9月に入って雨が降るようになりましたが貯水率は上がらず断水は長期化。翌年3月3日には貯水率が15%と最低値となりましたが、4月以降ようやくまとまった雨が降り、福岡市では6月1日、295日ぶりに断水が解除されました。
工場では海上輸送で水を確保
四国では最大の水がめである早明浦(さめうら)ダムの貯水量が梅雨明け以前から下がり始め、同ダムに依存していた高松市は7月11日から夜間断水、7月15日以降は16時から21時までの5時間給水になりました。その早明浦ダムは8月19日に貯水率は0%と完全に干上がってしまいました。中国地方も各地で給水制限や夜間断水が行われ、岡山県の水島地区にある製鉄所や化学工場では減産を余儀なくされました。旭化成水島工場では宮崎県や山口県などから海上輸送によって水を確保しました。

(写真)琵琶湖の水位が観測史上最低の123cm

兵庫県の揖保川(いぼがわ)上流にある引原ダムの貯水量は7月19日に52%ありましたが、8月14日には8%まで落ち込み、ダムを水源とする姫路市は8月22日から夜間断水を実施。9月10日には引原ダムが干上がり、デッドウォーター(取水口より下の水)の利用が始められました。琵琶湖の水位は6月頃から急激に低下し、9月15日には観測史上最低の-123㎝を記録。このため琵琶湖を水源とする京都市や大阪市では減圧による給水が実施されました。
関東地方は断水を免れた
愛知県内でも13市町村で夜間断水が実施され、水を大量に使用する工場では減産せざるを得ませんでした。関東地方でも水不足が心配され、利根川水系の取水制限が行われましたが、一部の地域を除いて断水となることはありませんでした。平成6年の渇水は今世紀最大の渇水とされています。近年、多雨の年と少雨の年の差が大きくなっていて、特に1960年代半ばからその傾向が顕著になっています。降雨の二極化に伴い、短時間に大雨をもたらす洪水対策とともに、異常渇水時に安定給水を確保することが今後の大きな課題になりそうです。
2019年4月30日で「平成」が終わります。ウェザーニュースでは、平成30年間に起こった気象や災害などを、過去の資料などをもとに連日振り返っていきます。

 

石木ダム、連日の裁判 3.11(事業認定取消控訴審) 3.12(工事差止請求1審) 

2019年3月14日
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2019年3月11日午後2時から福岡高等裁判所にて石木ダム事業認定取消訴訟第2回控訴審が、翌3月12日午後4時半からは長崎地方裁判所佐世保支部で石木ダム事業工事差止訴訟第10回口頭弁論が開かれました。。

石木ダム事業認定取消訴訟第2回控訴審

川棚町内発の大型チャーターバスと長崎市内発のチャーターマイクロバスに乗り合わせた皆さん、福岡市内の支援者など大勢の支援者が傍聴に参加し、法廷は満員状態になりました。
審理の内容とその位置づけを確認する午後1時半からの門前集会、午後2時からの審理傍聴、終了後の福岡市立城南市民センターでの報告集会、充実した一日になりました。

昨年12月19日の第1回控訴審で被控訴人側から提出された「控訴人控訴趣意書への答弁書」に対しての、私たち控訴人側からの反論を4通提出しました。
利水面からの反論は、①これまで取り上げてきた利水全般、新たな問題として、②佐世保市が2012年度以降は5年ごとの再評価をしていない問題、⓷石木ダム事業費負担金と石木ダム関連水道事業費によって佐世保地区水道の料金値上げが必然であることの検証に必要なデーターと手法の提供要請 以上4通です。その骨子を高橋謙一弁護士が口頭説明しました。
治水面からの反論は、これまで取り上げてきた治水問題への被控訴人側答弁書の内容が当方の控訴理由書への答えになっていないことを指摘し、さらなる釈明を求める内容です。その骨子を平山博一弁護士が口頭説明しました。

双方が提出した書面

控訴人側

j3利水要旨 高橋弁護士 口頭説明
j4治水要旨 平山弁護士  口頭説明
控訴審J3(利水)
控訴審J4(治水)
控訴審J5(再評価)
控訴審J6(水道料金)

被控訴人側

被控訴人J1利水
被控訴人J2治水

次回は7月3日(水)午後2時からです。

控訴人側 今回被控訴人側から提出された準備書面1と2、今後提出される下記書面を踏まえての反論を6月26日までに提出することになりました。
被控訴人側 5月31日までに今回控訴人側が提出した準備書面3~6に対する認否反論、および、求釈明対応を提出することになりました。
7月3日の第3回控訴審では、上記双方から提出された書面に基づいた審理になります。

報告集会

  • 佐世保水道の5年ごとの再評価は2017年度にあたっているが、「2012年度再評価は『本体工事等の着工前評価』であったから、10年間は必要ない」として拒否している。どんなに拒否しようとも10年後は2022年度で石木ダムは絶対に完成していないから再評価は避けられない。2022年度の再評価では「水需要が伸びる見込みがなく、石木ダム不要」を勝ち取れる。その時まで本体工事に着工させない闘いを組もう。
  • 政権は「行政判断は司法判断より上}としている。これが間違いの元。裁判所は政権の意向を先取りしてはんけつを下している。まさに政府の湯湯払い役をしている。
  • 行政訴訟では行政の裁量権を盾にした判決が続く。原発訴訟では社会通念(まだ原発は必要とする)を盾にした原告敗訴判決が続いている。ダム不要も社会通念にならないと訴訟では勝てない。
  • 社会通念とするには、「ダム事業を強行した水道事業体は財政難に陥り、水道料金を値上げている」事実をしっかり集めて、多くの人に知らせらせよう。
  • 川辺川ダム中止は、潮谷義子熊本県知事が国に主催させた「川辺川ダムを考える熊本県民集会」で合意形成を図ったことによる。
  • 「ほたるの川のまもりびと」を法廷で上映し、”起業者、水没予定地住民・支援者、裁判官 みんなが一緒に、スクリーンに映る世界の共有”を必ず実現させたい。

などが話されました。
実際に、「ほたるの川のまもりびと」の法廷内上映については、製作者側の皆さんから同意をいただいております。
起業者の皆さん、裁判官の皆さんが知ることができなかったであろう世界を是非とも知らせたい!
必ず法廷内上映か実現させたいですね。!!

石木ダム事業工事差止訴訟第10回口頭弁論

私たち原告側が証人申請している、利水問題では佐世保市水道局長である谷本薫治氏、治水問題では水源連共同代表の嶋津暉之氏 両名の採用について審理されました。しかし、被告側がこの日もまた反対を続け、裁判所は下記の判断を下しました。原告の本人陳述に関しては、人数・所要時間が残っています.
なお、事前に持たれた進行協議では、4月以降新たな裁判体(裁判長・陪席裁判官の構成)となることを裁判所が告げました。そのため、証人尋問に関する決定は新たな裁判体に委ねるとしたことから、新たな裁判体との進行協議が4月22日11時から、と決定されました。

⑴ 期日関係
4月22日11時~ 進行協議期日
6月 4日14時~ 弁論期日
⑵ 宿題
ア 4月22日までに谷本尋問に関する意見書,及び,尋問スケジュール
イ 5月末までに水道料金に関する主張(控訴審提出分)
ウ 尋問予定当事者の選定,及び,起業地住民の陳述書を提出する(期限は尋問の2週間から1か月前)。
⇒ 尋問候補日①7月17日終日,候補日②9月18日終日

双方が提出した書面

原告側

J14(佐世保市再評価問題)

被告側

佐世保市意見書 利水
長崎県準備書面(6)治水

マスコミ報道

3月11日の事業認定取消訴訟第2回控訴審と翌12日の工事差止訴訟第10回口頭弁論について、長崎新聞が報じていますので、転載します。

20190311-12 新聞報道

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

愛媛・鹿野川ダムで新放流設備が完成 西日本豪雨で氾濫の肱川上流 しかし、緊急放流は避けられなかった

2019年3月14日
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昨年7月の西日本豪雨で野村ダムとともに、ダムからの緊急放流により、肱川の大氾濫を引き起こした鹿野川ダムの新放流設備がほぼ完成し、昨日、試験放流が行われました。その記事とニュースを掲載します。
新放流設備のトンネル洪水吐は、現在の放流ゲートより23メートル低い位置に設置され、毎秒600トンの放流能力があり、洪水調節容量はこれまでの1650万トンから2390万トンに増加します。
しかし、昨年の西日本豪雨の前にこの改造が終わっていれば、緊急放流を避けることができたかというと、決してそうではありません。
昨年7月の鹿野川ダムの貯水量の変化をみると、下図のとおり、鹿野川ダムは事前放流を行って(発電用の放流管(最大毎秒28トン)を使用)、貯水量を豪雨直前は749.8万トンに落としていました。有効貯水容量が2980万トンですから、差し引き2230万トンの空き容量が確保されていました。改造後の2390万トンと大差がありません。したがって、改造後であっても、昨年の緊急放流は避けられませんでした。
さらに問題とすべきことは肱川ではこの鹿野川ダム改造に487億円の公費が投じられ、また、山鳥坂ダムの建設が優先され、その結果、肱川の無堤防地区の河川改修がなおざりにされてきたことです。
肱川ではダム優先の治水行政が昨年7月の大氾濫を引き起こしたのです。

愛媛・鹿野川ダムで新放流設備が完成 西日本豪雨で氾濫の肱川上流
(毎日新聞2019年3月12日 19時50分) https://mainichi.jp/articles/20190312/k00/00m/040/218000c

(写真)大量の水を二筋で放流するトンネル洪水吐(手前)。奥はダム堰堤(えんてい)上部から放水するクレストゲート=愛媛県大洲市肱川町山鳥坂の鹿野川ダムで2019年3月12日午前11時23分、中川祐一撮影
昨年7月の西日本豪雨で氾濫した肱川(ひじかわ)上流にある鹿野川ダム(愛媛県大洲市肱川町山鳥坂)で、新しい放流設備「トンネル洪水吐(ばき)」がほぼ完成し、12日に試験放流があった。豪雨では大規模放流後に氾濫が起きたが、従来より低い貯水位から放流することで約1.4倍の洪水調節容量を確保でき、治水能力向上が期待される。
トンネル洪水吐は、ダムの貯水池と下流の河川をトンネルでつないだ放流設備。ダム上部のゲートの23メートル下にトンネルを設けることで、従来よりも約5メートル低い貯水位から洪水調節が可能になる。洪水調節容量はこれまでの1650万トンから2390万トンと約1.4倍に増えるという。6月中旬の出水期までに操作規則を改定した上で運用を開始する予定で、国管理ダムでの運用は全国初になるという。
ダムを管理する国土交通省四国地方整備局山鳥坂ダム工事事務所の小長井彰祐所長は「洪水が来る前に(より多くの)放流が可能になり、ダムにためられる容量が増える。洪水被害が起こらないようにしたい」と話した。【中川祐一】

愛媛)洪水調節容量1.4倍 鹿野川ダム洪水吐試験放流
(朝日新聞愛媛版2019年3月13日03時00分) https://digital.asahi.com/articles/ASM3D4RW2M3DPFIB00Q.html?iref=pc_ss_date

(写真)トンネル洪水吐(左)から流れる水。右奥は鹿野川ダム=2019年3月12日午前11時32分、愛媛県大洲市、佐藤英法撮影

国土交通省山鳥坂ダム工事事務所は12日、鹿野川ダム(愛媛県大洲市肱川町)で洪水調整のために建設を進めている「トンネル洪水吐(こうずいばき)」の試験放流を実施し、一般公開した。見学を希望した住民ら約300人が放流する様子を見守った。
同事務所によると、洪水吐はダム湖から水を抜くトンネルで、全長は約458メートル、内径は11・5メートル。水を放流するダムゲートの下部に建設した。現在は物理的にゲートの高さよりダムの水位を下げられないが、完成後は降雨前に水位をより下げられる。同事務所は「ダムの洪水調節容量を約1・4倍に増やすことができ、下流の洪水被害を軽減できる」としている。
下流の大洲盆地で浸水被害が繰り返されたために、2011年度から本体工事に着手し、雨量が増え始める今年6月中旬ごろまでの運用開始を予定している。昨年7月の西日本豪雨では鹿野川ダム上流で観測史上最大の雨が降り、ダムの緊急放流(異常洪水時防災操作)が行われ、大洲盆地では大きな被害が出た。工事現場も被災し、今年度内予定だった完成が遅れた。総事業費は約487億円。
この日は水を流してトンネルのゲートの作動などを確認した。放流を見つめていた大洲市の70代女性は「大洲は再三、水につかってきたから(トンネル洪水吐に)関心があった。水害のないまちにしてもらいたい」と話していた。(佐藤英法)

鹿野川ダム トンネル洪水吐試験放流(愛媛県)
(南海放送2019/3/12(火) 17:47配信) https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190312-00000140-rnb-l38
(写真)鹿野川ダム トンネル洪水吐試験放流
豪雨などの際の洪水調節機能を高めるために大洲市の鹿野川ダムで、建設が進められている「トンネル洪水吐」の試験放流が行われました。
12日午前11時から行われた試験放流では、完成を控えたトンネル洪水吐から最大で毎秒38トンの放流が行われ、設備の動作確認や下流の水質確認などが行われました。
鹿野川ダムの洪水吐は、ダム湖と下流側を繋ぐ全長458メートル直径11.5メートルのトンネルで、現在の放流ゲートより23メートル低い位置に設置されています。
これによりこれまでより早い段階での洪水調節が可能になり、調節できる容量も現在の1650万トンから2390万トンに増加します。
山鳥坂ダム工事事務所の小長井彰祐所長は「洪水吐の運用で下流、そして上流の野村も含めて洪水被害ができるだけ、起こらないように、また軽減されるようにと切に願っている」と話しています。
洪水吐の設置に伴い鹿野川ダムは操作規則の変更を協議していて、6月中旬の運用開始を目指すということです。

鹿野川ダム試験放流、被害軽減めざす
(iza 2019.3.14 09:05 )http://www.iza.ne.jp/kiji/life/news/190314/lif19031409050013-n1.html

鹿野川ダム(愛媛県大洲市肱川町)の洪水調節容量を増やすための放流設備「トンネル洪水吐(ばき)」工事完成を前に12日、ゲートの動作確認を行う試験放流が地元住民らに公開された。同ダムは昨年7月の西日本豪雨時、緊急放流で基準放流量の6倍の放流を行い、下流域で大きな浸水被害が出た。
鹿野川ダムは治水・発電を目的に昭和34年に完成した。有効貯水量2980万トンのうち、洪水調節に割り当てられる容量は1650万トン。ダム本体の高い位置に放流ゲートが設置されているため、これまでは事前に貯水位を下げておくことができなかった。
洪水吐はゲートから23メートル下に設置。ダム上流の呑口で取水し、肱川右岸に掘られた475メートルのトンネルを抜けてダム下流の吐口から最大毎秒600トンを放流する。洪水が起きそうなときは事前放流を行う。完成後の洪水調節容量は従来の1・4倍にあたる2390万トンとなる。
この日は、試験として吐口から毎秒38トンの水が放流され、住民ら約300人が見学した。ダムを管理する国土交通省山鳥坂工事事務所の小長井彰祐所長は「洪水吐の運用で洪水被害が軽減されることを願う」と説明。放流による流水の濁りや水温など水質調査も行った。洪水吐の運用は6月中旬の予定で、これに伴うダム操作規則については「出水期までに改定したい」としている。
ダム下流域に住む大洲市徳森の片岡潤子さん(69)は西日本豪雨で床上2メートルの浸水被害を受けた。「あの時ほどの出水に(ダムが)耐えられるか、まだ半分は不安だが、期待したい」と話した。

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