水源連:Japan River Keeper Alliance

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各地ダムの情報

再再再反論書について  石木ダム

2021年7月22日
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2021年7月30日、再々再反論書投函

昨日、2021年7月30日、審査請求人106名連名で、再々再反論書を国土交通省土地収用管理室宛に投函しました。

再々再反論書20210724版に対していただいたご意見を反映させ、その上で再々再反論としてのまとめ等を補足して提出しましたので、修正歴付と、修正歴削除の両fileを掲載します。

土地収用法では、収用明渡審理は事業認定の中身については審理しないとしています。事業認定の中身について被収用者が論じることが禁止された状態でなされた収用明渡裁決は、被収用者にとって人権侵害そのものです。土地収用法を適用したこと自体が違憲であること、収用裁決に至る経過が違憲であることなど、「石木ダム事業は憲法違反である」に心血を注いだつもりです。

再々再反論書作成・提出にあたって、皆様にお世話になりました。
有難うございました。

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再々再反論書提出までの経過

石木ダムの「収用明渡裁決取消しを求める審査請求」で6月24日に審理員二井俊充氏より、長崎県収用委員会会長梶村龍太氏による再々再弁明書(副本)と共に再々再反論書提出の意思ががあるならば、2021年7月30日を期限とする旨の通知を受けました。その再々再反論書作成を試みました。

再々反論書と同様に、遠藤保男外102人 の形(=連名)にして7月30日付けで、国土交通省栃収用管理室に郵送しようと思います。

再々再反論書の案文を添付いたします。
再々再反論書20210722

誤字脱字を修正しました。
憲法第99条の視点からの見直しを提案いただきました。
以上を反映させた修正版です。よろしく!
憲法第99条の視点からの修正部分は黄色のハイライト表示を施してあります。
再々再反論書20210724
参考:第九十九条  天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。

連名提出を御願いする105名様には別途、個人メールを差し上げます。

なお、収用明渡裁決取消しを求める審査請求については、下記を参照願います。

長崎県、石木ダム建設で 住民との話し合い日のみ「工事を中断」

2021年7月21日
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長崎県知事と石木ダム予定地住民との話し合いについて、長崎県は住民側に7月19日付けの文書で期間や条件を示しました。その記事とニュースを掲載します。

7月12日付けで石木ダム建設絶対反対司盟が提出した文書は次の通りです。

6月30日付け県土木部からの文書への回答

私達は、知事との話合いは工事を中断し穏やかな環境の中で話合いが山来るようお願いしてまいりました(これは知事か望まれていることでもあります)。

しかし、私達が抗議現場を離れれば工事を進めると私達の感情を害する回答があり、穏やかな中での話し合いを望めるものではありません。

今回新たに出された知事との話合いの文書を受け、皆で協議し下記の条件下で話合いに臨みたいと思います。

1,即時工事を中断し、話合いの期間中は工事をしない(ただし付替え道路の側溝工事や舗装工事は除く)及び新たな工事に着手しないことを約束すること

2、場所 川原公民館を希望する

3、日時 若い人も参加できるよう日曜日の午後か平日なら19時以降

4、話合いには知事が参加し、石木ダムの必要性について私達がわかるように説明する

以上、知事の都合のつく日をお知らせください。お待ちしていますのでよろしくお願いします。

 

これに対して7月19日付けで長崎県が示した回答は次の通りです。

1.話し合いの期間は、令和3年8月31日(火)までとし、石木ダム建設事業に関する工事は、話し合いの当日に限り中断します。なお、即時工事を中断し、話し合いの期間中は工事をしないことや、新たな工事に着手しないとすることは困難であります。

2.県の司会進行により静穏な環境を確保したうえで、13世帯の皆様と直接お話させていただきます。なお、参加者は13世帯の皆様限りとします。

3.今回は、当事者間による直接の話し合いを行いたく、報道機関への公開は話し合いの冒頭のみとすることを考えております。

4.新型コロナ感染防止のため、一定の広さが保てる会場が必要なことから、川棚町公民館での開催を考えております。

5.日時については、皆様からお示しいただいた条件で調整したいと考えております。

 

しかし、長崎県の回答は、「話し合い当日に限った工事の中断」ですから、どうしようもありません。

 

 石木ダム工事 話し合い 8月末まで 長崎県が条件提示 即時中断は「困難」

(長崎新聞2021/7/21 14:00) https://nordot.app/790420163457925120?c=174761113988793844

長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業で、県は20日、中村法道知事との対話に向けた条件を詰めるため、水没予定地に暮らす13世帯の反対住民に19日付で郵送した文書の内容を公表した。県側の条件として、期間は8月31日までで、話し合い当日に限り工事を中断すると明記。住民から求められた工事の即時中断や、継続的な中断は「困難」としている。条件提示を受け、住民側は内部で話し合うという。
住民側は今月12日付の文書で、▽関連工事を即時中断し、期間中は工事をしない▽会場は川原公民館▽若い住民も参加できるよう日曜午後か平日午後7時以降に実施▽知事がダムの必要性について住民に分かるように説明する-の四つを条件に挙げていた。
これに対し県は▽県が司会進行し、参加者は13世帯に限る▽報道陣への公開は冒頭だけ▽新型コロナウイルス感染防止のため広さが確保できる川棚町中央公民館で開催-など五つの条件を示した。今月28日までに話し合いの可否を回答するよう求めた。
住民の岩下和雄さん(74)は取材に「工事を1日だけ止めて何になる。本当に話し合う気があるのか」と首をかしげた。岩本宏之さん(76)は「8月31日まで工事を止めると言うならまだしも、誠意を感じられない」と憤った。
県は5月から2回、条件面を詰める事前協議を文書で申し入れ、住民側は工事の即時中断を求めた。県は6月30日付の3度目の文書で対面の事前協議に応じる場合は当日に限り工事を全て止めると明記した。対面での協議を望まない場合は工事中断の期間や範囲など条件を示すよう求め、住民側が文書で回答したことから、県側は文書での事前協議が始まったと解釈した。

 

長崎県、石木ダム建設で 住民との話し合い日のみ「工事を中断」

(西日本新聞2021/7/21 11:30) https://www.nishinippon.co.jp/item/n/773544/

長崎県川棚町で進む石木ダム建設事業を巡り、県は20日、水没予定地の住民に対して、県知事との話し合い実現に向けた条件として「話し合い当日に限った工事の中断」を提示したことを明らかにした。住民側はこれまで「工事を即時中断し、話し合い期間中は実施しないこと」を求めていたが、県は応じなかった。

県は条件を示した文書を19日付で水没予定地の13世帯に郵送。話し合いの期間を8月末までに設定し、今月28日までに住民側に受け入れるかどうかの連絡を求めた。また、話し合いは住民のみ出席可能で、報道陣への公開は冒頭のみとする考えも併せて示した。

住民側は県が提示した条件について、今後協議して対応を決めるという。 (泉修平、岩佐遼介)

長崎県庁

 

石木ダム 県が知事との話し合いに向け条件を提示「7月28日までの回答を」【長崎県】

(テレビ長崎2021/7/20(火) 20:59)https://news.yahoo.co.jp/articles/3c1c234f5a28316b4fa549d1cd30d1a24262847f

 

東彼・川棚町に計画されている石木ダム建設を巡る知事と反対住民との話し合いに向け、長崎県は住民側に改めて期間や条件を示しました。 19日、長崎県がダムの建設に反対する住民に送った文書です。 知事との話し合いの期間について「8月末までとする」と初めて明記し、参加は反対住民の 13世帯 に限るとしています。 会場については、住民側がダムの建設予定地内の川原公民館を希望していますが、長崎県は感染症対策を理由に、川棚町内の中央公民館を提案しています。 長崎県と住民との間では、話し合いの条件を巡り、文書のやり取りが続いていて、工事の中断が大きなハードルとなっています。 住民側は話し合いの間は工事の中断を求めていますが、長崎県は「話し合いの当日に限り中断する」との姿勢を崩していません。 長崎県は住民側に7月28日までの回答を求めています。

 

石木ダムで知事、対話へ条件提示 県、住民へ文書送付 /長崎

(毎日新聞長崎版 2021/7/21)https://mainichi.jp/articles/20210721/ddl/k42/040/443000c

県と佐世保市が川棚町で進める石木ダム建設を巡り、県は19日、知事と水没予定地の13世帯の住民との対話について、話し合いの期限を8月末までとし、対話が実施される日に限り工事を中断するなどの具体的な条件を示した文書を住民に送付した。

文書では、県が協議を進行する▽参加者は13世帯の住民に限る▽会場を川棚町中央公民館とする――ことなどを提案。一方で住民側が提示していた工事の即時中断については「困難」とし、話し合いは開催回数を問わず8月31日までで終了することを求めている。

一方、「石木ダム建設に反対する川棚町民の会」(炭谷猛代表)は20日、ダム建設に伴う県道の付け替え工事現場で特定外来生物「ナルトサワギク」が繁茂していることについて、専門家への相談内容や防除作業の計画を明らかにするよう県に申し入れた。県河川課は「来週にも現場で調査し、抜き取りなど対応を検討する」としている。【松村真友】

〔長崎版〕

球磨川水系河川整備基本方針の変更に関する審議会 川辺川ダム(流水型ダム)の推進に向けて動き出した国交省

2021年7月17日
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7月8日に開催された「球磨川水系河川整備基本方針の変更」を審議する国土交通省の小委員会の第1会議の資料が国土交通省のHPに掲載されました。その配布資料は次の通りです。

 

「国土交通省 第112回 河川整備基本方針検討小委員会(令和3年7月8日開催)配付資料

https://www.mlit.go.jp/river/shinngikai_blog/shaseishin/kasenbunkakai/shouiinkai/kihonhoushin/dai112kai/index.html

議事次第 (PDF:58KB)

委員名簿 (PDF:71KB)

付議書及び付託書(PDF:108KB)

社会資本整備審議会運営規則、社会資本整備審議会河川分科会運営規則(PDF:132KB)

資料1 河川整備基本方針の変更の考え方について(PDF:3.88MB)

資料2 令和2年7月豪雨について(PDF:16.0MB)

資料3 球磨川水系河川整備基本方針の変更について(PDF:22.7MB)

参考資料1 令和2年7月豪雨について<参考資料>(PDF:6.63MB)

参考資料2 球磨川水系流域治水プロジェクト(PDF:5.00MB)

参考資料3 球磨川水系 管内図・流域図(PDF:28.4MB)第112回 河川整備基本方針検討小委員会 配付資料一覧 」

 

以上の資料のうち、資料2 令和2年7月豪雨について

https://www.mlit.go.jp/river/shinngikai_blog/shaseishin/kasenbunkakai/shouiinkai/kihonhoushin/dai112kai/06_shiryou2_reiwa2nengouu.pdf

の5ページに下記の資料が掲載されています。

球磨川の人吉地点に関しては、現在の基本方針の基本高水流量は7000㎥/秒ですが、2020年7月洪水の流量は、氾濫戻し、市房ダム調節分戻しを行うと、約7900㎥/秒となっています。

これから、基本高水流量を7000㎥/秒から7900㎥/秒以上に引き上げ、川辺川ダム(流水型ダム)を前提とする河川整備基本方針を新たにつくられていくことが予想されます。

河川整備基本方針そのものには川辺川ダムは書かれませんが、次にその基本方針を前提として、川辺川ダム(流水型ダム)を明記した河川整備計画が策定されていくことが予想されます。

しかし、2020年7月の球磨川大氾濫は、川辺川の影響は比較的小さく、人吉付近で球磨川に合流する山田川等の支川、球磨村・渡で合流する小川など、支川の氾濫の影響が大きく、当時、仮に川辺川ダムがあっても、大氾濫をあまり防ぐことができなかったという調査結果が市民側から示されています。

けれども、国土交通省と熊本県は2020年7月の球磨川大氾濫を川辺川ダム(流水型ダム)推進の絶好の機会として、新たな球磨川水系河川整備基本方針を策定しようとしています。

九州豪雨から1年 治水対策、丁寧な情報を(球磨川水害被災地の現状)

2021年7月14日
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昨年の熊本豪雨による球磨川大氾濫から1年経ちました。被災地の現状を伝える記事を掲載します。

具体的な改善計画が示されない中、住民の間に不安が広がっています。

国と熊本県は完成が10年先になるという流水型川辺川ダムの建設よりも、球磨川流域の安全性を早く高める対策に力を注ぐべきです。

 

記者の目

九州豪雨から1年 治水対策、丁寧な情報を=城島勇人(熊本支局)

(毎日新聞 2021/7/14 東京朝刊) https://mainichi.jp/articles/20210714/ddm/005/070/002000c

九州豪雨から1年の4日、球磨川沿いで黙とうする住民たち=熊本県球磨村で、平川義之撮影

九州5県で79人が死亡、2人が行方不明になった2020年7月の九州豪雨から1年がたった。毎日新聞が6月、氾濫した球磨(くま)川の流域市町村(熊本県)の仮設住宅に住む108人にアンケートしたところ、7割が「住まい再建の見通しが立たない」と回答した。国は豪雨後に復活が決まった支流の川辺川でのダム建設に加え、宅地かさ上げや遊水地の整備など複数の治水対策を組み合わせて被害軽減を図る方針だが、整備場所や完成時期など具体的な計画が示されない中、住民の間に不安が広がっている。国や県は可能な限り情報を提供して不安払拭(ふっしょく)に努めるべきだ。

 

見通しが立たず、生活再建に不安

アンケートでは、74%(80人)が「住まい再建の見通しが立たない」と答え、再建するうえでの問題点として半数近い50人が「治水対策の不透明さ」を挙げた。球磨川や支流の氾濫で家屋の3割が全半壊した球磨村で、自宅が屋根まで水没した上蔀(うわしとみ)修さん(65)は「宅地のかさ上げがいつ終わるか分からないので、再建は難しい」と回答。14人が犠牲になった球磨村の特別養護老人ホーム「千寿園(せんじゅえん)」近くの女性(51)は「自宅周辺が遊水地の候補地になっているが、造るのか、造らないのかはっきりしてほしい」と語った。

市街地が広範囲に浸水し約2400棟が全半壊した人吉市の被災者からも同様の悩みが数多く聞かれた。球磨川と支流の合流点近くの自宅が大規模半壊した40代女性は、資金面では現地での自宅再建が現実的だと考えているが、堤防がどの程度高くなるのか、あるいは宅地をかさ上げしなければならないのかなど、不透明なことが多く再建に踏み出せずにいる。「仮に転居するにしてもどこが安全なのかも分からない。早く具体的な計画を示してほしい」と訴える。

九州豪雨を受け国と自治体が3月に公表した球磨川水系の「流域治水プロジェクト」は、ダムや宅地かさ上げ、洪水時に水をあえて流し込んで一時的に水をためる遊水地の整備のほか、水田を活用する「田んぼダム」、川幅を広げる「引堤(ひきてい)」などを組み合わせ、流域全体で被害軽減を目指すものだ。遊水地や引堤などは住民の移転を伴う可能性があり、宅地かさ上げの対象になれば、かさ上げが終わるまで再建ができない。だが、現状は大まかな整備地域などが示されているだけで、それが住民の不安の原因になっている。

 

利害関係者の合意形成難しく

実現性への不透明感が住民の不安を増幅させている面も否めない。プロジェクトで示された遊水地や引堤などは今回初めて登場したわけではなく、09年に旧民主党政権が川辺川ダムの建設を中止した後も国や県などが代替の治水対策として検討してきた。しかし、優良農地を失うことになる自治体など、利害関係者の合意形成が進まないうちに時間がたち1年前の豪雨被害を招いた経緯がある。流域のある首長は、豪雨後に遊水地の候補地に名前が挙がった一部の地域で早くも反対や不安の声が出始めていると指摘し、地権者らの了解が前提となる対策の実現は今もなお難しいとの見方を示す。

私はダム中止後とは切迫度がまるで異なる今回は、国も県も本気で流域の治水対策を進めるだろうと信じているし、被災から1年で具体的な計画を示すのが難しいことも理解している。一方で国や県が、治水対策の行方が見通せず「住まいの再建ができない」と訴える住民の不安に十分に応えられているとは思えない。アンケートでは、そもそも球磨川流域の治水プロジェクトを「まったく知らない」(41%)と「ほとんど知らない」(40%)で8割を占めた。

アンケートに回答した上蔀さんの自宅があった球磨村神瀬(こうのせ)地区の住民らに対し、村は5月、宅地かさ上げなどのイメージ図を提示。土地が限られた同地区内で災害公営住宅(復興住宅)を建てたとしても、土砂災害警戒区域になるかもしれないといったマイナスの情報もオープンにした。情報が乏しく、村として現状で示しうる範囲内での将来像ではあったが、復興住宅への入居を検討する上蔀さんは「情報が示されたことで、考えることができた。行政は逃げずに知らせてほしい」と村の姿勢を評価する。

熊本県の蒲島郁夫知事は近く球磨川流域の治水対策を住民に説明する場を設ける方針を示している。その時に重要なのは、すべての利害関係者に対して都合のいい情報も、悪い情報も包み隠さず公開する姿勢だ。計画の途中段階であっても、国や県などがその時々で分かっている情報をできる限り示し、丁寧に説明することで、被災者も将来設計を描きやすくなるはずだ。

土俵には簡単に乗れない。石木ダム巡り文書で伝えた4条件

2021年7月14日
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長崎県が知事と水没予定地13世帯の住民との事前協議のために送った文書に対し、「石木ダム建設絶対反対同盟」は7月12日、話し合いのための4条件を文書で伝えました。

その記事を掲載します。

 

土俵には簡単に乗れない。石木ダム巡り文書で伝えた4条件

(西日本新聞2021/7/14 6:00) https://www.nishinippon.co.jp/item/n/770040/

木陰で工事を監視する水没予定地の住民ら=13日、長崎県川棚町

石木ダム・リポート ―7月13日―

「事前協議の場になれば、県は一方的に条件を出してくる。こちらから文書で示した方がいいと思った」

九州北部が梅雨明けした13日、長崎県川棚町の石木ダム建設現場。夏の日差しを避けた木陰で工事を監視していた住民の岩下和雄さん(74)は、県に送った文書の狙いについて、こう説明した。

県が5月下旬以降、住民側に提案している中村法道知事との話し合いと、それに向けた事前協議。今回、県は協議の参加か、文書での回答かを求め、住民側は話し合いのための4条件を文書で伝えた。

(1)住民が座り込む現場での工事の即時中断と、新たな工事に着手しないこと

(2)協議は、水没予定地の公民館で行うこと

(3)日時は若い人が参加できる日曜の午後か、平日なら午後7時以降

(4)知事がダムの必要性などについて、分かるように説明すること

3年前にも、県と住民側は知事との話し合いに向けた協議を2回、開いた。だが、県側は「話し合いは非公開」「工事は止めない」「裁判関係の質問は議論できない」などの条件を出した。住民側は強く反発した。

議論は平行線をたどったまま、2019年9月、土地収用法に基づき住民の土地の所有権が国に移転した。そのタイミングで、住民側が県庁を訪れ、中村知事との5年ぶりの話し合いがもたれている。住民にとっては、決して望んではいない形だった。

話し合いは拒まない。ただ、用意された土俵には簡単に乗れない―。13日の文書には、そんな住民側の意思がにじむ。

(岩佐遼介)

石木ダム 長崎県と同県佐世保市が、治水と市の水源確保を目的に、同県川棚町の石木川流域に計画。1975年度に国が事業採択した。当初完成予定は79年度。移転対象67戸のうち川原(こうばる)地区の13戸は立ち退きを拒否し、計画撤回を求めている。2019年5月に県収用委員会が反対地権者に土地の明け渡しを命じた裁決を出し、同年9月に土地の所有権は国に移転。同年11月の明け渡し期限後、県の行政代執行による強制収用の手続きが可能になった。

 

 

「石木ダム中断」 住民側回答文書 知事対話の事前協議 /長崎

(毎日新聞長崎版 2021/7/14)https://mainichi.jp/articles/20210714/ddl/k42/040/390000c

県と佐世保市が川棚町で進める石木ダム建設を巡り、県が知事と水没予定地の13世帯の住民との対話に向けた事前協議のために送った3回目の文書に対し、住民でつくる「石木ダム建設絶対反対同盟」は12日、工事の即時中断と新たな工事に着手しないよう約束することを求める回答文書を送付した。

この他、協議場所を水没予定地にある川原公民館にすることや若い人が参加できるよう協議の日時を日曜午後か平日午後7時以降にすること、知事がダムの必要性を説明することなどを求めている。

 

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