水源連:Japan River Keeper Alliance

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最上小国川ダムの早期整備と安全を祈願 反対派は抗議活動(2012年10月29日 )

2012年10月30日
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最上小国川ダムの早期整備と安全を祈願 反対派は抗議活動(山形新聞2012年10月30日)http://www.yamagata-np.jp/news/201210/30/kj_2012103000872.php

(写真)最上小国川ダム関連工事の着工を受け、あいさつする最上小国川穴あきダム建設促進協議会会長の高橋重美最上町長(左)=最上町富沢
県が最上町の最上小国川に整備する流水型(穴あき)方式のダム工事が始まったことを受け、最上小国川穴あきダム建設促進協議会(会長・高橋重美最上町長)などは29日、着工を祝う会と安全祈願祭を同町富沢の現地で開き、関係者らが早期整備と無事故を祈った。
事業主体の県や最上町、工事関係者ら約60人が出席した。高橋町長は「ダム整備は20年以上前からの懸案事項。環境に配慮した安全安心のとりでが整備される。災害は必ず起きる。備えが重要だ」とあいさつした。
ダムは洪水が相次いだ最上小国川の治水対策として整備する。2012年度は工事用道路整備などを行う計画で、今月13日に着工した。本体工事は13年度からを予定。15年度の完成を目指す。
着工を受け、赤倉温泉町内会の早坂義範会長は「20年間待ち、ようやく着工されてほっとしている」と安堵(あんど)の表情を見せた。
一方、ダムに頼らない治水を訴え、整備に反対している「小国川の清流を守る会」のメンバー約15人が式典会場近くで横断幕を広げるなどの抗議活動を行った。
同会代表の高桑順一神室山系の自然を守る会会長は「ダム建設に対する公金支出をしないことなどを求める訴訟を起こしているのに納得できない」と話した。
計画推進の考えあらためて示す 吉村知事
最上小国川ダムについて、吉村美栄子知事は29日の定例会見で「赤倉地区の住民の安全安心を守ることが私の責務。早期に(本体工事に)取り掛からなくてはならない」とし、あらためて現計画を推進する考えを示した。
地元漁協などの反対活動に関連し、土地収用法に基づき、県が漁業権を強制収用する可能性を問われると、「強制的な手段はできるだけ取りたくない。安全安心の確保と内水面漁業振興を両立するため、(漁協側と)しっかり話し合いたい」と述べた。

最上小国川ダム「祝う会」と反対運動(山形放送 2012年10月29日 )
http://news24.jp/nnn/news8873081.html

最上町に建設予定の最上小国川ダムの道路工事が始まったのを受け、29日、現地で安全祈願祭が行われた。
一方で、反対派の団体は会場近くでシュプレヒコールを上げた。安全祈願祭には赤倉地区民をはじめ国会議員、県議などおよそ60人が出席して、玉串を捧げ、工事の安全を祈った。
続いて開かれた「着工を祝う会」では最上小国川穴あきダム建設促進協議会会長の高橋重美最上町長が「安心安全の砦の工事が20年越しの懸案事業がいよいよ始まった」とあいさつ。
鍬入れを行って、工事開始を祝った。赤倉地区代表の早坂義範さんは「夜、夜中大雨降るたびに起こされて、枕を高くして寝られることが一日も早く(来ることを)お願いしたい」。
一方、会場近くではダムの建設に反対している「最上小国川の清流を守る会」の会員ら15人が祈願祭の出席者に向け、建設反対のシュプレヒコールを上げ、アピールした。
最上小国川の清流を守る会の高桑順一代表は「訴状を提出して、裁判に今なっているが、その最中に(工事を)強行することはとても考えられない」。
最上小国川ダムについては今月13日に工事用道路の工事が始まったが、地元の漁協が漁業権を主張して、本体工事の着工に反対している。

路木ダムの進捗状況

2012年10月28日
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住民訴訟もなんのその、路木ダム建設進行

治水・利水両面でその必要性が捏造されている路木ダム建設が、住民訴訟係争中にもかかわらず、進行しています。

9月時点の進行状況です。照葉樹林帯が無残にも切り開かれています。

 

木下昌明の映画批評~自然に寄り添って生きる意味『流 ながれ』

ポレポレ東中野で上映中の『流 ながれ』の映画批評です。映画の上映期間と時刻は http://www.mmjp.or.jp/pole2/ をご覧ください。

なお、カワラノギクという野草は、http://d.hatena.ne.jp/Limnology/20111123/p1 によれば、「日本の川中流部は本来、洪水を起こして、その度に植生が一掃され、礫だけになります。カワラノギクはそういった攪乱が起こる河川に適応して生きてきた植物です。」ので、洪水が起こらなくなった河川では、進入してくる他の植物に負けてしま」う植物です。ダムで洪水を貯留して川の攪乱が起きにくくなると、カワラノギクは衰退していきます。
この映画批評に書いてあるように、「ダムができて形だけ川であってもそれは自然な流れではない』のです。各地で再びダム建設に向かう河川行政を何として変えていかなければなりません。

木下昌明の映画批評~自然に寄り添って生きる意味『流 ながれ」(レイバ-ネット 『サンデー毎日』 2012年11月4日号)

http://www.labornetjp.org/news/2012/1028eiga
●能勢広・村上浩康制作『流 ながれ』

老人二人の活動から川を知る―自然に寄り添って生きる意味

能勢広・村上浩康の映画『流 ながれ』は、神奈川県の中津川が舞台である。

中津川といえば、渓流釣りが好きだった仕事仲間がよく出かけていた川で、昨日は何を釣ったとか自慢していたが、この映画はその種の話ではなく、川が川として成り立っている基本を教えてくれるドキュメンタリーだ。

といっても、河原に野草のカワラノギクを植え続けている吉江啓蔵と、トンボやカゲロウなどの幼虫である水生昆虫を調査し続けている齋藤知一の二人の地道な活動を10年にわたって撮った、地味であるが貴重な作品である。

丹沢山地を源流とする中津川は、相模川の支流にあたり約30キロを蛇行しながら流れている。上空からの俯瞰(ふかん)撮影には、川にそって民家が並ぶ日本の原風景が広がっていた。

だが、2000年にダムができて、下流に環境の変化をもたらしている。そのことが二人の老人の活動から次第に見えてくる。

なぜ、吉江老人はカワラノギクを植えるのか。河川の整備や砂利採集などで石ころの河原が少なくなり、この花が絶滅危惧種となったからだ。

「生涯に一度しか咲かない」花は、かつて河原一面に咲き誇っていた。それが見られなくなるのを惜しんで、誰に頼まれたわけでもないのに、彼は一人で種を採り、家で育て、その株を移植している。

水生昆虫調査の齋藤老人は、石をひっくり返し、その生態を調べている。映画を見るまでは魚のエサにしか見えなかった幼虫なのに、流れに抗(あらが)い、石にしがみつき、必死に動き回っている姿を画面で見ていると、いとおしくなってくる。

昆虫はダムの突然の放水に適応できずに種類が極端に減ったと。彼は「ダムができて形だけ川であってもそれは自然な流れではない」と言う。

「コンクリートから人へ」の象徴だった八ッ場ダムでバタバタしている政府の河川環境への無策は、心ある人々の活動を逆なでするものだ――自然に寄り添って生きることの大切さを訴える映画を見ながら、静かな怒りがこみあげてくる。

(木下昌明)
*東京・ポレポレ東中野にて10月27日より公開。〔付記〕 この二人のように、人々の無関心な自然と向きあい、小さな生き物の生態から世の中の動きを観察していくことも、人間の一つの生き方であり、とても重要なことではないかとわたしは考える。

ダムも長寿命化へ転換 計画的補修へ詳細点検(読売新聞栃木版 2012年10月27日)

2012年10月28日
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ダムも長寿命化へ転換  計画的補修へ詳細点検(読売新聞栃木版 2012年10月27日)

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tochigi/feature/utunomiya1350954399866_02/news/20121027-OYT8T00112.htm

記事のポイントを書き出すと、次のとおりです。維持管理費の削減のため、電気・機械設備等を計画的に補修していくというものです。しかし、100年以上の長い年月を考えたら、ダムの行く末はどうなるのでしょうか。

〇 ダム本体のコンクリート部分は、少なくとも100年はもつ。だから、他の構造物ほど長寿命化は考えられてこなかった。
〇 水門や弁などの金属部分や電気、機械設備は、20、30年で更新時期を迎える。
〇 各ダムごとに詳細な点検を実施し、部品ごとに優先順位を定めた補修計画を立てる。これまでは異常があったところを補修してきたが、計画的に補修を進めれば、壊れてから修繕するよりも費用を縮減できる。目的は、維持管理費の削減だ。

(写真)ワイヤが老朽化していないか確認する県安足土木事務所の職員(9月19日、足利市の松田川ダムで)
足利市北部にある松田川ダム(1995年完成)。「財団法人ダム技術センター」(東京)の職員が、コンクリートの表面に薬品を吹きかけると、アルカリ性を示す紫色になった。アルカリ性から酸性に向けた進行は劣化を表すため「中性化」していない状況が確認出来た。
ダム維持管理費削減などのため導入された県の「とちぎダム長寿命化プロジェクト」で、耐久性などが問題ないとされた松田川ダム(足利市)
「とちぎダム長寿命化プロジェクト」の一環として、県は9月5日、同センターと共同で同ダムの調査を実施。ボートに乗って貯水池のコンクリートの点検のほか、貯水量や放水量などが分かるデジタル表示が正常に作動しているかなど、1か月~1年に1回の割合で行う定期点検より細かく調べた。
ダムを管理する県安足土木事務所保全第1部の影山晃弘部長は「人が人間ドックを受けるようなもの。全体的な症状が目に見え、効率的な管理につながる」と説明する。
機械設備は20、30年 同センターの池田隆・企画部長は、「ダム本体のコンクリート部分は、少なくとも100年はもつ。だから、他の構造物ほど長寿命化は考えられてこなかった」と説明する。
しかし、水門や弁などの金属部分や電気、機械設備は、20、30年で更新時期を迎えるとされる。県砂防水資源課によると、県営ダムは7か所あるが、維持管理に使える予算は近年、年間3億円前後で推移しているという。
同課の担当者は、「これまで必要最低限の部分しか直せなかった。先延ばしできる部分は先延ばししてきた」と明かす。
「修繕先送りしない」 完成後30年以上経過する県営ダムは、2008年現在で「中禅寺ダム」(日光市)、「西荒川ダム」(塩谷町)、「塩原ダム」(那須塩原市)の3か所だったが、14年に4か所、20年に5か所に増える。
「プロジェクト」は10年、財政難に危機感を募らせた同課が、橋などで行われていた長寿命化の取り組みを参考に始めた。目的は、維持管理費の削減だ。
各ダムごとに詳細な点検を実施し、部品ごとに優先順位を定めた補修計画を立てる。これまでは異常があったところを補修してきたが、計画的に補修を進めれば、壊れてから修繕するよりも費用を縮減できる。
また、場当たり的な対応にならず、年度ごとの費用にばらつきが出ないという。京都大大学院工学研究科の小林潔司教授(インフラマネジメント)は「ダムは修繕を先送りしないことが大事」と、同プロジェクトを評価する。
県はプロジェクトに基づき、11年度、県営ダム4か所の補修計画を作った。今年度は松田川ダムを含む残り3か所を策定し、来年度には、各ダムの計画を基に、県営ダム全体の長寿命化修繕計画を完成させる方針だ。
県砂防水資源課の松本茂副主幹は、「ダムは代替が利かない施設で、壊れたときの影響が大きい。早めの修理で、安全性もさらに高められる」と意義を語る。
▼建設60~70年代ピーク
「財団法人日本ダム協会」(東京)によると、全国にはかんがい、上水道、工業用など約2800のダムがある。建設時期は1960~70年代がピークで、完成後50年以上経過したダムが現在、約半数を占める。
国土交通省は昨年、ダムの機械設備については長寿命化計画のマニュアルを定めたが、電気通信設備やダム本体については、今年度中の策定を目指して検討を進めている。
同省河川環境課の渕上吾郎課長補佐は、「栃木県の長寿命化の取り組みは、全国に先駆けた事例」と評価する。
ダムによる治水と利水は、発電やかんがいなど住民生活で重要な役割を担っていることから、京都大防災研究所水資源環境研究センターの角哲也教授(河川工学)は、
「長寿命化によりコスト縮減だけでなく、安全に長く使い続けられる意義は大きい」と指摘。「栃木県と国の取り組みが各県に良い影響を与え、全国のダムの維持管理レベルの底上げにつながる」と述べている。

山鳥坂ダム:凍結解除へ 四国地整が「最良」の評価案 治水などコストで有利 ( 毎日新聞2012年 10月27日)

2012年10月27日
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山鳥坂ダム:凍結解除へ 四国地整が「最良」の評価案 治水などコストで有利 ( 毎日新聞2012年 10月27日)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121027-00000286-mailo-l38
民主党への政権交代に伴い凍結された国直轄の山鳥坂ダム(大洲市肱川町山鳥坂)の是非を再検証していた国土交通省四国地方整備局が、経済性や実効性からダム事業の継続が最良だとする総合評価案をまとめたことが26日、関係者への取材で分かった。
29日に県、大洲市、西予市、内子町の地元自治体と開く「検討の場」で提示する。正式決定にはまだ手続きが残るが、3年に及ぶ凍結は解除に向かう方向性がほぼ固まった。【中村敦茂、門田修一】
同ダムは、政権交代後の国のダム事業見直しで、群馬県の「八ッ場(やんば)ダム」などとともに09年10月に凍結された。四国地整は10年に代替案を立案し比較する再検証を開始。
今年8月には、河道掘削や遊水地、堤防かさ上げなどの代替の治水策を8案、適正流量維持の代替策を3案に絞り込んでいた。
国や自治体関係者によると、四国地整は、絞り込んだ代替案とダム案とを、コストや安全性など七つの評価項目で比較し、8~9月に実施したパブリックコメントの意見や提案も踏まえ検討。
この結果、治水、適正流量維持のいずれの面でもダム案が最も有利となり、これらを総合した評価案として、ダム案が最良と結論づけたという。
四国地整はコストを重視する方針だったが、8月に示された代替案のコストは治水策で各100億~200億円、適正流量維持策で各200億~600億円、それぞれダムの場合を上回った。また代替案の多くが多数の家屋移転を前提とするなど実現性の課題もあった。
29日の検討の場は大洲市内で開かれ、中村時広知事や大洲、西予、内子3市町の首長らが出席。四国地整は今後、
評価案に対する一般や学識者の意見聴取をして局としての方針を決めるが、総合評価案を踏まえ、事業継続を妥当と判断する可能性が高い。
最終的な事業の可否は、国土交通相が同省の有識者会議の結果を踏まえて判断する。
同省治水課によると、全国の見直し対象83事業のうち、これまでに結論が出たのは建設継続が決まった八ッ場ダムなど39事業(うち国直轄は5事業)で、いずれも地方局の方針が認められている。

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